嶋田元次官がラピダスに 経産相「経営に必要な人材」
次世代半導体の量産を目指すラピダスが元経済産業次官の嶋田隆氏を特別参与として迎えたことが22日、分かった。武藤容治経産相が同日の閣議後の記者会見で「経営戦略上必要となる人材として、経験や資質を踏まえて選任したと聞いている」と述べた。ラピダスによると無報酬という。
同社は2027年に最先端品の量産開始を目指す。北海道千歳市に工場を建設中で、政府はこれまでに研究委託として9200億円を補助した。
政府は22日午後に閣議決定する経済対策で、ラピダスを含む半導体・人工知能(AI)分野に30年度までに10兆円以上の公的支援をすると盛る。武藤氏は「政府が一歩前に出た支援を行うことで、民間企業も大胆な投資に踏み切れるような環境をつくっていく」と述べた。
同社は22年8月に設立された。トヨタ自動車やソニーグループなど8社が出資し、資本金は73億円にとどまる。経産省は25年度にラピダスへの出資や税優遇の措置を講じる案を検討している。