オリジナルキャラ・バトルロワイアル
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0001名無し草
2008/05/17(土) 11:01:03前スレ
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1210203608/l50#tag814
まとめwiki
ttp://www7.atwiki.jp/orirow/
会場地図
ttp://www7.atwiki.jp/orirow/pages/12.html
【ルール】
参加者全員で殺し合いをし、生き残った一人だけがもとの世界に戻れる
参加者間のやりとりに反則は無い
放送から放送までの間に死者が一人も出なければ全員の首輪が爆破される
0002名無し草
2008/05/17(土) 11:01:27放送は六時間おき(12時、18時、24時、6時)
禁止エリアの数は未定
【時間帯表記】
0~3時:深夜
3~6時:黎明
6~9時:早朝
9~12時:午前
12~15時:昼
15~18時:午後
18~21時:夜
21~24時:深夜
0004名無し草
2008/05/17(土) 11:20:450005名無し草
2008/05/17(土) 11:33:280006名無し草
2008/05/17(土) 11:43:58早朝 B-2 中心・森 墓凪可憐、高原恭司
早朝 B-3 山林 鈴木万吉、コードネーム『シスター』
早朝 B-4 森の中 坂木杏、ロアルド・アムンゼン1、花子
早朝 B-8 役場 松井垂加
早朝 B-9 民家野前の道 藤堂秀一、高水奈々
早朝 C-1 中心・森の中 ロアルド・アムンゼン2
早朝 C‐2 森の中 坂木蕗
早朝 C-6 森の中 アリス・ナイラーザ、真多秋生
早朝 C-8 井戸のある民家 松井哲也
早朝 C-10 森 マグナム・ハンス、ヴェーヌ
早朝 D-2 不明(洞窟内部?) 甲坂舞梨、靄場陸朗
早朝 D-4 森 ファシル
早朝 D-8 観光ピクニック場 鈴木イチロウ
午前 D-8 観光ピクニック場 佐藤健、ジュリア
早朝 E-4 森 ファシル
早朝 E-7 民家 李飛龍、周参見椿、ミーウ、マイルズ、ゴキブロス、ポー
早朝 E-7 民家近く 後藤戦
早朝 E-5 展望台 フーリエ
0007名無し草
2008/05/17(土) 11:44:09早朝 F-3 民家 松井司、鍵谷美和子
早朝 F-5 森 日滝菅彦
早朝 F-6 分校前 剣時宗
早朝 F-7 平野 ケネス・シルバー
早朝 G-3 街のディスカウントストア 桃太郎、ピピン
早朝 G-9 平野 勇者スポポロス、鈴村佐知代
早朝 H‐2 民家の外 芝西湊、鍵谷幸一郎
早朝 H-3 平原 泉和哉
早朝 H-6 平地 ニャルロット、デンドロビウム、ミルフィーユ
早朝 H-8 平原 捨流主麻亜太、リリー・アップル・塔野
早朝 I-3 平原 狭霧嘉麻屋
早朝 I‐5 診療所 伍宮瑞子
早朝 I‐5 診療所前 一一一、泉遥
早朝 I-7 路上 坂木檀、ロアルド・アムンゼン3
0008名無し草
2008/05/17(土) 11:46:17早朝 B-2 不明 山田太郎、ケンシロウ(自称)
早朝 C-1 中心・森の中 ロバート・スコット
早朝 C-8 井戸のある民家 大アジア帝国皇帝織田信長
早朝 D-2 洞窟内部 只野模武、老本則夫
早朝 E-4 森 ピタゴラス、矢島泪
早朝 E-10 民家 美以葉子
早朝 F-5 森の中 アルベルト・ハインリヒ(平行世界)
早朝 I-3 平原 晴海雪
0009名無し草
2008/05/17(土) 11:47:45○泉遥/○ヴェーヌ/●老本則夫/●大アジア帝国皇帝織田信長/○鍵谷絵理花/
○鍵谷幸一郎/○鍵谷美和子/○ケネス・シルバー/●ケンシロウ(自称)/○甲坂舞梨/
○ゴキブロス/○後藤戦/○伍宮瑞子/○コードネーム『シスター』/○坂木杏/
○坂木蕗/○坂木檀/○狭霧嘉麻屋/○佐藤健/○芝西湊/○ジュリア/○周参見椿/
○鈴木イチロウ/○ファシル(鈴木次郎)/○鈴木万吉/○鈴村佐知代/○捨流主麻亜太/
○勇者スポポロス/○高原恭司/○高水奈々/●只野模武/○剣時宗/○デンドロビウム/
○藤堂秀一/○ニャルロット/○墓凪可憐/○花子/●晴海雪/○日滝菅彦/○一一一/
●ピタゴラス/○ピピン/○フーリエ/○ポー/○マイルズ/○マグナム・ハンス/○真多秋生/
○松井垂加/○松井司/○松井哲也/○ミーウ/○ミルフィーユ/●美以葉子/○桃太郎/
●矢島泪/●山田太郎/○リリー・アップル・塔野/○ロアルド・アムンゼン(その1)/
○ロアルド・アムンゼン(その2)/○ロアルド・アムンゼン(その3)/
●ロバート・スコット/○李飛龍
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0011静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:22:05ポーは頭をかきながらデイパックからコンパスを取り出す。
とはいいながらも、既にあの場所からは大分離れてしまった。
今更戻ってもあの李とかいう男が言うバケモノしか残ってないかもしれない。
辺り一面木々ばかり、つまりここは森の中である。
あの後、怪しそうな面々とはいえやっぱり守ってもらった方が良さそうかと考えたポーは
民家でフライパンを調達した。包丁など、武器になりそうなものはなかったため、
一応鈍器になりそうなものだけでも回収したわけである。
ちなみに彼の支給品は虫眼鏡とノートパソコン、そしてウィンチェスターM1897という散弾銃。
まずウィンチェスターは彼がペンギンであるからしてまず使いこなせそうもない。
次にノートパソコンだが、何かの手がかりが残ってあるとはいえ彼は機械オンチである。
虫眼鏡は言わずもがな。というわけでポーの支給品に装備できそうなものはなかったのだ。
それから李達と合流しようとしたのだが……うっかり方向を間違えて森に出てしまったらしい。
誰もいないのに気付いて慌てて引き返そうとしたが時既にお寿司、ではなく遅しであった。
「せめて何事もなく、このまま安心できる人物と合流できればいいのであるが……」
「止まりやがれそこのペンギン!!」
嫌な予感、的中。振り向いてみれば何だかアレっぽい雰囲気の男が電動ノコギリを片手に
こちらを睨み付けている。何やら目を苦しそうに押さえているが、負傷でもしたのだろうか。
0012静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:22:19この調子で叫んだら半日で声が枯れそうなくらいの勢いでファシルと名乗った男は叫ぶ。
一方ポーはと言うと意味不明な単語を提示され頭にハテナマークを浮かべていた。
「だてんしのかけら……?失礼、人違いではないであるか?」
「クッ!?喋るペンギンか……やっぱりてめぇもルシファーの契約者ってことかよ!」
勝手にに自己完結してるファシルを見てポーは悟った。これ黄色い救急車に運ばれるタイプの
人間である。
(でもルシファーであるか……アリスが引っ張ってきた、妄想力逞しい人間に取り付くっていう
幽霊作家のペンネームと同じであるな)
数ヶ月前の事件を思い出してしみじみするポー。あの時は事件調査を称した心霊スポットの
きもだめしをしていたのだが、結局アリスが本物の幽霊を引っ張ってきて取り付かれ、本当の事件に
なってしまったのだった。リリーが能力でアリスを気絶させなければ実際に危なかったかもしれない。
幽霊に取り付かれたアリスの形相は今でも若干トラウマだったりする。
「るしふぁーだかなんだか知らないであるが、私はそんなオカルト趣味はないであr」
「黙りやがれッッ!!覚悟しろ、闇の眷属ッッ!!」
説得しようとしたポーの言葉にまるで耳をかさずファシルが電動ノコギリを構え、こちらを見た。
「畏怖せよッ!ルシファー・アイッ!!!!」
ギン、という効果音がつきそうな勢いでファシルが目を見開く。それと目があってしまったのと同時に
ポーの身体は硬直した。
0013静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:22:48迎え撃とうとフライパンを構えた姿勢のままポーは動けない。それを見逃すまいとファシルが
電動ノコギリを唸らせ飛び掛る。
(わ、私死んでしまうであるか!?……あ、アリスっ……!)
ファシルが会心の笑みを浮かべ、電動ノコギリでポーの胴体を狙う。
そのまま彼の身体は一刀両断に、
「ッッグァァァ!!目が、目がァァァァァァァァ!!!」
なる寸前のことだった。
まさに命を取れるという瞬間、ポーの目から熱視線が飛び出しファシルの片目を直撃したのだ。
ファシルが痛みで電動ノコギリを取り落としたスキにポーは呻く彼に向かって走り、飛び込んだ。
「必殺☆ストーン・ヘッド・ロケット(一人用)!!!であるっ!!」
説明しよう!ストーン・ヘッド・ロケットとはピンチに陥ったりしたアリスが石頭のポーを
ぶん投げるというまさに捨て身の必殺技だ!ちなみに今回はアリスがいないので若干威力は落ちている!
0014静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:24:02ポーの頭は見事にファシルの腹部にヒットした。そのまま腹を押さえて蹲っているうちにポーは
落ちていた一つのデイパックを拾い上げ、北へと走る。
いくらか走ったところで目の前に湖が見えてきた。
「待ちやがれぇぇぇぇぇっっ!!」
いつの間に復活したのか後ろからは既にファシルの鬼気迫った怒声が聞こえる。
しかしポーはニヤリとほくそえむと、目の前の湖に飛び込んだ。
「水中はペンギンのホームグラウンドであ~~~る!!
いくら本物中二病でもここまでは追ってこれないであろう!」
そのままザバザバと水を掻き分け進む。背後には鬼のような形相で罵ってくるファシルの姿が見えた。
「ふっふっふ……地の利を活かせぬ者に勝利はない。……っと、これシショーのパクりであったな」
ひとまずこのまま湖を縦断して北を捜索しよう……と、ここまで考えてポーはある事実に気付いた。
「あ、荷物持ってるんだから飛んだ方が良かったである!!」
0015静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:24:33【ポー】
【状態】:健康
【装備】:フライパン
【所持品】:支給品一式x2、虫眼鏡、ノートパソコン、
デリンジャー(2/2)、.41リムファイアー弾(10/10)、ウィンチェスターM1897(残弾数5/5)、
ウィンチェスターM1897の予備弾(30発分)
【思考・行動】
1:荷物が濡れてないか心配である
2:李達と合流したかったけど、仕方ないである
3:あのファシルとかいう男…本当にただの精神がアレな奴であるか?
4:アリスを探すである
※ミーウを変態と認識しました。
※ゴキブロスには気付いていません。
※デイパックは防水加工されているようです。
※『シショー』とはニャルロットのことで、アリスは(押しかけた)彼女から(強引に)
探偵のいろはを学んだようです。
0016静かな湖畔の森の影から
2008/05/17(土) 13:24:45「畜生ッ……あのペンギン野郎、俺をおちょくりやがって!!」
『ギャハハハハ、畜生ごときに遅れを取るたぁ随分マヌケだな!?
見てて面白かったぜぇ?』
「てめぇは黙ってろ!……くっ、俺としたことが欠片を持つ者を一人倒したぐらいで
浮かれちまうとは……」
頭を振りながら立ち上がり、湖を見る。力の足りない現状じゃ水中に逃げ込まれたのでは
追うことも出来ないでいると思っているのだ。
「チッ……肺さえ覚醒すりゃあ、追いかけてあの糞ペンギンを倒せるっつうのによぉ!」
『そのためにはせいぜい欠片を持つ奴をぶっ殺すんだな!勿論結果的に俺のために
なるわけだけどよ!!』
「黙りやがれルシファーッ!!てめえの思い通りには絶対させねえからな!!」
その光景は――
事情を知らない者が、仮にルシファーの幻聴まで聞こえたとしたら軽いコントに見えたであろう。
【E-6 湖畔/1日目 午前】
【ファシル(本名 鈴木次郎)】
【装備】:電動ノコギリ
【所持品】:支給品一式*3、ピピンの実験薬(空)、スパナ
【状態】:左眼、左腕、腹部負傷、右眼、右腕に幻痛、邪気眼覚醒?
【思考・行動】
基本:大魔王ルシファーの復活を防ぐ
1:堕天使の欠片を持つものが襲い掛かってきたら倒す。
2:あのペンギンはいつか絶対倒す。
0017名無し草
2008/05/17(土) 13:25:37じゃあ、予約制度は
・基本二日+三作以上落とした書き手は延長一日
・予約をするときはトリップをつけること
こんな感じで導入してみる?
もちろん、予約なしでの投下もアリという方向で。
0018名無し草
2008/05/17(土) 13:26:220019名無し草
2008/05/17(土) 13:27:390020名無し草
2008/05/17(土) 13:29:54さすがの邪気眼もマジモンの超能力には少し及ばないかw
0021名無し草
2008/05/17(土) 13:31:290022名無し草
2008/05/17(土) 13:37:27ネタキャラ同士とは思えないバトルだw
>>17
そんな感じでいいと思います。
しかし、家族参加が多いせいかよくみたらブラコン・シスコン多いなw
0023名無し草
2008/05/17(土) 14:27:06この勢いを抑えたくないし、いいと思う。
0024名無し草
2008/05/17(土) 14:30:22絵板借りてきたよ
なんか俺の環境じゃ絵描こうとすると固まるけど
0026名無し草
2008/05/17(土) 14:39:51あそこの家系は全員フリーダムw
0027名無し草
2008/05/17(土) 14:58:16……うん、全員対主催なはず
0028名無し草
2008/05/17(土) 15:36:20最初は勝手にスレ立てちゃったけど、ここまで盛り上がると立てて良かったと思うよ。
0029名無し草
2008/05/17(土) 16:26:44次郎が殺害数一位とかまだ二人とはいえ見てるだけで笑えてくるwwwww
0031名無し草
2008/05/17(土) 16:29:560032名無し草
2008/05/17(土) 16:37:000033名無し草
2008/05/17(土) 16:40:070034名無し草
2008/05/17(土) 16:42:020035諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:49:04だだっぴろい道の真ん中で向かい合う二人がいた。
方や長身でそれなりの美形だが、目だけが不気味に座っている外国人の男。変わった形のナイフを手にしている。
方や小柄なツインテールの少女。飄々とした様子の外国人とは対照的に剣呑な表情をしている。
「ほら、あなたの下着はお返ししますよ」
外国人の男、ロアルド・アムンゼンは口から出した丸めた下着を少女に差し出した。
彼がこれを大人しく返した理由はただ一つ。パンツについていた犬のプリントだけを剥ぎ取り、食べてしまったからだ。
残った布に用は無い。
しかしいくらお気に入りのパンツだったとは言え見知らぬ男の唾液でぐっしょり濡れたそれを再び履く気にはなれない。
坂木檀はそれを屈辱的な気分で両手の指の先でつまんで広げたりしていた。
「それとレディ、構えと気迫は良かったのですが……いかんせん振りが大きすぎます。
もう少し腕の振りを抑え、手首を使って斬るようにすればより威力も出るでしょう。
あと、相手に斬りつける前に雄たけびを上げるのは褒められませんね。
『これから襲い掛かる』ということをわざわざ相手に教えているようなものです」
アムンゼンは檀から没収したククリを手に、実演を交えながらアドバイスした。
檀はその様子をもどかしく思いながら睨みつけていた。
男を殺すために襲い掛かったはずなのに、返り討ちに遭っていつの間にか武器を奪われ、ついでにパンツも奪われていた。
徒手空拳でこの男に向かっていっても、殺すどころか指一本触れることは出来ないだろう。
かといってせっかく遥を殺してまで手に入れた武器を失ったまま逃げるのも癪だった。
「しかし、そもそも人を殺すなんていうのはさほど愉快なことではないですよ」
その言葉を聞いて、檀は一層強くアムンゼンを睨みつける。
それを知ってか知らずか彼は続けた。
0036諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:50:08あと少しで南極点にまで辿りつけるというところで、私達は遭難してしまったのです。
止まないブリザードが私達の体力を奪い、私の部下達は一人また一人と命を落としていきました。
私は、家族同然に思っていた仲間達が、隊長である私を頼りにここまでやってきた若者達が次々に死んでいくのを黙ってみているしか出来なかったのです」
据わった目をして淡々と、しかしどこか悔しそうに語るアムンゼンの姿は先刻のパンツを口に入れて半狂乱になっていた姿とはあまりにもかけ離れていた。
「ついに残り三名になった時、私は苦渋の決断をしました。同じく隊の仲間であった犬たちを殺し、食料としたのです。
すぐにスコット隊が近くを通りかかったこともあり私達は生還できましたが……
あの時目の前で死んでいった隊員たちの顔を、私は忘れたことはありません」
当時のことを思い出したのか、アムンゼンの壊れた人形のような目に一筋の光が宿った羽陽に見えた。
「レディ、命というものは何者も侵す権利を持っていない尊いものです。
あなたのような少女が人の命を奪うのを許すのは忍びないですね」
「……だったらもう遅いわよ。私、ついさっき人を殺しちゃったから」
そう、それも大切な親友を。
そしてこれからも、手段がある限りはここで目に付く限りの人を殺していく―――
「ほう、レディ、ではますますあなたを一人にはしておけませんね。
これ以上あなたが過ちを犯さぬよう傍で監督させていただきましょう」
「いいわよそんなの。私は誰が何と言おうが……」
「では、武器も無しでこれからも誰かを殺し続けるつもりですか?」
アムンゼンは檀から没収したククリを手の中で回した。檀は俯いて悔しそうに奥歯を軋ませる。
この男から力ずくで武器を奪い返すのなど不可能。しかし逃げ切るのだって不可能だろう。
それに逃げられたところで丸腰なのは変わらない。
檀が何も言い返さないのを見て、アムンゼンはため息をこぼしてククリを懐にしまった。
0037諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:51:04もしかしたら日本人である貴女ならばわかるのではと思いますが……」
そう言ってアムンゼンがバッグから取り出したものを見て檀は思わず声を上げた。
「それは……お兄ちゃんの……!!」
鳥居を象った鍔に蜘蛛の目抜き、桜の花びらをあしらった縁金。
それは見まごうはずも無い、彼女の兄である坂木杏が愛用している居合刀だった。
檀は兄が居合や剣道の稽古をしているのをたまに蕗や遥と一緒に覗きに行くことがある。
さっき構えだけが様になっていたのは、兄の居合の型を見よう見真似で真似していたからだ。
一方の杏も、檀のバイオリンの練習を久司たちと一緒に定期的に見に行く。
それが兄妹の間での長年の慣習のようなもので、二人は互いに自らの上達を見せたいために練習に打ち込んできたのだ。
三つ子であったこともあり、絆は他の兄妹よりも強いほうじゃないかと自分では思う。
だから、自分は―――
「ほう、それはまた奇遇ですね。では、これは貴女が持っているべきでしょう」
「えっ?」
アムンゼンは檀に刀を投げてよこした。あわてて両手で受け取る。この時パンツは地面に落ちた。
「見たところそれはただの模擬刀のようです。殺傷能力はありません。
よほどの達人であればその刀で人を斬ることも不可能ではないでしょうが、レディ、少なくとも貴女には無理だ」
檀は手にしたそれをまじまじと見る。こんなに重いものだとは初めて知った。
何がおかしかったのか、アムンゼンはその様子を見て滑稽そうに笑った。
「フフフ、それがあればいつだってお兄さんに見られているような気分になるでしょう」
「なっ……何言ってんのよっ!!」
何故かとてつもなく恥ずかしい気分になる檀。
0038諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:52:32次にアムンゼンが取り出したものを見て、檀は目を丸くする。
「見たところ、何かの卓上ゲームのようなものだと思うのですが……」
「それ、麻雀牌じゃない」
「マージャン? そういうゲームなのですか?」
「ええ……ってゆうか、なんで空手とか柔道とか知ってて麻雀を知らないのよ。
中国拳法とかも習ったんでしょ?」
「もちろんです。しかし私はあくまで犬を捕まえるために武術を身に付けたまで。
他国の風俗までは学ばなかったもので」
箱の中に綺麗に収められた麻雀牌をアムンゼンは興味津々といった体で見ていた。
「しかし残念ですね。このような死地では役に立ちそうにありません」
「……気が向いたらあとでルールでも教えてあげるわよ。そんな余裕があったらね」
檀は心にもないことを言った。
ここはアムンゼンに恭順する姿勢を見せておこう。しかし、必ず隙を見て殺す。
兄の刀まで出てきたということは、ここに兄だけでもいる可能性はますます強まった。
無力な女子高生のフリをして油断させ、まずはこの男から殺す。
それからまた、遥の時のように出会った人をみんな殺す。
最後に兄と自分が残ったら自分は自殺する。それでいい。
そんな檀の本心を知る由もないアムンゼンは、そのセリフを聞いて彼女が殺し合いに乗るのを止めたと理解したようだった。
「そうですレディ、人を何人殺したって恐らく何の解決にもなりません。
すでに貴女が殺したという人に懺悔するためにも、今からでもここから無事に帰る方法を考えましょう」
相変わらず目が据わっているものの心底嬉しそうなアムンゼンを見て檀は心の中で嘲笑する。
馬鹿な男、と。
「そうと決まれば、いくつか私との間に約束をして頂きましょう。
一つ。私の指示には従ってください。
一つ。決して短絡的に無茶な行動は取らないように」
「わかったわ」
「そしてもう一つ……これがもっとも重要なのです。ゆめゆめ忘れぬよう」
そう言ってアムンゼンはそれまでとは明らかに違う真剣な面持ちで言った。
0039諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:53:40「犬を見たらすぐに私に報告してください」
ぱんつはいてない檀はやや青ざめながらも首肯した。
【I‐7 路上/一日目 早朝】
【坂木 檀】
【装備】坂木杏の居合刀(刃はありません)
【所持品】支給品一式×2、不明支給品2(武器ではない)
【状態】健康 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本思考:兄と妹以外の人間を(知り合いであっても)殺す
1:アムンゼンに従うフリをしながら隙を見て殺す
2:兄と妹が本当にここにいるのかどうにかして確認したい
【備考】
・遥を殺してしまったと思い込んでいます
・この会場で死んだら死体が消えるのかも知れないと考えています
・パンツは捨てました
0040諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
2008/05/17(土) 16:53:50【装備】ククリ
【所持品】支給品一式、松井垂加の麻雀牌
【状態】健康
【思考・行動】
基本思考:殺し合いはしたくない。犬だけは出会ったら必ず食べる。
1:檀が再び過ちを犯さないように監視する
2:この会場から脱出する方法を考える
3:ところで犬はどこだ!?
