民俗資料の収集・保存めぐり検討委初会合 奈良県立民俗博物館

奈良県立民俗博物館の資料が増えて 収蔵庫を圧迫している問題を受けて、今後の資料収集や保存について検討する専門家委員会の初会合が県庁で開かれ、今後▼資料を収集する基準や▼博物館から資料を取り除く際の手続きなどを明文化した方針を、作成していくことになりました。

大和郡山市にある奈良県立民俗博物館は、大正から昭和にかけての生活用具や農具などの民俗資料 およそ4万5000点を収蔵していますが、施設の老朽化に加え、資料が収蔵庫に入りきらず保存環境が悪化していることから、ことし7月から休館して整理作業を続けています。
こうした中、県は資料の収集と整理の新たな方針を策定しようと、専門家による検討委員会を立ち上げ、18日、県庁で初めての会合を開きました。
会合には、民俗学や資料の保存に詳しい博物館や大学の研究者など5人が出席し、まずはじめに西村高則 副知事が「博物館の収蔵スペース不足は全国的な課題になっている。解決の助けとなるよう きたんのない意見をうかがいたい」と述べました。
このあと会議は非公開で行われ、県によりますと、新たな方針の作成にあたっては▼資料を収集する基準や▼博物館から資料を取り除く際の手続きなどを明文化することを、確認したということです。
会議のあと、委員長を務める国立民族学博物館の日高真吾 教授は「今回の問題は、全国の博物館が抱える課題を明らかにするきっかけになった。民俗資料をどうしていくのか、奈良から全国に発信できるような方針にしていきたい」と話していました。
県は今後、来年度(令和7年度)中に方針を策定して整理を進め、令和9年度中の博物館の再開を目指すことにしています。

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