「Dappi」裁判で被告企業の社長が初出廷 「投稿者」の名前開示を拒否 10月に判決へ

2023年6月26日 17時44分 有料会員限定記事
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 匿名Twitterアカウント「Dappi」による虚偽の投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が東京都内のIT関連企業に対して880万円の損害賠償などを求めた民事訴訟は26日、東京地裁で被告会社の取締役2人への本人尋問があった。初めて出廷した同社男性社長は、会社による「業務」としての組織的投稿を改めて否定。従業員の1人とされる「投稿者」の名前を明らかにすることも拒否し、結審した。判決は10月16日。

◆裁判長「証言を正当な理由なく拒絶すると…」

 裁判では、投稿がこの企業による組織的な「業務」だったのかどうかが争点となっている。
 原告側は「組織的な投稿」の根拠として、投稿時間が平日の日中に集中しており、一定の作業量を必要とすることなどを挙げてきた。
 これに対し被告側は、同社の1人の従業員が会社のインターネット回線を使って投稿していたことは認めているが、「私的な行為として業務とは無関係に行われた」などと反論。双方の主張は平行線をたどってきた。
 一方、投稿者とされる従業員の名前の開示について、被告側は「プライバシー保護の観点から許されるものではない」などを理由に応じていない。
 被告側は、この従業員を減給10%(3カ月)の懲戒処分にしたとして給与明細を提出したが、名前部分は黒塗りのまま。原告側は「投稿者」が、この社長を含む取締役2人のどちらかであると主張しており、3月に新谷祐子裁判長が「投稿者が取締役かどうかは、投稿が業務として行われたか否かの検討に重要」として黒塗り部分のないものの提出を命じた。しかし被告側は応じていない。
 この日の尋問で、被告の社長は「多くの人が押しかけ、嫌がらせが想定される」と述べ、今後も提出を拒否する意思を示した。原告側弁護士が「投稿者」の勤務状況などをただしたが、社長は「本人の特定につながってしまうので」と繰り返し、回答を拒否。会社がTwitter投稿の業務委託を受けたことも「なかったと思う」と答えた。
 双方の尋問終了後、新谷裁判長は「証言を正当な理由なく拒絶すると、反対当事者の主張が真実と認められる」と述べたが、それでも社長は投稿者名の開示を拒否する意向を示した。

◆そもそもどんな投稿だった?なぜ裁判になった?

 「偏向報道をするマスコミは嫌いです」などとプロフィール欄にうたい、政治的な内容のツイートを連投して16万ものフォロワーを集めた匿名Twitterアカウント「Dappi」。その投稿を巡る裁判は提訴から1年半余りが経過した。投稿はどんな内容だったのか、裁判の争点は何か、そもそもどんなアカウントだったのかについてまとめた。
 まずは、裁判のきっかけとなった投稿について振り返る。
 投稿があったのは2020年10月25日。その頃、学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた元財務省近畿財務局職員が決裁文書改ざんを強制され自殺したとして、妻が国と元国税庁長官に損害賠償を求め提訴した裁判が大阪地裁で進んでいた。
 Dappiは、作家・ジャーナリストの門田隆将氏による産経新聞紙面でのコラムの画像を添え、コラムを引用する形で「近財職員は杉...

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