※「坂木檀の唾液まみれのパンツ」はI‐7 路上に放置されています
0041名無し草
2008/05/17(土) 17:03:000042名無し草
2008/05/17(土) 17:31:13少なくともその2よりは当たりだな
0043円託の騎士(前編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/17(土) 17:31:27民家を出た直後に、玄関でだ。
マイルズと李は地図を広げて揉めていた。
「だから拙者は南の方角に行こうといってるんでござるよ!あそこなら人が集まることもないだろうし安全でござる!!」
「いいや駄目だ…遠すぎる……森や民家を避けていけば幾分早く着くかも知れんがそれでは敵に遭遇しやすい……逆にそれらに率先的に足を踏み入れれば時間が掛かりすぎる」
「だから洞窟を目指すと言いたいんでござるか!?」
「そうだ…森林地帯を通ることになるがその方が確実性がある」
「だからぁ!それだったら敢えて平地を通って南に下ったほうが確実なんではござらんか!?」
「違う」
「あ―――っ!これだから頭の固い男は嫌いでござる!! 」
「まあまあ…李さんもマイルズさんも…そう固くならないで…」
「固いとか言わないでくんない!?今そういうのに敏感でござるから!」
「それとこれとは話が別だろう…貴様紳士的に振舞ってる割には頭悪いし」
「何だぁ!?やるでござるか!貴様!」
「やらない。体力の無駄だ………」
「あ゙ぁぁぁ!!ムカつく!拙者一抜けた!あーもう一抜けた!拙者は一人でも南に下るでござるよ!!」
マイルズは憤激したまま李たちに背を向け、ズカズカと踏み出す。
「「「………」」」
李も椿もミーウもスルーだ。
「「止めろよぉぉ!」」
「んん?」マイルズは先ほどの発言が何者かとはもっていたことに気付く。
「やっべえ…」ゴキブロスはまずったことに自分でも気付いていた。
0044円託の騎士(前編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/17(土) 17:31:51李はゴキブロスの触覚を掴んでそう冷静に分析する。
「痛い痛い痛い!テメエオレにはゴキブロスって名前がちゃんとあるんだ!それにオレはおにゃのこに触手捕まれたいとことはあるけれど野郎に掴まれたいと思ったことは一度もないぞ!!できれば無垢なるょぅ…ジョォオオ」
李は思いっきり前方にゴキブロスをスローした。
ヴチッ
「あ゙ぁ゙あもげたぁぁぁ触覚もげたがなぁぁぁ!!てんめどうしてくれんだよ!キャバクラで唯一可愛いと呼ばれたチャーム…」
バチィーンッ
突然響き渡る地面を踏む音。踏んだのは椿だった。
「いやぁぁぁぁ!!!!!!ゴキブリいやぁぁぁぁぁッ!!」
ゴキブロスに対して動じない逞しい人と動物とは違い、椿は女の子。ゴキブリに対して嫌悪感を抱かないわけがなかった。容赦なく容赦なく、椿はゴキブロスを踏みつけ、ゴキブロスはそれをかわす。
「よぉー彼女―っ近寄らないと神に誓うからその豊満なおぱーいかプリっと締まったお尻を盗さ…」
「いやぁぁぁぁ!!!」
「つンデレっ!?」飛び上がったゴキブロスは、バックパックに叩かれて撃墜した。
ああ…これはこれでいいかも…その時のゴキブロスの思考は、こうであった。
だが、そんな中彼は、何かを感じていた。人間のそれよりも遥かに高性能な危機察知能力が、背後から察知していた明らかな殺気。
それは椿からでもなく背後のマイルズからでもない。さらに背後からゆっくりと迫り来る男…
0045円託の騎士(前編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/17(土) 17:36:32【李飛龍】
[状態]:健康
[装備]:ヒョウ(17本)
[道具]:支給品一式、多量の食料、人間収縮機、民家で回収した何か
[思考]:このゲームを転覆させるッ!
1:強い意志、正義の心を持つ者には協力する
2:たとえ刺し違えてでも触手男を斃す
[備考]このあと全員の名前を聞き、名を名乗っている
【周参見 椿】
【状態】:この状況下で希望が芽生えてきた
【装備】:狭霧嘉麻屋のナイフ
【所持品】:支給品一式、狭霧嘉麻屋のハサミ、サンポール、生臭い赤い液体が入った袋
【思考・行動】
基本:生き残る
1:頼りになる人がきてくれてよかった…
【ミーウ】
【状態】:正常
【装備】:矢島泪のお守り、グロック19(15/15)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:ヴェーヌを捜す(居るかどうかは分からない)
1:しばらくは李たちと一緒にいる
2:あんまり危機感を感じていない
0046円託の騎士(前編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/17(土) 17:36:54【状態】:眠い・健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、馬上鞭、民家で回収した何か
【思考・行動】
1:李という男がどんな男か見届けるつもり
2:女性は護る
3:とはいえ、不用意に心を許す気はない
【ゴキブロス】
【状態】:触手は千切れたが健康、色々と考え中
【装備】:チャクラム、マイクロカメラ
【所持品】:支給品一式、ポーション
【思考・行動】
1:おにゃのこ(椿)を助けてお礼にあられもない写真を頂く。
2:変態(中略)獣人(ミーウ)許すまじ。
3:秋生と合流したい。
【後藤戦】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:なし
1:なし
2:なし
[備考]李たちと遭遇
0047名無し草
2008/05/17(土) 18:00:530048名無し草
2008/05/17(土) 18:03:460049名無し草
2008/05/17(土) 18:09:03っていうかそれだとしたらほぼ自己リレーじゃん……
0050名無し草
2008/05/17(土) 18:12:030051名無し草
2008/05/17(土) 18:13:230052名無し草
2008/05/17(土) 18:14:030053名無し草
2008/05/17(土) 18:14:52投下する前に他の人のが書いた後編が投下されてもいいなら、別に問題はなかったりする
0054名無し草
2008/05/17(土) 18:27:280055名無し草
2008/05/17(土) 18:30:52広い広い言うけど全長2.5kmなら別に広くないよな。
0056名無し草
2008/05/17(土) 18:38:010057名無し草
2008/05/17(土) 18:53:090058名無し草
2008/05/17(土) 19:16:180060名無し草
2008/05/17(土) 19:29:00やっぱりルール決めながら進めると色々と齟齬が発生するねぇ
0061名無し草
2008/05/17(土) 19:40:390063名無し草
2008/05/17(土) 20:11:090065名無し草
2008/05/17(土) 20:20:42流石に俺一人でこれ全部は無理wwwwww
0067名無し草
2008/05/17(土) 20:41:144対1だと結構な騒ぎになるから他のキャラとか駆け付けて被るかも知れんし
午前入ったキャラはE-7に寄った時に誰かの死体を発見する可能性があるし
0068名無し草
2008/05/17(土) 20:47:510069名無し草
2008/05/17(土) 21:11:500070名無し草
2008/05/17(土) 21:28:06墓凪可憐、高原恭司
松井垂加
アリス・ナイラーザ、真多秋生
松井哲也
マグナム・ハンス、ヴェーヌ
フーリエ
蒼井燕、鍵谷絵理花
松井司、鍵谷美和子
剣時宗
桃太郎、ピピン
勇者スポポロス、鈴村佐知代
芝西湊、鍵谷幸一郎
ニャルロット、デンドロビウム、ミルフィーユ
捨流主麻亜太、リリー・アップル・塔野
結構参加者が散開してるから、パートによってはこのまま午前に突入してもよさそうなところもある
あと支給品と不明支給品もまとめようかと思ったのだが挫折
ただ言えるのは、「このロワは鍵谷美和子と坂木兄妹の提供でお送りしています」ということだ
0071名無し草
2008/05/18(日) 00:20:32ここは実際にSSで出てきた井戸のある民家があるという点を重視してC-6だと解釈してよろしいでしょうか?
0072名無し草
2008/05/18(日) 00:40:290073名無し草
2008/05/18(日) 01:22:570074名無し草
2008/05/18(日) 01:23:15石塀の影で松井哲也は額に滲んできた汗を拭きながら辺りに誰もいないのを確認すると、さきほど老人の元からちゃんと確認もせずに奪ってきた支給品をあらためることにした。
出来れば毒蛇よりも扱いやすい武器が出てきて欲しい。
動物好きの父親のせいで松井家には沢山のペット、それも珍獣ばかりが飼育されている。
だから自分の鞄から出てきたのが蛇であってもさほど動揺せずに済んだのだが、いかんせん動物というのはいつも思い通りに扱えるとは限らない。
さっきみたいな奇襲でしか使えないというのもマイナスポイントだ。
出来れば銃器か、せめて刃物でも入っていればいいのだが……
まず一つ目。紳士服屋でカッターシャツを買うと一緒についてくるような袋に入れられていたのは女子用の体操服だった。
「なんでこんなもんが……」
しかも今時ブルマ。コスプレ用品かとも思ったのだが、胸のゼッケンに「三宮」と書かれていたので多分私物なのだろう。
普通の人間なら、こんなものは何の役にも立たないと考えてその場に捨てて行ったかもしれないが……哲也は違った。
「これも、男の隙を作る手段くらいにはなるな」
このような衣装が一部の男性諸氏に特別な感情を催させるものであることくらいは知っている。
あるいはさほど興味が無い相手であっても、「ひ弱な女の子」というイメージを植えつけるのは十分だろう。
幸い哲也には高校生くらいのサイズであるそれを着こなす自身があった。
「まあ、だからって最初からこれを着て登場したら怪しいか……使いどころは考えないとな」
それを傍らに置くと、次の支給品を手に取る。
0075鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:23:57試しにページを開いてみた。複雑な数式やグラフがぎっしりと並べられていた。
「亜世界が存在する可能性……?」
なんとか自分に理解できる部分をかいつまんでみると、おおむねそのようなことが書いているようだ。
亜世界―――先刻あの部屋でアルベルトに聞かされた『平行世界』という概念と頭の中で繋がる。
あるいはこのノートの書き主は、アルベルトと同じ事実を発見しようとしていたのではないか?
だが、哲也も理系の大学院生とはいえ理論物理は専門外だ。
いくら熱心に読んだところで内容を完全に理解することは出来ないだろう。
残る二つの支給品も武器ではなかった。
一つはやけに重いと思ったら、カバーに入ったノートパソコンだった。
バッテリーも切れていて、コンセントが無い場所では何の役にも立たない。
もう一つは、手の中に納まるような小さな手鏡だった。
「こりゃ、俺もあのじいさんも外れを引いたかな?」
そう呟きながら鏡を覗き込んだ。
―――弟の司と同じ顔がそこにはあった。
自分でいうのもなんだが、女の子に間違えられるのも無理は無い顔立ちだと思う。
それも、女としてもかなりの上玉の部類にはいるだろう。
そして自分と司の顔の一番の違いは右目の下の火傷の有無。
あんな酷い怪我さえ無かったら、司も自分と同じように盛り場でバカな男をひっかける遊びを楽しむことが出来ただろうに。
―――そう、自分があんな怪我さえさせなかったら。
あれから自分はずっと、司への贖罪のために生きてきた。
エンコー親父を騙して金を巻き上げたりしてたのは、司を守るための『財力』が欲しかったからだ。
人を平気で騙し、時には傷つけることも厭わない醜悪な性格になったのは、司を彼を傷つける誰かから守れるようになりたかったからだ。
その結果として司に軽蔑されるようになっても哲也は満足だった。
ただ司の傍にいられるだけで幸せだったのだ。
0076鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:24:30哲也は鏡に映った自分の顔に呼びかける。
「どこにいるんだ、司……俺は、お前に会いたい……」
全ての支給品を仕舞い直し、最後に地図を出して現在位置を確認した。
ここは井戸がある民家があるエリアなので恐らくC-6だろう。
その周囲を見てみると、ちょうど東隣に『廃研究所』なる建物がある。
なるべく人が集まるところに行きたいのだが、ここはあまり人を寄せ付けるような場所ではないかもしれない。
かと行って反対側に向かっても森の中、人に遭遇する確率が高いとは言えない。
しばらく逡巡していた哲也の耳に、やや遠くから人の争うような声と足音が聞こえてきた。
哲也は慌てて石塀の影に身を隠す。
注意深く顔だけを出してうかがうと、歩いてきたのは二人連れの男女だった。
男のほうはさほど特徴のある外見では無かった、が……女のほうは金髪縦ロールという冗談みたいな髪型で、メイド服を着ていた。
(なんだありゃ?)
ものすごく気にはなったが、どうやら二人はあまり友好的な関係には見えない。
「だから何度言えばわかりますの!! 今度そんなことを口にしたらその足りない頭に銃創をこしらえて差し上げますわよ!!」
メイド服を着た女のほうがそんな物騒な口調で男のほうを罵っていた。
哲也は息を殺して二人の関係を見極めようとする。
罵られたほうの男はあんなことを言われていると言うのにケロっとした顔で
「そ、そんなこと言わずにこのネコ耳カチューシャを付けて欲しいッス!!
せっかく金髪でメイドさんでしかも巨乳という三拍子が揃っているのに、そこに更にこのネコ耳が加わればグランドスラムッス!!」
「だから、さっきからあなたの仰っていることはさっぱりわかりませんわ!!」
金髪メイドはネコ耳カチューシャを持った男の視線を鬱陶しそうに払いのけようとする。
アホな会話だった。
つーか、今時「ッス」という語尾を付けて話す奴なんか滅多にいないぞ。
(さすがにあんなコスプレっぽい服は俺も未経験だな)
別に着たくはないけど。
0077鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:24:58さて、ここで出て行くべきか。
相手が二人である以上、さっきみたいな奇襲は使えまい。
接触するとしたら、無力な女のフリをして友好関係を結び、しばらくして油断してから一人ずつ……
うん、これならいける。
それにこの先、一人よりは複数で行動したほうが何かと便利そうでもある。
哲也は意を決して石塀の影からゆっくりと歩み出た。
「あ、あの……」
か弱い女を演じて声を掛けると、ぎゃいぎゃいと言い合っていた二人が同時にこちらに目を向けた。
「あなたたちもここに無理矢理、」
「ツインテール美少女キターァァァァァァァァァァ―――――――――!!!!!!」
「へ?」
突如よくわからない奇声を上げて男のほうが駆け寄ってきた。
どう見てもインドア派な外見に似合わぬ俊足、そして鬼気迫る笑顔。
哲也はすっかり避けることも忘れて、男がするままに押し倒されようと―――
突如、鼓膜が破れるかと思うほどの破裂音が聞こえた。
左の耳がしばらくの間機能を停止した。
目の前まで迫っていた男が驚愕の表情で足を止めている。
左の頬に殴られたような感覚があり、やがてそれは鋭い痛みと血の感触に変わった。
そして、金髪ロールのメイドがこちらに銃口を向けていた。
「なん、で……?」
「その男から離れなさい!! そのまま両手を頭の上に乗せて地面に伏せて!!
言うとおりにしなければ撃つわよ!!」
0078鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:25:18「……クソッ!!」
哲也は二人に背を向けると一目散に逃げ出した。
「ちょ、ちょっと、逃げたら撃つって言ってるのに!!」
女―――アリスは慌てて威嚇するが、実際に発砲することは出来ない。
ここで撃てば秋生に当ててしまう可能性がある。
アリスとて銃器を扱ったことなど数えるほどしかない。
さっきの一発も、本当は必殺のつもりで放ったものが謀らずも哲也の左頬を掠めていったのだ。
つまり、秋生の後頭部辺りに当たっていた可能性もあったわけだが。
アリスが慌て、秋生が呆然としている間に哲也は逃げおおせていた。
「ちょっとアリスちゃん、なんで撃ったりしたんスか? せっかくかなりかわいい子だったのに!!」
憤りを隠さない秋生を若干いまいましげな目で見やりながらアリスは答える。
「言いましたでしょう、私は人の感情が見えると。あの女性の感情は……殺意でしたわ」
それもかなり濃度の濃いそれだった。
あんな、さながら鮮血のような真紅の感情はアリスにとっても初めて見るものだった。
「やはり殺し合いに賛同しようとしている方もいらっしゃるということですわね……
あなたも、あのままだと殺されていましたわよ? お分かり?」
「そんなこと言われても……大体なんなんスか、その人の感情が見えるとかって」
「ですから何度も説明しているでしょうに。言葉通りの意味ですわ。
なんなら今のあなたの感情の色をここでお教えいたしましょうか?」
「……まあいいや、それよりもこのネコ耳を!!」
「まだおっしゃいますの!?」
アリスは秋生の頬を平手で張り飛ばした。
0079鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:25:42【アリス・ナイラーザ】
[状態]:健康 やや疲労
[装備]:メイド服 リボルバー(残弾7発 予備16発)
[道具]:支給品一式(不明支給品なし)
[思考]:変態! 変態! 変態! 変態!
第一行動方針:さっきの少女が危険人物だと、できるだけ多くの人に教える
基本行動方針:他の参加者と協力し、脱出。狂人を止める
[備考]
特殊能力:相手の感情が色で見える。
【真多秋生】
[状態]:健康・激痛
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、双眼鏡(100倍ズーム)、坂木蕗のネコ耳カチューシャ
[思考]:金髪メイドさんハァハァ
第一行動方針:さっきのかわいい子にもう一回会いたいなあ
第二行動方針:殺し合いには乗りたくない。めんどくさいから
0080鏡の中の君 ◆2MhMI9dv8k
2008/05/18(日) 01:26:28哲也は左の頬がじわじわ流れる血で紅く染まっていくのも構わずに走り続けた。
そして廃研究所らしい建物が目の前に現れた時にようやく足を止めた。
なぜあの少女はいきなり撃ってきたのか?
まさか、自分の胸の中を見透かされたとでもいうのか?
何か何だかわからず、とにかく休むために廃研究所の表の階段に腰を下ろす。
ようやく左頬の傷に意識が行った。幸いそれほど深くはないようだが……
哲也は鞄から手鏡を取り出すとそこに自分の傷を映した。
左の頬が、まるで火で炙られたように真っ赤に染まっていた。
「ハハハ……これでやっと、司とお揃いになったな……」
そこに映った弟と同じ顔を見ながら、哲也は含み笑いを漏らす。
「ハハハ……司……司ぁ……兄ちゃん、こんくらいのことじゃ負けねえからな」
それはまるで、鏡の中にいるもう一人の誰かと会話しているかのようだった。
【C-7 廃研究所/1日目 早朝】
【松井 哲也】
【装備】:毒蛇
【所持品】:支給品一式×2、三宮葉瑠菜の体操服、
ピタゴラスの研究ノート「亜世界の存在の可能性について」、
鈴木万吉のノートパソコン(電源切れ)、真多秋生の手鏡
【状態】:左の頬に裂傷(治療が必要なほどではない)
【思考・行動】
基本:弟を生かすために殺し合いに乗る
1:女のフリをして他の参加者に近づき、隙を見て殺す
2:味方のふりをして集団の中に紛れ込むのもいいかも
0081名無し草
2008/05/18(日) 04:57:34ステルスにとってアリスは鬼門なんだな。
哲也には懲りずに頑張ってほしい。
真多は少しは自重しろw
0082名無し草
2008/05/18(日) 07:11:52電源入ったら色々美味しい展開に持っていけそう
0083名無し草
2008/05/18(日) 09:17:330084名無し草
2008/05/18(日) 10:19:530085名無し草
2008/05/18(日) 10:56:31へたに分割すると、勢いが分断される気がする
0086名無し草
2008/05/18(日) 12:41:31その頃になれば死者スレネタなんかも溜まってるだろう
0087名無し草
2008/05/18(日) 12:43:290088名無し草
2008/05/18(日) 12:51:570089名無し草
2008/05/18(日) 12:52:130090 ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:44:450091ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:45:20市街地を離れ、平原に出たころに幸ちゃんが呟いた。
あったばかりの人をあだ名で呼ぶのはあんまり好かないけど、
幸一郎というどう見ても男な名前にちゃんをつけるのには少し躊躇われる。
それにしても女の子に男の名前をつけるって……どういうセンスしてんだ、この娘の親は。
向こうから形振り構わず駆けてくる小さい影を見て一瞬妹かと思ったが、近づいてみると知らない少年だった。
中性的な顔立ちをしているが、全力で走ってたのだろうか顔は歪んで見てられないモノとなっている。おまけに顔中涙と鼻水まみれだ。
……んでも、なんだろう。こいつの顔をどっかで見たことがあるような気がするんだが……
っておい、こいつってまさか……
「「…………あぁぁぁっ!?」」
思わず大きな声が出てしまった。何故か少年とシンクロする。
「芝西湊!?」
「泉和哉!?」
二人同時に叫んで、また驚いた。なんでこいつが俺のこと知ってるんだ!?
「なんじゃ? お主ら、知り合いなのか」
知り合いも何も……このガキ、俺が最近コミックスを買い始めて、アニメにもなったばかりの漫画『さかぎけ』の脇役じゃねぇか!!
0092ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:46:02☆
あのアルベルトとかいうオッサンが平行世界やらなんちゃら言ってたとはいえ、まさか漫画のキャラまでもがここにいるとは思わなかった。
しかも泉少年によれば俺も『猫ヶ丘探偵団!』とかいうライトノベルの脇役らしい。
まだ妹と変わらない年齢なのにラノベなんか読んでることにはツッコまない。何話だったかで、姉の遥の部屋から持っていこうとするようなエピソードがあったしな。それ含めてもまあ……アレだけど。
っていうか俺も脇役か……まあ確かに何の能力もないけどな……
「漫画のキャラに小説のキャラとはなぁ。ひょっとするとワシも何かの登場人物かもしれんの」
確かに、色々と異常なこの娘も何かの登場人物かもな。漫画、小説と来たら次はゲームか?
とにかく知ってる漫画とかのキャラだったら話が早い。全くの無条件ってわけには行かないけど友人並には内面を知ってるからある程度は信用し合えると思うしな。
ちなみに俺は殺し合いに乗るつもりは殆どない。妹がいようがいまいが、人間を止めるのは色々と俺の尊厳に関わる。
仮に妹を生還させるために殺し回ろうとするにしても、漫画のキャラとかがいるなら超人的な能力を持つ奴だって多いはずだ。そんなのに俺が敵うわけがないしな。
「そういや和哉、お前何かに追われてたんじゃないのか? すごい顔だったけど」
「あ……そうだ! は、晴海さんが、さ、殺人鬼に、こ、ここ、殺されっ……」
知ってる顔を見て一度は安堵したらしい表情が再び青く染まる。
どうやら誰かに保護されたものの、そいつが殺人鬼に殺され、恐らく庇って貰ったであろうこいつだけが命からがら逃げてきたってわけか。晴海さんていうのは余り耳に覚えがないが、まあ脇役だろうな。
0093ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:46:11詳しく話しを聞いてる内に泉少年が色々俺の出演してるラノベについて思い出してきたらしい。
まず例の狭霧嘉麻屋っつう、俺も知ってる有名な殺人鬼が、あの時はパニックで気付く暇もなかったが『猫ヶ丘探偵団!』の三巻で主人公達に狙いをつけた、言わばボスキャラっぽい存在だったということ。
どうやら塔野達とはまた違うスキルを持っており、塔野と友人たちや師匠が総出でかかっても退けるのが限界だったらしい。後に奴は逮捕されたが、「これにて一件落着!」みたいなスッキリした最期ではなく後味の悪い話で賛美両論だったという。
そういやあいつらがなんかヤバいのに襲われたという話は聞いたことがあるな。
まさかあの殺人鬼と対決してたとは思わなかったが。とことん蚊帳の外だな、俺。
いやむしろ俺が巻き込まれてたらロクなことにならなかったかもな。
「ワシはそのかまやっちゅう奴を知らぬが、罪も無い婦女子を手にかけるような外道ということはよく理解できたぞ。早速成敗せねばなるまいな!」
話を聞いた幸ちゃんが早速血気盛んな目で飛びだそうとして慌てて止めざるを得なくなった。
「ちょっと待てって! どう考えても俺たちじゃ無理だってば! 聞いただろ、連続殺人鬼だぞ!? おまけにボスキャラだぞ!!」
「そうだよ! 僕達何の能力もないんだよ! おまけにあいつ銃弾をナイフで止めるような超人だし! 僕だって晴海さんの仇を討ちたいけど僕達だけじゃ……!」
「ええい離さんか! ワシとて体力に自信はある、殺人鬼の若僧に遅れを取るものか!」
「「取るだろ!」」
なんでこう無鉄砲なんだろう、この娘。やっぱり男の名前をつけられたから?
とにかくここは引きとめなきゃならん。確かにあんな奴を放っといたらどんどん人が殺されるかもしれないけど、だからといって突っ込んで俺達が次なる犠牲になっちゃ元も子もない。
0094ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:47:25でもあのオッサンも殺人鬼ももしかしたら普通の人間じゃ手も足もでないかもしれないんだよ!
だからその前に、いるかもしれない超人を仲間にすればいいんだ! もちろん犠牲が増えないように急いでだ!」
舌が上手く回らない。俺はどうやら説得も下手らしい。やっぱこんなんじゃ止まらな……
「……そうか、一理あるの」
止まったよ! 割と単純だな!
