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電脳中国──コロナ後のデジタル・テクニック[無料公開]

本記事の内容は"辺境中国vol.3"に掲載する内容です。

 コロナ禍前から、中国の変化はまさに日進月歩という具合だった。1年行かないだけで都市の様子はあっという間に様変わりし、多くのベンチャー企業が慌ただしく誕生しては、すぐに入れ替わるというような世界だ。
 コロナ禍の4年間を経て、中国には竹のカーテンが下ろされていた。我々にとって知らない世界がまさに日本海を隔てた先に生まれたのだ。そして、コロナの4年間は中国のデジタル社会を大きく進展させた。今や中国で暮らすときはもちろん、旅行などの短期滞在でも中国のデジタル社会の実情についてある程度は知っていなければ、満足に旅行を楽しむことは出来ないといっても過言ではない。
 筆者は22年から暫くの間留学をし、帰国後も3度中国を訪問し、在留邦人・旅行者としての目線で「電脳中国」を色々体験した。今回はその経験を元に、旅行で役立つ分野を中心に解説していきたい。なお、個人の経験と独断に基づくものなので、その点については何卒御理解の上、よろしくお願いしたい。

◯決済関係

 恐らくこれを読んでいる方の殆どが気になっているだろう、かつ最も紙幅を割くべき話題である。今回はまず現金の有用性について解説したうえで、主要な決済手段について言及していきたい。

・現金利用はどこまで出来るか
 中国人民銀行の通知(2018年第10号公告)では電子決済の拡充に伴う現金決済の拒否を禁止し、原則的に現金決済への対応を義務付けるとしている(例外はネット通販と無人店舗販売)。つまりこれに従えば現金決済は中国旅行中も可能であり、それこそ現金を持ち歩いていれば困ることはない。
 しかし、一方で電子決済の拡充に伴い、現金決済に伴う時間などは以前よりもかかっているし、不便になっているのは事実だ。その一番の理由はなんといっても釣り銭不足だろう。比較的外国人が訪れやすい観光地などはまだしも、外国人観光客が少ない地域などでは、既に殆どの市民が電子決済を利用しており、現金決済用にレジなどを使ったり、釣り銭がそもそもないケースなどがあり、手間・時間がかかるケースが多くなっている。
 
 また現金決済で一番問題になるのが、切符の手配や観光施設でチケットを買う場合だ。当然ながら電子決済の拡大は、チケットや切符のオンライン購入を拡大させ、それに伴って観光施設の窓口が縮小するケースが多くなってきた。また、このような窓口には高齢者などが並んでおり、ただでさえ列が長いときもあれば、時にはそもそも窓口がわかりにくい位置に移っていたりして、現金だけでは施設入場の手間・時間が以前にまして非常に多くかかるようになっている。鉄道などの切符購入も同様で、さらに乗車変更や諸々の手続きなどを行う市民が並んでいるため、施設入場券のケースよりもさらに時間がかかる傾向にある。発車時刻が決まっている鉄道と、このような現金決済はあまりにも相性が悪く、なるべくなら利用は避けたい。

・微信決済
 微信決済は中国で最もポピュラーな決済方法で、送金機能が他の決済手段よりもわかりやすく、拡充されているのが一番の特徴である。実際、コロナ前の中国旅行でこれらを登録して、中国人に現金を渡して送金してもらった人などもいるかも知れない。しかし現在ではこの決済手段を使える人は非常に限られてきた。というのも(恐らく)コロナ禍の期間中に、この送金機能の利用には中国の銀行口座の開設が必要になり、この口座と紐ついていなければ個人間送金も利用できないからだ。
 しかし一方で、外国人でもクレジットカード決済なら利用することが出来る。クレカはVISAなどの国際ブランドのカードが利用可能で、ぜひ登録しておきたい。というのも中国では後述の支付宝よりも若干普及しており(やはり個人間送金周りのメリットが大きいのだろう)個人商店や骨董市などの場面では専ら微信決済のコードしかないパターンがあるからだ(一応言えば支付宝のコードを出してもらえるが)。なのでどのみち登録しておくと良いだろう。

・支付宝決済
 個人的に外国人旅行客に一番オススメしたいのがこの決済手段だ。元々電子決済手段として拡充され続けていたというのもあり、外国人にとっても非常に使いやすくなっている。特に一番の特徴としてデビットカードを紐付けられるというのがあり、クレジットカード利用が不安な人も安心して利用できる。例えば、近年日本の口座開設の際にデビット機能が付いたキャッシュカードが発行されるが、これを支付宝に登録すれば、利用時に日本の口座から即時引き落としされるので最適だろう。
 また支付宝にあるツアーパス機能を使えば、クレジットカードを利用して一定金額(2000元まで)をチャージすることも可能だ。このチャージした金額は支付宝同士の個人間送金に使えるので、微信決済の項でも言及した個人商店や骨董市など、クレジットカード決済ができない規模の場面でも役に立つだろう。

・雲支付(楽天決済)
 恐らく中国電子決済手段のニュースターだろう。これのメリットは何を言っても、楽天銀行の口座さえあれば利用できるという点だ。決済のやり方はあまりにも簡単で、スマートフォンに楽天銀行のアプリをダウンロードしたら、そのアプリを開いて「商品・サービス」欄から、銀聯カードのアイコンをタップするだけでいい。そうするとコードが展開されて利用することが出来る(初回のみ20分程度開設手続きのために待機する必要があるが、これも特段の操作は必要ない)。
しかし、これは利用できる場所がまだそこまで多くないという点では注意が必要だ。基本的に銀聯カードのサービスに相乗りしているためか、銀聯カードのコード決済が可能な場所で利用することが出来る。とはいえ、都市圏やホテル、ショッピングセンターなどの規模がしっかりしている商業施設ではだいたい銀聯のコード決済は対応しているので、特段心配いらないだろう。

