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新パーパス策定。創業から10年、READYFORのさらなる挑戦

「みんなの想いを集め、社会を良くするお金の流れをつくる」

10周年を迎えたREADYFORは、創業以来初のビジョン・ミッションの再定義を行い、新パーパスを発表しました。パーパスは、企業の社会的な存在意義を指すものであり、「自分たちが何のために存在するのか」「なぜこの事業をやるのか」という問いに対する答えでもあります。

READYFORの原点と現在地、そして新パーパスに込めた想いをCEOの米良はるかが綴ります。

原点から変わらず根底にある想い

日本初のクラウドファンディングサービスとして、READYFORが産声を上げたのは2011年。大学生時代、パラリンピックスキーチームとの出会いを通じて、資金が届かない領域があるという現実を目の当たりにしたことがすべてのはじまりでした。

「支援が不足している領域がある。必要なところへ、お金の流れをつくりたい」。

その強い想いから、米国で普及していたクラウドファンディングを日本に導入し、挑戦の一歩を踏み出したのです。あの時抱いた想いは、今も変わらずREADYFORの核となっています。

2014年7月にREADYFORは法人化し、クラウドファンディングのプロジェクトに伴走するキュレーターを中心に、実行者一人ひとりの想いを形にするサポートを約3万件提供してきました。

創業10年、新パーパス策定の背景

クラウドファンディング市場は、この10年で大きく成長してきています。一方で、READYFORとして、クラウドファンディングだけではなく、より大きな課題解決を担っていきたいという想いは強くなっています。きっかけは、2017年のがん宣告による経験でした。

血液がんの一つである悪性リンパ腫が見つかった際、医師から二つの病気の候補があると告げられました。一つは、最も患者数が多く、10数年前に治療薬が開発され、30%だった5年生存率が80%にまで飛躍した「DLBCL」というがん。もう一つは、希少疾患で、効果的な治療薬がまだ開発されていないがんでした。

治療薬の有無で大きく差が開く生存率。結果的に私はDLBCLの診断を受け、治療することができました。この経験から、医療の発展に命を救われたことを実感するとともに、もし希少性の高い病気だったら危険な状況にあったことを痛感したのです。

希少疾患のように、ニーズが少なく、資本主義の市場では評価がされず、資金が集まらないことで、こぼれ落ちてしまう社会課題にどのようにしたら必要なお金を流していけるのか。これが、READYFORが取り組んでいきたいテーマだと捉えるようになりました。

資本主義では解決できない社会課題領域に新たなお金の流れをつくる。そのための手法の一つがクラウドファンディングであり、もっとほかの手法も存在するはず。そんな想いから、治療の休養期間からREADYFORに復帰した2018年以降、さまざまな事業開発に挑戦してきました。

2020年のコロナ禍では、社会のクラウドファンディングへのニーズが高まる中、READYFORとして「コロナ基金」を設立。クラウドファンディングの特徴である「実行者と支援者のマッチング」の枠を超えて、READYFOR自らが、多くの社会貢献団体に“今、必要としている資金”をすみやかに届ける役割を果たしました。

そして、創業から10年を迎えた今。さまざまな事業の発展を経て、本気で実現したい未来に向かう道筋が見えてきました。私たちREADYFORはどんな社会を実現したいのか。なんのために存在するのか。改めて、ビジョン・ミッションを再定義し、存在意義を明確にするパーパスを策定することにしました。

READYFORの存在意義とは?

READYFORが向き合う課題

まず、READYFORが向き合う課題について、改めてご説明したいと思います。

社会課題に対するコストは従来政府が負担してきましたが、多様かつ複雑な課題を、政府だけで解決するのは難しい状況です。また、社会課題は、資本主義社会において短期的な経済リターンが期待できないため、資金が集まりにくく、取り残されてしまう傾向にあります。だからこそ、社会課題を放置せずに解決へと導く仕組みが必要です。

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社会課題を解決するには、プレイヤーの存在と資金提供が不可欠です。今は活発化しているスタートアップエコシステムも、10年前にはプレイヤーも資金も潤沢ではありませんでした。

良いプレイヤーが生まれるから資金が集まり、逆に資金が集まるから良い人材が流入する。両側からのアプローチがあり、今のエコシステムが形成されてきました。人材を育てること、お金の流れを増やすこと。このニつは鶏と卵の関係でもあると言えます。良いプレイヤーと資金が循環することで、社会課題解決の力が生まれると考えています。