「なればその殺人鬼に対抗できる武器や人材を一刻も早く集めねばなるまいな。
それが達成された暁にはすぐにでも奴を成敗しにゆくぞ、分かったな!」
「「は、はいっ……」」
そして幸ちゃんは俺達と泉少年が来た方向の間を取るように北東へとズンズン歩き出す。
急に妹や塔野達が心配になった。どうかあいつらが泉少年の言う殺人鬼と遭遇してませんように……
0095ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:47:39【装備】無し
【所持品】支給品一式、不明支給品0~3
【状態】健康
【思考・行動】
基本思考:幸一郎を保護する(ついていく)
1:狭霧嘉麻屋に対抗しうるだけの武器と人材を探す。
2:殺し合いはしない。
【備考】幸一郎をただの子供だと思っています
【鍵谷幸一郎】
【装備】無し
【所持品】支給品一式、不明支給品0~3
【状態】健康
【思考・行動】
基本思考:この殺し合いを止める
1:狭霧嘉麻屋に対抗しうるだけの武器と人材を探し、倒す。
2:美和子の事が少し心配
3:アルベルトを倒す。
0096ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:48:04【装備】:木刀
【所持品】:支給品一式 不明支給品1~2
【状態】:健康 勃起
【思考・行動】
1:芝西達についていく。
2:狭霧嘉麻屋に対抗しうるだけの武器と人材を探す。
2:絶対死にたくない、あと女の人の裸が見たい。
※支給品は狭霧嘉麻屋を達人としすると、決定打となるようなものはなかったようです。
※和哉達が登場している漫画「さかぎけ」と湊達が登場しているラノベ「猫ヶ丘探偵団!」
について簡単な情報交換をしました。
※ちなみに「さかぎけ」「猫ヶ丘探偵団!」共に万吉の世界にも存在しており、連載中です。
(嘉麻屋の話は深夜アニメ化した際の最終話になるような話。)
0097ボーインズ・イン・ザ・フィクションワールド ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:48:34【H‐3 平原/一日目 午前】←これ忘れてました><
0098 ◆FWZBLw30EM
2008/05/18(日) 13:48:580099名無し草
2008/05/18(日) 13:57:160100Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 13:59:09「あ……」
松井垂加は鈴木イチロウをその手に落としてから、役場でそのまま待ち伏せを続けていたのだが、ようやく次の参加者が役場に入って来たようだ。
ライオンの顔をした女(それなりに胸があるし、多分女)と今時の若者のような男。
二人とも誰かを捜していたのか、辺りをキョロキョロと見回している。
――絶好の獲物だった。
垂加はゆっくりと木陰から自らの存在をアピールする。
「あ、あの――」
ライオンと男がこちら気付き、顔をしかめる。
それを確認し、垂加はゆっくりとライオン(そんなに凶暴ではない、少なくとも話は分かるだろう。そうでなければ男が喰われてる)に歩み寄る。
それからライオンが、こちらを見て、言った。
「なんだ、てめえみたいなただの女まで連れて来られてんのかよ」
0101Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 14:00:07「はい。だから、私、怖く――」
距離は十分、サソリの針の範囲内に入った。
「て」を言い終わるか言い終わらないかの内にライオンの左腕にサソリの針を突き立てる。
「っ!?」
ライオンはコンマゼロ数秒の内に反応し、素早くバックステップをとった。
無理に引き下がった為か、サソリの針で傷口が余計に切り裂かれていた。
「てめえ……」
ライオンは腕を押さえ、憤怒の表情を見せている(男の方はサソリを見て物陰に隠れた様だ)。
垂加は笑いを浮かべた。
よし、これでこのライオンの生殺与奪を握ったことになる。
「油断し過ぎなんだよ、ライオン」
芝居を止め、いつもの『垂加』に戻る。
「さて、今あんたを刺したこのサソリだが、説明書によるとえらく凶悪な毒持ちでな――刺されたら例外なく六時間で死ぬ」
ライオンは、その説明を表情を変えずに聞いていた。
「ただし、その間に解毒剤を飲めば」
言葉を紡ぎながら垂加はカプセルをちらつかせる。
「ほぼ確実に助かるらしいんだがな」
0102Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 14:01:22説明が終わりを迎えた。
ところがこれから本題に入ろうと言う時に、突然ライオンが口を開いた。
「へえ、まあどっちにしろ」
そう言いながらライオンが素早く腕の脇にぶら下げていたホルスターから何かを取り出す。
垂加はその金属の塊に見覚えがあった。
おい――
それからそのライオンの両手に構えられたのは、鉄で出来た冷たい穴が、二つ。
突然出現したそれに垂加は戦慄した。
いや、実際もう表情に驚愕を浮かべていたのかも知れない。
「てめえを殺すまでだ」
――冗談だろ?
ライオンが構えたのは――銃だった。
状況上、それは、玩具では無く本物だと解釈するのが妥当だろう。
大きな誤算だった。勘定が合わない。
――立場が完全に逆転した。
クソ――手駒にするどころか、このライオンに俺の命を握られている!
0103Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 14:02:44「馬鹿か? 自分を殺しにかかって来た奴を誰が生かしとくんだよ」
銃口は完全に垂加の顔面目掛けて向けられていた。
しかし――まだ、接近すればサソリの針で攻撃出来そうだ。
垂加は一旦しゃがみ込み、そこから一気にライオンの首へ飛び込んだ。
そのまま――そのまま首筋に針を――
刹那、パン、と、ライオンが持っていた銃の内部機構と垂加の手の中で何かが弾けた。
「ぐ、あ、あああああ!」
激痛と共に、そのまま垂加か地面へと墜落した。
何!? 何が――
最も痛みが突き上げるそこ――右手に視線を向けると、サソリと共に、垂加の人差し指が吹き飛んでいた。
「……可哀相に、声の低いクソアマはライオンさんの餌食になってしまいましたとさ。めでたしめでたし」
垂加は反射で痛みの根元を左手で押さえようとしたが、ライオンがそれを踏み付けた。
それによる衝撃も加えて、悶え苦しむ垂加は、必死に顔を回してライオンの表情を覗いた。
――明らかにライオンの口の端と端が吊り上がっている。
笑ってやがる――!
その瞬間、垂加は確信した。
そう、元々まともな人間である自分が勝てる訳が無いのだ。
楽しんで殺人を犯してのけるライオンに――
0104Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 14:04:07思った。
哲也、そうやっていつまでも金に困ったりして、他人を困らせるんじゃないぞ。
司、お兄ちゃんを助けてやってくれ。
凪、俺は――
そこで垂加の思考は終焉を迎えた。
ジュリアが同時に放った二つの弾丸が、垂加の右脳と左脳を引き裂いたのだ。
垂加の頭は衝撃で一旦跳ね上がったのだけれども、そのまま体制を保つこと無く、再び自らの脳の破片や血液が飛び散った床へと戻って行った。
これはもう彼には関係の無いことだが――
この後、本当にジュリア達は解毒剤を持って行ってしまったこと。
松井凪はこの島には招かれていないこと。
そして、その兄、松井哲也は弟の為にこの殺し合いに乗ったこと。
松井垂加がそれらの事象――そして事実に気付くことは、もはや永遠に無くなった。
0105Heart of the Maelstsom
2008/05/18(日) 14:04:56【ジュリア】
【状態】:右腕に軽い裂傷、解毒剤服用の為毒は間もなく治癒
【装備】:ツァスタバ CZ99(11/15)、シグザウアー SP2340(10/12)
【所持品】:支給品一式、ツァスタバ CZ99のリロードマガジン(3)、シグザウアー SP2340のリロードマガジン(3)、養命酒、解毒剤(4)
【思考・行動】
基本:生き残る、場合によっては脱出を目指すか、ゲームに乗り優勝する
1:襲われたら容赦はしないが、今はなるべく自分からは仕掛けない
2:もし居たらヴェーヌを探そうとは思っている
【佐藤 健】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式
【状態】:左肩負傷(簡易治療済み)、目の前で殺人を見て呆然
【思考・行動】
基本:誰かが何とかしてくれるまでおとなしく隠れている。やばくなったら逃げる。
1:ちょ、待てよ、何このライオン
2:カワイ子ちゃんが……
【松井垂加 死亡】
【残り55人】
※毒サソリの死骸が垂加の近くに放置してあります
0106名無し草
2008/05/18(日) 14:05:52正直ジュリアじゃなくても冷静に考えれば奪った方が早いし、それに気がつかなくても発狂されて殺される可能性のある元々穴のある作戦なので
0107名無し草
2008/05/18(日) 14:07:220108名無し草
2008/05/18(日) 15:12:38うお、ここにきてメタな感じが。
収拾つくかどうかは別にして面白い展開だw
>>「Heart~」
松井家の大黒柱、堕つ…。
生粋の荒くれ者を奉仕マーダーにしようってのは相手が悪かったな。
そしてタイトル、ベニ松に続いてWizネタktkr!
0109名無し草
2008/05/18(日) 15:14:470110名無し草
2008/05/18(日) 15:39:19そしてイチロウオワタw
0111名無し草
2008/05/18(日) 15:48:530112名無し草
2008/05/18(日) 15:49:32ただ近くに殺人鬼がいたり伍宮先生がやる気なかったりするが!
0113名無し草
2008/05/18(日) 16:22:08かわいい子も待ってるし
0115名無し草
2008/05/18(日) 16:40:280116名無し草
2008/05/18(日) 16:46:58GJ!!
これは面白いな、主催関係の話とかにも影響しそうでワクワクだ
>>100-105
GJ!!
まあ、そうなるよなあ……w
0118名無し草
2008/05/18(日) 16:52:09微妙に語呂悪い上に読みにくいなw
0119名無し草
2008/05/18(日) 16:58:220120名無し草
2008/05/18(日) 16:58:550121名無し草
2008/05/18(日) 17:15:17物語というのは口伝によりどんどん変化していくものですが、まさか桃太郎が女性だったとは。
さらに昔の人物だというのにこの理解力と順応力。
流石に桃から生まれた事にも疑問を抱かないだけありますね。
でも今更だけど鍵谷妹消えたから「、そしていま」っていらないんですよね。
>されどヤクザと生首は踊る
最初に出会った人物が聡明だった事は日滝先生にとって不幸な事でしたね。
自分が殺した人物が偽者である可能性に気付いてしまった彼は、今後どうなっていくのでしょう。
そして偽者だと断じた彼らの行動にも期待が持てますね。
>シンジマスカ?
流石に恐怖感になれているだけあって、呑気に焼きそばを食べれるのも頷けます。
そしてそこにやってきたのはマーダーキラーの幼女。
いかな彼女も子供ですから焼きそばの匂いに釣られてくるのも仕方ないですね。
>俳優は静かに震える
一見ケネスの事はヘタレに見えるかもしれません。
しかし、突然の殺し合いに勢いで足を切断させてしまい、おまけに触手男を見てしまったとなったら、
修羅場をくぐった事のない一般人である以上、恐怖に怯えるのも仕方のないことです。
>沸き、解り、別れた
悲しむ顔が嫌いな一総理に対し泣き顔を見せる事で彼の気持ちを誘導する。
友達に裏切られたばっかりだからか、すっかり策士ですね。
さらに瑞子に体よく追い出されるとは、一総理の女難の相に思わず涙が出てきました。
>大自然・地球紀行
動物は人より霊などに敏感だと聞きます。
なるほど花子がアムンゼンに敵わないのも当然という事なのでしょう。
0122名無し草
2008/05/18(日) 17:15:26陸朗に少しずつ篭絡される舞梨。
少しの間にパンツを見せる関係になるとは、つり橋効果の恐ろしさを垣間見ました。
>Way of him
早々に過去の因縁を解消したアムンゼン。
さらに首輪探知機をゲットとは。
死に際が不幸だった分殺し合いで幸運とは、なんという皮肉なんでしょう。
そのまま幸運が続き蕗ちゃんをレイプできる事を祈っています。
>俳優は汚名を拭う
人は恐怖の一線を越えると、突然何かが切れてハイになってしまう事があります。
それはケネスも例外ではなかったのでしょう。
コロコロと変わる思考も人間らしさを感じて共感を得ました。
>後ろの正面だーれ?
信念を持つ人物というのは、時として信じられない力を発します。
それが例え歪んだ信念であれ同じ事です。
ですから、なりゆきで殺し合いをさせられた彼女らが簡単に殺されるのもどうしようもない事だったのでしょう。
>普通な名字達の普通じゃない殺し合い
無知なのは罪といいますが、拳銃やボウガンの仕組みを知らないというのも罪なのでしょうか。
平和な日本に住むものにそれを適応するというのも酷なものです。
>花の名前
一見支給品のトリカブトの事を言いたそうなタイトルです。しかし実はそうじゃない。
女性の事を花と呼ぶ事があるように、これは奈々の事を言ったタイトルだったのでしょう。
支給されたスク水を着た奈々がみたいという書き手さんの思惑が感じる、実に巧妙なタイトルでした。
それにしてもスク水を支給するとは、アルベルトも狂っても男だという事ですね。
0123名無し草
2008/05/18(日) 17:15:53女性と会ったら誰彼構わず食べるミーウに共感を覚えました。
>邪気眼も 100回やれば マジになる
さすが邪気眼の使い手。
どんな相手だろうと敵ではありません。
さっさと後藤とでも戦って欲しいと切に願います。
>エクストリーム・変態
わざわざトイレにさそっておいて拒むとは、なんという寸止めプレイでしょう。
あまりにもミーウがかわいそうです。
無理矢理襲わないミーウにゴキブロスが怒るのも当然といえるでしょう。
>静かな湖畔の森の影から
邪気眼が破れるとは。
彼すら制限されているという証明に他なりません。
アルベルトの底知れぬ強さがうかがい知れて恐怖に夜も眠れません。
>諸君、私は青少年を教育するのが勤めだ
開始早々女の子のパンツを咀嚼したりノーパンプレイだったりと、なんというフリーダム。
アルベルトが画面に食いつく様が鮮明に脳裏に浮かびました。
檀も、自分のパンツを食う男と一緒に行動するとは変わった性癖であることが窺えるいい作品でした。
>円託の騎士(前編)
ステルスは大抵の場合自らボロを出しますが、今回もやはりそうでした。
ですが思わずツッコむ事でボロを出させるとは中々斬新のアイデアです。
0124名無し草
2008/05/18(日) 17:16:16ブルマを履こうと思ったりメイド服プレイだったりネコ耳ねだったりと、
主催も参加者もこれほど性に積極的だとは最早呆れるしかありません。
アリスの色も実はピンク色だったりするんでしょうね。パンツの色がじゃありませんよ?
>ボーイズ・イン・ザ・フィクションワールド
まさか普通に見える坂木一家までアニメキャラだったとは。
増えるアニメキャラクター。もしかしたらまだ見ぬアニメキャラがいるのかもしれませんね
ですが個人的にはそういうのは、あまり増えて欲しくないものです。
あまりにもアニメとかのキャラが出てきてしまうとアルベルトの狂気が薄れて感じてしまいます。
せめてちゃんとした普通の世界の普通の存在が一人でも多く居てくれる事を切に願います。
>Heart of the Maelstrom
さすが装弾数多い二挺拳銃支給の幸運持ち、ただの美オッサンが敵うはずもありませんでした。
地図の上に集まるジュリア、ファシル、後藤といった強者。そんな奴らにかこまれたケネスは生き残る事ができるのでしょうか。
そして軽く空気かしている佐藤が今後活躍する事はあるのでしょうか。
前回からの感想の続きでありますよ。
0126名無し草
2008/05/18(日) 17:22:370127名無し草
2008/05/18(日) 17:24:28人物相関図。前あげてた人のようにできないのでjpgで。
詰め込みすぎ and 手抜きあり。スマン
0128名無し草
2008/05/18(日) 17:37:37大体半々ぐらいでバランス取れてるかも?
0129名無し草
2008/05/18(日) 17:40:15デンドロは坂木家のメンバーを知ってるから芋づる式にブロス、秋生、ステルスもさかぎけ登場人物だな
みなみけみたいな漫画かと思いきやぱにぽにみたいだな、さかぎけwwwwwwww
0130名無し草
2008/05/18(日) 17:42:19これでデンドロが主人公の漫画だったりしたら面白いなww
0131名無し草
2008/05/18(日) 17:43:41蒼井燕、靄場陸朗、老本則夫、伍宮瑞子、佐藤健、周参見椿、鈴村佐知代
高水奈々、只野模武、剣時宗、藤堂秀一、日滝菅彦、マグナム・ハンス
松井垂加、松井司、松井哲也、美以葉子、矢島泪、山田太郎
0132名無し草
2008/05/18(日) 17:43:44相変わらず突っ込みどころ満載のコメントにワロタww
相関図も乙!
見やすくていい感じだと思います。
0133名無し草
2008/05/18(日) 17:44:420134名無し草
2008/05/18(日) 17:45:230136名無し草
2008/05/18(日) 17:46:530137名無し草
2008/05/18(日) 17:50:400138名無し草
2008/05/18(日) 17:51:48>>136
日常ものと見せかけ天才を始め喋って二足歩行するウサギやオオサンショウウオや肉牛、
なんか組織についてそうなメイド、魔法少女、宇宙人ズとかが出てくるぱにぽにもある
アニメなんかもっとひどいぞ。巨大ロボ出るし
0139名無し草
2008/05/18(日) 17:51:590140名無し草
2008/05/18(日) 17:54:120141名無し草
2008/05/18(日) 17:54:480142名無し草
2008/05/18(日) 17:57:40それぞれちゃんと独立した世界(「その世界」から見れば他の世界のほうがフィクションや非現実)なんじゃない?
0143 ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:00:14勝手に前後編にしてすまなんだ
0144円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:00:54「おぉいッ!危ないぞフクロウの兄ちゃんッ!」
ゴキブロスがそう言ったお陰でマイルズは速攻で触手による殴打をかわしたが、その影響で体勢を崩す。
「ちっ…」後ろを振り向いた時には、すでに別の触手から次撃が迫ってきていた。
だが、マイルズはその状況においても冷静なポーカーフェイスを貫き通す。そして、突然彼の両目が赤外線センサーのように赤く光ったと思うと、その光は高速で『伸びた』のだ。
その光は後藤の触手を引き裂く。ちょうどSF映画などでレーザーネットで生物が切り裂かれたような感じのきれいな断面からは、黄色く濁った肉が露出し、そこから同様に黄色いドロドロとした血液が流れ出る。
その隙にマイルズは体勢を立て直し、地面に少しだけ着いたスーツの埃を掃うと、ゆっくりと胸を張って皆のものに戻る。
「大した敵ではござらんな……レーザーが効く時点で何かよく分からんものであることは確かでござるが…」
「オイ……今のは…」
「ああ……これでござるか…これは……」
「必殺フクロウビームか!!」
「違うでござる!!これはレーザー!!」李の、マイルズのものとは似て非なるポーカーフェイスから放たれるボケに、マイルズは少々憤った。
0145名無し草
2008/05/18(日) 18:00:550146名無し草
2008/05/18(日) 18:01:13他はどうかは知らんな。その漫画が存在しない世界もあるだろうし、
桃太郎なんかはそもそも漫画自体ない
0147円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:01:18「へぇ~フクロウちゃんそんなの使えるんだ…私にも撃ってよ」ミーウはマイルズに近寄って顔を覗き込む。
「待てッ!まだ照射は終わっていない…………!!」
マイルズがそう思う前にレーザーは再び照射される。自分はミーウを知りえない…人型の狐など知りえない。このレーザーは強力で、ミーウの華奢な肢体など一気に切り裂く。マイルズは、これを実践したことなど今を除いては一度もないが、心のどこかでそれを知っていた。
0148円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:01:55「………?」マイルズは、ミーウの無事にほっと胸を撫で下ろしつつも、この事態の意味が分からなかった。ミーウが無事であると言うことは、脳髄のどこかが「彼女を知っている」と言うことになる。
「お前を………拙者が……」
その瞬間、8mm映画のようにフラッシュバックが頭の中を流れた。
その場面は明らかにこの時化た住宅地とは別物。蒼白の大海原を、豪華に装飾された蒸気船で航海している。自分と向き合ってデッキの上の簡易テラスの椅子に腰掛け、ミルクティーを啜るのはどこかで見たことのある。
黒髪の美少女。その少女は可憐で美しかったが、マイルズは妙に嫌悪感を抱かざるを得なかった
「これは…」
『今宵のアメリカ合衆国の訪問はいかがでしたか?…森 秀猫院(しゅうみょういん)美羽閣下…』
『まあまあじゃったのお…して……お主は何故白人奴隷の売買を嫌悪しておるのじゃ?』
『お言葉ですが閣下…奴隷と言う概念は国を、人を荒ませるだけにございます… せっかく私めが粉骨砕身して廃止した制度…を穿り出されても困りますね。アジア帝国とて人の国…人が人の上にあっていい社会などありえないとは思いませんか?』
『それは違うの…私はお母様やお姉様に人の上に立つべき人間として育てられた……上のものがなきことこそ国が荒む原因となるんじゃよ』
『ハハっ…正論でございますな…やはり人の考えはそれぞれ違うもの……』
何故か姿を見ることのできない男は、苦笑いして席を立った。
その場面はそこで途切れてしまった。
0149円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:02:23『大統領…何故白人奴隷を解放したりしたのですか!?』
マイルズは突然怒号を聞いた。それを放ったのは中年体系の黒人……
自分は彼を間近で見ていた。
『いいか?ガレスピー………私はこう考えているんだ…人が人の上にたつことはあってはならない…だから白人たちは解放した…これからは私たちと彼らとの確執を取り除き…この国が一つになるために……尽力するつもりだ』
『貴方は甘い……奴隷は我が国に必要なのです…必ず戦争が起きます!覚悟はおありですか!?マイルズ・ホワイト大統領!』
「何なんだこれは………マイ……ルズ…?」
だが、それはすぐに消えた。そして再び映るのは後藤の姿。もう間近にまで来ている。
肩に喰らってしまった。自身の血液で黄色く染まった細くしなやかな触手は、刃のように硬く鋭く、マイルズの肩はザックリと切り裂かれた。
「マイルズさんっ!」
「大丈夫でござる………」負傷した右肩を左手で覆う。覆いつくせないほどの赤い血液が溢れ出し、痛みが迸るが、それでも彼は平静を装う。
「チィッ………!」
李は、その場でヒョウを投げて応戦する。ヒョウは3本、後藤の額に刺さり、傷口から少しずつ血が流れる。だが、その傷も一瞬で肉が増殖したようにして傷口を埋める。抜け落ちたヒョウの刃先は欠けていて使えはしない。
効かないのだ。投擲武器のようなショボイ得物は。
0150円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:02:44その強烈な蹴り後藤を食らったは、そのまま吹き飛ばされるが、触手を左右に伸ばして民家の玄関に植えられた樹木に絡みつくそれで以って衝撃を殺したのだ。
「………使える武器がない……」
「マイルズッ!もう一度レーザーをッ!」
「無茶を言うな……次の照射までまだ時間が…」
バンッバンッ
その時響く背後からの銃声。後藤の、左右の触手をブッ千切り、奴は後頭部から頭を打ち転ぶ。それに驚いたマイルズと李は背後を振り向く。
放ったのはミーウ。グロック19から二発。銃口から立ち込める硝煙を、ミーウは口に近づけてわざとらしく吹き消す。
0151円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:03:17「や~るね~もっと鉛欲しいの?」ミーウはそう言って再びグロックを構える。
「無駄に発砲するなッ!こいつには効かないッ!!」
「え~!?じゃあどうすんのさ?何か戦えるような武器ないよ!?」
李に止められたミーウは項垂れるが、彼女の言うこともけして間違ってはいなかった。
術はなかったのだ。
後藤はそれでもまったく遠慮はしてくれない。スピードこそ遅いが、触手の射程圏にはすぐに入ってしまう。
「…李さんっ!アレ使ってみたらどうですか!?」
椿からの突然の声。アレとは何か。しばらく李は身構えつつも考えた。ヒョウでも、民家で回収したものでもない。バックパックから直感で取り出されたのは、人間収縮機。
0152円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:03:52この小さすぎるものに果たしてそんな効果があるのか。誰もが疑問に思ってしまう。
そんな中、彼が一瞬隙を見せた瞬間に、後藤はいつの間にか李の首に触手を絡ませていた。
「ぐおッ!?」
「李さんっ!!」
李の首が急速に絞められる。激しい苦痛の中で触手に爪を立てようとするが、まったく後藤の力は緩まない。些細な油断が死を招く。師からのその言葉を思い出したころにはときすでに遅かった。
「李さぁあんッ!!」李は、薄れ行く意識の中でそれを確かに聞いた。そして見た。手から滑り落ちた収縮機を素早く足を伸ばして器用に掬い取り、すぐにそれを手に取った彼女は、力強く拳を突き出すように、収縮機を後藤に押し付けた。
0153円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:04:27「……ハァ…ハァ……ゲホッ…」
首にくっきりと分かるほどの痣が付いた李飛龍は、その場にしゃがみ込み、激しく喉を撫で下ろしながら咳き込む。
「ゲホッ……忝い…周参見椿……」
「これでも空手初段ですから…!」
「や~んっ!流石は私の嫁~っ!」
「ひゃっ!!?」
そう言ったのも束の間。
ミーウに背後から抱きつかれ、背後からその豊満な胸を揉みしだかれ、顔を真っ赤にして飛び上がる。
「さてと…じゃあこの触手ちゃんにトドメ刺さなきゃね~♪」ミーウは後藤を靴で軽く踏みつけ、動きを封じた上で銃口を向けた。
「嗚呼…そうしたほうがいいな……」
「待つでござる…」
ミーウはグロックを収縮した後藤に向けた。だが、それを止める者がいた。それはマイルズ…
0154円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:04:54「このゲーム自体が狂っている……だがその中でこんな明らかに人間とは違う怪物が出てきたのでござるからな…」
「それはお前も同じだな。マイルズ……つまりこうか?お前はこの怪物に妙なシンパシーを抱いて!それで助けたいと!」
「話を最後まで聞くでござる!この怪物を使えばこのゲームを潰すことができるかも知れんのでござるよ!」
「大体読めたな……つまり貴様はこの触手男をアルベルト博士のもとに送り込む気か?」
「ご名答でござる…これの再生力をもってすれば首輪の爆発にも耐えられるやも知れぬ…」
「お前はリスクが大好きだな…そんなに好きならリスクと結婚すればいいんじゃあないのか?」
「ハハハッそうでござるなぁ」
バキッ
李の右頬に、突然マイルズからの強烈な拳が放たれ、李は殴り飛ばされた。
「時に人はリスクを犯さねばならんのでござるよ!!楽なほうに楽なほうに逃れようとするから苦難が続くんでござる!本当に楽な道というのは…………一見苦難の道に見える…「獣道」でござる!!」
「そうかい…だったらお前がそこに身を投じろ!」李も、マイルズの顔面に向け拳を放つ。
強烈で痛々しい音と共に、マイルズは地面に叩きつけられた。
「マイルズさん!李さん!喧嘩はやめてください!」
「そうだぜ!あの気持ち悪い触手をさっさとブッ殺さねぇと!!」
椿やゴキブロスの説得に、彼らは耳を貸そうともしない。それに呆れたミーウは、軽くため息を一回つくと、何事もなかったかのようにグロックを再び後藤に向けた。
ドスッ
だがそれは、銃声ではなかった。もっと鈍く、それよりも遥かに気付けない音。
ミーウの右下腹部に風穴が空き、後藤は元のサイズに戻っていた。
0155円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:05:33誰もが、その不自然な状況に疑問を隠せなかった。わずか1分。1分でその効果は切れたのだ。
「何が起こっている!?これは一体…」
「周参見殿ッ!確かあの収縮機には説明書が付いていたでござるな!?それを読むでござる!!」
「どうなってるんですか………?これ一体…血……?……何で?」
周囲には、パニックという波紋がすでに広がっていた。
「おぉい!お前ら!まだあの変態生きてるぞ!!助けろよ!!」
ゴキブロスは、ミーウを何よりも憎んでいたが、その考えはいつの間にか消え去っていた。
いつの間にか彼女の身を案じずにはいられなくなっていた。まだ彼女に息はある。
そんな中、後藤は容赦なく再び触手を振りかざそうとしていた。次の標的は周参見椿…
「破ッッッ!」
李は、素早く椿から収縮機を奪い、後藤の額に物凄い力で押し付ける。
後藤は吹き飛ぶが、先ほどとは決定的に違う何かがあった。それは後藤がただの1mmも縮まないことだ。
「どうなっている……なぜ縮まないんだッ!!?」李の頬を冷や汗が伝い、表情は尚早に満ちた。
「わけなら分かるでござる………」
そう言ったのはマイルズ。彼は説明書を片手にこう言う。
「これに書いていたでござる…「収縮の時間は一回1分…一度使用した対象に対しては………12時間の間、その対象に対し一度も使用することはできない………」」
0156円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:06:21李のヒョウも拳法も、マイルズのレーザーも、ミーウのグロックもまったく通用しない。
もう彼らには、逃げるという選択肢しか残されていない。今は絶対に斃せない。
そう思うと李の中には、より一層絶望だけが立ち込める。強さの概念の違いももちろんあるが、武器のひ弱さから勝てないということは最初から分かっていたはずだ。だが彼はそれを受け止めたくなかった。
後藤に惨殺された美以葉子の最後の表情が、フラッシュバックのように再生される。
自分はこれではあまりにも無力だ。後藤戦の触手に、自分はまったく敵わない。
無力さを噛み締め、それを真摯に受け止めることが李にとってはとても屈辱的だった。
逃げるしか……手はない。だがどうやって?
