18歳以下の甲状腺検査 “がんと被ばくとの関連認められず” NHK 2023年11月24日
 https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20231124/6050024630.html

 福島医大 甲状腺検査は発見する必要のない甲状腺ガンを見つけているだけ
 2024年11月13日 有本圭太
 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_673302bce4b0745a493b83d8

  【有識者などで構成される福島県「県民健康調査」検討委員会が11月12日、福島市で開かれ、東京電力福島第一原発事故後の2011年10月から始まった福島甲状腺検査について意見が交わされた。
 検討委員会では、福島県立医大側から7巡目検査の実施計画案が示されたが、複数の委員が「検査を一度止めるべき」「次に進む前にこれまでやってきたことの総括は必要」と、検査継続に「待った」をかけた。
 福島甲状腺検査を巡っては、放置しても生涯にわたって何の害も出さない病気を見つけてしまう「過剰診断」の被害を生んでいるという指摘がある。】

 上の超奇っ怪な屁理屈=「何の問題も起きない安全な甲状腺ガンを検査機材の進歩によって見つけてしまっているだけ」という主張が、医学界の常識だそうだ。
 なるほど、それで1960年代まで100万人に0.5人しかいなかった小児甲状腺ガン患者が、福島第一原発事故後に、30万人中約400名、2000倍以上に増えた原因は、機材の進歩にすぎなかったんだ。
bakabon












 つまり、フクイチ事故前まで、たぶん江戸時代製の機材でも使っていたんだね。それが事故後の検査では、いきなり現代の検査機器を使って調べたので2000倍以上も発見されたわけだ。福島の放射能汚染と甲状腺ガン激発には、何の関係もなかったんだ!

学校検診が過剰診断の悲劇を生む 大阪大学医学部 甲状腺腫瘍研究チーム
 https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/labo/www/CRT//OD5.html

①「福島のこどもは、大丈夫です」ー甲状腺検査の現場から 早野龍五、緑川早苗、服部美咲 SYNODOS(https://synodos.jp/fukushima_report/21602

 ② 福島の甲状腺がんの過剰診断ーなぜ発生し、なぜ拡大したか 日本リスク研究学会誌 l28(2):67-76,2019(https://doi.org/10.11447/sraj.28.67

 ③ Overdiagnosis of thyroid cancer: The children in Fukushima are in danger(甲状腺がんの過剰診断:福島の子供たちは危険にさらされている)Arch Pathol Lab Med 143:660-661,2019(https://www.archivesofpathology.org/doi/full/10.5858/arpa.2018-0586-LE)

福島で甲状腺がん診断多発の裏に「過剰な検査」、日本人が知らない“がん検診”の実態 窪田順生:ノンフィクションライター 2022.8.11
 https://diamond.jp/articles/-/307885
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上の主張を続けている「原発健康被害はなかった大好き」、屁理屈大好きの皆様には、あまり良いお知らせではありません。

 「福島県民健康管理調査」が始まったのは、2011年6月から。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E6%B0%91%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%AA%BF%E6%9F%BB

 2011年3月11日時点で概ね18歳以下の全県民(約38万人)を対象とした甲状腺の超音波検査。チェルノブイリ原発事故後に小児の甲状腺がんが多く見つかったことから、対象者には繰り返し検査が行われることになった。
 実際に検査が行われたのは、約30万人。直後から小児甲状腺ガンがたくさん発見されたが、福島の場合は、「チェルノブイリより被曝線量が少ないから放射能汚染とは無関係」と結論づけられたまま14年後の現在に至る。

 14年後の現在、正式に甲状腺ガンとカウントされたのは、30万人中、387名 2024/11/08 大半が悪性疑いなのだ。
 https://www.ourplanet-tv.org/49848/

 フクイチ事故前の、小児甲状腺ガン発症確率は、おおむね100万人中0.5~1名と報告されてきた。それが事故後は、100万人中1290名、1971年の原発建設前は0.5名だったので、およそ2600倍になった。

