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ベータ崩壊で出てくる中性微子はなぜ反電子ニュートリノなのですか? 電子ニュートリノではだめなのですか?

物理学102閲覧

回答(3件)

この問題は、意外と難しいです。 教科書的な説明だと、 -------------------- レプトン数というものがあり、これが保存します。 電子、電子ニュートリノのレプトン数は+1 陽電子、反電子ニュートリノのレプトン数はー1 です。 レプトンではない素粒子のレプトン数は0です。 ベータ崩壊は 中性子 → 陽子 + 電子 + 半電子ニュートリノ です。 始状態は中性子しかなく、レプトンは存在しないので、レプトン数は0です。 終状態は電子の+1と半電子ニュートリノのー1を合わせて0。 よって、始状態と終状態でレプトン数は変化していません。 だからこれはOKです。 もし、ベータ崩壊で放出されるニュートリノが普通の電子ニュートリノなら、終状態のレプトン数が+2になってしまうので、これは禁止です。 ー-------------------- ということになります。 しかし、エネルギーや運動量や角運動量や電荷のように保存則の背後にある対称性が、レプトン数にはありません。 だから、レプトン数が保存するという保証はありません。もしレプトン数が保存しないのなら、普通のニュートリノを放出するようなベータ崩壊もあっていいことになります。 そんなわけで、二重ベータ崩壊というレプトン数が保存しないようなベータ崩壊を探す実験がいろいろなところで行われています。

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知恵袋ユーザー

2022/8/27 18:41

ベータ崩壊では、中性子が陽子に、あるいは陽子が中性子に変化する際に、電荷の辻褄が合うように電子または陽電子が生成されます。 電子はレプトンと呼ばれる素粒子のいっしゅです。陽電子は電子の反粒子であり、反レプトンの一種です。 このとき、レプトンが生成したならば、同時に反レプトンも生成しなければなりません。 故に、例えばベータ崩壊で電子が生成されたならば、同時に、電荷がゼロの反レプトンである反ニュートリノも生成します。 レプトン同士は对で生成しません。必ずレプトンと反レプトンの对が生成されます。

β崩壊でも3種類あって、β-崩壊は反電子ニュートリノを放出します。 これは、β-崩壊により電子が放出するので、電荷的に中性になるため 反電子ニュートリノ(電荷的に+)を放出します。 β+崩壊は、陽電子を放出するので、電子ニュートリノ(電荷的に-)を 放出します。