私の母は携帯を20万円のアルミケースに入れていました(中国のスパイに情報を抜き取られないようにという理由だそうです)。毎日ネットで拾った情報を真実のように話し、外国人がいかに優遇されているか、遺伝子レベルで汚れた人種であるかなどを、私が拒否しても怒鳴りながら教えてくれました。差別主義者的陰謀論者の母に育てられて思ったのは、彼らはいつも「真実はひとつ」だと信じていることです。自分にとって都合のいい(心地よい)情報に感情のまま身を任せて、自分だけがその真実に気づく特別な人間だと声高に攻撃的に主張し、他人を馬鹿にすることで、なけなしの自尊心を維持しようとしています。安直で、劣等感の強い傲慢な人たちだと思っています。このNote記事の「原発は本当に必要か」の議論同様、できる限り多角的に事実を見て、大枠を捉える努力、自分の考えが感情や環境に影響されて間違ってはいないか丁寧に検証する謙虚さが、人としての尊厳を保つ上で最低限必要なことだと思っています。もっとも、悪意を持って印象操作をしようとする部類の人とはまた別の話だと思いますが。