総務省の大先輩であり県都を預かる首長として、
県としっかりと連携を取るべき立場にある久元神戸市長が、
今回の一連の騒動を受けて齋藤元彦氏に対する評価を述べている。
それは齋藤元彦氏が県議会からの不信任決議を受けての身の処し方について、
その態度を表明する記者会見の当日に行われた、
神戸市定例記者会見において述べられた。
記者から多くの質問が発せられたため、
非常に長文となっているが、
ポイントの部分を太字、大文字で編集したので、
拾い読みしていただければ幸いである。
(令和6年9月26日神戸市定例記者会見から)
記者:
兵庫県の斎藤知事の進退について、正式表明は午後3時からということなんですけれども、ほぼ全報道各社が失職して出直し選挙ということの意向を報じている状況でして、このタイミングになって申し訳ないんですけども、改めてこの決断をどう受け止めるか、所感をお伺いできればと思います。受け止めを、もしあればお願いします。
久元市長:
3時から記者会見があるというふうに聞いておりますので、それをお聞きした上で申し上げるべきかとも思うんですけれども、もう既にほとんどの報道が不信任決議を受けて失職を選択される。その後行われる知事選挙に、いわゆる出直し選挙ということでしょうか、出馬される意向を表明されているということで、ほぼどの報道機関からの報道でもそのようですから、それを前提にいたしますと、やはり当然のことながら、知事がどのように御自身の言葉でおっしゃるのかということを注視していきたいと思います。
その上で申し上げるならば、やはり失職されるという時点で、どうして斎藤知事が全会一致で不信任決議を受ける、そしてそれによって失職するということになったのかということの理由と経緯を御自身の言葉できちんと説明されるということが求められるかと思うんですが、今回、出直し選挙になるならば、やはりそこのところはかなり明確に説明していただきたいというふうに思います。
これまでも説明されたとは承知をしておりますけれども、やはり県民の関心としては、この一連の経緯の中で、どうして西播磨県民局長が作られた文書に関連して、この文書を作られた県民局長御自身と、そこで触れられていた事案に関する職員の方、2人がお亡くなりになられたということは、非常にこれは重い事実だと思うわけで、多くの県民は、どうしてこんなことが起きたのかということを、そこは大きな関心があるかと思いますから、そこをしっかり説明していただくということが大変大事です。また、様々な一連の、懲戒処分や公益通報の問題などについても、いろんな懸念や疑念が提起されてきましたから、そこをしっかり説明していただくと。一言で言うと、どうしてこの異例の展開になったのか、任期中に不信任決議、失職、そして出直し選挙ということになるのかということについての理由と経緯と御自身のお考えをしっかり説明していただくというふうに、大事ではないかと思っています。
そして、選挙になると、これは当然、選挙に臨む御自身の政見などをお話しされることになると思うんですけれども、当然のことながら、現職の知事ですから、やはりこの3年余りの間の兵庫県政運営についてどう総括されるのか、そして今後、その総括を踏まえてどういう政策を展開されようとするのかということが求められるというふうに思います。その際、やはり神戸市もそうですけれども、兵庫県は人口減少が続いています。この人口減少を人口増加に転ずることはできないと思うんですけれども、我が国全体、ほとんどの自治体が直面しているこの人口減少にどう向き合って、どう県政として対応しようとしているのかということが問われると思います。そこをぜひ説明をしていただきというふうに思います。同時に、兵庫県全体を見渡すと、やはり相当疲弊している地域もあると思いますから、地域の活性化策、地域の振興策ということを具体的なビジョン、これまでやってきた施策というのがどういう効果を生み、それを今後どう新しく展開していっていただけるのかということを期待しております。
それから、個別の政策で言うと、県立大学の無償化が、これは知事のリーダーシップで進められてきたわけですけれども、これは県議会でも相当疑問が出されてきました。私は、これは県の施策だということで、これについては特に意見を申し上げてこなかったわけですけれども、神戸市は、公立の大学、神戸市外国語大学と神戸市看護大学は、これは無償化をしませんでした。これは逆に言うと、これは失職を選択されるということで申し上げますが、非常に不適切な政策だと思います。どうして僅か2%弱の大学生のために兵庫県立大学だけを無償化するのか理解できないですね。そして、この兵庫県立大学の無償化によって、ほかの大学が影響を受けます。神戸市にはたくさんの大学があるわけで、今のところは大きな影響は出ていないと思いますけれども、今後、これが影響を受ける可能性がありますね。やはり県知事なんですから、ごく、自分のところの特定の大学のことだけ考えるのではなくて、神戸市の大学も含めて、大学全体をどう考えていくのかということについて、やはり明確な考え方を示していただきたいというふうに思います。私はやめていただきたいというふうに希望をいたします。
