嵐を心配していたというのに
前夜急いで通り過ぎていったおかげで
その日は眩しいほどの晴天だった。
朝10時の東京駅
待ち合わせがいつも適当な彼は
その日も同じように移動中にメールしてきた。
これは最初からの彼の癖のようなもので
ギリギリになるまで無計画
時間も場所も当日急に変更してくる。
最初はこれに戸惑い、会うまでに本当に会えるのか
不安でクタクタになり、会ったとたん不機嫌な顔を見せてしまってたなぁ。
そんな嫌な思い出さえも懐かしい。
今思うと
忙しい彼が直前まで予定をやり繰りして複数人との時間を調整していた結果だったんだと理解出来る。
ただ
悪気はないとは思うけど私はやっぱりこの癖を優しく受け止めることは出来ないかな。
始めこそ好きが勝ってぐっと我慢していたけど
まもなく私の化けの皮が剥がれたこと…キレた初回の彼の驚いた顔が思い出される。
なぜか今朝はそんな出来事など思い出しながら
私達二人を冷静に観察しているような気分になった。
きっと
半分はまだ好きな気持ちはあるけど
半分は別れた気持ちになっているから
熱くなりすぎず冷静に観察出来るのかな。
駅からほど近いスタバで落ち合うことになった。
横断歩道を小走りに渡ると
明るい日差しの中
前髪を下ろし黒縁の眼鏡をかけ
オリーブグリーンのシャツを着た彼が
所在なさげに立っていた。
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