八幡に妻と子供が出来る話です。
※八幡がカメラに詳しいという追加設定あり。

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感想、評価待ってます。
最後まで読んでね。

この作品で八幡を主人公にする意味がないとすれば、原作以外に八幡を主人公にする意味は無い!!という気持ちで書き上げました。


八幡は駅にいる

八幡は行き付けの有名駅で電車の写真を撮っていた。

「うーん、このアングルだとあそこの小学生が邪魔だなあ」

 

 

しかし小学生達は、八幡の為にわざわざ気を使って場所を離れたりはしないだろう。

未来が確定していない子供達は、皆それなりの宝としては扱われるので、未来が低止まりで確定した八幡よりは格上となる。

そういった風潮が生まれた理由は明確だ。

 

とどのつまりは少子化のせいだ。

これには極めて残酷な真実がある。

その原因は国民の貧しさではなく、非モテ男性のせいだと言う事だ。

実はイケメンであれば、年収に関わらず死ぬ迄に子供を平均して二人以上作っているという現実がある。

挙げ句、「政治家のせいで国が貧困化したので結婚出来ない」と主張する男性の殆どが、そもそも彼女が出来た事もないという話であり、貧しさ以前の話だった。

負け組に限って己の無能を棚に上げて政治家のせいにするが、政治家は別に悪く無い。

 

2025年1月1日、有能な政治家達は、非モテ男性に見切りを付けてしまった。

子孫を残せるイケメン男性と、その子供達を貴族にして、そうでない男性を平民として扱う事にしたのだろう。

 

 

そうなると、見た目から平民の八幡を貴族の子供達が見下すのも当たり前だ。

年上と年下以前に、貴族と平民の違いがあるのだから。

 

 

 

 

電車の前で笑いながら動いている小学生五人に対して、八幡はイライラして、不快に感じているというアピールを隠そうともしなかった。

 

「やはり俺が写真を撮っているのに、ファインダーから外れない小学生は間違っている」

 

そんな事をブツブツと言いながら貧乏ゆすりをしていた。

 

 

 

すると小学生五人組がやってきて、三脚ごと八幡のカメラを蹴飛ばした。

八幡が身分を弁えずにイライラしていたと判断したのだ。

八幡がカメラのキズを確認している中、小学生達は八幡を蹴ったり、三脚を奪って叩いたりしていた。

 

 

八幡は小学生五人組には勝てなかったので逃げ出した。

しかし、小学生に何度か追い付かれて殴られたりした。

追い付かれた理由としては、撮影機材を持っていた事と、運動不足と運動神経の無さだ。

 

 

 

 

八幡は殴られ続けるのに耐えられなくなり、遂に威嚇して反撃に移ることにした。

八幡が向き直って小学生達と対峙していると大人達が集まって来た。

 

 

「「こいつ(ら)が攻撃してくるんです!!」」

 

 

小学生の一人と八幡は、ほぼ同時に同じ事を周りに叫んだ。

勿論、八幡が殴られていたのを見ていた人は何人かいた。

しかし、そんな事に構う程暇ではない人々が大半だ。

従って、見ているのは暇人ばかりだった。

 

しかし、その中にグイグイと入ってくる男がいた。

ゴツくて金髪色黒でタンクトップの、肩にタトゥーを入れたナイスガイだった。

 

その男は無言で小学生と八幡の間に入ると、八幡の頭を思いっ切り殴りつけた。

 

「テメェ、小学生相手に恥ずかしくねぇのかっ!!」

 

 

八幡の頭は凹み、八幡から∧幡か入幡みたいな形になった。

八幡は怖いし急な事で混乱もしていたし、それ以上に痛くて痛くて動けなかった。

カメラと三脚を取り落としたが、それを拾う余裕が無かった。

頭では撮影機材の事ばかり気になるのに、その為に動けなかった。

 

生物的、本能的な強弱の関係から相手に逆らえなかったが、それでも八幡は彼の全ての勇気を振り絞り、言った。

 

「でも、こいつらが…」

 

 

今度は男に蹴り飛ばされた。

 

 

「うっせぇ!!   …お前ら、変な奴に逆ギレされて怖かっただろ」

 

「ううん、別に怖くは無かったけど面倒になってた。

ありがとうパパ」

 

 

 