 これまでアワープラネットでは福島の小児甲状腺ガン検査について逐一報告が行われ、それは数百本に達している。これまで、東電や日本政府に迎合忖度しない福島の健康被害に関する報道は、非常に少なく、アワープラネットだけが信頼性の高い報道を行ってきた。
 https://www.ourplanet-tv.org/feature/feature-childhood-thyroid-cancer/

 なお、比較対象になるチェルノブイリ放射能事故における小児甲状腺ガン報告をは以下のとおり。

  チェルノブイリ原発事故による小児甲状腺ガン 今中哲二
  https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/JHT/JHT9602.html

 悲劇から30年、チェルノブイリの実相 日本経済新聞
 https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/chernobyl/

  WHOでは、チェルノブイリ被災三国での小児甲状腺ガンの総数は5000名前後としている。
 https://www.nihs.go.jp/hse/c-hazard/npp-ac/WHOFS_Chernobyl_200604.pdf

 今回、アワープラネットは、福島県における小児甲状腺ガンで、命に危険が及ぶ「悪性」が疑われる事故時18歳未満の癌患者が387名に達していることを報道した。
 悪性というのは、甲状腺ガンがリンパ節や肺に転移を始めている可能性が強いものを指す。これは手術をしないと数年後に全身転移を起こしたり、肺癌などで死亡する可能性があるので、手術が必須ということになる。「見つけなくとも影響のない」癌ではない。
 2024/11/08 悪性疑い387人に~福島県・甲状腺がん
 https://www.ourplanet-tv.org/49848/

 東京電力福島第一原発事故後に福島県で行われている「県民健康調査」の検討委員会が11月11日、福島市内で開かれ、新たに7人が甲状腺がんの疑いと診断された。
 1巡目で、甲状腺がんと診断されたのは345人となり、がん登録で把握された2018年までの集計外の患者43人をあわせると、事故当時、福島県内に居住していた子どもの甲状腺がんは、術後に良性だった一人を除き、387人となった。
 新たに手術を受けた人はいなかった。

 今回の検討委員会で公表されたのは、5巡目、6巡目の甲状腺検査の結果。5巡目検査では、穿刺細胞診で新たに2人が悪性の疑いがあると診断され、48人となった。
 前回の検査4回目の結果は、A判定が36人(A1が11人、A2が24人)、B判定が6人、未受診が6人だった。

 また6巡目では5人が悪性疑いと診断され、11人となった。前回の検査結果は、A判定が6人(A1が2人、A2が4人)、B判定が2人、未受診が3人だった。

 室月委員が「検査中止」を主張
 今回、白熱したのは、来年4月から始まる、7巡目の甲状腺検査をめぐってだ。 これまで、学校での集団検診に異論を唱えてきた宮城県立こども病院産科科長の室月淳委員は、「今回の検討委員会の議題が来年度から始まる7巡目の甲状腺検査について承認を求めるのであれば、私ははっきりここで反対します」と主張。

 UNSCEAR報告書で、甲状腺がんが増えているのは、放射能の影響ではなく、検査による過剰診断だと結論づけているとして、一旦検査を止めて、過剰診断かどうかを検証すべきだと述べた。

 これに対し、福島県の佐藤県民健康調査課長は、「福島県で原発事故が起が起きなければやられる必要のない検査をやっている」とした上で、「前回アンケートの調査でやった中で、放射線に対する不安があるという県民の方が多かった」と指摘。
 検査のデメリットもお知らせをして 丁寧に集中を図りながら対応して いきたい」と回答。また、検討委員会の重富秀一座長)も「原発事故に遭遇した福島県民の心を考えればここで中止するという選択はないとは思う」と発言。「7回目の実施計画はこれで進めていただきたいと思う」と反論した。

