昨年12月に閣議決定された敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費倍増を明記した安保関連3文書に反対する「平和を求め、軍拡を許さない女たちの会」の集会が8日、東京・永田町の衆院第2議員会館で開かれた。記者会見で登壇した人たちの発言要旨は次の通り。
◆人間の安全保障なくして国家の安全保障はない 社会学者の上野千鶴子さん
2014年に集団的自衛権が閣議決定され、15年には、安全保障関連法制が強行採決され、22年には安保関連3文書が閣議決定された。ウクライナ侵攻を奇貨として『安倍晋三元首相が生きていたら、これを機に改憲に持ち込めた』との声も聞こえるが、解釈改憲で好き放題できるのを目の前で見せられた。もはや改憲の必要性もなくなった。防衛費はGDP比1%のリミッターを外し、23〜27年度の5年間で43兆円を支出する。財源は増税で、米国製の格落ち武器を税金で買う。他方で守るべき国家も国民もやせ細っている。異次元の少子化対策といいながら財源の手当は論じられず、本気度は全く感じられない。人間の安全保障なくして国家の安全保障はない。
◆軍拡は日本と世界を滅ぼす道 法政大前総長の田中優子さん
政府が昨年開催した防衛力強化に関する有識者会議は、外交による防衛を全く語らず、軍事力のみで語り、台湾有事を日本有事のように語る。1972年の日中共同声明で、中国(中華人民共和国)が唯一の合法政府だと明言したのに、台湾有事がどのように日本有事になるのか。有事への過程が全く説明されていない。戦時体制は国民生活を追い詰め、更なる少子化が進む。大学までの教育無償化が実現できれば、安心して子どもを育てられる。少子化に気候変動も重なり、世界が一致して対策取らなければない時に軍拡に走るのは、豊かになるどころか日本と世界を滅ぼす道だ。
◆メディアは軍拡を問う議論広げて 漫画家の東村アキコさん
私たちの税金でミサイルを買うことが、いつの間にか決まっていた。今回の軍拡は、大きなターニングポイントで、より深刻だが、主婦層などが見るテレビなどの媒体が、軍拡を問う議論をほとんどしないないのは恐怖だし不安だ。漫画家やクリエーターなど普段は活動に参加しない人からも署名をもらった。メディアの皆さんには(軍拡を問う)議論を広げてほしい。
◆戦争に突入しないといけないムードに 人材派遣会社「ザ・アール」創業者の奥谷禮子さん
ウクライナ侵攻が起きて日本は戦争を回避できない、戦争に突入しないといけないとのムードが出てきた。おかしい。日本にとって一番大事なのは、経済力・産業競争力を上げること。人材の能力を上げるために教育への投資が重要。公立の学費無償化はもちろん、子どもにどう明るい将来を見せるかが重要。それが描けてない。岸田文雄首相は、中国の習近平 国家主席にも会わず、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記にも会わないまま、台湾有事を脅威と言っている。それが不安だ。皆さんと一緒に「軍拡反対」を言いに来た。
◆給与は上がらないのに社会保障費削減はおかしい 日本女医会の前田佳子会長
おかしいことは「おかしい」と言わないと、おかしいことが正しいように見える。5年で43兆円使うと岸田首相は米国に約束したが、財布は一つ。軍事費を増やせば、他の予算が減らされる。物価が上がり、給与は上がらないのに社会保障費削減はおかしい。一部の後期高齢者の医療費の自己負担が1割から2割になり、国立病院機構や地域医療機能推進機構の積立金が軍拡に使われる。「この愚か者めが」と言った議員がいた(10...
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