「3人と1匹…主らはさっさと逃げるでござる…」
その時李たちの脳髄に響いたのはマイルズの声。
「やはり李……この化け物は殺すしかないでござるな…殴って悪かったでござる……」
「マイルズ……?何を考えている…」
0157円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:06:50「マイルズさん!?」
「フクロウの兄ちゃんッ!」
「早く行けッ!!あんまり長くは持たないッ!」
「でも……」
「行くぞ…」
李は負傷したミーウを背負い、右手に椿を担いで、そのまま駆け出す。わき目も振らずに。
「李さん!まだマイルズさんが!!」
「……しろ…」
「察しろ…奴の意思を………!」
彼の表情は、相変わらずのポーカーフェイスだが、その真剣な表情にはうっすらとだが、哀しみが見えたような気がした。
「……マイルズさんッ!必ずあとで会いましょう!!皆でアルベルト博士を倒しましょう!!」
椿のその声は、すぐにマイルズには聞こえなくなった。
0158円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:08:03はっきり言って誰でも絶望するだろう。誰だってそーする。
それでもマイルズを後藤に立ち向かわせるのは一寸の希望。李や椿に託した。全ての希望。
「さて………触手男…お前の相手は拙者でござるよ…」
ここで再びマイルズの頭に流れるのはフラッシュバック
『キミは誰だ?なぜ私をここに…』
その人は手足を拘束された状態で、硬いベッドの上に寝かされていた。
『この世界にはいくつもの平行世界がある…君が統治するアメリカも然りだ…「白人が統治するアメリカ」、「黒人が統治するアメリカ」、「黄色人が統治するアメリカ」、
「スペイン人が統治するアメリカ」、「インディアンが引き続き統治するアメリカ」、「宇宙人に支配されたアメリカ」……キミの世界は知っての通り2番目の世界だ……』
『何のために私を招いた?それを早く言いたまえ…』
『これから…ゲームをするためにだよ…』
「アルベルト…博士……?」
気がついたころにそのフラッシュバックは途切れ、マイルズの五体は宙を舞っていた。
時刻は9時ちょうど。彼の死と同時に、長かった朝は終わりを告げた。
0159円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:09:14【李飛龍】
[状態]:首に痣、呼吸困難
[装備]:ヒョウ(14本)
[道具]:支給品一式、多量の食料、人間収縮機、民家で回収した何か
[思考]:このゲームを転覆させるッ!
1:強い意志、正義の心を持つ者には協力する
2:たとえ刺し違えてでも触手男を斃す
【周参見 椿】
【状態】:この状況下で希望が芽生えてきた
【装備】:狭霧嘉麻屋のナイフ
【所持品】:支給品一式、狭霧嘉麻屋のハサミ、サンポール、生臭い赤い液体が入った袋
【思考・行動】
基本:生き残る
1:頼りになる人がきてくれてよかった…
2:マイルズの無事を祈る
【ミーウ】
【状態】:下腹部に風穴
【装備】:矢島泪のお守り、グロック19(13/15)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:ヴェーヌを捜す(居るかどうかは分からない)
1:しばらくは李たちと一緒にいる
2:あんまり危機感を感じていない
0160円託の騎士(後編) ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 18:09:35【状態】:触手は千切れたが健康、色々と考え中
【装備】:チャクラム、マイクロカメラ
【所持品】:支給品一式、ポーション
【思考・行動】
1:あられもない写真とか、もうどうでもいい
2:今はミーウのことを心配している
3:秋生と合流したい。
【後藤戦】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:なし
1:なし
2:なし
[備考]マイルズの死体を捕食し始めた
【マイルズ 死亡確認】
0161名無し草
2008/05/18(日) 18:18:34主催側の思惑もちょっと見えてきたか
>>142
実際さかぎけと探偵団の世界は「お互いにお互いにとってフィクション」どうしだしな
すべての世界の上位にいる「現実世界」があるのかどうかはわからんが
まあきっと、最終的には矛盾の無い設定が作れるさ
少なくとも俺は頑張る
0162名無し草
2008/05/18(日) 18:21:39万吉の思惑通り、あいつの世界がそうなんじゃないかw
0163名無し草
2008/05/18(日) 18:23:140164名無し草
2008/05/18(日) 18:27:450165名無し草
2008/05/18(日) 18:28:40マイルズが逝ったか。
記憶が戻り始めたのは生存フラグかと思ったんだが、実は死亡フラグだったか。
いや、しかし何かこのパーティは洋画的キャラが多いなw
0166名無し草
2008/05/18(日) 18:28:500168名無し草
2008/05/18(日) 18:46:540170名無し草
2008/05/18(日) 19:27:290171意地があんだよ、ゴキブリにもなぁ! ◆lYiZg.uHFE
2008/05/18(日) 19:29:52椿は一生懸命森を走りぬけながらも飛龍に問いかける。
ただそれだけを信じたくて、彼の無事を祈るように。
「…………」
だが、椿のその悲痛な問いかけに、誰も応える事が出来なかった。
答えを知っていても、それを簡単に答えられるほど楽な問題ではなかったのだ。
「どうして何も応えてくれないんですか! 李さん!」
飛龍はまともに椿の顔を見る事ができなかった。
余所見をしながら走るわけにはいかない、というのは勿論ある。
でもそれ以上に、自分の弱さ、不甲斐なさに打ちのめされていたのだ。
「ミーウさんも何とか言ってください!」
「嬢ちゃん……みんなの気持ちも察してやれ」
ゴキブロスの言葉に、椿は涙がこみ上げた。
分かっているのだ。
マイルズが命を賭して触手男に挑んだという事は。
でも彼が生きて戻ってくると信じたかった。
僅かな時間しかいられなかったけど、彼は大事な仲間だったのだ。
「今はミーウの傷を治療する事に専念しろ……奴の行動を無駄にせん為にも……!」
悔しさを噛み締め、自分に言い聞かせるように飛龍は言った。
「本当は病院に行くのが一番いいんだが……この怪我ではな……。
学校に行くぞ、学校なら保健室があるだろう」
だが彼らに襲い掛かる不幸は終わってはいなかったのだ。
「てめぇら! 止まりやがれええええええええ!」
木々を掻き分けて現れたのは最悪の男、鈴木次郎であった。
「俺は勇者ファシル! 狼にペンギン、今度は狐か!
アルベルト博士の思惑が漸く分かってきたぜ!
欠片を持つ者同士を殺し合わせルシファーを復活させようとはなッ!
だがそうはさせねぇぜッ! この俺が復活を阻止してやる!」
「くっ……何者だ」
0172意地があんだよ、ゴキブリにもなぁ! ◆lYiZg.uHFE
2008/05/18(日) 19:30:09「畏怖せよッ!ルシファー・アイッ!!!!」
「まずいッ、眼を合わせるな!」
ファシルの眼が見開き、悪寒を感じた飛龍は椿の眼を覆う。
「え……なぁにこれぇ……動けない……」
しかしミーウは咄嗟の事に反応できずに眼が合ってしまう。
硬直するミーウ、そして斬りかかってくるファシル。
「くそっ!」
胴を薙ぐように襲い掛かる刃がミーウに到達する前に、飛龍がミーウを押し倒す。
「今のを避けるとはな、契約者は伊達じゃねぇってことか!」
一番強敵だと判断したのか、ファシルが警戒するように飛龍に相対する。
その隙に、唯一ファシルに視認されていなかったゴキブロスが、ファシルの左目に突撃する。
「ぐあああああああああああああ、畜生ッ、離れやがれ!」
「李のオッサン、今だ! 嬢ちゃんと狐の姉ちゃんつれて逃げろ!」
ファシルは顔の周りをウロチョロと飛ぶゴキブロスを殺そうとやっきになる。
「くっ、だがっ!」
「うるせぇ! 今動けねぇミーウを運べるのはオッサンしかいねぇだろ!
俺なら避けに徹しれば大丈夫だ! だから行けよ!」
ゴキブロスが器用にファシルの手を避けながら飛龍に叫ぶ。
「……ぐっ、分かった……、だが、絶対に死ぬな、ゴキブロス!」
飛龍はそう言うと動けないミーウを抱え、椿をつれて逃げていった。
「へへっ、俺の名前覚えてたんだな。……安心しろって、死ぬ気なんか無ぇよ」
ゴキブロスは飛龍達が逃げていくのを確認すると、ファシルを後藤の下へ誘導するように逃げていった。
0173意地があんだよ、ゴキブリにもなぁ! ◆lYiZg.uHFE
2008/05/18(日) 19:30:19【李飛龍】
[状態]:首に痣、呼吸困難
[装備]:ヒョウ(14本)
[道具]:支給品一式、多量の食料、人間収縮機、民家で回収した何か
[思考]:このゲームを転覆させるッ!
1:学校へ行ってミーウを治療する
2:強い意志、正義の心を持つ者には協力する
3:たとえ刺し違えてでも触手男を斃す
【周参見 椿】
【状態】:この状況下で希望が芽生えてきた
【装備】:狭霧嘉麻屋のナイフ
【所持品】:支給品一式、狭霧嘉麻屋のハサミ、サンポール、生臭い赤い液体が入った袋
【思考・行動】 基本:生き残る
1:頼りになる人がきてくれてよかった…
2:マイルズ、ゴキブロスの無事を祈る
【ミーウ】
【状態】:下腹部に風穴
【装備】:矢島泪のお守り、グロック19(13/15)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】 基本:ヴェーヌを捜す(居るかどうかは分からない)
1:しばらくは李たちと一緒にいる
2:あんまり危機感を感じていない
0174意地があんだよ、ゴキブリにもなぁ! ◆lYiZg.uHFE
2008/05/18(日) 19:30:39【ゴキブロス】
【状態】:触手は千切れたが健康
【装備】:チャクラム、マイクロカメラ
【所持品】:支給品一式、ポーション
【思考・行動】
1:ファシルを後藤にぶつける
2:今はミーウのことを心配している
3:秋生と合流したい。
【ファシル(本名 鈴木次郎)】
【装備】:電動ノコギリ
【所持品】:支給品一式*3、ピピンの実験薬(空)、スパナ
【状態】:左眼、左腕、腹部負傷、右眼、右腕に幻痛、邪気眼覚醒?
【思考・行動】 基本:大魔王ルシファーの復活を防ぐ
1:堕天使の欠片を持つものが襲い掛かってきたら倒す。
2:ゴキブロスを倒す。
3:あのペンギンと狐達はいつか絶対倒す。
0175名無し草
2008/05/18(日) 19:37:33これは間違いなくオワタwwwwwwwwwww
0176名無し草
2008/05/18(日) 19:38:4411/11【さかぎけ】○坂木杏/ ○坂木蕗/○坂木檀/○泉和哉/ ○泉遥/○高原恭司/
○真多秋生/○ゴキブロス/○捨流主麻亜太/○デンドロビウム/○一一一/
6/7【猫ヶ丘探偵団!】○アリス・ナイラーザ○リリー・アップル・塔野/○ポー/○ニャルロット/
○芝西湊/○狭霧嘉麻屋/●晴海雪/
4/5【鈴木一家関連】○鈴木イチロウ/○ファシル(鈴木次郎)/○鈴木万吉/○勇者スポポロス/●矢島泪/
2/3【松井一家関連】●松井垂加/○松井司/○松井哲也/
3/4【鍵谷一家関連】●アルベルト・ハインリヒ(平行世界)/○鍵谷絵理花/ ○鍵谷幸一郎/○鍵谷美和子/
3/4【アムンゼンシリーズ】○ロアルド・アムンゼン(その1)/ ○ロアルド・アムンゼン(その2)/
○ロアルド・アムンゼン(その3)/●ロバート・スコット/
0/0【その他の共通世界】○蒼井燕/○伍宮瑞子/○ヴェーヌ/○ジュリア/○ミーウ/
○ケネス・シルバー/●美以葉子/●ケンシロウ(自称)/○剣時宗/
18/24【孤立組】○靄場陸朗/●老本則夫/●大アジア帝国皇帝織田信長/○甲坂舞梨/○後藤戦/
○コードネーム『シスター』/○佐藤健/○周参見椿/○鈴村佐知代/○高水奈々/
●只野模武/○藤堂秀一/○墓凪可憐/○花子/○日滝菅彦/●ピタゴラス/
○ピピン/○フーリエ/●マイルズ/○マグナム・ハンス/○ミルフィーユ/○桃太郎/
●山田太郎/○李飛龍
54/67
0177名無し草
2008/05/18(日) 19:39:170178名無し草
2008/05/18(日) 19:43:310179小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:44:13その背中が見えなくなるのを待ち、木の上の可憐は安堵のため息をつく。
注意深く木から降りて車椅子の上にまで戻る。
その気になれば空を飛べるとはいえ、基本的には自分はこれがなければどこにもいけない。
「……どうしたらよかったのでしょうか」
今彼女の胸の中にあるのは、窮地を脱したことによる安堵ばかりではない。
最大の懸念は、『あの青年をあのまま行かせてよかったのか』ということだった。
自分に銃口を向けたあの青年は、決して狂人でも冷酷な殺人鬼でもなかった。
きっと、自分と同じ普通の人間だったのだろう。恐怖のあまりにあのような行為に出てしまったのに違いない。
ならば、どうにかして説得するべきではなかったか。
確かにあのまま対峙していれば自分が殺害された可能性もある。
しかしそれを加味してでも、彼を落ち着かせて正気に戻すべきではなかったか。
この後彼が誰か他の人を殺してしまうかもしれない。
彼が本物の狂人や殺人鬼に戦いを挑み、返り討ちに遭うかもしれない。
それを知っていながら、自分は黙って行かせるしかなかった。
自分に勇気がもう少しでもあれば―――
あの事故にあって以来だろうか、いやそれよりも前からだっただろうか。
いつだって本当に言いたいことを胸の奥に隠してきた。
自分の意見を表に出すことを恐れ、人の意見に流されるように生きてきた。
それで何度悔しい思いをしただろうか。それで何度人を傷つけただろうか。
後悔の念は深かったが、かといって今からあの青年を追おうなんていう決心には到らず、可憐はまた少し自分が嫌いになった。
0180小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:45:01近くまで車椅子を寄せても、もう少しといったところで指がその紐に届かない。
一度飛んで車椅子から降りないと無理だろうか。
「あれは結構体力使うんですけどね」
さっきと同じ要領で空中に飛び上がる。しかし加減を少し間違え、思いがけず高く上がってしまった。
「ふわわわっ!?」
慌てるあまり空中でバランスを崩しかけ、とっさに木の枝にしがみ付く。
その時ふいに、下に一人の少女の姿が見えた。
もうどれだけ走ったのだろう。
足がズキズキと痛み、今歩みを止めたらそのまま腐ってしまうのではないかとすら思う。
誕生日に姉にプレゼントして貰ったお気に入りのミュールも片方が無くなってしまった。
大きな鞄もどこかに落とした。
下着も汚れていたが、それを恥じるような余裕はすでに無い。
叫びすぎて喉が枯れ、もはや自分の声ではないようにしか聞こえない。
「っく……お兄ちゃん……お姉ちゃん……」
真っ赤になった目の下を更に何度も何度も拭いながら、蕗は片方しか靴を履いていない足で目的も理由も無く彷徨っていた。
どうして自分は逃げているのか? もうわからない。
アルベルトの話ももう何一つ覚えていない。
こんなところで起こったことは全て忘れて、今すぐにみんなの所に帰りたかった。
家に帰れば、きっとお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、お母さんとお父さんもいて、学校に行けば遥や久司や凪もきっといつも通りの顔で―――
「え―――!?」
蕗は口を開けて呆然と立ち尽くす。
何しろ、「空から女の人が落ちてきた」のだ。
普段の蕗なら「漫画とかアニメで良くある展開じゃない?」なんてことを言ったかも知れない。
0181名無し草
2008/05/18(日) 19:45:390182小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:46:00で、そうそう、えーと……あ、私は、その……」
「イヤッ――――!!」
蕗は尻餅をつくようにへたり込んだ。
「来ないで、来ないで、来ないで、来ないで、来ないでぇぇぇぇぇぇぇ!!」
今の彼女はとっくに本来の彼女ではなかった。
突然男に殺されかけて、更に自分を庇おうとした男の人が目の前でその男に殺されて。
そんな中で、初対面の人間を誰一人信じられなくなったとしても無理は無かった。
しかしすでに彼女には逃げるような力は残っていない。
「お兄ちゃーん!! お姉ちゃーん!! どこにいるの!? 助けて、助けて、助けて、早く助けてぇ!!」
頭を抱え込むようにしながら、潰れかけている喉で必死に声を絞り出すしかなかった。
「あ、あの、私、ちが……」
まただ。
何で、言いたいことが言いたい時に言えないんだろうか。
事故に遭ったショックでこんな性格になっちゃった?
違う。自分はただもともと臆病なだけだ。ほんの少しの勇気があれば誰かを助けることだって……傷つけずにすむことだって出来るのに。
目の前で誰かが泣いているのに、自分にはそれを止めることさえ出来ないのか?
「うぇ、ひっぐ、ひぐっ……来ないでぇ……来ないでよぉ……」
幼い子供のように泣く少女に、可憐は勤めて大きな声で言った。
「そんなに泣いてて何になるんですか!!」
自分でも信じられないくらい激しい口調になった。
「あ、あなただって生きてここから帰りたいんでしょう!? だったら泣いてたって何にもならないんですよ!!」
自分でも、ガラでも無い事を言っていると思う。でも、どんなに背伸びしてでも今はこの子を助けたかった。
「ほら、立ってください。私は何もしませんから」
蕗の手をとって無理矢理立たせると、その赤い顔を服の袖で拭ってやる。
「あの、さっきお兄さんとかお姉さんとか言ってましたけど、あなたのご兄弟もここに来ているんですか?」
少し落ち着いた可憐はいつもの穏やかな口調に戻った。
0183小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:46:47しっかりした見かけの割には内面は幼い少女のようだった。やや家族に依存症の気があるかもしれない。
「どちらにしても、もう一度家族と会うにはここで生き残らないといけませんよ?