READYFORの新たなパーパスに込めた想い

社会課題解決に取り組むという意思を込めて、「みんなの想いを集め、社会を良くするお金の流れをつくる」と表しました。

この一文は、READYFORが何のために存在するのかを示しています。みんなの想いを集めるにはどうすればよいのか。社会を良くするお金の流れとは何なのか。一つの明確な正解があるわけではない大きな問いに向き合っていく決意表明です。

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私たちREADYFORは、これまで、社会を良くしたいと思う日本中・世界中の取り組みを数万件単位でサポートしてきました。そして、多くのお金の流れを生み出してきました。重要なのは、ただお金の量を増やすだけではなく、そのお金が「社会を良くする」方向に流れていくことです。

そして、社会を良くするお金の流れをつくることには、どこに資金を流すべきかを定める主体性が今まで以上に求められます。ですが、READYFORだけの意思で方向性を定めていては、私たちの目指す社会は実現しないと考えています。

これまでクラウドファンディングサービスを通じて、多くの人々の想いに向き合ってきた経験を活かし、みんなの想いを集め、対話を重ねながらつくり上げていきたい。この考え方を「みんなの想いを集め」という言葉に込めました。自分たちだけでなく、さまざまな立場にいる多くの人の想いを大切に、社会を良くするお金の流れをみなさまとともにつくっていきたいのです。

パーパス実現に向けた進化する事業

パーパス実現のためには、大きく三点の取り組みを推進する必要があると考えています。
1、団体の財務基盤を強化し、社会課題解決の担い手を増やす取り組み
=ファンドレイジング事業

2、社会課題の構造化、可視化を行い、どこにお金の流れを生み出すべきかを検討する取り組み
=プログラム事業

3、より大きなお金の流れをソーシャルセクターに連れてくる取り組み
=遺贈寄付・フィランソロピーアドバイザリー事業

以下でそれぞれの事業について紹介します。

1、ファンドレイジング事業

従来のクラウドファンディングに加え、広義の非営利団体(大学、病院、美術館・博物館などを含む)の経営戦略策定から関わり、ファンドレイジング戦略全体をコンサルティングする事業です。

約10億円を集めた国立科学博物館のファンドレイジングもこの事業を通じて行いました。ソーシャルセクターに対してプロフェショナルなコンサルティングを提供できる事業者はまだ少なく、10年の知見をフル活用したサービスを提供することで、公益財団法人、独立行政法人などのパブリックセクターから、新興のNPO・財団などまで、広く組織開発・ファンドレイジングのご相談をいただいています。

2、プログラム事業

プログラムとは、ある社会課題の改善を目指すための事業(プロジェクト)の集合体を指します。READYFORでは3年前より、休眠預金活用事業を通じたプログラム組成事業を進めてきました。

プログラムを企画するうえでは、社会課題の現場をよく知る非営利団体とチームを組み、社会課題が生まれる原因を構造化し、改善するための解決策の創出、さらに事業継続に向けた工夫などを検討します。

この3年間、全国の非営利団体のみなさまにご協力をいただき、企画・運営の力を高めてきたことで、多くのプログラムを実施できるようになりました。これまで11のプログラムを実施し、総事業規模は33億円に上ります。

プログラム事業が目指すのは、社会課題の根本的な原因を特定し、システムチェンジを実現することです。そのため、多様な課題に対する取り組みを実施しています。具体的には、コロナ禍や物価高騰で生活に悩みを抱える人たちへの緊急支援や、地域による教育格差の改善を目的とした先駆的なモデルの全国展開、発達特性を持つ子どもたちへの標準的なケアの普及を目指すネットワーク事業などです。

プログラム事業について、外部の方から「まるで、投資をして企業価値を向上する経営コンサルも担うスタートアップのVC(ベンチャーキャピタル)のようですね」と言われることがあります。たしかに、ご一緒している非営利団体のみなさまの中には、強い想いはあるけれど、まだ人的な体制や経済的な基盤が整っていないところも少なくありません。

プログラム事業では、そうした団体のみなさまが今後も力強く活動を継続していけるよう、ロジックモデル策定や組織開発、資金調達のサポートなど多面的に伴走しています。多くの団体と協力して、より大規模に社会課題を解決していく道筋を描けるようになることを目指しています。