そう、ナイスガイは子供の一人の父親だった。

結局、どちらが悪いとかではなく、自分の子供と喧嘩する成人男性がいたら、その成人男性を倒すのが父親としての正解だ。

 

 

子供は動けなくなった八幡に蹴りを一人一回ずつ入れた後に帰っていった。

 

 

八幡は、気がついた。

途中で子供が四人になっていることに。

 

嫌な予感がしてカメラを取りに戻ろうとすると、駅員がやって来て小学生相手への暴力行為をした容疑で追及された。

 

八幡は「そんなことよりもカメラを確認しに行きたい」と叫んだが、「子供をいじめて“そんなこと”とはなんだ!!」とお説教された。

 

 

 

 

何時間も拘束されて開放された八幡はカメラを探しに行ったが、カメラは遂に見付からなかった。

逆パカになって折れた三脚だけは近くに転がっていた。

 

駅員にその事を何度も訴えたが、駅員は面倒臭そうにするだけで、適当にあしらわれた。

 

「反省しているのなら、カメラの事よりも、子供を大切にするべきだろうねえ」

 

この様にまた説教もされた。

失せ物として登録はしてくれるということだった。

それで十分に駅員は務めを果たしている。

 

 

 

…結局、カメラは見付からなかった。

 

 

 

 

 

そんな八幡だったが、三十五歳になった時に、結婚相談所で五歳年上の女性と結婚した。

この時代には、結婚したら200万円が貰えるという政策が出来たので、生活に困ったら取り敢えず結婚という風潮も出て来たのだ。

コレに伴い、“子供出来たら貴族”制度は無くなったが。

不妊治療の関係で専業主婦という条件でならということで、結婚してもらえたが、不妊治療なら専業主婦でも仕方なかった。

高齢出産で色々と問題がある子供が生まれたが、確かに八幡の子供だった。

とても良く似ていたので、託卵では無かっただろう。

 

今なら分かる。

八幡は誰かのカメラよりも自分の子供が大切だと。

 

あの駅員からのお説教も理解できるようになった。

 

 

そして月日が経った。

八幡の子供もまた、電車をカメラで撮る趣味を持つようになった。

風評と予算の関係から、断固として反対する妻を押し切って、八幡は高級なカメラを買い与えた。

妻は南の国へ帰っていったし、妻から子供の養育費が支払われる事も無かった。

 

 

 

後日、そのカメラが奪われてしまった。

 

この時代は少子化が回復してしまったせいで、昔のように子供がいれば貴族とはならなかったが、それでもそれなりに子持ち様として扱われていた。

 

なので八幡は強奪が発生した駅の駅長室に怒鳴り込みに行った。

しかし、当時八幡に説教した駅員が駅長になっていた。

八幡はトラウマから強くは出られなかった。

 

「カメラを獲った相手も子供なんだし、多目に見なさい」

 

 

八幡はまたお説教された。

取り敢えず警察に行ったが、今度は嘗ての小学生だった男にあった。

 

「子供のやった事にガチギレする大人ってみっともないよなー。

というか、そんな高い物子供に与える親って何なんや」

 

ボソッと正論を独り言で言われたが、八幡は何も言えなかった。

正論だったからではない。

生物的、雄的な上下を本能的に分からされたからだ。

 

 

八幡の子供はカメラ趣味をやめて引き籠もりになった。

日中は仕事で父親がいないので、リビングでゲームをして、父親が帰って来る前に部屋に戻ってスマホをイジるようになった。

 

しかし、母親がいないことでグレるようになり、それが功を奏して雄としては強くなった。

しかし、不良グループの中では一番格下だった。

それでも、無よりは不良の方がマシである。

 

 

 

八幡はとあるネットオークションサイトで、カメラが二つセットで売られているのを見付けた。

それは自分が取られたカメラと、自分の息子が取られたカメラだった。

 

八幡はそれを引き渡す様に持ち主に主張したが、持ち主も「よくわからない人に無料で渡せってどういうことですか?」と正論を言っていた。

 

確かに、仮に八幡の元持ち物であっても、出品者が盗難者本人であるとは限らないからだ。

 

 

 

八幡は何度もそのサイトをみて、SOLDOUT(売り切れ)になるまでただ見送るしかなかった。

周囲の女性達が次々と誰かの彼女になっていくのを見送るしか無かった学生時代のように…。




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