それにはもう少し……心を強く持って行きましょう」
元気付ける意味で、彼女の頬を軽く叩いた。
蕗は少し面食らったような顔をした後、軽く目を擦りながら頷いた。
幸い、蕗の靴のサイズと可憐のそれはほとんど同じだった。
可憐はそれを蕗に履かせた。車椅子を使う自分には靴はそれほど必要ではない。
涙で汚れた顔も拭いてやり、パンツも汚れていたので脱がせた。
誰の目があるわけでもないし、不衛生なのよりはいい。
落ち着いた蕗を少し休ませている間に自分のバッグの中を確認する。
入っていた『支給品』は一つだけ。
「なんでしょう、これは……?」
一見刀のようだが、やや装飾過多な気がする。中国のアクション映画にでも出てきそうなフォルムだった。
「物騒ですね。それに結構重いです……」
車椅子で踏ん張りの利かない自分にどうこうできる得物ではない。
せいぜい脅かしくらいにしかならないだろう。
「……あの、」
その時ようやく蕗が始めて口を開いた。
「そういえば、なんでさっきは空から落ちてきたの?」
可憐は曖昧なことを言ってはぐらかした。
0184小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:48:42その、出来れば蕗ちゃんの鞄を拾いに戻りたいですけど」
お互いの自己紹介とそれまでの経緯を説明した後、可憐はこれから取るべき行動としてそう口にした。
途端に蕗の顔が再び見る見るこわばっていく。
「イヤ……戻ったらあの人が……」
自分を襲おうとした白人の男の顔を思い出し、両手で顔を覆い震える蕗。
「だ、大丈夫ですよ、その、わかりましたから」
可憐は蕗の頭をそっと撫でた。よほど怖い目に遭ったのだろう。
その、この年齢の少女にしては高い位置がある頭を撫でながら。
その震える方を慈しむような目で見守りながら。
「そんなに怖がらなくていいんですよ、その、えと、あなたは私が守りますから」
それは多分に自分のための言葉だった。
―――自分は危うい綱渡りをしている。
本来ならば自分は守られるべき立場だろう。
それが虚勢を張って、自分を大きく見せようとしているだけだ。
内気で弱気な自分に果たして守れる人がいるのだろうか。
何か一つでも不安要素が入り込めば、自分のほうが先に崩壊してしまうかもしれない。
それでも今は、自分の車椅子を押して進むこの少女のために、彼女と一緒に歩いていきたかった。
0185小さなその手を ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/18(日) 19:49:13【墓凪可憐】
【装備】:李飛龍の青龍刀
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。
1:蕗を守る
2:蕗の家族を探しながら脱出する方法を考える。
【坂木蕗】
【装備】:なし
【所持品】:なし
【状態】:疲労 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:死にたくない……
1:可憐についていく
2:兄(杏)と姉(檀)に早く会いたい
※坂木蕗の支給品一式(不明支給品×2入り)はC-2のどこかに落ちてます
0186名無し草
2008/05/18(日) 19:50:23そしてぱんつはいてないシリーズが増えたぞwwww
0187名無し草
2008/05/18(日) 19:51:10坂木家があまりにも遭遇者に恵まれないので
0188名無し草
2008/05/18(日) 20:12:450189名無し草
2008/05/18(日) 20:18:030190 ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 22:00:190191 ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 22:01:03メガネの華奢な男。彼はこちらをじっと見つめていた。校舎の門に凭れかけながら刺すような視線で。
ケネス・シルバーは、そこを通る。躊躇うことは特にせずに。
H&Kは、一応念のために右のポケットに入れて、通る。
「ケネス・シルバーか?」
男は突然話しかけてきた。自分の日本語吹き替えを努める声優の声に少しだけ似た声だった。
「そうだが?アンタも参加者か?」
「まあそんなところだろうな。それはそうとA賞受賞おめでとう。観たよ映画は…」
「そうか…そりゃどうも………オレも俳優としてはそういってもらえて嬉しい」
「ちょっと来ちゃあくれないだろうか?お袋がアンタのファンなんだよ……紙持ってるからサインしてくれないか?」
「断る。サイン色紙じゃねえだろどうせ」
ケネスは、男を見て同じく刺すような視線でそう言った。視線が視線なら表情も表情。舌を出し、無理に口を裂けさせてとびきり嫌な表情で。
「そうかい……」
「そうさ………じゃあ行くぜっ……」
ケネスがそう言って男に背を向けた次の瞬間、背を向けつつもケネスはH&Kを発砲していた。
0192俳優は哀れみや汚名を再び纏う ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 22:02:14その男、剣時宗は、銃弾をかわそうとしたものの、その軌道は彼をまったく捉えていなかった。それどころか射程距離にすら入っていない。当然まったく別の軌道に飛ぶ。バックからの姿勢では当然といえば当然だった。
「畜生ッ!接近するしかねえのか!!」
H&K P7を構えつつ、ケネス・シルバーは時宗の立つ校門に通づる階段を、3段飛ばしで上ってゆく。
「やはり俳優と言うのは阿呆共の吹き溜まりらしいな。」
時宗は、3歩だけ後ろに交代すると、校舎の門の裏側から何かを取り出した。長さ2m以上あろうかという、大鎌である。
「あぁ~失敗だったわ…」
鎌を前方に勢いよく振りかざすと、校門から駆け出し、階段を高速で下る。
それに伴ってケネスも下る。高速でだ。だが、階段を一段踏み外したケネスは、そのまま転げる。
ゴロンゴロンゴロンゴロン…
追っ手であるはずの時宗が、可哀想だと思うくらいその姿はかっこ悪かった。
「…………」そしてケネスは一番下まで下って止まった。
「………キミは顔で魅せているとこちらは思っていたが…そうでもないらしいな」
妙な罪悪感が時宗の胸に宿るが、それでも彼は弟のためだと割り切った。
ゆっくりと階段を下り、ケネスにまでたどり着くと、鎌を大きく振りかざした。
バァンッバァンッ
だが次の瞬間、2発の銃声が響く、撃ったのは当然ケネス。
彼は鎌の刃先を砕き、尚且つポールから切り離したのだ。
「畜生!!はずした!!」……彼は時宗を狙うつもりだった。
0193俳優は哀れみや汚名を再び纏う ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 22:03:42時宗は、銃弾の衝撃を受けつつも刃が切り離されたポール。つまり先の尖ったポール
それをケネスに向けつつけん制する。
「こっちは銃持ってんだぞ!そんな棒切れで勝てると…」
べシャア――ッ
H&Kを撃とうとしたケネスは、再び階段の段差に躓く。
「……………」
それを見て、よっぽどケネスを気の毒に思ったのか。時宗はケネスの手からH&Kを奪い去り、そしてポールを持たせると、そのままケネスから離れた。
「おぉい!!待て!!それオレの……」
バァンッ
銃弾はケネスのすぐ近くの段差に命中し、その場の地面を削って陥没させた。
「見逃してやるからどこかに行け。かなり目障りだ」
「……ハイ」
0194俳優は哀れみや汚名を再び纏う ◆qD/48vMrg6
2008/05/18(日) 22:04:16【ケネス・シルバー】
[状態]:健康
[装備]: 先の尖ったポール
[道具]:切れ味がほぼゼロになった果物ナイフ、その他食料
[思考]:ショボーン(´・ω・`)
1:武器が奪われてしまったOTL
2:主催者相手にすんの怖いし、殺し合いも怖い
【F-6 分校前 1日目午前】
【剣時宗】
【装備】:H&K P7(14/18)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
1:いるかも分からないが、弟のために殺し合いに乗る
2:ケネスは放っておいてもどうせすぐ死ぬだろうしスルーする
0195名無し草
2008/05/18(日) 22:04:43とりあえず同じキャラを何度も自分で書くのはそろそろ自重した方がいいかと
0196名無し草
2008/05/18(日) 22:08:050197名無し草
2008/05/18(日) 22:09:490198名無し草
2008/05/18(日) 22:14:520200名無し草
2008/05/18(日) 22:16:390201名無し草
2008/05/18(日) 22:17:080202名無し草
2008/05/18(日) 22:17:350203名無し草
2008/05/18(日) 22:22:52何度もやってると単発トリばかりがそのキャラを書いてるとか
一定のトリがそのキャラを書いてるとかいう現象が起こって
終盤でもない限りバレそうだ
0204名無し草
2008/05/18(日) 22:26:47とりあえず氏に理解してほしいのは、特定のキャラが突出して先の時間になってしまうと、
周りのキャラが動かしづらくなるってこと。
取り残されたキャラは先の時間軸に影響を与える展開ができないからね。
たとえば火事が起きるとか、轟音を立てるとか、単純にその場所を通り抜けるとか。
0205名無し草
2008/05/19(月) 00:57:40書いてみたいメンツがあるが、場所的に別キャラと合流しそうで微妙なんだ
0207◇oODPKs7U0
2008/05/19(月) 01:25:02ニャルロット、デンドロビウム、ミルフィーユ、伍宮瑞子で予約します
0208名無し草
2008/05/19(月) 01:27:20いきなり不安だ・・・
0209名無し草
2008/05/19(月) 01:31:45トリップの付け方間違ってるよ
名前欄に「#(好きな文字列)」って入れればトリップ出るから
◆を直接入れても個人の識別にならないし
0210名無し草
2008/05/19(月) 01:34:17トリップのつけ方を知らないだけだと思うよ。
>>207
トリップっていうのは名前欄に「#(半角) + 好きな言葉」を入れると出てくる暗号みたいなもの。
「◇」じゃなくて「◆」から始まるようになってるんだ。
ちなみに試してみると判ると思うけど、◆を名前欄に入力すると◇になる。
0211名無し草
2008/05/19(月) 01:34:520212それは、おとぎばなし。
2008/05/19(月) 01:36:17―――クソ、糞、糞ッタレ!
日滝菅彦は毒づきながら走っている。
なぜ誰も信じようとしない。
なぜ誰も俺の言うことを聞かない。
なぜそんなにも殺し合いをしたがる。
幾つもの言葉が頭の中を駆け巡る。
信じてもらえないのはこの容姿のせいか。
動かぬ証拠を見せ付けても信じられないのなら、俺は一体どうすればいい。
どうすれば信じてもらえる―――。
日滝の焦燥は頂点に達しようとしていた。
こうして走っている間にも、まるで無意味な殺し合いは続いている。
罪もない人々が、その手を血で染めようとしている。
そんなことはもう沢山だ。
あんな思いをするのは自分だけで充分だ。
アルベルトを手にかけた瞬間の感触がまざまざと蘇る。
畜生―――。
もう一度毒づいた日滝の耳に声が飛び込んできたのは、そんな時である。
◆
0213それは、おとぎばなし。
2008/05/19(月) 01:36:57「ひ、ひぃぃぃ誰か来ますよ桃太郎さん物すンごい勢いで走ってきてますよ!
あれ絶対おかしいですよ悪人面ですもん地球人の観察してる私が言うんだから間違いないです!
ヤクザですよひぃぃぃすいません間違えましたヤのつく自由業の人です私何にも言ってません!」
「少し落ち着かれよ、ぴぴん殿」
呆れたように言うのは桃太郎である。
ディスカウントストアという店には結局、怪しい人物はいなかった。
ピピンが食料品だという、妙な包みを幾つか背負い込んで店を出たのがしばらく前のこと。
民家を虱潰しにしながら歩いていると、突然ピピンが騒ぎ出したのだった。
私テレパスですから気配なんかを感じ取れるんです不気味ですねすいませんすいません、と
謝りたおすピピンを宥めるのに辟易しながらも、桃太郎はさりげなく身構える。
てれぱす、という言葉の意味はよく判らなかったが、要するにピピンは異様に目や耳がいいらしいと、
そういう形で桃太郎は理解した。
危険な風体の人物が近づいてくるのなら、自分は弱者を守って戦うまでだ。
そんな風に考えている。
御伽噺の中には善と悪と、書割に描かれた案山子だけが存在している。
桃太郎は善で、桃太郎の守る弱者もまた善で、そして近づく危険は悪だ。
それが桃太郎の生きてきた世界のルールだった。
0214それは、おとぎばなし。
2008/05/19(月) 01:37:09だから、その男が一目散に駆け寄ってくるのを、桃太郎は黙って見てなど、いなかった。
「―――止まられよ」
警告はただ一度。
ピピンが怯えた顔で桃太郎の後ろに隠れる。
足を止めずに走ってくる男から漂う鉄錆のような臭いが、桃太郎の目を細めさせた。
「お前ら、いいか、俺は―――」
男の言葉が、途切れた。
代わりとでもいうようにピピンの悲鳴が、閑静な住宅街に響いた。
もう二度と口を利けぬ、男の代わりとでもいうように。
◆
0215それは、おとぎばなし。
2008/05/19(月) 01:37:29男は両手を血で染めていた。
その褐色が滲んだ懐に刃の柄が見え隠れしていた。
鬼気迫る形相だった。
背後には守るべき弱者がいた。
だからそれは、正義の執行である。
ぶん、と風を切る音が響いたときには、全てが終わっていた。
斧槍の先端についた鮮血を払うように大きく刃を振るった桃太郎が振り向いたときには、全てが終わっていたのである。
桃太郎にその理由はわからない。
ただ、理解していた。
ピピンという少女との絆が、これ以上ないほど明確に断たれたことを。
一目見た、その表情に信頼は存在しなかった。
そこにあったのは、怯懦と恐慌、そして絶望であった。
涙を流し、言葉にならぬ悲鳴を上げながら走り去る背中を、桃太郎は追いかけなかった。
少女の逃げていく理由が、桃太郎にはわからなかったのである。
そう、御伽噺の中には善と悪と、書割に描かれた案山子だけが存在している。
桃太郎は善で、桃太郎の守る弱者もまた善で、そして近づく危険は悪だ。
それが桃太郎の生きてきた世界のルールであり、悪を斬り捨てる行為を、正義という。
だから桃太郎にはわからない。
躊躇なく人を斬り捨てておきながら、その身に真っ赤な返り血を浴びながら、
悪は滅びたと笑うその笑顔が、御伽噺の外でどれほどの恐怖を呼び起こすのかを。
わからないまま、御伽噺の少女はただ無言で、傍らでぴくぴくと痙攣を続ける男の躯に、
とどめの刃を突き立てていた。
【日滝菅彦 死亡】
【残り53人】
0216それは、おとぎばなし。
2008/05/19(月) 01:37:55【桃太郎】
【状態】:健康
【装備】:ハルバード
【所持品】:支給品一式 不明支給品×0~2
【思考・行動】
基本:弱き人間を守り、悪しき人間を倒す
1:弱き人間を探して守る
2:アルベルト打倒
【ピピン】
【状態】:恐慌
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式 不明支給品×1~3
【思考・行動】
基本:生き残りたい
1:殺人鬼から少しでも遠ざかる!
2:死にたくない!
(マグロ切り包丁、支給品一式(不明支給品なし)、トカレフTT-33(7/8)、アルベルトの首は
すべて遺体の傍に放置されています)
0217名無し草
2008/05/19(月) 01:38:360218名無し草
2008/05/19(月) 01:46:22そうだよな、桃太郎って鬼をばっさばっさ殺して宝持って帰ってくるもんな。
実際にいたら怖いよな…。
0219名無し草
2008/05/19(月) 01:46:29何という残酷桃太郎。
お前はここでもお伽ロワと同じ道を行くのかw
0220名無し草
2008/05/19(月) 01:55:18ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0049.png
死者の名前が若干見にくかったので、色を変えてみました。
0221名無し草
2008/05/19(月) 02:12:47すごく助かってます。
0222名無し草
2008/05/19(月) 02:17:17中央から北にかけて死体が転がってるなー
南の方はこれからってトコか
0223俺は悪くない
2008/05/19(月) 03:49:32恐怖で銃を撃つ。
当たらない。
当たらない。
一発も当たらない。
撃ち返される。
こちらも当たらない。
撃って。
撃ち返されて。
当たらなくて。
それが繰り返されて。
ついに俺の弾が切れる。
為す術も無い俺にゆっくりと歩み寄るライオン。
銃は使わない。
怯えて尻餅をついてしまった俺にどんどん近づいてくる。
後ろに下がる。
また下がる。
また下がろうとして木にぶつかる。
下がれない。
そんな俺の様子に嬉しそうにライオンが笑う。
その大きな口をあけてよだれを垂らす。
牙がギラリと光って見える。
その口が俺を飲み込むように襲ってくる。
来るな。
来ないでくれ。
来るな。来るな。来るな。
来るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
♪
0224俺は悪くない
2008/05/19(月) 03:49:44「来るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は叫び声をあげ、勢い良く身体を起こした。
と同時に額から何かが落ちる。
ん?起こした?
俺は確か尻餅をついてライオンに食われそうだったはずだが。
夢…だったのか?
だけど俺はいったいここで何をしていたんだ?
そう思ったところでバックパックが眼に映る。
そうだ、殺し合いを強いられていたんだ。
それでライオンに襲われて…。
それから…どうしたんだったか。
「良かった。起きたのね?」
俺はその声でこの場にいる別の人に気がつく。
その声のほうを向いて眼に入ったのは…あれ、人じゃない?
「ひっ!」
俺は情けなくもさっきの夢のように後ずさっていた。
「安心して、私は殺し合いに乗ってないよ」
猫女が何かを言いながらこっちによってくる。
俺は恐怖で女の言葉に耳を傾ける余裕が無かった。
だってライオン女に猫女だぞ?
人間じゃないんだ!
俺は後ずさろうとするも、やはり木に遮られ下がる事ができなくなった。
猫女が近づいてくる。
…来るなよ。
俺は泣きそうだった。
…来るなって、俺は美味くねえよお。
0225俺は悪くない
2008/05/19(月) 03:50:02「あなたが突然倒れたから。置いていくのも心配だったし」
猫女が俺の顔に腕を伸ばしてくる。
やめろ、やめてくれ。
「来るな化物おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺は恐怖で頭がいかれちまったのか、逆に猫女を押し倒していた。
「化物め、死ね、死ね、死ね!」
近くに転がっていた手頃な石を両手に持って猫女に叩きつける。
何度も。
何度も。
気がついたときには俺の全身は血塗れで、俺の股のしたでは猫女のグチャグチャになった死体が転がっていた。
初めて見る死体の凄惨さに酸っぱいものがこみ上げてくる。
俺はその場で吐いた。
何もかも。
何も出なくなるまで。
全てを吐き終えて、頭が冷えて、やっと冷静になる。
なんで俺は目が覚めたのだろう。
なんで俺は死んでいなかったのだろう。
まさか―――
思い起こす。
まさか―――
眼が覚めた時の事を思い出す。
まさか―――
俺の額に乗っていたものはなんだったか。
まさか―――
そう、確か額が冷たかった。濡れたハンカチだ。
まさか―――
なぜそんな事をする必要がある。
0226俺は悪くない
2008/05/19(月) 03:50:15俺はとんでもない事をしでかしたんじゃないのか?
あの猫女は殺し合いになんか乗っていなかったんじゃ。
俺を殺そうとなんか、食べようとなんかしていなかったんじゃ。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。
俺は、俺は悪くねぇ!
そうだ!こんな事に巻き込まれて、いきなり化物をみたらそうなるに決まってる!
俺は何も悪くねぇんだ!
俺は自分のしてしまった事の恐ろしさに落ちていた荷物を全部拾って逃げ出していた。
【C-10・森/1日目 午前】
【マグナム・ハンス】
【状態】:恐怖
【装備】:南部十四年式拳銃(試作モデル)(0/8)、レイピア
【所持品】:支給品一式、不明支給品(0~4)
【思考・行動】
基本:生き残る
1:ヴェーヌの死体から逃げる。
2:まともな人を捜す
【備考】:ひょんな事である事に覚醒するかも知れません。
ジュリアをマーダーだと(見た目で)判断しました。
【ヴェーヌ 死亡確認】
0227名無し草
2008/05/19(月) 07:04:30二丁拳銃の人マーダー化フラグ立ったな
0228名無し草
2008/05/19(月) 08:03:030229 ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 09:37:020230名無し草
2008/05/19(月) 10:50:19麻亜太と佐知代の騙し合いに期待
0231名無し草
2008/05/19(月) 10:51:060232名無し草
2008/05/19(月) 12:59:22ハンスがマーダー化するのか、自滅するのか…楽しみだ。
0233名無し草
2008/05/19(月) 13:14:56蒼井燕、鍵谷絵理花
鍵谷美和子、松井司
高原恭司
フーリエ
…か。
誰かフーリエどうにかしてアムンゼン3と会わせてやってくれw
もちろん犬嫌い面子に散々邪険にされた末にw
0234 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 13:44:100235名無し草
2008/05/19(月) 13:55:15これで鍵谷家がうまくバラけるかな
ところでMAPの大きさどうする?
さすがに500×500でいいんじゃないかと思うけど。
0236 ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:23:230237人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:26:11探偵はネクタイの位置を直しながら訊く。
「なるほど、君はアリスという友人を捜していると」
「うん。ここにいるっていう確証はないけど、でも、いる可能性が高いと思う。」
リリーは不安げな表情を浮かべる。
「本当は、捜すなんてとっても面倒でイヤなんだけどね。疲れるし。……ほんとよ?」
あくまで仕方なく、と主張する。しかし表情は寂しそうだ。
「ふむ。もし、君が私に依頼するというなら、引き受けてもかまわないが」
探偵というと、人のために働いている印象があるが、彼は違う。
麻亜太は、人間の裏側、隠された欲望や憎しみを表に暴き出し、その結果、人が壊れ、堕ちて行く様を見ることを楽しみとしていた。
しかし今回は楽しみよりも、生き残る事を最優先に考えなければならない。
目の前の少女を利用するため、行動を共にするための申し出だった。
「手伝ってくれるの? でも探偵の依頼料って高いんでしょ?」
「いや心配はいらないさ。そうだな……さっきの写真を」
思い出したのか、麻亜太の顔がわずかに引きつる。
「……消去してくれるだけで、それで十分だ」
0238人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:27:19町に向かうべく北へと歩みを進めた二人だったが、前方に二つの人影が見え、足を止める。
相手も気付いたようで麻亜太達へと近づいているようだ。
「二人でいるってことは殺しあいには乗っていないってことね」
「そうとは限らないが、強襲する様子は無さそうだ」
麻亜太は失策だったと少々悔いる。
こんな原っぱにいたのでは、隠れたり逃げ出すなどの行動をとれば、怪しまれ捕まってしまう可能性もある。
対する二人組はスポポロスと佐知代。
一気に駆け出そうとするスポポロスを佐知代が制していた。
「急接近は駄目ですわ。敵にしろ味方にしろ逃げられては元も子もありませんわよ」
「そんなに心配することないのだ。僕様の足は、逃げる鶏にも楽々追いつける程なのだ!」
両者の距離が数メートルの距離で、スポポロスはピタリと止まり、両手を腰に当て、大きく息を吸い込む。
「僕様は勇者スポポロスなのだ!」
高らかに名乗り上げ反応をうかがう。
「えっ、勇者って、ゲームとかに出てくる……」
リリーは自分も名乗るべきかと戸惑っていたが、一方の麻亜太の視線は少年の後ろにいた佐知代の目を見ていた。
ドス黒い邪気を孕んだ目を見て、探偵は状況を推察する。
(その目……幾人と見てきたぞ。ふむ、女狐め……いや、雌豚のほうがしっくりくるな)
麻亜太は恭しく一礼する。
「私は探偵を生業としている、捨流主麻亜太という者です。以後お見知り置きを、勇者殿」
「おおっ! 味方なのだ!」
笑顔のスポポロスとは対照的に、佐知代はなぜか心底嫌そうな顔をしていた。
0239人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:30:45「あああっ!! まさか、そっ、その杖がなぜここに……そうだ、きっと大天使ヘヴ山ゴッド子様がこの地に置いていってくれたのだ……見つけてきてくれて感謝なのだ。それがあれば勇気百倍なのだ!」
リリーは話が掴めないでいたが、手に持った杖が、少年にとって大事なものだというのは理解が出来た。
「駄目よっっ!! 罠だわ!」
突如、佐知代が叫び声を上げる。
「この二人、魔物の手先だわ! 奪ったのよっ! そのヘヴ……ヘヴ……なんとかって人から! 冗談じゃないわ! そんな姿形だけ人の真似したってぇえっ! わたくしに!
