はいはい、朽木白哉の弟が通りますよっと


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作:スターリー
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二十四時に非公開となります。今まで本当にありがとうございました。


こんな展開になってた的なやつです。
SS編で本性表した藍染隊長と灰世くんが問答する場面で灰世の主張です。

もし良かったどうぞ!


 藍染惣右介の演説と勧誘が終わる。

 その差し伸べられた手を取れば、朽木灰世は藍染惣右介の誰よりの理解者として隣に立つだろう。

 

 

 だが、それは出来ない話だ。

 

 

「藍染隊長。俺は貴方のその手を取ることはできません」

 

 何故なら朽木灰世にだって誰にも語っていない秘めた熱があるからだ。なら、まずそれを語らなければならないだろう。他ならぬ藍染惣右介へ。

 

「貴方が何に絶望し、何に怒り、どんな正義を掲げたのか。俺ような若輩者には推し量ることもできません」

 

 藍染惣右介が語ったそれは朽木灰世へ仕掛けたレスバなどでは無かった。本当に、ただ純粋に世界に対して向けたラブレターだ。それは誰よりも夢想家で誰よりもロマンチストな言葉の連なりだった。

 

「世界を敵に回して、その手を血に染めてまで、死神の罪を一身に背負うというのです。相当な覚悟でしょう。敬服いたします」

 

 だってそれは当然で世界に絶望したのなら自らの命を捨てれば済む話だ。それをしていない。そこに世界に対して愛があるからこそ、世界を動かす歩みがある。

 

「ですが、だからこそ、俺は貴方の世界を否定しなければなりません」

 

 藍染惣右介という男は涼しい顔の下に膨大な熱を隠しているのは間違いない。あとすんごい歪みも。他人の命とか人の倫理観とか置き去りにして事を成すために全力なのだ。いやでもサイコパスだよ! 

 

 それでも。

 

 人類悪には人類愛が必要不可欠のように。

 世界を守るには愛と勇気が必要なように。

 世界を変えるためにだって愛と勇気が必要なのだ。

 

「俺は五大貴族の一人で、こんな世界を作った側の死神です。貴方や霊王のように、たった一人に世界を、責任を負わせて、押し付けて、犠牲にして。そんな無責任な世界を創り上げた。あまつさえ、今なお霊王様の御心を踏み躙り、血と涙の歴史を積み上げている。そんな一族の一人です」

 

 死神の裏側を、腐った貴族を嫌と言うほど見てきた。嫌と言うほど殺して来た。だからこそ、現実がどういうモノかを知っている。

 

「頭が挿げ替えった程度で何かが変わるとは思わない。未来でこんな悲劇をもう一度繰り返させる訳にはいかないのです」

 

 藍染惣右介が世界を作り変えたとしても意味がない。何故なら罪の根源は俺たちにこそあるのだから。

 ならば、俺たちが犯した罪は俺たち自身で灌がねばどの道先はない。自分たちで創り上げた長い長い先の見えない暗闇ならば、自分たちの力で踏破しなければならない。

 

 確かに、信用ならないのも、今のままでは無理なのかもしれない。

 

 でも希望はある。

 

「今ある世界で逃げずに、前を見て、真正面から戦わなければ、正さなければ証明しなければ、これから先どんな世界になったとしても我々には生きる価値はない」

 

 ここに来るまでに旅禍の少年、黒崎一護に会った。

 

 彼の話を聞くとルキア殿、いや、死神代行が死神を助けにフルブリンガーとクインシーと志波家の死神と手を組んで尸魂界に殴り込みにきたそうだ。

 

 もうホントに死神の罪をまざまざと見せつけられてる様だった。でもそれと同じくらいに俺や藍染惣右介、総隊長のような殺し合いの時代が終わって新しい時代が来たとそう感じた。

 

 俺たち死神は何万年前も千年前だってああするべきだったし、きっとこれからそうするのだ。そう言う時代が来る。必ずそうしてみせる。

 みんなで手を繋いで仲良くなれば無敵って素敵思考は俺が大好きな理論だ。

 

 変われるはずだ。

 

 それにちゃんと確信もある。

 藍染惣右介と浦原喜助が黒崎一護に目をつけている。あの二人が、だ。ものすごく目をかけてる。ただの死神代行にそんなことあるはずない。彼には何かある。

 

 それが偶然であるはずが無い。

 実験の成果? どんな成功確率を何度引き当てているんだよって話だ。

 

 藍染惣右介がその手で育てた? 

 浦原喜助が裏で手を回している? 

 

 きっとそれだけじゃない筈だ。

 もっと大きな流れの中に彼はいる。

 

 例えば、彼を導いているのは霊王様とか、なんてね。

 

 彼を旗印に沢山の繋がりが広がるのだと思う。

 だから白哉兄様を任せられた。きっと止めてくれる。そしていずれ藍染惣右介だって………。

 

 彼は敵を味方につけるような、そんな魅力がある男だ。

 

「誰かが変える世界に意味があるとは思いません。ですが、誰しもが、ただ一人ではなく、一人ひとりが世界を考え思い慮り、こうあるべきと変えようとする世界にこそ価値がある思うのです」

 

 山本元柳斎重國が真央霊術院を開き、護廷という志の下に学ぶことを尸魂界に広めたように。

 いずれは現世のように教育がいきわたる世界が来る。歴史は繰り返すのだから。そうなれば誰しもが個人が世界に影響を持つ世界になるだろう。

 

 世界の在り方を誰しもが考える世界が来る。黒崎一護が繋げて広げて護るであろう沢山の種族と共に。

 

「今はまだ、そんな芽もありませんが、俺はその為の礎になると心に決めているのです」

 

 結局何も変わらないかもしれない。

 

 先延ばしでしか無いのかもしれない。

 

 なんとでも言えば良い。

 

 たとえ。

 

「たとえ、何百年、何千年掛かるとも、いつか必ず。それでもと、そう語り、そう信じ、その為に戦うのです。それが俺の背負うべき責務だと思うから」

 

 真っ直ぐに藍染惣右介と向き合って堂々と。

 

「だから、貴方の手は取れません」

 

 そう、啖呵を切ったのだった。

 





最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

灰世の能力は内側を喰らって、他者に分け与える、魂を喰らって、分配する霊王の予備的なヤツにしようとしてました。それでチャンイチが取りこぼす敵側の命を救う存在にできればと。

鳥モチーフは不死鳥とか鳳凰とか生命の象徴は鳥みたいなところありません?あとしあわせの青い鳥です。身近にしあわせがあるよ的な。

そうなると現状、この作品の■色の鳥だよっ!ってお出しするとそもそも始解は青いし物語が進むほどズレて違うくね?ってなりますし、いやいや天ノ羽々音ちゃんだぜっ!って出すと魂を喰らうの同じなんでしばらくは紅いなぁ!元ネタじゃねってなるのでホントに寄せも離せも難しい状況です。

こう見えないラインを反復横跳びしてるみたいな。
お酒に果物漬けて置いとくだけでギリギリ酒税法に引っかかるみたいな。
どこまでがWHITE!ってなるので非公開にします。

ライセンスのあれこれとかご協力ありがとうございました。感想の温かい言葉にも励まされました。そのお心遣いに感謝します。

いい勉強になりました。
ただ自業自得ながら大量に減っていく色んなのが割と精神的にクるものがあったのでしばらく読み専に還ろうと思います。

本当にありがとうございました!
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大樹館の幻想 (星海社 e-FICTIONS)
2024-09-19  講談社