四年前より不幸。心気症。病気になったら犯罪者。
アメリカ大統領選でよく言われたが、四年前より不幸である、という人が多いわけだ。実際は四年前というよりは、2019年との比較であろうが、ともかく不幸である。2019年も苦界であったが、苦界は苦界なりの愉しさがあったのだろう。今の世の中はなぜか不思議と楽しくない。物価高に生活を蝕まれ糊口をしのぐ苦しさが大きいが、それは言うまでもない。他の原因を考えると、われわれは健康への自信を失っている。人々が遅ればせながらマスクを外したのは2023年8月頃で、それから一年数カ月だが、やはり三年くらいの無菌室生活で、われわれは弱い人間になっている。運動をするにしても、くたくたになるまでトレーニングすると免疫力(自然免疫)が一時的に下がるので風邪をひく。時たま病気になりながら回復していくのが人間の普通の姿だが、病気になると罪人として烙印を押される恐怖体験は拭い難く、その後遺症と言うか、病気と戦うたくましさが削がれている。いわゆる心気症である。自粛生活で、われわれは高い免疫力(自然免疫)をキープしていたが、これはかりそめのものである。清潔にして軽い運動をすると自然免疫が高まるが、これは過保護の強さでしかないし、俗世間の塵を浴びればひとたまりもない。コロナ期間、われわれはハードな活動を控えてきたので、自然免疫が機能して風邪知らずだったが、コロナ後の社会に向き合って、少し無理するたびに脆さが露呈している。ある程度はハードに動いて、時たま病に倒れて抗体(獲得免疫)を手にしないと強くなれないのだが、病気が怖い。もはや風邪はただの風邪ではなく、怪奇映画で悪霊から逃げ惑うような、祟りとか霊障のジャンルである。だから、いつも冷や冷やしながら自分をセーブして免疫力(自然免疫)を維持している。やはり無菌室で手に入れたインチキな免疫力の代償は大きい。