占い師であるっ、こーーのわたくしにぃぃぃっ見抜けないとでも思ったのかしらーーーっ! 叩き斬って取り返すのよっ!!」
佐知代は大声でわめき散らす。
彼女は過去、脱税の証拠を暴露された事があるため探偵をひどく嫌っていたのだ。
結局、その時の探偵は社会的に抹殺したが、イメージ回復のため、しょうもない仕事をする羽目にもなった。
つまりは、その時の恨みを、探偵である麻亜太にぶつけて完全に晴らしてしまおうということなのだ。
スポポロスは慌てて後方へ飛び退く。
「騙されるとこだったのだ。魔物の手先に杖は渡さないのだ! 勇者の必殺剣を見せてやるのだ!」
スポポロスは刀を天へと突き上げ、ポーズを決める。
そして刀をそれっぽく構え突撃するが、途中で盛大にすっ転び、顔面を地面に強打して跳ね上がる。さらに勢いのまま前転し、途中からヘッドスライディングで土埃を巻き上げながら停止する。
リリー達は、足下に突っ伏している少年を、ぽかんと見下ろしていた。
「なんなんだ一体……」
スポポロスはピクリと動いたかと思うと、勢いよく跳ね起きる。
鼻血が吹き出ていて、かなり痛そうだ。
「さすがに手強いのだ。でも逃げ出すわけにはいかないのだ! 今こそ……最大の奥義を使うときなのだ!!」
スポポロスは刀を思いっきり振り上げる。
だが、刀の振りにつられ背後へ大きく反り返り、そのまま転倒。後頭部を打ち付け気を失う。
リリー、麻亜太、佐知代の三人の間に流れる時間が、しばし停止した。
0240人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:31:35「そうかも。何だったんだろ、この人たち」
促され、リリーも同意する。
麻亜太は、佐知代たちと行動を共にする気はなかった。
(仕事のターゲットとしては非常に魅力的だが……他人を利用する私とは合わないようだな)
「ムフゥーーッ、このまま逃したら、追い込まれる一方ですわ。ええ、きっとわたくしの事を、頭のおかしい占い師だと言い広めて回るに決まってますわ。探偵の分際でわたくしをおびやかそうなんて!」
佐知代はデイパックを探り拳銃を取り出す。
「こんな所で使う予定じゃなかったのですけど」
人数が残り少なくなった場合や、緊急時の切り札として残しておこうとしたものだ。
気付かれぬよう二人の後を追い、側にあった木に隠れてしっかりと麻亜太の背中に狙いを付ける。
銃の扱いは素人であったが、その体型からどっしりと安定し、照準を固定できていた。
「わたくし自身の手で地獄に送ってあげるわよ。消えなさい、社会の汚物!」
0241人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:33:05麻亜太の言葉に、リリーが背後を振り返る。
「あ」
そこで佐知代の拳銃が火を噴き、弾丸は見事、麻亜太の背中へと襲いかかる。
だが探偵を喰い破るはずだった弾丸は、なぜか途中で急激に進路を変え、リリーの持っていた杖に当たる。
「しまった、銃か!」
重なり響く、銃声と杖の金属音に驚き、麻亜太は振り返る。
人影が木に隠れるのが見えた。
(くっ。私とした事が、相手が銃を持っている事を考慮に入れず、背中をさらしていたとは。どうも調子がおかしい……あの音楽のせいか?!)
一方リリーの方は杖を両手で握り直している。
「はぁ、間一髪。やっぱかなりの衝撃ね。落っことすかと思った。……っと逃げなきゃ」
(そうだ、今は考えている場合ではない。逃げなければ! この少女にはここで盾になってもらおう。そのスキに……)
「私の側から離れないで。近距離の方がパワーも強いし、コントロールも上手くいくの。」
一気に走り去ろうと思っていた麻亜太は、一瞬考えリリーの背後に隠れる。
数メートル先の木からはみ出している敵の一部、おそらくは出っ張ったお腹、に注意を留めながら二人は後退していく。
佐知代は木の陰に体を隠し、未だ無傷な探偵の姿に焦っていた。
「ムフゥー、ムフゥー、どうなってるのかしら。確かに当たったはず……なんか自信がないわ、外れたのかもしれない。いえ、照準が狂ってるのよ。ポンコツね! ムフゥゥーー、落ち着くのよ。どうやらこっちに反撃してくる様子はないし、このままやり過ごすのよ。
でもこのままじゃまずいわ…………そうだわ、奴らが悪人だと情報を流して、わたくしから注意を逸らせばいいのよ。フンッ、見てなさい。このカリスマ占い師を敵に回したこと、たっぷりと後悔させてやるわ。」
0242人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:34:45「ふむ、不審人物無しと」
二人は目的地を若干変更し、西にある市街地へと辿り着いていた。
商店街のある通路、電柱の陰から辺りをうかがう麻亜太。
「この杖すっごい頑丈。」
リリーが買ったばかりのiPodを破壊された時の事を思い出しながら、ぽつりと呟く。
探偵は少女の方へ向き直る。
顎に手を置き、少し考えた後、切り出す。
「もし良かったらその杖を私に貸してくれないか? やはり女性を守るのは紳士の役目だと思ってね。」
「えっ、これ? いいけど」
ポンと手渡された杖をまじまじと見つめる麻亜太。
(ずいぶんと悪趣味な杖だが、あの時の自信はこれのせいか。非現実的な事ならすでに起きている……これが魔法の杖だったとしても驚く事ではないな)
「一応訊いておきたいんだが、一体どんな力があるんだい?」
「あー、うん。物体同士が引っ張り合ってるのは知ってると思うけど、その強さと方向を限定的に変化させる事が出来るの。でも一度にたくさんは無理だけどね。」
(ふむ、なるほど。使い方によっては私の生存に役立ちそうだ。)
リリーは、自分の能力についての過去の事を思い出していた。
能力に目覚めた当初は制御が上手く出来ず、周りの人たちも被害を受けまいと、リリーと距離を置くようになった。
そんな中でも変わらず接していた人物、それがアリス・ナイラーザ。
アリスの言葉が脳裏に蘇る。
『何をおっしゃるのかしら? リリーはリリーでしょう。わたくしの親友にかわりありませんわ。ちょっと便利な機能が付いたとでも思いなさいよ。そうそう、新しい事件の噂を聞きましたのよ。うふふっ、それで…………………』
「アリス……無事でいて……」
◆ ◆ ◆
「う……う……ここは……はっ! 魔物の手先め、許さないのだ! 僕様の究極の奥義で!! …………あれ?」
0243人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:36:05【捨流主麻亜太】
【状態】:健康
【装備】:三得包丁、ヘヴ山ゴッド子の杖
【所持品】:支給品一式 不明支給品なし
【思考・行動】
基本:他人を利用して生き残る(ステルスマーダー)
1:アリスを捜す振りをしながら、他者を陥れていく。
【リリー・アップル・塔野】
【状態】:健康
【装備】:デジタルカメラ
【所持品】:支給品一式 不明支給品なし
【思考・行動】
基本:殺しあいを止める。打倒アルベルト。
1:アリス・ナイラーザ、及び殺し合いに乗っていない人物を探す。
※1 支給品リスト
全参加者に配布された支給品の一覧表です。名簿と同じく、一定時間後に内容が書かれます。
細かい説明が書いてありますが、誰に支給されたかは書かれていません。
※2 坂木蕗のMDプレーヤー
坂木末妹、蕗のお気に入りの曲が入ったMDの入ったプレーヤーです。
いろいろとアレな感じのな曲が何曲も入っています。
なお、曲を聴いてどうなるかは個人差があります。
0244人の為に、自分の為に ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:36:35【勇者スポポロス】
【装備】:長谷部国重@信長の愛刀
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康、 後頭部打撲
【思考・行動】基本:魔物を殲滅してアルベルトを倒し、ヨモギーノと決着をつける。
1:杖を取り返す。
2:佐知代を守る。
3:街に行って占い道具を探す
【備考】:ケンシロウ(自称)のヌンチャクは海に流されました
【鈴村佐知代】
【装備】:ベレッタ(9/10)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】基本:最後まで生き残る。
1:探偵の敵を作る。
2:スポポロスを利用して生き残る。
3:街に行って占い道具を探す。
0245 ◆UlQ1m5t42M
2008/05/19(月) 15:38:17まだ慣れてないんで、おかしいとこがないか不安。
0246涙の意味を
2008/05/19(月) 15:43:37「あ……あんた、何してんだよ……!」
薄暗い森の中、少年の掠れた声は梢のざわめきにかき消されそうなほどに、か細い。
少年の見ていたものは、広い背中である。
分厚そうな皮のコートで身を包んだ、それは堂々たる体躯であった。
蹲ったその背の向こうに、横たわる影が一つ。
傍目にも明らかな、それは遺体である。
何となれば、少年に背を向けた人物が、横たわるその体から鮮血の滴る手斧を引き抜いたのだから。
その光景に少年、高原恭司は戦慄する。
ショットガンを握り締めた手に、じっとりと汗が滲んでいた。
「……」
「お、おい……!」
背を向けた人物は無言のまま。
焦れたように声を上げた恭司が、手にした銃口を人影に向けようとした、その瞬間。
「……なあ、少年」
突然の言葉に、恭司がびくりと肩を震わせる。
それは低く、重い声。
人生の苦悩を一身に背負ったような声だった。
それはどこか、映画の吹き替え音声のようにも聞こえた。
なぜそう感じたのかは、自分でもわからない。
ともあれ恭司はその声に返事もできず、ただショットガンの震える銃口を人影へと向けている。
その眼前で、影はゆっくりと両手を上げた。
それが交戦の意思のないことを告げる仕草だと理解するまでに時間がかかったのは、
恭司の精神に余裕のない証拠だったかもしれない。
0247涙の意味を
2008/05/19(月) 15:44:07両手を上げながら言った人影が、ゆっくりと振り向く。
その顔が日本人のものでないことに恭司はまず驚き、その言葉が流麗な日本語であることに気づいて二度目に驚き、
そして最後に、その痩せこけた頬に流れる雫に、驚いた。
それは紛れもない、涙であった。
「……彼は、ロバート・スコット」
淡々と語る男の表情を、恭司はじっと見ていた。
男の落ち窪んだ眼は恭司の方ではなく、横たわる影を見つめている。
その横顔に差す影の暗さに、恭司はどこか親近感を覚えていた。
それは、生に満たされぬ男の横顔。
足掻き、もがいても救われぬ、人生という名の泥沼に嵌まり込んだ男の顔だった。
きっと自分も同じ顔をしている、と恭司は思う。
「彼は……私の、友だった」
乾いた声が告げるよりも早く、恭司は手の銃を下ろしている。
男に害意がないのは明らかだった。
静かに向けられたその目から流れる涙は、もう止まっていた。
友のために流す涙を、誰にも見られたくはないとでもいうように。
「よければ埋葬を……手伝って、くれないか」
恭司は我知らず、頷いていた。
この、名も知らぬ白人と自分との間には確かに相通じるものがあると、そう思った。
---
0248涙の意味を
2008/05/19(月) 15:44:36ざくり、と重い感触と共に、硬い土が掻き分けられていく。
土を掘るといっても、そのための道具などあるはずもない。
恭司はショットガンの台尻で、白人は手斧で湿った森の地面を掘り返していた。
ざくり、と音が響く。
木漏れ日の中、汗ばんだ額を拭って恭司が口を開く。
「……なあ、あんた」
「何だね」
手を止めることなく、白人が答える。
「その……、」
と、段々と大きくなっていく穴の傍らで、両手を組まされた遺体に目をやる恭司。
「その人は、どんな……その、どんな人だったんだ」
「……」
「あ、その、悪い。こういうときに聞くことじゃなかったよな」
無言の白人に、恭司が慌てたように言葉を継ぐ。
ぴり、と重い空気が更に張り詰めるような感覚に、耐えられなかった。
「……優秀な男だったよ」
誤魔化すように手を動かし始めた恭司の耳に、ぽつりと呟かれた声が飛び込んでくる。
「勤勉で、高潔で……死んだ友のために心からの涙を流せるような、そんな男だった。
……私とは、大違いだ」
「そ、そんなことないさ。あんただって……あんただって、泣いてたじゃないか。
その人のために」
0249涙の意味を
2008/05/19(月) 15:45:03早口でまくしたてると、ひどく乱雑に土を掘り返し始めた。
著しくデリカシーに欠けた質問をしてしまった自分が恥ずかしかった。
人の死を、軽く考えすぎていた。
友を、親しい人間を喪った者の悲しみは、自分のような若造には想像すらできないのだと、そう思った。
同時に、そんな罪を犯そうとしていた自分が、怖ろしかった。
先刻出会ったあの少女を、もしも撃ち殺してしまっていたら。
そうしたら、自分はこんな風に悲しむ人間を、作り出してしまっていたのだろう。
その恨みはきっと、自分を殺すために向けられる。
いや、それよりも前に、自責の念に押し潰されていたかもしれない。
いずれにせよそれは、二度と這い上がれぬ深淵だ。
自分がその瀬戸際にいたことを、恭司は改めて思う。
「その……あんただって、友達のためにちゃんと泣ける人だよ。
だから……元気、……出せ……よ」
言葉が尻すぼみになっていく。
口に出せばそれはひどく気恥ずかしく、また軽々しい。
どうして自分はこんな風に、無神経なことしか言えないのだろう。
しかし、そうやって自分を責める恭司の耳に入ってきたのは、意外な声だった。
「……ふ」
それは、小さな笑い声。
思わず漏れたとでもいうような、苦笑だった。
0250涙の意味を
2008/05/19(月) 15:45:30その声は、優しげな響きをすら帯びていて、恭司は思わず顔を上げる。
上げたその視界に映ったのは、
「―――度し難いほど、愚かであるのかね」
銀の閃きであった。
それが、高原恭司が最期に見た光景である。
「そうであれば、この先も楽でいいのだがな」
その言葉は既に、聞こえていない。
---
0251涙の意味を
2008/05/19(月) 15:45:56「わかるかね、少年。私は今とても機嫌が悪い」
ざく、と音が響く。
「積年の恨みを存分に晴らし」
ざく。鮮血が飛沫いた。
「黒髪の真珠をたっぷりと味わえるところだったのに」
ざく。脊椎が砕けた。
「御馳走が目の前から逃げていった」
ざく。腕が半ばから落とされた。
「ようやく忌々しい氷から解き放たれたと思えば」
ざく。桃色の筋肉が、ぶつりと切れた。
「代わりに現れたのが平和ボケの猿ときた」
ざく。既に挽肉の塊になっていた臓物が、更に捏ね回された。
「これが平静でいられるかね? ん?」
ざく。鮮血はもう飛沫かない。
0252涙の意味を
2008/05/19(月) 15:46:09ざく。血圧は、もう存在しなかった。
「何とか、言い、給え!」
ざく。ざく。ざく。
音だけが、何度も響いた。
「―――おっと、私としたことが」
白人、ロアルド・アムンゼンが斧を振り下ろす手を、ようやくにして止める。
高原恭司という名の人間であったものは、最早ヒトと呼べるだけの形も残さず。
とうの昔に、その生命活動を終えていた。
「貴様も、最後に私の役に立てて光栄だっただろう?」
蹴りつけられたロバート・スコットの遺体は無論のこと、何も言わない。
ただごろりと転がって、立ち去るアムンゼンの背中をじっと見つめていた。
虚ろな瞳は、いつまでもじっと、その背中を見つめていた。
0253涙の意味を
2008/05/19(月) 15:46:23【C‐1中心・森の中/1日目 午前】
【ロアルド・アムンゼン(その2)】
【装備】:SPAS12、勇者スポポロスの剣
【所持品】:支給品一式、手斧、首輪探知機※1、
【状態】:両足に軽い凍傷
【思考・行動】
基本:参加者を皆殺しにして、再び永遠の眠りにつく
1:見かけた人間を手段を選ばず殺す
2:少女なら犯した後に殺す
【備考】※1首輪探知機
主催側が用意した支給品。
名簿の番号と照合して使うので名簿が浮き出るまでは使えません。
【高原恭司 死亡】
【残り51人】
0255名無し草
2008/05/19(月) 15:54:35乙!!
サッチーは清々しいほどの下衆野郎ですねw
>>246
乙!!
た、たたた高原さーん!!
一般人が多いせいか、このロワの死は欝死が多いな
0256名無し草
2008/05/19(月) 16:11:37投下乙。
サッチーも捨流主も期待通りの役回りだなw
>>246-253
投下乙、って…うおおおい、アムンゼン2!
外道杉だろJK!?
最後まで読むと高原の勝手な思い込みが悲しいな…。
0257名無し草
2008/05/19(月) 16:22:26他ロワのキャラ並みに活躍できるか、住人の記憶にすら残らないかのw
0258名無し草
2008/05/19(月) 17:01:390259名無し草
2008/05/19(月) 17:14:21いやまさかペットまで呼ばれてるとは思ってないだけかなwww
0260名無し草
2008/05/19(月) 17:21:04遅くとも放送までには出したい
0261名無し草
2008/05/19(月) 17:58:45単純に羨ましいな。まあ自分も登場人物やSS書いちゃってるんだが……
0262名無し草
2008/05/19(月) 18:02:150263名無し草
2008/05/19(月) 18:09:38支給品リスト、坂木蕗のMDプレーヤーが所持品から消えてるであります
にしても麻亜太はリリーの能力を杖の能力と勘違いしてそうだなw
>>246-253
高原……まぁそうなるよな、位置的に。
しかしアムンゼン2、なんという策士
>>261-262
序盤だからそれも当然だろw
こっちとしては久しぶりに昔の空気が味わえて嬉しい限りだが
0264名無し草
2008/05/19(月) 18:32:02全書き手が平等扱いなのもオリキャラロワのいい所だな
0265名無し草
2008/05/19(月) 18:33:13早朝 B‐2 中心・森 坂木蕗、墓凪可憐
早朝 B-3 山林 鈴木万吉、コードネーム『シスター』
早朝 B-4 森の中 坂木杏、ロアルド・アムンゼン1、花子
午前 B-8 役場 佐藤健、ジュリア
早朝 B-9 民家野前の道 藤堂秀一、高水奈々
午前 C-1 中心・森の中 ロアルド・アムンゼン2
早朝 C-6 井戸のある家 アリス・ナイラーザ、真多秋生
早朝 C-7 廃研究所 松井哲也
午前 C-10 森 マグナム・ハンス
早朝 D-2 不明(洞窟内部?) 甲坂舞梨、靄場陸朗
午前 D-6 湖 ポー
早朝 D-8 観光ピクニック場 鈴木イチロウ
午前 E-6 森 李飛龍、周参見椿、ミーウ、ゴキブロス、ファシル
早朝 E-7 民家近く 後藤戦
早朝 E-5 展望台 フーリエ
早朝 F-1 森 蒼井燕、鍵谷絵理花
早朝 F-3 民家 松井司、鍵谷美和子
午前 F-6 分校前 ケネス・シルバー、剣時宗
午前 G-4 住宅街 桃太郎、ピピン
午前 G-7 市街地 捨流主麻亜太、リリー・アップル・塔野
午前 G-8 平野 勇者スポポロス、鈴村佐知代
午前 H-3 平原 泉和哉、芝西湊、鍵谷幸一郎
早朝 H-6 平地 ニャルロット、デンドロビウム、ミルフィーユ
早朝 I-3 平原 狭霧嘉麻屋
早朝 I‐5 診療所 伍宮瑞子
早朝 I‐5 診療所前 一一一、泉遥
早朝 I-7 路上 坂木檀、ロアルド・アムンゼン3
0266名無し草
2008/05/19(月) 18:37:04早朝 B-2 不明 山田太郎、ケンシロウ(自称)
早朝 B-8 役場 松井垂加
午前 C-1 中心・森の中 ロバート・スコット、高原恭司
早朝 C-8 井戸のある民家 大アジア帝国皇帝織田信長
午前 C-10 森 ヴェーヌ
早朝 D-2 洞窟内部 只野模武、老本則夫
早朝 E-4 森 ピタゴラス、矢島泪
早朝 E-7 民家 マイルズ
早朝 E-10 民家 美以葉子
早朝 F-5 森の中 アルベルト・ハインリヒ(平行世界)
午前 G-4 住宅街 日滝菅彦
早朝 I-3 平原 晴海雪
地域別総括
北西・森林地域:基本的に一般人が多め。狂マーダーアムンゼン2と
ひきこもりマーダー陸朗の行動が彼らの命運を左右するか。
北東:多施設地域:精神的にアレな人が多い。中央にはバケモノマーダー戦もいる。
ブロス君は野太い死亡フラグを防げるか?
南西:市街地域:何気に鍵谷一家が集中している。恐マーダー狭霧が怖い。
桃太郎も動向次第では危険人物。
南東:平原地域:なんだかカオスな人が多い。リリーと師匠が心労で倒れないか心配である。
0267罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:40:21美和子さんが額の汗を拭いながら縁側に腰を下ろす。
それを見て、俺もようやく手を止めて腰を下ろす。
本当はずっと前から休みたくて仕方が無かったのだが、美和子さんは疲れ知らずのように悠々と飛行機の骨組みとなる角材を持ち上げたりしているし、そうなると俺のほうが先に休むわけにもいかず、仕方なく今まで立ちっぱなしで作業をしていた。
「ふう……」
遺跡発掘現場での実習などで他の人よりは体力があるほうだと思っていたが、流石に堪える。
手のひらにはまめが出来ているし、腰もこの歳で腰痛かと思うほど痛い。
美和子さんは急須に手を伸ばすと二つの湯飲みにお茶を注いだ。
「お嬢さん、細い割には頑張るわねえ」
「…………」
細いとか言われるのは好きではないが、それ以前の問題な気がしたので何も言い返さなかった。
ちなみになぜか美和子さんは俺が男だと知った後でも『お嬢さん』と呼ぶ。
ひょっとしたら信用していないのかもしれないが。
目の前の庭にある、七割方完成した人力飛行機を見ながら俺はぬるいお茶を音を立てて啜った。
俺だって顔は女でもれっきとした男だ。人並みにラジコンも作ったしゴム動力の模型飛行機で遊んだこともある。
兄貴と木の上に家を作ろうとしたこともある。まあ挫折した上にバレて親父にこっぴどく叱られたが。
しかし流石に人力飛行機なんて作ろうとしたこともない。
実際ほとんど作ったのは美和子さんで、俺は美和子さんに指示されるがままに右往左往していただけなのだが。
この、どう見てもそこらにいる普通のおばあさんのどこにそんな体力とバイタリティが潜んでいるのか……
まあ、見た目で判断できないという意味では俺たちだって負けてはいない。
意図的に自分を女に近づけている兄貴はもとより、俺も通学の電車内で痴漢に遭ったり(もちろん男の)詐欺まがいのスカウトを受けることはしょっちゅうだ。
親父だっていまだに道歩いてるとナンパされるらしいからな。
0268罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:41:45「さあて、もうひと頑張りしましょうね」
美和子さんが休憩もそこそこに立ち上がる。俺も残っていた茶を急いで飲み干すと苦笑しつつその背中を追った。
どうせ、飛行機が出来上がった時には操縦士が必要になるだろうしな。
地面の上に置きっぱなしだった工具箱を拾おうと手を伸ばす。
「もし、みなさんはこの殺し合いに加担する者ですか?」
その声が聞こえたのは背後からだった。
あわてて振り向くが、そこには誰もいない。
空耳だろうか?
「あら、まあ」
向こうで美和子さんがこっちを見て口に手を当てて驚いていた?
「それにしてもこれだけのものをお二人だけで?」
俺は視線を下に向けた。
二本足で立った犬が喋っていた。
「あらまあ、じゃあフーリエちゃんもアルベルト博士にここに連れてこられたのねえ」
「はい。私はあのような男の言いなりには断固としてなるつもりはありません」
俺たちはそのフーリエとかいう犬を間に挟んで縁側に座っている。
まあ今更喋る犬が出てきても、そこまでは驚くに値しないかもしれないだろう。
……にしても、この美和子さんの順応っぷりはいかがなものだろうか。
一度も驚く素振りも不審に思う素振りも無く、フーリエの話にあわせて穏やかに相槌を打っている。
「それで、あなたはこれからどうするつもりなの?」
「私は一人でも多くの人を説得し、殺し合いを止める所存です。
む、いけません、こうしている間にも人が命を落とすかもしれない。それでは失礼します」
突然腰を上げて立ち去ろうとするフーリエ。そのしっぽを掴んだ。
「待てよ、お前説得するって……どうやってだよ? そんな上手くはいはいわかりましたってなる人間なんているわけないぞ」
「いえ、そんなことはありません!!」
0269罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:42:49「人と人とは言葉で分かり合えるものです!! たとえどんな人でも、心を込めて主の御言葉を伝えればきっと改心してくれます!!」
「いくらなんでもそりゃ無茶だろ。返り討ちに遭うのがオチだ」
「主は私たちをいつも見守っていて下さります。ご心配くださらなくても、私には常に神のご加護があるのです。
無駄に命を落とすことはありえません」
ダメだこの犬……今時聖書の引用などでどんな人間の心が動かせる?
