後藤組ビル不正登記、元組長に逆転有罪 東京高裁判決
東京都渋谷区のビルの所有権を不正登記したとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪に問われた元暴力団山口組系後藤組組長、後藤忠正被告(67)の控訴審判決が25日、東京高裁であった。出田孝一裁判長は「(交渉相手にはビル全体の)所有権がないことを認識しながら登記をした」と述べ、後藤被告を無罪とした一審・東京地裁判決を破棄し、懲役2年、執行猶予4年の逆転有罪判決を言い渡した。
共犯に問われた金融業、坂上雅夫被告(53)=同事件について一審無罪、別の電磁的公正証書原本不実記録ほう助罪で一審有罪=は懲役2年6月、執行猶予4年とした。
判決によると、後藤被告らはJR新宿駅近くの雑居ビルについて、実際には一部しか所有権を持っていなかった不動産会社との間で、ビル全体の売買契約を結び、同ビルの所有権がすべて後藤組関連企業に移転したとの虚偽登記をした。
一審は後藤被告が不動産会社が所有権の一部しか持っていなかったことを知らなかったと認定したが、出田裁判長は「事情を知らなかったとする被告の供述は不自然。ビルの購入代金を準備する際に十分な説明を受けていたと推認できる」などとして逆転有罪の結論を導いた。