算数や数学の問題は、これまでに習った知識を横断して使う場合があります。
今回出題する問題は、分数と小数、そして負の数の知識を合わせることで、はじめて答えにたどり着けます。
さて、あなたは正しく計算できるでしょうか?
問題
次の計算をしてください。
3/5÷2.4+1/3×(−0.5)
解答
正解は、「1/12」です。
計算途中でつまずいてしまい、答えにたどり着くことができなかった人はいませんか?
次の「ポイント」で、どうやって計算すればよいのかを確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「分数と小数の計算方法」です。
問題の式には、分数と小数が混じっています。こういった場合は、分数か小数のどちらかに統一して計算します。
ただし、式によって分数に統一すべきか、小数に統一すべきかは変わってきます。
ここで、分数を小数にする方法がうまくいかないケースがあることに気が付きませんか? それは、割り算が割り切れないケースです。例えば、1/3を小数にしようとすると「1÷3=0.333...」と小数点以下に3が続いてしまって、計算しづらくなります。
今回の問題にも1/3が登場するので、この式は分数に統一した方が計算しやすいと分かります。
3/5÷2.4+1/3×(−0.5)
では、2.4や0.5の小数を分数に変換してみましょう。
2.4
=24/10 →分子と分母を2で割って約分する
=12/5
0.5
=5/10 →分子と分母を5で割って約分する
=1/2
これをもとの式に当てはめると、次のようになります。
3/5÷2.4+1/3×(−0.5)
=3/5÷12/5+1/3×(−1/2)
これで式内の数字を分数に統一できました。
では、式の冒頭の「3/5÷12/5」から計算していきましょう。分数の割り算では、「割る数」の分子と分母を逆にして掛けます。
掛け算の途中で、約分できる部分は約分してから計算しましょう。
3/5÷12/5+1/3×(−1/2)
=3/5×5/12+1/3×(−1/2)
=(3×5)/(5×12)+1/3×(−1/2) →太字部分の分子と分母を3と5で割って約分
=(1×1)/(1×4)+1/3×(−1/2)
=1/4+1/3×(−1/2)
次に計算すべき箇所ですが、「1/4+1/3」ではない点に注意してください。足し算と掛け算では、掛け算の方が優先順位の高い演算になります。よって、次に計算する箇所は「1/3×(−1/2)」になります。
さて、「1/3×(−1/2)」は正の数と負の数の掛け算です。このように、異符号どうしの掛け算の答えは、負の数になるというルールがあります。
<正の数と負の数の掛け算と答えの符号の関係>
・同符号どうしの掛け算→答えは正の数になる 例:(+)×(+)=(+)、(−)×(−)=(+)
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数になる 例:(+)×(−)=(−)、(−)×(+)=(−)
「1/3×(−1/2)」の答えは、「1/3×1/2」を計算した数に「-」を付けた数になります。
また、分数の掛け算は、分子どうしと分母どうしを掛ければよいので、計算の続きは次のようになります。
1/4+1/3×(−1/2)
=1/4+{−(1×1)/(3×2)}
=1/4+(−1/6)
負の数の足し算は、正の数の引き算として計算しましょう。
1/4+(−1/6)
=1/4−1/6
あとは、分数の引き算のルール「分母を通分して、分子どうしを引く」に従い、計算すれば答えが出ます。
1/4−1/6
=(1×3)/(4×3)−(1×2)/(6×2) →分子と分母を12に通分する
=3/12−2/12
=1/12
これで答えを出せましたね。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
分数と小数が混じった式では、どちらかの形に統一して計算を進めます。どちらの形に式を統一すればよいのかは、式に登場する数によって異なります。分数の「分子÷分母」が割り切れない場合は、小数を分数にしましょう。
また、負の数の掛け算や引き算、計算順序のルールも覚えておくことが大切です。
他の問題にも挑戦して、学生時代に習った計算ルールを確認してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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