保護司の報酬制や分担制見送り、担い手確保へ公募制試行 法務省検討会の最終報告書案

保護司制度について議論する法務省の有識者検討会=29日午前
保護司制度について議論する法務省の有識者検討会=29日午前

保護司制度の見直しを議論してきた法務省の有識者検討会で29日、事務局から最終報告書案が示された。焦点となっていた「報酬制」や活動の「分担制」の導入は見送られた。一方で、保護司の担い手確保のため、公募制を試行することなどが盛り込まれた。検討会は9月に最終報告書案を取りまとめ、10月にも法相に提出する方針。

保護司は、非行少年や保護観察付きの執行猶予判決を下された人、刑務所からの仮釈放者らとの面会や啓発活動を通して更生を助ける非常勤の国家公務員。

保護司を巡っては70歳以上が占める割合が令和5年で4割弱に上るなど、高齢化や担い手不足が深刻化。専門家や現役保護司らからなる検討会が昨年5月以降、保護司の要件や待遇、活動内容の見直しを進めていた。

検討会ではボランティアである保護司に報酬を支払う報酬制や、面会と啓発活動を分担する分担制の導入も議論されたが、現役保護司の委員らの反発もあり、最終報告書案では見送られた。

最終報告書案では、66歳以下とされていた新任時の年齢上限を撤廃。雇用主らに対し、保護司を兼職する職員への配慮を求める規定を保護司法に盛り込むよう提言した。

今年5月に大津市で保護観察対象者に保護司の男性が殺害された事件を受け、安全対策として、更生を担う法務省職員である保護観察官が担当する対象者の拡大や、自宅以外の面会場所確保などを盛り込んだ。

また、保護司活動に伴う実費が十分に支給されず、「持ち出し」が生じている問題を解消するため、実費弁償金の充実を図るとした。

保護司の力は地域の力 論説副委員長・長戸雅子

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