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カンボジアでのインターン生活~現地から活動報告~

こんにちは!6月からカンボジア事務所でインターンをしている櫛渕です。カンボジアでの仕事や生活は日本とは大きく異なり、日々新たな学びがあります。今回は、私のインターン経験を通じて、現地での活動やスタッフの様子をご紹介します。

カンボジアでの仕事

私の主な業務は、2023年にフェーズ2の活動の一環として実施した、ベースラインサーベイのデータ分析です。この調査は、SHAREの活動前に5歳未満児の栄養状態を評価し、活動の必要性や終了後の成果を測定するために行われました。WHOの調査によると、カンボジア全体では発育阻害の割合が22%、消耗症が10%に該当します(DHS, 2022)。2000年にはそれぞれ50%、17%であったため、栄養状態は大きく改善していますが、地域内格差が依然として大きいのが現状です。例えば、教育を受けていない母親の子どもでは発育阻害の割合が28%、貧困家庭では31%に上ります。

私たちの活動地域であるプレアビヒアの村では、さらに栄養失調の割合が高いことが知られており、事前調査でその現実を明らかにしています。調査は栄養状態(身長、体重)だけでなく、家族の情報(親の職業や学歴)や食事摂取行動の指標(食事の頻度や内容)も含まれており、これらのデータを分析して低栄養との関連性を探る予定です。

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村の乳児検診活動で体重測定をされている3歳児

医療事情

村を訪れると、ある村では25人中5人が標準偏差(SD)を基準に-3SDの低体重、さらに5人が-2SDの低体重であることが確認されました。本来、-2SDは人口の約2.5%しか該当しないはずですが、ここではそれを大きく上回る子供が低栄養状態にあります。この状況に直面すると、もはや小さな子供たちが普通に見えてしまうこともあります。中には、低栄養により足の浮腫が見られ、立つことすらできない子供もいました。

-3SD以下の子供たちは、保健センターで無償の治療食が提供され、フォローアップが行われることが決められています。しかし、受診の時間や交通手段がない、無償であることが知られていないなどの理由で、多くの母子が必要な医療サービスを利用できていません。

カンボジアの医療事情を見ると、各地域には1つのヘルスセンターがあり、バイクで30分から1時間ほどの距離に位置しています。ヘルスセンターでは、看護師や助産師が24時間体制で村のプライマリヘルスケアを担い、重症患者は州立病院に搬送されます。州立病院では、外科手術や帝王切開などに対応していますが、医療資源やスタッフが不足しているため、オーバーワークが課題です。それでも、現地のスタッフは限られたリソースの中で、できる限りの医療を提供しています。

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訪問したヘルスセンターで医療を提供している看護師

現地での生活の様子

私が滞在しているのはプレアビヒア州の州都で、電気や水道が整備されています。しかし、車で1時間ほど行くと、電気や水道がない村も多くあります。そのような場所では、雨水を煮沸して飲料水として利用しており、生活の工夫が必要です。トイレがない家も多く、日本での生活とは大きく違うことを日々感じています。

プレアビヒアの町はメインストリートが2本あり、中心街は自転車で20分ほどの距離です。現地の人々は主にバイクで生活しており、運転免許がないため、小学生の子供がバイクを運転する光景も日常的に見られます。日本では考えられない5人乗りのバイクもよく見かけ、驚くことも多いですが、地元の人々は工夫しながら生活を楽しんでいるようです。

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中心地から30分程度の村の様子

おわりに

カンボジアでのインターンを通じて、現地の人々の生活や医療の実態を目の当たりにしました。特に、貧困層では栄養失調や低い識字率といった課題が多く、日本とは大きな違いを感じます。しかし、その中でも人々は工夫し、協力し合いながら、より持続的で効率的な生活を送っています。村の中で見られる家族やコミュニティの助け合いは、資源が限られた環境下でも、生活を維持しようとする強い意志を感じさせます。

また、カンボジアの医療や生活からは、日本が学ぶべき点も多いと感じました。日本が豊かさに恵まれている反面、効率的な資源の利用やコミュニティの協力体制は、カンボジアの生活から吸収できる部分です。例えば、カンボジアの人々が資源を無駄にせず、創意工夫を凝らして生活している姿勢は、現代日本が直面する環境問題や高齢化社会においても非常に重要な教訓となると感じました。私は今後も、このインターン経験を通して、現地の知識や技術を学び、自分自身の成長に繋げたいと考えています。
皆様もぜひ、カンボジアに足を運び、その魅力を肌で感じてみてください!

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