 これに対し、中山委員がこの検討委員会の目的には、検査を中止することも含まれるのかと問い、「(検査を)評価するタイミングは金輪際こないのか。生涯継続するということを言っているのか」と食い下がり、さらに量子科学技術研究開発機構の熊谷敦史委員も、当初に決められた30年は、被曝についてよくわかって時期の話だとして、過剰診断やスクリーニングの比率を解析し、総括するよう求めた。

 一方、甲状腺がんの専門家とも言える、国立病院機構東名古屋病院の今井常夫委員は、「私は逆の意見」だとした上で、「やはりこの県民健康調査は福島県の方がどう考えるかということ 非常に大事だと思っている」と反論。

 県民のアンケートでは、検査は続けてほしいという意見が圧倒的だったとして、県民の意見を尊重するよう求めた。また、福島県立医科大の志村浩己医師は、学校での集団検診も今は受診者が5割程度をなっているなどと説明。
 任意性は確保されていると説明。室月氏は、人数の割合は関係ないなどと主張したが、7巡目の検査は計画通り実施することと決まった。

 220人の手術症例
 このほか、検討委員会では、米国甲状腺学会の医学雑誌「 サイロイド誌」に掲載された論文について説明があった。福島医大で2021年までに手術を実施した手術症例220例の臨床病理所見を初めて報告。
 男女比は、男性85名で女性 135名(1:1.5)で、診断時年齢は中央値が18.6歳。手術時に確定した腫瘍径は、中央値が13.0ミリ。結節が複数認め悪れた症例は18名で これは8.2%だった。

 術式は甲状腺全摘出が21例(9.5%)、甲状腺片葉切除術が199人( 90.5%)で、術前の画像診断をもとにしたリスク分類は、超低リスクが43人(19.5%)、低リスクが121人 (55%)、中リスクが47人( 20.5%)、高リスクが9人( 4.1%)だった。

 一方、病理検体を用いた術後診断では、 pT1aが47人、pT1bが126人、pT2が19人 、pT3aが15人、pT3bが7人、pT4aが5人だった。またリンパ節転移はpN0が45人 pN1aが144人 pN1bが30人だった。初回手術時に遠隔転移を認めた症例は4人だった。

 病理によるがんの分類は、通常型の乳頭がんが205人(93.2%)、濾胞型乳頭がんが3人、充実型乳頭がんが2人、びまん性硬化型乳頭がんが2人、篩状モルラがんが4人、濾胞がん1人 低分化ガン1人、その他2人。また詳細な病理所見では、甲状腺外浸潤を認める症例が112人(51.1%)、血管内浸潤が108人(49.5%)、 リンパ管内浸潤が47人(21.7%)、リンパ節外浸潤が33人(15.1%)に認めた。

 年齢の中央値18.6歳を境に、18.6歳未満と18.6歳以上の2群に分けて病理結果を比較したところ、統計学的に有意な違いはなかったという。
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 引用以上

 小児甲状腺ガンの原因は、原発事故から放出されたヨウ素131が、甲状腺に選択的に取り込まれることが、チェルノブイリ事故の事例から明らかになっている。
 この場合、甲状腺がんは病理組織型から大きく、(1)乳頭がん、(2)濾胞がん、(3)未分化がん、(4)髄様がんの 4 種類に分けられるが、「原発事故癌」の場合は、ほぼ全部が乳頭癌になるといわれている。通常は7割程度だ。

 福島県民健康調査で発見された甲状腺ガンは、ほぼ乳頭癌で、原因が原発事故のヨウ素131内部被曝にあることを裏付けている。
 その多くが「発見しなくともよい無害な癌」ではなく、「手術が必要な悪性である」と、福島医大の鈴木眞一教授自身が認めている。(一方で「原発事故とは無関係」と奇っ怪な主張も続けている)
  https://311mieruka.jp/info/report/news2019-thyroid/

