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【推しの子】最終話感想。これは”星野アクア”の物語だった

前回で【推しの子】作品全体での感想を書いた。改めて最終話の感想を書き綴りたい。
※ネタバレを含みます。

◆死は無である

本作で一貫するテーマとして『死=無』が挙げられる。アクアとルビーの転生のみが無二の例外であって、基本的には死んでしまえばそれでお終い。天才だってナイフで刺されればお陀仏である。
従って、既に故人である星野アイは徹底的に出てこない。

『星野アイの物語はあの時あの場所で』
『完全に確実に終わったの』
              (中略)
死は死だよ』
『もう星野アイは何も思わないし何も考えない』
『二度と笑うこともない』

【推しの子】第百十八話より ツクヨミ

アクアの今際に星野アイが現れて…なんてこともない。死者は何も語らない。それはアクアも同じだ。
スター・ウォーズ』の最後にはヨーダ達がルークらをフォースと共に見守っていたが、アクアがルビーのドームライブを天国で見守っている…なんてことも一切ない。星野アクアは死んだ。何も思わないし何も考えない。二度と笑うこともない。ツクヨミと思しきカラスが、ただ見ているだけである。
あまりにも残酷で、しかし現実的だ。

◆~完~(主人公が死んだので)

最終話までを読み、【推しの子】の主人公はあくまで星野アクアだったと、改めて思い知らされた。だからこの話は、アクアが死んだらお終いなのである。
本来であれば164話冒頭、アクアが息絶えたタイミングで『【推しの子】~完~』となってもおかしくなかった。あかねの語りによるその後の話は、言ってみれば蛇足なのだろう。ダイジェストのように駆け足で終わってしまったのもそのはずである。だって主人公が死んだのだから。アクアは無に帰ったのだから。

◆死は救いではない

アクアの死をこれでもかと残酷に描いているのも特徴だ。最後の瞬間までもがき苦しみ、後悔に苛まれながら死んでいく。彼の死が美しいものでは決して無いことを、彼の選択が間違いであることを、まざまざと見せつけてくる。
惚れた女には引っ叩かれ、大切な妹は母親と同じ道を進み、愛した人達全てが心に傷を負った。
全てがアクアによる自己満足であると、叩きつけてくる。

多くの物語は、大なり小なり主人公の選択を肯定する。しかし【推しの子】はある意味で現実的だ。人を殺して、自分をも殺して、その先に救いなんてあるわけが無い。
復讐は何も生まない』とはよく言ったものだ。復讐譚として始まったこの物語は、やはり悲劇的に終わるのである。

◆描きたいものを描いていく

【推しの子】最終話に対しては、投げっぱなしだ、打ち切りエンドだ、といった声が多い。そのように思われるのは当然だろう。前回述べたように、ほぼソードマスターヤマトEDである。僕だってもっとルビー達の話を見たかった。
でも、僕は上述の理由から、作品としてのテーマを貫いたのだと考える。”物言う消費者”が増え、少しでも気に入らないことがあれば即炎上するこの息苦しい世の中で、たとえ読者の望む展開でなかったとしても、創作者として描きたいものを描き切ったことに敬意を表したい。

◆各々の末路へ

●星野ルビー

宣言通り、ルビーは母をも超えるアイドルに成った。成ってしまった。母のように怒りも悲しみも””で閉じ込めて、輝くアイドルを演じ切った。ファンも狂信するほどの偶像に相成った。彼女の悲劇さえ、偶像を彩るドラマとして無為に消費され続ける。暗闇の中でこそ輝く星、"アイドル"を体現する存在として。
その姿はルビーが目指していた物とは異なるように見えるが、ある意味では、夢見がちな少女から大人になったと言えるのかもしれない。

●有馬かな

予想通り、彼女は有言実行した。それでこそ有馬かな。流石だよ。あっぱれだよ。かなちゃん!かなちゃん!有馬かな!!
これからも、挫折も絶望も抱えたまま、酸いも甘いも噛み分けて、がむしゃらに走り続けるんだろう。そして、きっと役者として大成するに違いない。どうか幸多からんことを。

●MEM

MEMちょ、ずっと大人の立場からわんぱくな子供達を導いてくれていたね。まるで夜空を照らす月のよう。ルビーやかなのような輝きとは違うかもしれないけれど、みんなMEMちょに支えられていたと思う。年齢詐称する度胸、夢を諦めずに叶えた根性、最高の女だぜ。
これからも、どうかおバカ達の面倒をよろしく頼みます。

●黒川あかね

最後の語り部、お疲れ様でした。恐らくは唯一真実を知る者として。
アクアと一緒に堕ちれなかったことを悔やんでいるだろうけど、あのバカはどこまでも勝手にやって、勝手に死んだのです。どうか抱え込まずに、ルビーやかなちゃん達と楽しく幸せに過ごしてください。

●斎藤ミヤコ

みやこさん、あなたは誰よりも母親だった。アクアが抱えていた物に気づけず、悔やんでも悔やみきれないことででしょう。かける言葉さえ見つからないけれど、どうかもう一人の娘をこれからも支えてあげてください。それがきっとアクアの望みであり、みやこさんにとっての救いになると思うから

●姫川大輝

普段あっけらかんとしているけれど、きっとアクアが現れて嬉しかったんだろうな。天涯孤独の身だと思っていたのに兄弟がいたんだから。でも、それも失われてしまった。他でもない自分達の父親の手によって。親の因果が子に報い。自らの血を呪い続けるのだろうか。
辛いだろうけれど、どうかもう一人の妹を可愛がってあげてください。その子も割とアホの子なんで、気が合うと思います。

●ツクヨミ

アクアの遺体が比較的綺麗だったのは、彼女の力だったのではないか、との考察を見た。これが真であったとすれば、それが彼女の持つ神力?の限界ということ。神話における月読命は無為の神だったが、神々の摂理の上で、アクア達を見守ることしかできなかったのかもしれない。
これからも、さりなの最後を看取ったように、ルビーの人生をただただ見守っていくのだろう。

●星野アクア

馬鹿ヤロウ!!!!!!😭😭😭
生き返れコラ!!!!!!😭😭😭


以上。引き続きアクアの喪に服す。


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コメント

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【推しの子】最終話感想。これは”星野アクア”の物語だった|ひさし
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