SNSで募集した女性を紹介か 風俗スカウトグループら5人逮捕

SNSで募集した女性を性風俗店に紹介したとして、警視庁は風俗スカウトグループら5人を職業安定法違反の疑いで逮捕しました。このグループは全国のおよそ350店舗と契約し女性のプロフィールを複数の店に送って最も高い金額を提示した店に紹介していたということで、警視庁はこれまでに数億円の報酬を受け取っていたとみて調べています。

逮捕されたのは、東京 新宿区に住む遠藤和真 容疑者(33)や、いずれも町田市に住む大学生の兄弟、田中優音 容疑者(21)、田中優也 容疑者(21)ら合わせて5人です。

警視庁によりますと、20代の女性4人を大分県内の性風俗店に紹介し、雇用させたとして職業安定法違反の疑いが持たれています。

遠藤容疑者のグループは、「アクセス」と名乗り、全国46都道府県のおよそ350店舗と契約したうえSNSを使って風俗店で働きたい女性を募集していました。

そして女性の顔写真や体型のほか、店側が一定の報酬を約束する「最低保証金」の希望額を載せたプロフィールを複数の店に送って保証金の額を競わせ、最も高い金額を提示した店に紹介していたということです。

店からは、女性の売り上げのおよそ15%が「スカウトバック」と呼ばれる報酬として支払われていたということで、警視庁は、これまでに数億円を受け取っていたとみて調べています。

調べに対し、遠藤容疑者は、「納得できません」と供述し、ほかの4人は容疑を認めているということです。

大手風俗グループ元幹部「スカウト行為が違法という感覚マヒ」

大手風俗グループの元幹部は、スカウトを使う風俗店側のメリットについて、「店で求人を出してもいつ応募がくるかわからないが、スカウトを使えば、本人の写真やプロフィール、今までの経験など、女性の情報が毎日届くようになる」と話します。

また、女性側にとっても「風俗店に直接面接に行くことに不安を感じていたり、稼げる店なのかという情報を求めていたりするので、スカウトが『水先案内人』としての役割を果たしている」などと述べました。

一方、元幹部は、違法なスカウトが間に入ることにより搾取の構造がより強まったり、女性たちが意図しない形で働かされたりすることにもつながりやすいと指摘していて、「違法なスカウトに店側も依存する状況が常態化している。違法なスカウトをしているのは若い人間ばかりで、闇バイトと同じようにネットで集められている。女性を紹介する側も、紹介を受ける店側も、スカウト行為が違法であるという感覚がマヒしているのが現状だ」と話しています。

容疑者らが使用していたとみられるアカウント

容疑者らのグループが女性を募集するために使用していたとみられる「X」のアカウントです。

プロフィール欄に「出稼ぎ、在籍即日案件出します!!とにかく稼ぎたい方しっかり稼がせます」などと記されています。

このアカウントでは、求人を出している風俗店の業種や報酬、年齢といった採用条件が書かれた投稿もしていて、連絡してきた女性と条件面などについてやりとりをしたうえで、あっせんしていたとみられています。

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