ビル管理元役員殺害容疑で組幹部を逮捕
東京都港区の路上で2006年3月、元ビル管理会社役員の野崎和興さん(当時58)が刺殺された事件で、警視庁組織犯罪対策4課は20日、埼玉県八潮市八潮7、山口組旧後藤組(現良知組)系幹部、松本英也容疑者(52)を殺人容疑で逮捕した。同課によると、松本容疑者は事件の指示役で、「弁護士と相談してから話す」と話している。
逮捕容疑は06年3月5日午後9時45分ごろ、港区内の路上で野崎さんの背中などを刃物で刺し殺害した疑い。旧後藤組は当時、渋谷区の雑居ビルの所有権を巡り、管理していた野崎さんの会社とトラブルになっていた。
同課は昨年12月、殺害に関与したとして逃走車両の運転役とみられる旧後藤組系の組員を殺人容疑で逮捕。別の組員も共犯として国際手配したが、今年4月にタイ北部で殺害されていたことが判明している。同課はこの組員の殺害も松本容疑者が指示していた可能性があるとみて調べている。
ビルを巡っては刺殺事件後の06年5月、ビルの所有権登記を不正に移転させたとして、旧後藤組組長の後藤忠正被告らが電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕、起訴された。東京高裁は昨年5月、後藤被告に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡し、後藤被告側が上告中。