それから、もう1つは、やはり県庁の再整備です。これは、神戸市は三宮の再整備を進め、それから、フラワーロードに沿って再整備を進め、ウォーターフロントの再整備も進めています。JR兵庫駅の駅前の再整備も発表いたします。ここが抜け落ちているのが元町なんです。元町がどうして抜け落ちているのかというと、兵庫県の庁舎整備の内容が不透明だからなんです。これはやはりはっきり庁舎の再整備をどうしようとするか、そして、元町の北側の再整備について県としてどう考えているのかということを明確にしていただかないと困ります。
それから、もう1つは、大阪府の高校授業料無償化です。これは非常に大きな影響があるというふうに繰り返し申し上げてきました。これは本来県が考えるべき問題です。これについて、斎藤知事は吉村知事と一緒に仕事をされてきたわけですから、どうして何の意見もおっしゃらなかったのか、一体これにどう対応されようとしているのかということをやはり明確にしていただく必要があるのではないかというふうに思います。
取りあえずはそんなところが私の所感です。
記者:
ありがとうございます。踏み込んで政策のこともしっかりおっしゃっていただいて、ありがとうございます。
今のお話を聞くと、割とこのタイミングで、今3つおっしゃいましたけど、これまでの県政を見ていて、今回の問題とは別に、やはり施策に関しても、知事は施策について改革を進めたと今会見でおっしゃっていますけども、施策についても、市長から見ると、やはりその点について、疑問というか、そういう部分が多かったということでしょうか。
久元市長:
いや、それは改革を進められてきたので、全体的にどうこうと言うつもりはありませんけれども、神戸市としては、これは県政のありようというのは非常に重要です。やはり兵庫県は独立した自治体ですね。独立した県政を県民の信託の下に行われているはずです。そこは、独立した自治体として主体的に県政運営がなされてきたのかということについては、これはひょっとしたら意見が分かれることかもしれないですね。もっとやはり兵庫県民からの信託を受けた知事として、主体的に責任のある県政運営をされてきたのかということは御自身の言葉でしっかり説明していただきたいと思います。
記者:
もう1つ、先ほど県立大のところで、最後、やめていただきたいとおっしゃったのは、その施策をやめていただきたいという。
久元市長:
いや、県立大学の無償化をやめていただきたいということです。
記者:
今回、出直し選に出られるということですけども、地方自治の観点からというと難しいですけど、県議会から全会一致で不信任が可決されて、今、県民あるいは職員の方からもかなり疑問の声が上がっている中で、その中で、改めて4年間の任期を求めて出直し選に出るという判断については、選択肢として適切なのかどうかというところをもしお伺いできれば。
久元市長:
それは御自身が判断されることで、私がとやかく申し上げることではありません。
記者:
分かりました。
もう1つ、今回、不信任決議が出た上で、今後、出直し選ということになりましたけども、約半年間にわたって県政が停滞した中で、ここまで判断が遅れたというか、停滞させたということの責任についてはどう考えておられますか。
久元市長:
いわゆる西播磨県民局長の出された文書について、知事が記者会見をされてからこの混乱が始まり、これが半年に及んできたことは、これは異例のことだったと思います。これはこれまでも申し上げてきたと思うんですが、こういう県政というのは非常に異例のことだし、県政が混乱し、停滞をしているということは事実ですから、この間の経緯というのは、それはいろいろあったと思うんですけれども、知事が最終的にこういう判断をされるということで、あとは県民の審判を仰ぎ、兵庫県政が安定した軌道に回帰していただく、戻っていただくということを期待したいと思います。
記者:
ありがとうございます。
記者:
引き続き斎藤知事の件で恐縮なんですけども、どうしても、今、世間的にも報道的にも斎藤知事の進退についてばかり注目が行っているところで、県民局長のお話の真相究明というところも大切なのかなと思うんですけども、市長として今後の展開で期待されることをもう一度改めていいですか。