しかし、神は他の者にとっては無意味でもそれを信じるものにとっては絶対のものだ。
ここまで強い信心を持っているものを説得するのは容易ではない。
それは、彼のそれまでの生き方すら否定するのと同じことだからだ。
(ええい、どう言えば分かってくれるんだ? このまま行かせるわけには……)
「フーリエちゃん、それはとても立派なお考えだわ。だから私たちにも、そのお手伝いをさせていただけない?」
そう言ったのは美和子さんだった。
「……しかし、みなさんはこの飛行機を完成させなくてはならないのでは?」
「だけど、フーリエちゃんの言うとおりにやったほうがきっと早く済むわ。
みんなを説得して回る、そのお供をさせて頂戴」
俺はあわてて美和子さんに反論しようとした。美和子さんはそんな俺の耳にこっそり口を当てて、
「少しご相談したいことがあるの」
と囁いた。
「フーリエちゃん、私たちは少し荷物を取ってくるからここで待っていてくださる?」
「はい、私はここで見張りの番を致しましょう」
犬は元気良く答えた。
俺たちは家のキッチンに上がった。
俺が毒蜂に追い回された場所だ。
「あのねお嬢さん、あ、司さんだったかしら?」
「いいですよ、どちらでも」
「私ね、今はこんなおばあちゃんだけど昔はいろんな企業の研究所を渡り歩いてたの。
一応いっぱしの技術屋だったのよ。今でも特許収入を得てるわ」
美和子さんの突然の昔語りに面食らう。が、きっと大事な話なのだろう。俺は黙って聞いた。
0270罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:43:38もともととある大企業の発案でね。知能を与えられた動物たちは労働力やペットとして使われる予定だったの。
私もそのプロジェクトに参加して実験を重ねたんだけど……だんだん自分が恐ろしいことをしているような気になってきたのよ。
自分たちがしているのは、まるで人体実験と同じことじゃないのかって」
美和子さんの話は一見ただの昔語りのようだった。少し都市伝説めいてはいたが。
しかし、『知性化した動物』というフレーズは俺にもある可能性を抱かせずにはいられなかった。
「多分チームの他のメンバーも同じ気持ちだったのでしょうね、私が提言したらみんな実験の中止に賛同してくれたわ。
何匹もの犬や猫を死なせてしまった後の話だったけれどね。
でも、その矢先にその会社が倒産してしまったの。これは極秘のプロジェクトだった。
だから私たちは、研究の痕跡を跡形も無く消さなければいけなかったのよ」
「それは……」
俺も言葉に詰まる。それは間違いなく、技術者・鍵谷美和子の負の経歴となったはずだ。
「実はね、その時点で知能を与えるのに成功していた動物が何匹かいたの。それを処分することは私たちには出来なかったわ。
どこかでひっそりと幸福な人生を送ることを願ってあちこちに逃がしたの。
その中に、一匹のゴールデンレトリバーがいたのよ。彼は教会に預けられたと聞くわ」
ある意味で予想通りの言葉だった。俺たちは無言で向かい合った。
しばらくして美和子さんが口を開く。
「分かりますか司さん。あの子は私の罪なのです。だから……」
「ええ、わかりました」
それだけで十分だった。俺があの犬と行動を共にする理由には。
「ごめんなさいね、私の我侭に付き合わせてしまって」
「いいですよ。俺としても、家族を探すためには出来るだけ動き回りたい。
しばらくしてからここに戻ってきて、飛行機の続きを作りましょう」
「ええ、楽しみです」
彼女はフーリエに命を落として貰いたくないのだ。だからフーリエに協力するフリをして行動を供にしようとしている。
だったら俺も一緒にいたほうがいいだろう。流石に老人と犬だけでは色々と不安だ。
0271罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:44:19「いえ。しかし今は一分一秒も惜しいのは事実。さあ参りましょう、全ての人々に主の愛を伝えるために!!」
この様子では、フーリエに死なずにいてもらうのも大変のような気がするが……
今から考えていても仕方が無い。
俺たちは作りかけの飛行機を残してその場を後にした。
美和子さんはきっと、フーリエの傍にいることで見極めたいのだろう。
彼のこれまでの人生が、幸せだったのかどうかを。
【F―3・民家/1日目 午前】
【松井司】
【装備】:毒蜂
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:主催者を絶対に許せない
1:美和子とフーリエと一緒に行動し、フーリエが死にそうになったら守る。
2:家族を探す
0272罪の子 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/19(月) 18:44:50【装備】:なし
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:知り合いを探し、そのあと会場から脱出する
1:フーリエの傍を離れない
2:できれば首輪を分析したい
3:幸一郎のことが心配
【フーリエ】
【状態】:正常
【装備】:アラモボーイ(サバイバルナイフ)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:仲間を捜し、不戦を呼び掛ける
1:次に目に付いた人間を説得する
※作りかけの人力飛行機はF―3の民家の庭に放置されています
0273名無し草
2008/05/19(月) 18:52:02とりあえずポー&ニャルとゴキブロス&デンドロのどちらかだけは美和子関係ないのは確かだ
0274名無し草
2008/05/19(月) 18:55:08ポーは突然変異、ニャルロットは宇宙からの飛来物と明言されているから
ゴキブロスとデンドロが可能性ありそう。
0275名無し草
2008/05/19(月) 19:01:140276名無し草
2008/05/19(月) 19:04:02例えば狭いところにもぐりこんで人命救助だとか
0277名無し草
2008/05/19(月) 19:16:42つまり、ゴキブリやミジンコは初期の実験台なんじゃないかと
ところで、微妙に賢いゴリラの花子は実験動物なんだろうか
0278名無し草
2008/05/19(月) 19:17:37人物相関図更新。昨日指摘されたところを直しました。
多分これで大丈夫なはず……
0279名無し草
2008/05/19(月) 19:21:46そしてますますさかぎけがさきがけにしか見えなくなったwwwwwwww
0280名無し草
2008/05/19(月) 19:23:43>>278
時宗がケネスを知ってるって事は同一世界。
ヴェーヌらも「フーリエと同じく幼い頃の記憶無し」って書いてあるくらいだから同じ世界だとは思うけど、まあ確証はないか
0281名無し草
2008/05/19(月) 19:27:11あと、松井兄弟の妹の凪が遥や檀の友人なら松井家も坂木家世界じゃないかな
0282名無し草
2008/05/19(月) 19:29:57ただ別の世界ではアニメやラノベになってたりもするってだけで
0283名無し草
2008/05/19(月) 19:33:54自分にとっては現実世界でも実はアニメ並みの設定が自分にはあるかもと
0284名無し草
2008/05/19(月) 19:37:360286名無し草
2008/05/19(月) 19:58:190287狂王の試練場
2008/05/19(月) 20:00:11鈴木イチロウは息を切らせながら、民家が並ぶ道路を走っていた。
手に持ったシグザウアーを両手でしっかりと保持し、そして、何度も何度も視線を変え続けた。
誰か、誰か居ないのか――
イチロウは焦燥していた。
他人から見れば襲撃を警戒しているようにも見えるだろう。
もちろん、当座の問題は――
「うっ……」
――次第に身体中に回ってきた、この毒である。
いい加減、目の前の空間がぼやけて来た気もする。
そりゃそうだろう。
サソリの毒を入れられてからもう一時間近く経っており、あの男の言うとおりならもう既に五時間しか残されていないんだから。
この首輪と同じくイチロウを縛り付けている、もう一つの戒めは確実にこの身体に回り始めている。
あと五時間の内に、二人殺さなければ自分は死ぬ――
それだけは避けなければならない。
次郎、万吉の為にも、自分は殺さなければならないのだ。
勿論罪悪感が無い訳ではない。
しかしながら、父親としての思いがそれを上回ってしまっていたのだ。
シグザウアーの重量よりも、この毒からの苦しみよりも、ずっと――
0288狂王の試練場
2008/05/19(月) 20:01:28――向こうで何か物音が響く。
人――参加者が居るのだ。
イチロウはシグザウアーを構え(さながら二流刑事ドラマのよう)、ゆっくりとその場に近づく。
どうやらあの家の角に居るようだ。
何をしているのかはどうでもいい。
奇襲を仕掛けようとイチロウはちらと角から顔を出して――
居た。
そこには確かに参加者(らしい)人物が居た。
しかし、その外見は明らかに人知を超えている。
――無数の触手が生えているのだ。
そして、触手の一本はそのうちの何かを巻きつけ、そして男はそれを啄ばみ、咀嚼している。
その咀嚼しているモノこそ――
「う……」
肉塊――否、フクロウの頭、らしかった。
頭は生前と比べた面影は無く、既に骨が露出し、もう見る影も無い。
所々が赤く塗りたくった発泡スチロールの様に欠けており、そしてそこから筋肉の繊維すら伺える。
とにかく――まるきりイチゴジャムまみれになったコッペパンみたいだった。
「げえええええええっ!」
イチロウはつい耐え切れず嘔吐してしまった。
それがまずかった。
触手男がこちらに気付き、フクロウの死骸を捨てて向かってくる――
0289狂王の試練場
2008/05/19(月) 20:03:29しかしこの時イチロウの思考を占めていたのは、逃げる、と言うよりは寧ろ正反対の方向性の考えであった。
――この男を殺す。
いくら見た目があれだろうと、参加者には違いない筈だ。
首輪さえ手に入れば相手など関係無い。
そして――こちらには拳銃がある。
瞬時にイチロウはシグザウアーを構え、撃った。
慣れない衝撃や回った毒で体がよろけたが、構わず撃ちまくった。
そのうちに、シグザウアーはがちん、と弾切れを伝える旨を表す音を発した。
しかし、触手男は――それでも、動きを止めなかった。
有り得ない。
――誰が鉛弾を八発も喰らって生きていられる?
だがそれが現実に起きてしまっている。
――嘘だ――
瞬間、放たれた触手による素早く鋭い一撃が、家族を回想させる時間も与えぬままイチロウの首を跳ね飛ばした。
結局赤ワインみたいなそれの噴水が切断面から勢いよく飛び出していたのだが、本人がそれを確認出来ていたのかどうか怪しかった。
首を失ったイチロウの身体はその場に崩れ落ちた。
そんな訳で息子達を思い自らの手を血で汚す覚悟を決めていたどちらかと言うと哀れな男、鈴木イチロウはあっさりと死んだ。
フクロウ――マイルズの死に様をよく観察していれば、通常ならば逃走本能が働く筈だったのだが、彼は毒による錯乱なのか父親の愛情によるものだったのか分からないが、その本能自体が麻痺してしまっていたのだ。
この後、後藤戦がマイルズの死体を捕食し終えた後に次は鈴木イチロウの死体に手を出すことは、もはや寄生された後藤自身の本能が構築した予定の中に組み込まれたに、違いない。
0290狂王の試練場
2008/05/19(月) 20:04:18【後藤戦】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:なし
1:なし
2:なし
[備考]鈴木イチロウ、そして引き続きマイルズの死体を捕食し始めた
【鈴木イチロウ 死亡】
【残り53人】
※SIG Sauer P220(弾数:0/8)、ボウガン(残弾28発)が後藤戦の近くに落ちています
0291名無し草
2008/05/19(月) 20:04:55タイトル通り。
周りの人物はあらかた予約入っちゃってたのでイチロウさんオンリーと言う事で
0292名無し草
2008/05/19(月) 20:52:050293名無し草
2008/05/19(月) 20:54:580294名無し草
2008/05/19(月) 21:04:05だが勢いがありすぎても暴走して停滞してしまうかもしれないぞ?
だからちょっとは落ち着こう
0295名無し草
2008/05/19(月) 21:05:330296名無し草
2008/05/19(月) 21:07:30一つや二つはどこでもあることだが、あんまり続くと停滞を呼ぶだけだ
0297名無し草
2008/05/19(月) 21:09:22>>295
何レスあろうが、それは問題じゃない。
1レスに詰め込む人もいるが、1レスが改行ばかりでスカスカの人もいる。
ようはkbの問題だ。
0298名無し草
2008/05/19(月) 21:09:34正直レス数じゃなくて殺害タイミングが問題だった訳で
0299名無し草
2008/05/19(月) 21:17:22それは無いわ
0300名無し草
2008/05/19(月) 21:24:44ただでさえマップが広めで遭遇させにくいと言われてるのに
おまけに面白そうなキャラから死んでいくんだもんなあ……
0301名無し草
2008/05/19(月) 21:27:00え……キャラ殺すなとは言わんけど、そんな殺し方は酷すぎだろ。
イチロウだってイチオウ生きてるんだぞ。それを代理とばかりに殺すとか命をなんだと思ってるんだよ。
>>300
これでこれからは人を殺しずらくなりましたとさ。
俺のプロットまじ台無し。
0302名無し草
2008/05/19(月) 21:27:38ぶっちゃけ15人も死んだら十分だろ常考
キツいことを言えば今までの死者を見る限り、陸朗の二人ズガンや
次郎に殺られた片方、日滝先生ぐらいは見逃しやってもよかったんじゃないかなあ。
やっぱ今からでも新キャラ枠をうわなにするやめr
0303名無し草
2008/05/19(月) 21:30:24二人とも操りマーダー量産、思考不明って感じだったけど
0304名無し草
2008/05/19(月) 21:30:50あとヴェーヌも殺さなくても良かったんじゃあ
0305名無し草
2008/05/19(月) 21:31:27読み手の勝手な願望を書き手に押し付けようとするなよ
プレッシャー与えてSSの撤回でもさせたいのか?
0306名無し草
2008/05/19(月) 21:33:43それぞれ別の人が書いて繋げていくのなら面白いと思う
でも「起承転結」のスパンそのものを短縮化して一人で全部書くのはどうかと思う
>>302
最後の一文以外は同意w
おちおちフラグも立てられん
0307名無し草
2008/05/19(月) 21:33:50このまま淡々と少ないレスで人が死ぬだけの展開が続くのがいいなら何も言わんが
0308名無し草
2008/05/19(月) 21:34:220309名無し草
2008/05/19(月) 21:34:43考え無しでお話を進めるのは大概にしやがってくださるかしらとゆーことで
0311名無し草
2008/05/19(月) 21:38:38なんだこのエゴ丸出しの群れ
0312名無し草
2008/05/19(月) 21:38:46あれ、こんな感じの企画どっかで聞いたような……
0314名無し草
2008/05/19(月) 21:40:50かといって何でもこいやースルーだぜ状態だと、こんなフリーダムいらんって人が去って廃れる。
いやはやむずかしいものです
0315名無し草
2008/05/19(月) 21:40:56既にゴキブロスと次郎にも野太い死亡フラグ立ってるというのに……
0316名無し草
2008/05/19(月) 21:42:040317名無し草
2008/05/19(月) 21:42:07でもこのまんま面白くもない死亡SSが増えるばかりでもゆっくりロワが死ぬのを待つだけ。
要するに書き手も読み手も空気を読めと
0318名無し草
2008/05/19(月) 21:42:18ヴェーヌ→接近してたのなら直感が鋭いなら回避しても良さそうだが、たまたま鈍ってた? ともかくどうしようもない?
suica→困惑している相手なら良かったが容赦無く殺せる相手に出会ってしまった。どうしようもない
日滝→生首を見せたら誰だって最低でも警戒心は持つ。どうしようもない
イチロウ→施設・民家狙いで移動していたのなら後藤と遭遇は確実、よってどうしようもない
ごめん、他はともかくヴェーヌだけは不可解だ
まあ今更言ってもどうにもならないからこれで止めような
0319名無し草
2008/05/19(月) 21:42:36俺はどっちかというと後藤の方が危ないと思ってるよ。
0320名無し草
2008/05/19(月) 21:44:13そうじゃないだろ
0324名無し草
2008/05/19(月) 21:46:24目の肥えてる奴らは要求の高いこと……
0326名無し草
2008/05/19(月) 21:48:08このロワの形式にしては少ない。オリキャラなだけに70~80人くらいはないと
「これぐらいなら早速殺しても大丈夫だよな?」って四分の一を掃除されたら目も当てられない
0328名無し草
2008/05/19(月) 21:48:43登場話ならともかく何も残さずにズガンとかされても展開に困る
0332名無し草
2008/05/19(月) 21:51:13まあそろそろペースダウンしてもいい頃かなとは思うけど
0333名無し草
2008/05/19(月) 21:51:22ここが一つの分かれ目ですよ…フフフ」
0335名無し草
2008/05/19(月) 21:53:13どっちの主張が正しいかはともかく、もう少し穏便に話し合おうよ
0336名無し草
2008/05/19(月) 21:54:080337名無し草
2008/05/19(月) 21:54:54せめてニコや書き手程度にはロワの体制を保ってほしい
0338名無し草
2008/05/19(月) 21:57:01それを打破する方法は、結局、自分でそうでないSSを書いていくことしかないと思う。
そうやって書いた方向性が住人に受け入れられれば、感想レスがたくさんつき
類似の方向性の作品も増え、自然と雰囲気は変わっていくはず。
逆に、書くことで雰囲気を変えられなきゃ、所詮何を言っても同じ。
「でも、頑張っても、短編ズガンされることを考えたら書く気しねーよ」
って人が大多数なら、いっそのことSSを没にするシステムをここにも導入する?
他ロワみたいに。
そうすれば当座の心配は解決すると思うよ。
代わりに勢いを犠牲にするかもしれないが。
0339名無し草
2008/05/19(月) 21:57:110340名無し草
2008/05/19(月) 21:57:140342名無し草
2008/05/19(月) 21:58:360346名無し草
2008/05/19(月) 22:00:550348名無し草
2008/05/19(月) 22:02:20・佐藤→放送後\(^o^)/
・ゴキブロス→危険者に挟まれ\(^o^)/
・ファシル→本物の化物相手で\(^o^)/
・後藤→動きを止めらるだろうし\(^o^)/
・ミーウ→重傷\(^o^)/
・ケネス→とにかく\(^o^)/
・幸一郎→寿命で\(^o^)/
・俺→ついでに\(^o^)/
0350名無し草
2008/05/19(月) 22:05:38だからもうこれ以上騒ぐな
0351名無し草
2008/05/19(月) 22:05:47なんか劣化レヴィがバカスカ殺しまくって果てには後藤や舞梨まで殺してアルベルトが放った刺客にあっさり殺られる展開しか思いつかねえ
>>348
寿命で死亡www
これは某氏の病死を除けば新しいパターンww
0352名無し草
2008/05/19(月) 22:07:020353名無し草
2008/05/19(月) 22:07:580355名無し草
2008/05/19(月) 22:10:25我々のすべきことはグチることではなくこれから立て直していくことではないのかね!
ってかこんな空気だったら投下とかしづらいだろうが!
0356名無し草
2008/05/19(月) 22:15:47↓以下坂木姉妹のノーパンについて語る流れ
0357名無し草
2008/05/19(月) 22:16:430358小説はかく語りき
2008/05/19(月) 22:17:33やはり子供を殺すというのは罪悪感が邪魔するのだろうか。
否。彼は変わらず舞梨を殺す事しか考えていなかった。
陸朗は洞窟の外で見張りをしていた。
今は舞梨が洞窟の中、入り口近くで食事を取っている。
食事中とは言え無防備になるのはいけないと考えての事である。
もちろん、そんなものはただの建前だが。
本当は何か使えそうなものがないか探す為と、舞梨を殺す方法の思案の為であった。
この少女、やはり何か嫌な感じがする。
殺すのをやめるべきか。いや、嫌な感じだからこそ殺すべきだ。
とはいえ僕の直感を信じるなら生半可な事では殺せない。
しばらく様子を見るべきか……
そんな事を考えていると遠くから女性が歩いてくるのが見えた。
向こうは気付いていないようだ。
というのも、自慢じゃないが彼は眼が人よりはいい。
ホラーの取材で夜の廃病院なんかに行って細かく探らなきゃいけない為に眼が悪くてはやってられないのだ。
「あれ……は、僕の小説のキャラ……だよな?」
彼の眼に映ったのはシスター姿の女性。
コードネーム『シスター』と呼ばれる女性だ。
「確か謎の寄生虫に囚われた後藤戦を倒す為に派遣された暗殺のスペシャリストだったな。
もっともホラーものらしく敵わずにあっさりとやられて、他の人物に絶望を遺させる脇役だったが。
とはいえ……平行世界、ってのはこういうのもあるわけなのか……
彼女がいるなら後藤もいる可能性があるって事か。幸い僕は弱点を知っているからなんとかなるだろうが」
自分が書いたホラー小説『寄生虫ゴトゥーザ』の話を思い返す。
もちろん、念のために見つからないよう物陰に隠れてのことだ。
「彼女の性格ならこの実験に乗る事はないだろうが……接触するべきだろうか」
少し悩んだ後、僕は結論を決めた。
0359小説はかく語りき
2008/05/19(月) 22:17:50【靄場陸朗】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、ウェルロッド(銃弾14/20)、自家発電機内蔵電子レンジ(鍵谷美和子の発明品)、ベネリM3(銃弾20/20)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:とりあえず全員殺そう
1:舞梨は夜になるまでは殺す気はない。とりあえず好青年を演じるつもり
2:舞梨をただの子供と思っているが、何故かすぐに攻撃することを躊躇っている(直感で)
3:シスターと接触する?しない?
【コードネーム『シスター』】
[状態]:正常
[装備]:コルト・ガバメント(5/7)
[所持品]:支給品一式+水、ベレッタM92(15/15)、.45口径弾(14)、9mm.パラペラム弾(32)
[思考]
1:殺し合いを止める手段を捜す
2:やる気の人物は容赦無く排除する
3:足手まといと同行する気はない
[備考]
※戦闘用ボディスーツは没収されました
※アリス=チェンバレンの名とシスターという職業が本当か嘘かは次の書き手さんにお任せします
※声優、釘宮理恵にとてもよく似た声をしています
0360名無し草
2008/05/19(月) 22:20:19あと小説のタイトル吹いたwwwwwwwww
0361名無し草
2008/05/19(月) 22:22:24__,,,,,,,,,_
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痴れ者が!!
今我らが論ぜねばならない最大の懸案事項は
「坂木杏のパンツをいかに脱がすか」
であろうが!!
0362名無し草
2008/05/19(月) 22:23:380363名無し草
2008/05/19(月) 22:38:000364週刊オリキャラロワ通信
2008/05/19(月) 22:38:16__,,,,,,,,,_
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ついでなので、オリキャラロワを盛り上げるためのてれび番組なるものを配信してやろう
このロワも明日で開始から一週間を向かえるしのう ハカロワやギャルゲロワのパクリなどという輩はルソン島に島流しじゃ
今週のラインナップは次の通りじゃ
・「鈴村サッチーのスポポロス体操占い」
・大食い企画 姉妹丼&兄弟丼&爺孫丼いっき食い!!