 大阪医大はじめ、全国の多くの甲状腺医学界が、なぜか原発事故と福島の小児甲状腺ガンは無関係という主張を支持しているように思える。
 政府や原子力産業からの強力な鼻薬が効いているだろか?
 伊藤病院はじめ、甲状腺専門病院も、「小児甲状腺ガンと原発事故は無関係」との姿勢を崩さず、もしも「原発事故の放射能による健康障害」と診断した医師は、医師免許を取り上げると圧力がかかっているという噂がある。

 チェルノブイリ事故で、5000名の小児甲状腺ガン患者が出て、それをICRPもIAEAも認め、「原発事故で小児甲状腺ガンが出る」ことは医学常識だというのに、日本の福島第一原発事故に関してだけは、一人の小児甲状腺ガン患者を出していないと決めつけているのだ。(原子力規制委員の伴信彦)

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C
 以下一部引用

 放射性ヨウ素による被曝
広島や長崎の原爆被爆地やチェルノブイリ原子力発電所の事故で周辺の住人に甲状腺癌の患者が多発したことから、放射性ヨウ素(主に、ヨウ素131 , 131I)によって甲状腺癌のリスクが上昇することが判明している。
 世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は2017年4月に胎児期、小児期または思春期に甲状腺に100~500mGy以上の被ばくをするとリスクになると報告している。

 福島県が2011年6月から続ける県民健康調査では、事故時18歳以下の子ら38万人を対象にした甲状腺検査で251人が甲状腺がんか疑いと診断された。 2021年、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の福島原発事故の放射線被ばくの程度と影響に関する報告書がだされ、「放射線による健康影響が確認される可能性は低い」検査しなければ見つからず、症状も起こさないようながんを高精度の検査機器で見つけた「過剰診断」の可能性もあるとした。

 全身への被曝線量も下方修正され、県全体の成人で平均5・5ミリシーベルト以下となった。がんで亡くなる人が明らかに増えるとされる100ミリシーベルトを大きく下回り、県民の間で将来、健康影響が確認される可能性は低いと評価した。 治療しなくても死亡などに至らないタイプのがんを高精度の検査機器で見つけた「過剰診断」の可能性があると指摘した。
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 一部引用以上

 政府と原子力産業は、ウィキの記述まで、「過剰診断」を持ち出しているが、過剰診断で甲状腺ガンがフクイチ建設前の2000倍以上になるのか?
 常識で考えれば分かることだ。検査精度の向上などと屁理屈を持ち出しても、そんなことはありえない。フクイチ事故前は、江戸時代の検査機器を使っていたわけでもなく、医師の検査技量が低かったわけでもない。
 とにかく、政府と原子力産業は、医学界に鼻薬を効かせてでも、必死になって、小児甲状腺ガンの激発を隠蔽しようとしていること以外に、ありえないことだ。

 最大の問題は、ヨウ素131が揮発性の強い準希ガスの性質を持っていることだ。
 だからメルトダウン事故では、かなり遠方に飛散するため、地元福島県だけでなく、千葉県や栃木県、神奈川県でも小児甲状腺ガンが激発している可能性が強い。
 ところが、甲状腺学会も、厚労省も他府県で、小児甲状腺ガンとフクイチ事故を結びつけた医師の医師免許を剥奪すると脅し、甲状腺ガンを原発と結びつけない悪質な工作を行っているといわれている。

 フクイチ事故のヨウ素131汚染は千葉県・栃木県を直撃した 2023年08月24日
 https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6063488.html

 福島の小児甲状腺ガン激発は、放射能とは何の関係もない! 2024年08月02日
 https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6151646.html

 政府は、真実を報道させず、隠蔽しまくり、医療関係者に鼻薬を嗅がせ、ときには圧殺し、小児甲状腺ガンが激発している真実を隠し続けている。
 ヨウ素131は、BWRでは、常時煙突から漏れている。だから通常運転の原発であっても、風下の近隣自治体で小児甲状腺ガンが多発している可能性が高い。