 以上3種類の決済手段を紹介した。そのうえで私が訪中時に活用している運は、支付宝をメインに、雲支付をサブとして、多少の現金を用いるという方法である。個人的な感触として支付宝はたまに(まさに機嫌が悪い、という具合だ)決済がうまく行かない時があり、その際のバックアップとして雲支付か現金を携帯しておくとだいたい安心して利用することが出来る。

◯交通

 さて、決済手段の不安が解消された後は交通手段をどうするかだ。中国というのはあまりにも広く、寝台列車の車窓を眺めれば、恐らく人の一生でこの広大な国土のすべてを知ることは不可能だろうと思わせてくれる。その中で少しでもいろんな地域を訪れるためには、様々ん交通手段の手配方法を抑えておくことが重要だ。

・タクシー,配車
 今の中国ではアプリ配車が一般的すぎて、もはや流しのタクシーを拾うことは不可能に近い。ただ一応空港や鉄道駅にはタクシープールもあるので、そこからの移動は問題ない。今回は配車アプリについて解説したい。
 タクシーの配車で最も便利なのは、地図アプリから配車してもらうことだ。自分は主に「高徳地図」という地図アプリを利用し配車している。このアプリに支付宝を紐付けたうえで、配車するときは「打車」と書いてあるところを押すと、大きく「你要去哪儿」と書いてあるスペースが出てくるのでそこを押すと降車位置を指定できる。指定すれば自分の現在位置に配車されるという仕組みだ。
 乗車の際は運転手に電話番号の最後2桁を伝え、運転手がそれを入力すると目的地までのナビゲートが開始される。到着したらそのまま降車してよく、そうすると運賃が自動決済されるという仕組みだ。
 これなら会話が苦手な人でも使いやすいし、何よりも車内での決済問題が解消されるので非常にストレスなく利用できる。

・鉄道
 鉄道を利用する際のアプリは主に2つあり、一つは中国旅行必携の「携程旅行」アプリ。もう一つは人民鉄路公式の「12306」がある。留学中は後者を使っていたが、最近では専ら携程旅行を使って手配している。というのも基本的に利用できるサービスは両者の間で大きな差はなく、12306と異なり携程は身分認証を現地でやらなくてもいいというメリットが有る(12306は駅でパスポートを提示して認証すれば自由度高く使える)。
 また鉄道に乗る際はパスポートがそのままチケットになるので、常に出し入れできるようにしておきたい。大きな駅では、駅の入場時,改札時(,寝台列車の場合は乗車時)と2−3回パスポートチェックが存在している。なお、以前までは改札時は、改札の端の方にある「人工通道」を使わなければならなかったが、最近はどうやらどの改札でもパスポート対応が増えてきているようである。

◯買い物・デリバリー

 買い物と言っても基本的には特に困ることはない。日本でコード決済で買い物をするような感じである。この項目では、中国旅行を快適に過ごすための、通販・デリバリーテクニックについて解説していきたい。

ホテルに通販を届ける
 中国ではホテル留で通販の荷物を届けることが一般的になりつつあり、多くのホテルは届いた荷物をロビー近くの部屋などで保管している。このことを知っていれば、中国旅行の前に必要なものを中国の通販で購入して、ホテルにチェックインして受け取ることが可能である。
 注意点は主に2つあり、ひとつは多くの場合注文は宿泊の1週間前くらいに行ったほうが良い。日本では通販で注文すると大体1−2日くらいで届くだろうが、中国は広大なので大体3−4日くらいかかる。遠隔地だともっと掛かるので、余裕を持って1週間くらい前には注文を済ませておきたい。
 もうひとつは届け先の書き方である。基本的にはホテルの住所を書けばいいが、住所の最後の方や受取人氏名のところに宿泊期間を追記しておくと良い。そうするとホテル側も最低限その日までは維持してくれる。
 万が一、宿泊日までに荷物が届かなかったら、その際は迅速にキャンセルしよう。(中国では社会問題になりつつあるが)中国通販は返品・返金が非常に簡単にできるので、間に合わないときは速やかにキャンセルすれば後々にホテルに届いて揉めたりすることはないだろう。

・フードデリバリー活用方法
 日本よりフードデリバリーが発達している中国では、例えば投宿後の夜食や時間がないときの夕食などはもちろんのこと、スーパーや雑貨店までこのサービスに加盟していることが多いので、都市圏であれば、例えば帰国前日の深夜にお土産を注文してすぐに受け取るということも可能だ。利用する際はデリバリーサービスの住所をホテル住所+部屋番号にすれば、部屋の前まで来てくれるときもあるし、ホテルロビーの台やロッカーに届けてくれることもある。
 このデリバリーサービスのおすすめの活用方法は、先述の通りスーパーなどでの雑貨購入で、例えば私は寝台列車で使う用のタブレットタオルや使い捨てスリッパなどを必要に応じて購入している。

[宣伝]年末のコミケ105では、この内容を前座に、東北部は丹東を訪問した旅行記などを中心にまとめた辺境中国vol.3を発刊予定です。また既刊本のvol.1と2、海外旅行をまとめたMALCO POLOも通販で取り扱っております。ぜひ一度ご覧くださいませ。

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電脳中国──コロナ後のデジタル・テクニック[無料公開]|DAVID-OFF/大熊杜夫
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