兵庫県議会が百条委員会設置を可決 知事批判の文書問題
兵庫県の斎藤元彦知事らを批判した文書を流布したとして県の元幹部職員が懲戒処分を受けた問題で、兵庫県議会は13日、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置する議案を賛成多数で可決した。前回知事選で斎藤氏を推薦した自民党の県議団が賛成しており、2025年夏の知事選に影響を与えそうだ。
百条委は関係者の出頭や証言、記録の提出を要求できるなど強い調査権限を持ち、虚偽の証言をすると禁錮や罰金が科される。設置議案は最大会派の自民党県議団とひょうご県民連合が提出。維新の会と公明党の県議団は職員の負担増などを理由に反対した。県議15人で構成し、文書で指摘された知事のパワハラ批判など7項目について調べる。
百条委の設置が決まったことをうけ、斎藤氏は報道陣に対し「議会の判断を重く受け止めており、説明責任を果たす。調査のなかで改善点が出てきたら改めたい」と話した。
文書は前西播磨県民局長だった男性職員が作成し、一部の報道機関などに送付したことが3月に発覚した。斎藤氏が職員にパワハラをしたり、地元企業から贈答品を受け取ったりしていたと指摘する内容だった。
斎藤氏は当初、「事実無根の内容が多々含まれている」などと非難。県は前県民局長の3月末の退職を認めず、人事課が調査にあたった。一方、文書に書かれた疑惑に関連し、県の産業労働部長が県内企業からコーヒーメーカーなどを「PRのため」受け取っていたことが明らかになった。
県は5月、「文書の内容は核心部分が事実ではなく、誹謗(ひぼう)中傷にあたる」として前県民局長を停職3カ月の懲戒処分、産業労働部長を訓告とする処分を発表した。
しかし、県議から中立性の高い調査を求める声が相次いだ。斎藤氏は第三者機関を設置すると表明したが、強い調査権限を持つ百条委の設置を求める声が強まった。今後は百条委と第三者機関の双方で調査が進む見通しだ。
10日の本会議で、片山安孝副知事が自身の辞職と引き換えに百条委の議案を出さないよう自民党県議団に依頼したことを認めるなど、県政の混乱は続いている。
斎藤氏は21年の知事選で、自民党と日本維新の会の推薦を受け当選した。ただ、自民党県議団には斎藤氏の対立候補を推した議員も多い。今回の問題を受け「疑惑が晴れない限り次の知事選では斎藤氏を担げない」と言い切る県議もいる。
議会との対話不足も県議側の不満につながっている。斎藤氏は県立大授業料の無償化や性的少数者らのカップルを公的に証明する「パートナーシップ制度」などを目玉事業として発表しているが、ある県議は「事前に議会から意見を聞こうという姿勢がまったくなかった」と批判する。
百条委は斎藤氏や片山氏らを呼んで調査するとみられる。疑惑を晴らす場となるのか、それとも新事実が明らかになるのか。斎藤県政は正念場を迎えている。
(篠崎瑠架)