米テキサス州の大学構内で、「女性は所有物」「同性愛は罪」と書かれた看板を男2人が掲げ、騒ぎになった。
騒動が起きたのは、テキサス州立大学サンマルコス校のキャンパス。ドナルド・トランプ氏が米大統領選挙でカマラ・ハリス氏に勝利した翌日の出来事だった。
同大学人文科学科の教授、ルイ・ディーン・バレンシア氏がInstagramに投稿した写真によると、それぞれの看板の裏にもメッセージが記されている。
「所有財産の種類:女性、奴隷、動物、車、土地など」
「ローマの信徒への手紙、第1章。同性間の性行為は死に値する」
バレンシア氏は投稿文に「ランチを食べに外に出たけど、食欲をなくした」と書いた。
同大学2年生のエヴァさんは、「世界にはまだ愛がある。隣人を愛しなさい」と書いた紙を持ち、看板の前に立ちはだかった。アーメントさんの恋人、コールさんがその時の様子をInstagramに投稿している。
エヴァさんは 「私たちはこんな風に分断されてはいけない。 憎しみに負けてはいけない」と学生たちに語ったと、インデペンデント紙の取材に答えている。
コールさんは「これほど憎悪に満ちたものは初めて見た」と話した。
看板を掲げた男2人は「キリスト教の視点から世界・地域の出来事を取り上げる」という団体「オフィシャル・ストリート・プリーチャーズ」の関係者だと、同紙は報じている。
看板の周囲にはすぐに学生たちが集まった。男たちと言い争う様子もSNSに投稿されている。
約1時間後、大学の警備員が男たちをキャンパス外に追い出した。
オフィシャル・ストリート・プリーチャーズの広報は、男たちに対し、学生たちが唾を吐いたりコーヒーを投げつけたりしたと同紙に訴えた。
活動は大統領選挙とは関係ないと指摘し、より多くのメンバーを連れてキャンパスに戻る計画があると付け加えている。
ニューズウィーク誌によると、大学は「言論の自由を守る義務がある」と声明を出した。
「テキサス州立大学は、学生、職員、教職員の安全確保を最優先事項としています」
「公立大学として、私たちはアメリカ合衆国憲法修正第1条を支持し、たとえその言論がキャンパスにいる一部の人々を不快にさせるとしても、キャンパス内の公共の場における言論の自由を擁護することが州法により義務付けられています」
しかし学長のケリー・ダムフース氏は、「誰の精査も受けていないし、公式な回答ではない」と前置きしたうえで、看板の内容は大学の理念に相応しくないとInstagramに投稿した。
「この出来事について聞き、嫌悪を覚えました。学生や関係者に、恐怖、不安、怒りなどさまざまな感情を引き起こしたからです」
「このような行為は、私たちの理念、特に他者を尊重し大切にすることに反します」
ダムフース氏の投稿によると、男2人は大学とは無関係だという。目撃者たちから情報を集め、大学の対処について発表すると述べた。