3桁の数の掛け算となると、多くの方は電卓を使って計算するはずです。
しかし、ある条件のときには暗算でも簡単に計算することが可能になります。
今回はそのような問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
897×898
ポイントは、二つの数がともに「900に近い」ということです。
どのように計算すれば良いのでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「805506」です。
ここでは、インド式計算法を用いた計算の仕方を紹介します。
以下の条件に当てはまる数の場合に利用が可能です。
二つの数がともに同じ「100の倍数」に近い場合
(今回の897と898は、ともに900に近い数)
計算は次のような手順で行います。
【手順1】
「100の倍数」とそれぞれの数との差を求める。
900−897=3
900−898=2
【手順2】
「100の倍数」を二乗する。
900×900=810000
【手順3】
手順1で求めた二つの数を足し、「100の倍数」を掛ける。
(3+2)×900
=5×900
=4500
【手順4】
手順1で求めた二つの数を掛ける。
3×2=6
【手順5】
(手順2の数)−(手順3の数)+(手順4の数)を計算する。これが答えとなる。
810000−4500+6
=805500+6
=805506
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、手順を覚えてしまうと通常の筆算より簡単にできるはずです。
何度か繰り返し練習を行ってみると良いでしょう。
計算が成り立つ理由
ここでは、上記の計算が成り立つ理由について考えてみましょう。
知らなくても計算は可能ですが、これを知っていると更に深く算数・数学を理解できるようになります。
今回の問題では、次の展開公式を利用しています。
(X−a)(X−b)=X^2−(a+b)X+ab
「897×898」の計算では、二つの数がともに900に近い数なので、以下のように考え、公式に当てはめます。
897×898
=(900−3)(900−2)
=900^2−(3+2)×900+3×2
900^2が手順2の計算
(3+2)×900が手順3の計算
3×2が手順4の計算
と、それぞれ対応する計算が現れていることが分かります。
まとめ
3桁の掛け算の中でも、ともに2つの数が同じ「100の倍数の数」に近い場合に今回の計算ができます。
この方法を知っていると、計算のスピードは格段に上がるはずです!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。