久元市長:
期待をすることは、知事は失職を選ばれて知事選挙に出られるわけですから、これまでの3年余りにわたるこの御自身の県政というものを、どう総括をされるのか。そしてその総括の上に、知事としての政策展開というものをどういうふうにしようとされるのかということを、明快に語っていただくということを期待したいと思います。
記者:
先ほどのお話の中で、兵庫県は独立した自治体であって、これまでの斎藤県政が独立した自治体として主体的に県政運営が行われてきたかどうかというと、意見が分かれるという話がありましたけど、久元さん御自身は、これについてはどのような御意見をお持ちですか。
久元市長:
やはり当たり前のことだと思うんですよね。この神戸市政もそうですし、兵庫県政もそうですし、ほかの自治体もそうですけれども、自らの主体的な判断で、それは、住民自治に基づく、住民の代表である議事機関である議会と、直接公選された知事や市長村長が責任を持って、その両者の緊張感のある信頼関係のもとに県政を独立して運営していくということが基本だと思いますから、そういう県政運営を今後は期待したいというふうに思います。
記者:
ありがとうございます。今後期待したいというのは、これまではあまりされていなかったように見えるということでしょうか。
久元市長:
そこは、判断は分かれるかもしれませんが、私は特に、大阪府の高校無償化について、どうして知事は吉村知事に意見を言われなかったのかということが不思議でなりません。それは、かつて吉村知事の部下だったからそうだということであれば、それは大変残念なことです。あと、優勝パレードの問題にしても、非常にこれは歩調を合わせて対応されました。県立大学の無償化も、これも大阪府の公立大学の無償化と歩調を合わせてやっていることですよね。大阪府と連携・協調をする、大阪・関西万博にも協力をするということは大事ですけれども、それは言いなりになるということではないはずなんです。そういうところも、これまでの県政のありようという部分については、私は、若干の疑問は持っております。
記者:
大阪と、かなり影響を受けながらやっていたんじゃないかという見方ですか。
久元市長:
そうです。
記者:
ありがとうございます。これまでも、市長会見で度々県の問題についてお伺いしてきたかと思うんですけども、今日はかなり久元さん御自身の言葉というか、思いというのがかなりお話の中にあったと思います。これは、意見を表明されるタイミングとしては、やはり、知事が進退というか、出直し選に出るという判断を表明したというのが明らかになったことを受けてということでしょうか。
久元市長:
これまでも、例えば兵庫県の市長会の会合に私が出なかったのは、それは知事の進退について議論をするということなので、それは、ほかの自治体のトップが、独立した兵庫県トップの進退について意見を言うのはおかしいので、私は、それは申し上げたことはありません。しかし今回、知事は自らの任期の途中で失職を選択され、しかも出直し知事選挙に出られるわけですから、やはり、そのことを前提として、今後の兵庫県政に対して期待をするということを申し上げたということです。
記者:
すいません、これも仮の話で恐縮なんですけども、知事が再出馬された場合、支援とか協調とか、あるいは距離を置くとか、そのあたりのお考えはありますでしょうか。
久元市長:
これは今後、知事が正式に出馬を表明されて、どのような政見を発表されるのかということにもよると思いますけれども、今のところ、例えば知事が選挙事務所をつくられて、そこに駆けつけるとか、あるいは知事の選挙運動の中で行われる街頭演説などに参上するというつもりはありません。
記者:
今、市長の御意見いろいろお伺いさせていただいたんですけども、ここから多分、斎藤知事が再出馬されて、ほかの候補者も出てくる可能性があるかと思います。今、お考えが大分違うというか、神戸市の方向性と違うような候補者が出てくると思うんですけども、その場合、御自身で兵庫県知事、検討されるとか、そういう可能性というのはあるんでしょうか。改めて、県知事への出馬ということです。
久元市長:
誰がですか。
記者:
市長がです。
久元市長:
ありません。
記者:
じゃあ、出られる方の、それぞれの候補者の主張を御覧になられるということでしょうか。
久元市長:
それは、これからどういうふうに動いていくかということですから、もちろん兵庫県政は神戸市政に大きな影響がありますから、そこは関心を持って見守っていきたいと思います。