3、遺贈寄付・フィランソロピーアドバイザリー事業

社会を良くするお金の流れを大きく実現するためには、お金の出し手である篤志家のみなさまや、遺贈寄付に興味をお持ちのみなさまの想いを社会貢献につなげていく必要があります。

遺贈寄付とは、個人が遺言によって遺産の全部、または一部を公益法人、NPO法人、学校法人、国立大学法人、その他の団体や機関などに寄付することをいいます。私たちは、約3年前から「READYFOR遺贈寄付サポートサービス」を開始し、遺贈寄付に興味はあるけど、寄付先が選べないことや、さまざまな手続きに対応できない等の理由で躊躇されている方々の相談をお伺いし、ご自身が望む最適な遺贈寄付のお手伝いしてきました。

また、日本でも広がりを見せている篤志家の皆様によるフィランソロピー活動(慈善活動)をサポートさせていただき、例えば、数十億円規模の資産運用を行いながら、その運用益から継続的な寄付活動を実施する基金の設立や、数億円規模の非営利事業への寄付マッチングなどを行っています。

遺贈寄付、フィランソロピーアドバイザリー事業、いずれも、私たちREADYFORがこれまで10年以上培ってきたソーシャルセクターに向けたデューデリジェンス(団体のポジティブインパクトやリスクを調査する)の力と団体への伴走力を背景に、それぞれのお客様にあったご提案をさせていただくことで、多くの案件を成約することができています。

アメリカでは、年間40兆円に上る寄付市場ですが、日本でもより広がりを見せることで、利益重視の資本主義における富の偏在をなめらかにすると同時に、社会課題の解決を推進することにチャレンジしていきます。

ともに社会変革を目指すメンバーたち

新しいパーパスを実現する新体制

パーパスの実現を本気で目指すべく、2024年8月現在メンバーは全体で190名ほどになりました。また、11期からは経営チームも新体制に。クラウドファンディングを成長させ続けてきた主力メンバーに加え、経産省・デジタル庁出身の瀧島や、アセットマネジメント業界出身の吉川ほか11名で経営を行っています。多様なバックグラウンドの経営陣とメンバーの力を結集させ、社会変革を実現していきます。

https://corp.readyfor.jp/news/20240819

キックオフでの社内発表

6月に開催された全社キックオフでは、新しいパーパスをメンバーに発表しました。パーパス策定をリードしてくださったエッグフォワードの徳谷さんと、私を含むパーパス策定メンバーが込めた想いを語った後、ワークショップを実施。メンバー一人ひとりがパーパスへの理解を深める貴重な時間となりました。

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一部、メンバーの感想をご紹介します。

・業務の方向性が明確になったことで、不安に感じる部分が払拭された。
・未来だけでなく、READYFORのこれまで、現在も大切にした上でつくられたものなんだと理解できた。
・パーパスを実現するためには相当な進化が必要だと感じた。
・READYFORが会社、事業としてのフェーズがまた一つ変わったと感じた。今までももちろん変化の連続だったけれど、特にパーパスの再定義の中で、READYFORが自ら意思を持ってお金を流していくという部分は大きい転換点になると感じた。
・社会変革への想いが加速しそうで、これからもワクワクして仕事ができそうだと感じた。
・明確に定義ができないからこそ、試行錯誤しながら進んでいくことができるという話に納得感があった。
・「みんなの想いを集め」というワードが、プラットフォームとしての機能の重要性を感じており、より使いやすいプラットフォームづくりをしていきたいと感じた。
・これからREADYFORがより大きな責任を持って、社会にインパクトを与えていくという宣言に感じられた。

キックオフ後アンケートより抜粋


「支援が不足している領域がある。必要なところへ、お金の流れをつくりたい」

たった一人、強い想いだけを頼りに走り出したREADYFOR。それから10年。メンバーをはじめ多くの人の想いが重なり、できることが増え、社会は少しずつ変わってきました。それでもまだまだ道の途中です。

「みんなの想いを集め、社会を良くするお金の流れをつくる」

より多くの想いが集まる場所へと成長を遂げた今のREADYFORだからこそ、この役割を果たしていけると思っています。このパーパスを胸に、実現するためにさらなる進化を遂げていきたい。

10年先を見据えた、READYFORの挑戦はこれからも続いていきます。

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text by 米良 はるか

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「みんなの想いを集め、社会を良くするお金の流れをつくる」ことをパーパスに掲げるREADYFORのメディアです。READYFORに関わる人たちの「想い」を届けていきます。
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