裁判で靴下レインボー柄隠すよう命令は不当 傍聴人が国を訴え

裁判を傍聴する際、靴下にあった性の多様性を示すレインボー柄を隠すよう裁判所の職員から命令されたのは不当な制限だとして、傍聴に来た人などが国に賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、去年、福岡地方裁判所で同性婚をめぐる裁判を傍聴した大学教授の鈴木賢さんなど3人で、13日、東京地方裁判所に訴状を提出し、代理人の弁護士と都内で会見を開きました。

訴えによりますと、鈴木さんは傍聴する前、職員から、靴下にあった性の多様性を示すレインボー柄を隠すように命令され、それに従って傍聴できたものの、不当な制限だとして国に賠償を求めています。

無罪が確定した袴田巌さんのやり直しの裁判を静岡地方裁判所で傍聴した支援者の男性も、バッジやパーカーの文字を隠すよう命令されたとして原告に加わっています。

裁判官には傍聴者の出はいりを制限するなどの「法廷警察権」がありますが、原告たちは、その運用の妥当性を問いたいとしています。

鈴木さんは会見で靴下を見せた上で「これを履いて傍聴することが法廷の秩序を乱すとは思えません。裁判で声を上げないと現実は変わらないと思い、提訴しました」と話していました。

一方、法務省と福岡、静岡の地方裁判所は「コメントできない」としています。

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