・朝まで徹底討論 『坂木杏のパンツをいかに脱がすか』
0365名無し草
2008/05/19(月) 22:39:090366名無し草
2008/05/19(月) 22:39:420367名無し草
2008/05/19(月) 22:42:43檀「隣にいる男に無理矢理脱がされればいいのよ!!」
遥「む、無理矢理はだめだよぅ~。合意の上じゃないと……///」
0368名無し草
2008/05/19(月) 22:44:570369名無し草
2008/05/19(月) 22:48:380370名無し草
2008/05/19(月) 22:50:50パンツを脱がせるのにパンツだけを脱がせる必要はない……
他ロワでよくあるように、衝撃波などで服ごと吹き飛ばしてもいいのですよ……フフフフ」
0371名無し草
2008/05/19(月) 22:53:030372名無し草
2008/05/19(月) 22:59:570373名無し草
2008/05/19(月) 23:20:23フーリエ「私、何も履いてないんですけど」
泪「あたしも」
ニャルロット「履かにゃいにょが普通じゃにゃいにょか?」
0374名無し草
2008/05/19(月) 23:23:080375名無し草
2008/05/19(月) 23:23:110376名無し草
2008/05/20(火) 00:35:27胸:檀>蕗>遥>奈々
尻:遥>蕗>杏>檀>奈々
らしいな
0377名無し草
2008/05/20(火) 00:38:40ただし花子とサッチーは除け
0378名無し草
2008/05/20(火) 00:41:50B84 W86 H90
0379名無し草
2008/05/20(火) 00:43:510381海の見える家で ◆tU0k3bQVSE
2008/05/20(火) 00:49:25リビングのでかい窓には白いカーテンがゆれ、そこからの風景はまるで絵葉書のような美しい入り江。
室内は上品に整頓され、家具は地味ながらも質のいいものがそろい、海側にはバーベキューのできそうな小さなテラス。
脳みそ空っぽなアーパー女が見たら「将来はこんなとこに住みたいっ!」と目を輝かせるようなオシャレな家。
あの頭がめでたい燕クンと合流したあと、私たちはあの森から移動し、今はそんなところで物資探しの真っ最中だった。
「あー気にイラねー」
家の中、私は一人、ソファに腰掛けて支給品の水をラッパ飲みしながら、そんなことを思っていた。
人心地ついたことで、あのクソッタレアルベルトに対する怒りが再び湧いてきたのだ。
「あんの耄碌ジジイ。最近、名前を見ねえと思ったらこんなフザケタイベントをシコシコ準備してやがったとはな」
正直、アルベルトはもう表舞台から消えた、何の力もない負け犬だと思っていた。
三年前、あいつは学会に自分の説をまとめた一大論文を発表し……そのとんでもなさゆえ、総スカンを食らう。
そのことは、もともと少なかった支持者を一気に絶滅させ、奴は事実上、学会を追放された。
奴の技術はそのあまりの突飛さから、企業にも見向きもされなかったから、アルベルトにはビジネスの世界で生きる目も無かった。
結局、奴はそのまま落ちぶれ、表舞台から姿を消した。
それが私の知ってるアルベルト=ハインリヒ博士の顛末だ。
「どうしてそんな奴がこんな大掛かりなことできたかねえ。まったく不思議。不思議。
そのままボケてくたばっちまえばよかったのに」
こんな一大イベントを実行するからには、スタッフも資金もさぞ大量に要ったに違いない。
社会的な地位をすべて失ったにもかかわらず、奴はどうやってそれを調達したんだ?
投資ファンドに知り合いが二、三人いた程度のことじゃあ、とても用意できるもんじゃないはずだし
もともと蓄えがあったって話も聞いたことない。
宝くじが当たった……ってのは論外だろう。
と、なると。
0382海の見える家で ◆tU0k3bQVSE
2008/05/20(火) 00:50:51「やっぱ、あいつのバックには黒幕がいると考える方が自然かねえ。
ケッ、どこのどなた様か知らねえが、ナメた真似してくれたもんだぜ」
歯を剥き出し、あんぱんを噛み千切る。
口に広がるのっぺりした甘さがイライラを加速させる。
だいたい、食い物が菓子パンしか入ってないってのはどういうことだ!?
私は甘いものが嫌いなんだ。
「ちっ!ってことは首輪を外したあとのこともちゃんと考えとかなきゃいけないってわけか。
会場からの脱出、敵勢力の制圧は想定内だったからいいとして……
黒幕の特定、然るべき権力を使った報復、今後の害が及ばないための政治的配慮も必要になってくるってことか。
あーめんどくさ」
これからのことを考えると、思わず、ソファに横になってしまう。
まったく、私がこの時間を研究にさかなかったことで、一体、この世界の進歩がどれだけ遅れると思ってるんだろう。
研究室に置いてきたひきかけの図面や、実験にかけたままにしてきた試料が頭をよぎる。
こんなことを仕出かした奴らはさっさと物理的精神的社会的に抹殺し、研究に戻りたい。
「……ま、そのためにも、できることからやるっきゃないか」
起き上がって中空を見つめ気合を入れなおす。
道のりは長いが、何とかやるしかない。
そのためにもまず
0383海の見える家で ◆tU0k3bQVSE
2008/05/20(火) 00:51:51「お~い、絵理花ちゃ~ん」
「あ、おにいちゃん、おかえり~☆」
こいつを有効活用しなくちゃな。
「おにいちゃん、さがしてたの見つかった~?」
「うん。専門的なやつまでは流石に無理だったけど、普通の家庭にあるような工具は何とかね」
上出来だ。
運のいいことに、こいつの目的も私と同じで工具を探すことだった。
まずはじめに首輪のことに思い至るあたり、利用すべき駒として最低限の知能は持っているようだ。
とはいえ、こんな一般家庭にある工具じゃ、首輪をこじ開けるまでが関の山だろう。
ないよりは幾分マシとはいえ、中身を解析して無効化するためには不十分と言わざるを得ない。
脱出のためには、早急に専門的な分析を行いうる場所を探す必要がある。
地図を見る限り、それが可能そうな施設は二つ。
学校と廃研究所だ。
どちらもアルベルトが用意した施設である以上、至れり尽くせりというわけにはいかないだろうが
そこは私の知恵と経験でカバーするしかない。
(首輪自体はいずれ出会うだろう死体から回収すればいいとすると……
次の問題はいかにしてこいつをその施設に誘導するか、か)
私は目の前で机に戦利品を並べ、持っていく物を選定しているクロンボを見ながら思案する。
次の一手を。自分の持ちうる駒を利用して、次へ進むためのプロセスを。
慎重に。慎重に。
ここでの計画ミスは死に直結するのだから。
0384海の見える家で ◆tU0k3bQVSE
2008/05/20(火) 00:52:19「ん?どうしたの?」
「これ、さっき二階で見つけたんだ。絵理花ちゃんへのお土産」
「わあーっ、ぬいぐるみだあ!かわいいいぬさん!!」
「……コンニチワ、ボクワンタロウデス。エリカチャンハジメマシテ!!」
「あはは、おにいちゃんおもしろーい!!
ありがとう!大切にするね☆」
……しかし、この演技は疲れる。
というかこいつは今時の女子小学生をナメてんのか!?
ぬいぐるみに裏声とかキモイんだよこのブサメンがッ!!
0385海の見える家で ◆tU0k3bQVSE
2008/05/20(火) 00:52:53【蒼井 燕】
【装備】:ベレッタM92F(15/15)、煙玉1個
【所持品】:支給品一式(不明支給品なし)、ベレッタの予備弾薬40発、工具
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:弱者の保護、殺し合いを止める
1:家の中で見つけたものの中から、持っていくものを選ぶ
2:絵理花の知り合いが居ないか確かめる
※伍宮瑞子の参加に気がついていません
【鍵谷 絵理花】
【装備】:防弾チョッキ
【所持品】:支給品一式(不明支給品なし)、青酸カリ、煙玉2個、犬のぬいぐるみ
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:生き残ってアルベルトを倒す、不要な人間は殺す
1:ぶりっこは疲れる……
2:学校か廃研究所に向かいたい
3:死体から首輪を回収したい
※主催のアルベルトは自分と同じ世界から来たと思っています
0386名無し草
2008/05/20(火) 01:05:19対主催なのに相変わらず腹黒いなw
0387名無し草
2008/05/20(火) 02:44:03やな幼女だなw
これでとりあえず全員2巡目終了か。
午前に到達してない20人の内、放送前に投下が必要なパートはいくつあるかな?
0388名無し草
2008/05/20(火) 02:56:180389名無し草
2008/05/20(火) 06:50:290390名無し草
2008/05/20(火) 07:06:070391名無し草
2008/05/20(火) 07:50:02鳥に関してうやむやになったり空気がアレだったのもあるし、まあ気長に待とう
0392名無し草
2008/05/20(火) 08:38:230393名無し草
2008/05/20(火) 13:04:42胸:アリス>檀>シスター>蕗>遥>菜々>幸一郎>舞梨>絵理花>哲也・司>>>>リリー
尻:遥>アリス>蕗>シスター>檀>舞梨>幸一郎>菜々>絵理花>哲也・司>>>>リリー
0394名無し草
2008/05/20(火) 13:07:28待って! 色々待って!
0395名無し草
2008/05/20(火) 13:09:400396名無し草
2008/05/20(火) 13:23:420397名無し草
2008/05/20(火) 14:25:170398名無し草
2008/05/20(火) 14:27:020401名無し草
2008/05/20(火) 17:34:590402名無し草
2008/05/20(火) 18:02:480403 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/20(火) 18:56:57坂木杏
花子
の3名の予約をします。
0404 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/20(火) 19:55:56高水奈々
松井哲也
予約します
0405名無し草
2008/05/20(火) 20:08:40人物相関図更新。相変わらず穴あきまくりでスマン。
昨日うpするだけしてこっちに書くの忘れたのは内緒だ。
0406名無し草
2008/05/20(火) 20:30:420407名無し草
2008/05/20(火) 20:39:050408名無し草
2008/05/20(火) 20:50:54尻:ヴェーヌ>遥>ジュリア>アリス>瑞子>椿=ミーウ>海雪>蕗>シスター>ピピン>檀>舞梨>幸一郎>菜々>絵理花>葉子>桃太郎>可憐>泪>ミルフィーユ>リリー
ランクを勝手に編集してみた
0409名無し草
2008/05/20(火) 21:03:27あとは・・・わかるな?
0411名無し草
2008/05/20(火) 21:32:060412名無し草
2008/05/20(火) 21:33:010413名無し草
2008/05/20(火) 21:39:18……ああ、また相関図ミスってるやorz。そのうち直します。
0414名無し草
2008/05/20(火) 21:41:430415名無し草
2008/05/20(火) 21:46:16没にはなってないけどあまりにもあっさり過ぎる&あっさり死に多過ぎだからヴェーヌやピタゴラスと泪とかの件も含めてこれからは空気を読もうねと言う感じで
ジュリアとミーウは意外と胸と尻大きいのか?
確かにジュリアは美乳みたいだが。
そして14歳に負ける舞梨以降涙目
0416名無し草
2008/05/20(火) 21:49:12>>415
舞梨はロリキャラだから仕方あるまい
より悲惨なのは泪や可憐だ
……可憐さん25歳なんだぞ?
0417名無し草
2008/05/20(火) 22:00:32桃とピピンは年の差あんま変わらない
0418名無し草
2008/05/20(火) 22:04:120419名無し草
2008/05/20(火) 22:14:48「SSの体を成してない」か「前の話と明らかな矛盾がある」くらいしかないんじゃないかな
他ロワと違って原作把握なんかはいらないわけだから
0420名無し草
2008/05/20(火) 22:20:36アリスとはまさに凸凹コンうわなにをするやめ
0421名無し草
2008/05/20(火) 22:39:02「さてどっちが男でしょう」
と他の参加者に聞けばほとんどがリリーと答えそうな悪寒
0422名無し草
2008/05/20(火) 23:23:1780代:美和子ばあちゃん(85)
50代:ニャル師匠(58)
40代:サッチー(48)
30代:雪ママ(32)
20代:可憐さん(25)、ジュリア(21)、伍宮先生、花子(20)
10代:ヴェーヌ、ミルフィ(19)、遥、蕗、檀、椿、ミーウ(17)、
アリス、リリー、葉子、泪(16)、奈々、桃太郎(14)、絵理花(11)
※ピピンは実年齢不明(地球年齢に換算すると15)
0423名無し草
2008/05/20(火) 23:29:520424名無し草
2008/05/20(火) 23:37:420425名無し草
2008/05/20(火) 23:50:00個人的には、坂木家はみなみけというよりみつどもえのイメージだ(杏は三女を男にしたような感じ)
0426名無し草
2008/05/20(火) 23:56:58アムンゼン……wikipediaの写真
サッチー……いわずもがな
0427名無し草
2008/05/21(水) 00:03:58あんな感じを想像してる
0428名無し草
2008/05/21(水) 00:10:270429名無し草
2008/05/21(水) 00:11:55アリス……金髪ロールお嬢様系のキャラ全般
万吉……漫画的キモヲタの顔
0430名無し草
2008/05/21(水) 00:23:060431名無し草
2008/05/21(水) 00:44:21燕:クロスボーンガンダムのジェラド
李:烈海王
ファシル:等身を縮めたルルーシュ
ポー:リアルペンギン
花子:キングコング2 怒りのメガトンパンチ
佐藤:ttp://blog-imgs-17.fc2.com/k/b/y/kbys/9750d019.jpgの「マッド・ロックの伝道師」
0432名無し草
2008/05/21(水) 00:53:27知ってる奴いないよなw
0433 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 00:58:03トリップの件ではいろいろとご迷惑をお掛けしました。
ニャルロット、デンドロビウム、ミルフィーユ、伍宮瑞子、投下させていただきます。
0434 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 00:58:34日の光がさんさんと降り注ぐ草原。
その中を、物凄く異様な集団が歩いていた。
先頭は赤毛の子猫、妙に長い尻尾をゆらゆらと揺らしている。
次は銀髪の少女、巨大なうさぎのぬいぐるみを背負っている。
最後尾は30cmはあろうかという巨大ミジンコ、微生物なのに巨大である。
「はぁ~……杏くんや蕗ちゃんはどこにいるッスかねぇ~……」
最後尾、巨大ミジンコがため息をつく。
それに答えるは銀髪少女。
「デンさん、それと同じことさっきから10回は言ってます。」
「だって不安なんスよぉ……ミルフィーユちゃんだって、知り合いがいたら心配しないッスか?」
「私の知り合いはみんなヤワじゃないから平気です。」
「羨ましいような、そうでないような……ああ~みんな無事かなぁ~……?杏くんや蕗ちゃんはどこにいるッスかねぇ~……?」
「もう、11回目で……あれ、ニャルロットさん?」
ミルフィーユと呼ばれた少女は、突如立ち止まった先頭の子猫に首をかしげる。
「デンドロビウム……ミルフィーユ……気づかにゃいか?」
ニャルロットという名の子猫は、振り返らずに同行者達に問いかける。
「にゃにか……匂うぞ。」
「何か?」
「匂う?」
0435 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 00:59:04朝の陽ざしに相応しい、香ばしい香り。
目覚めたばかりの体に覚醒を促す、この魅惑の匂いは……
『ぐうぅ~……』
……誰かのお腹が鳴った。
◇ ◇ ◇
かぐわしい匂いを立てる黄金の絨毯……。
ちょっと端をひっくり返し焦げ具合を確認……よし。
全体を器用に丸め、お皿に盛りつけハイ完成。
「だし巻き玉子の出来上がり~♪」
伍宮瑞子は料理が好きだ。
何故って、美味しい物を食べると楽しい気分になれるから。
最初はお世辞にも美味とはいえない物しか作れなかったが、今はけっこう上達したものだと思っている。
人間、衣食住で一番大事なのは食だ。
「ご飯も炊けたし、後はお味噌汁をよそってー……完成、日本の朝ごはん~♪」
いえーい!と一人で歓声をあげる。
0436 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 00:59:40診療所での医者マネも、患者が来なければどうしようもない……ひとまず、腹ごしらえをする事に決めた。
普通なら既に朝食の時間、小腹も空いてきたしちょうどいい。
「(これで焼き魚とか納豆とかあったら完璧なんだけどねー……そこまで望むのは贅沢かなー?)」
お盆に朝ごはんを乗せ、脇に置いてあった荷物を持って待合室へ向かう。
誰かが入ってきてもすぐに確認でき、診察室へ向かうドアには鍵も掛けられるから不審人物が来ても多少は何とかなる。
殺し合いに乗った人物にも、一応は対策を練っている……まともに生きる気もないが、すぐに死ぬつもりもないのだ。
「(さーてと、ご飯食べた後は何しよっかなー……?)」
瑞子はそんな事を考えつつ待合室の扉を開け、
「あ、やっぱり人がいました。」
「わわわわわーッ!!!俺怪しいもんじゃないッスーッ!ただのミジンコッスー!」
「こんにゃ物騒な場所でにょんびり料理とは……お前さん、一体にゃにを考えてるにょだ……?」
その場にいた銀髪幼女と巨大ミジンコと喋る猫を見て、朝ごはんごと盛大にずっこけた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ぱくぱく……とっても美味しいです。バナナほどじゃないですけど。」
「もぐもぐ……いやー瑞子さん、料理上手いッスねー!」
「むしゃむしゃ……うむ、にゃかにゃかに美味だぞ、瑞子。」
「あははー、そう言ってもらえると嬉しいなー♪でも約一名、一言多いよー?」
0437 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:00:11盛大にぶちまけた朝ごはんを片づけた後、瑞子は三人(いや、一人と二匹か?)に朝ごはんの残り物をご馳走していた。
最初は、若干偉そうな喋る子猫や微生物の概念を根底から覆すミジンコに驚きはしたものの……まぁ細かい事は気にしないようにする。
ちなみにミルフィーユはちゃんと箸を使って食べているが、デンドロビウムは手掴み、ニャルロットはお皿に顔を突っ込んで食べている。
「それで、デン君達は坂木檀ちゃんって子の兄弟を探してるんだっけー?」
「そうッス、檀ちゃんが間違いを犯す前に見つけたいんス……でもよかった、遥ちゃん死んでなかったんスねー!」
彼ら三人(もう細かい事は気にしないでほしい)と簡単な情報交換をした結果、デンドロビウムにとって嬉しい誤算があった。
檀が殺してしまったと思っていた彼女の親友、泉遥が生きていたことだ。
「しかし、一時的にとはいえ透明人間を作るボールか……不思議にゃ物もあるもにょだにゃ……」
「ニャル君みたいに喋る猫も、あたしにとっては不思議なんだけどねー。」
「……その、ニャルちゃんというにょは止めてもらいたいにょだが……一応ワガハイのほうが年上にゃのだぞ?」
「いーじゃんいーじゃん?ニャルちゃんのほうが言いやすいし可愛いよ?ミルちゃんもそう思うよねー?」
「え?私、いつの間にミルちゃんになったんですか?」
「今。」
あははー、と気楽に笑いながら食後のお茶をひとすすりする瑞子。
「まあ、そにょ問題は置いといてだにゃ……瑞子、お前は殺し合いにはにょって(乗って)いにゃいのだにゃ?」
「うーん……それ以前にあたし、ロクな道具持ってないんだよねー。」
そういいながら、待合室のテーブルの上に支給品を並べてみせる。
「あ、これが遥ちゃんの持ってた透明になるボールッスか?」
「そうだよー?そのボールが二つにー、おじーさんから貰った煙幕にー、ペンキにー、あとよく分からない小瓶……」
「あ!それって……」
0438 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:00:49「知ってるにょか?ミルフィーユ?」
「はい、それは『モゲラヨモギの汁』です。」
「もげ……何?」
「『モゲラヨモギの汁』……悪のヨモギ屋モゲラッチョ・ヨモギーノの作り出した毒草の汁です。」
いきなりギャグのような事を言い出したミルフィーユに対し、瑞子はぽかんと口を開ける。
気にせず、ミルフィーユは大真面目に話を続ける。
「直接飲ませたり注射したりする事で使う猛毒で……数滴なら体が痺れる程度ですむんですが、
この瓶の半分くらいの量を使うと全身の筋肉が弛緩して死にいたる、恐ろしい毒です。
勇者様も一度この毒を使われ、危うく死んでしまうところでした……」
「えーと……ミルちゃーん?そのモゲなんとかっての、何かなー?あと勇者って?」
「あー、説明するとだにゃ、瑞子。」
ニャルロットが頬を前足で掻きつつ言った。
「どうやらミルフィーユの世界では、勇者という存在が、モゲラッチョ・ヨモギーノという名の魔王と戦っているらしいにょだ。」
「魔王じゃありません、悪のヨモギ屋です。」
「悪のヨモギ屋の方が魔王よりランク下の気がするッスけど……とりあえず、
ミルフィーユちゃんはスポポロスさんっていう勇者様と一緒に悪のヨモギ屋と戦っていたそうなんス。」
「はぁ……平行世界ってやつも、バリエーションに富んでるのねー……」
驚きと関心と呆気が入り混じった声で呟いた瑞子の言葉にニャルロットが反応した。
0439 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:02:15「うーん、知ってるんじゃなくってねー?さっきおじーさんと遥ちゃんがいた時に話したんだけど……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「それじゃーデン君、ミルちゃん、ニャルちゃん、気をつけてねー?」
「はいッス!瑞子さんも気を付けてッス!」
「ご飯、ご馳走様でした。バナナほどじゃないけど美味しかったです。」
「あははー、だからミルちゃん一言多いよー?」
朝食後、ニャルロット達は早々に診療所を出発することにした。
『杏くんや蕗ちゃんや、その他友達が心配なんッス!』というデンドロビウムたっての意見である。
「でも瑞子さん、いいんですか?これ、もらっちゃって。」
「いいのいいのー、あたしよりミルちゃんの方が有効活用できると思うし、あたしは代わりの品貰っちゃったしねー。」
ミルフィーユの手には先ほどのモゲラヨモギの汁の小瓶がある。
『ミルちゃんの世界の物なら、ミルちゃんが持ってきなよー』と言って、瑞子に渡された物だ。
そして瑞子の手には、古ぼけた一冊の本。
『ならお返しです。これあげます』とミルフィーユから貰った物だ。
「お前達、そろそろ行くぞ……それでは瑞子、世話ににゃったにゃ。」
一人会話に参加になかったニャルロットが勝手にトコトコ歩き出した。
0440名無し草
2008/05/21(水) 01:02:17李:ライパク(ジャンプでやってたゴルフ漫画)の拳法野郎
ファシル:DMCのクラウザー様
舞梨:にぱー☆
鈴木イチロウ:逆転裁判のアウチ検事
フーリエ:ソフトバンク
ピピン:ぽよよんロックが昔書いてたイラストのキャラ
0441 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:02:58「あ、ニャルロットさん待ってッスー!」
「瑞子さん、お世話になりました……待ってくださいー。」
デンドロビウムとミルフィーユも慌ててニャルロットを追いかけていく。
瑞子はにこにこと笑いながら、それを見送り……診療所へと戻った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ありゃ、コレって聖書……?何か皮肉ー……」
待合室のソファーに座り、本を数ページめくって瑞子は呟く。
「にしてもびっくりだなー……こんな変な名前でも、ホントに毒みたいねー?」
そう言って彼女が白衣のポケットから取り出したのは、ミルフィーユに渡した物と全く同じ小瓶。
もちろん中身も全く同じ、濃い緑色の液体がたっぷり入っている。
彼女に支給されたモゲラヨモギの汁の小瓶……それは二本あった。それだけのことだ。
「使ったら、ホントに死んじゃうのかなー?ニャルちゃんみたいな哺乳類なら効くかもしれないけど、デン君みたいなのには有効なのかなー?
あはは、さっきのお味噌汁にちょっと混ぜとけば面白かったかも……」
「ほほう、そにょような物騒なことをされていにゃくてよかったにゃ。」
「……え!?」
可愛らしい、しかし落ち着いた声に瑞子は驚き顔をあげる。
少しだけ開いた待合室の入り口の前に、赤毛の子猫がちょこんと座っていた。
0442 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:03:46「……ニャルちゃん、いつ入ってきたの?」
「『にしてもびっくりだなー』にょあたりからだ、ワガハイ探偵であるからして、音を立てずにドアを開けるにゃぞ簡単にゃ事だ。
ちなみにデンドロビウムとミルフィーユは先に行かせているからここにはいにゃい。
……ああ、その毒については特にひにゃん(非難)するつもりはにゃいぞ?
お前の支給品にゃにょだから、お前がどうしようと勝手だからにゃ。」
「そう、それはありがと……で、何しに戻って来たのかなー?」
「ああそれだが……」
ニャルロットの瞳がきらりと輝いた、様な気がした。
「まだ答えを聞いていにゃかったにょでにゃ……お前が殺し合いをするか、しにゃいかについてだ。」
「ああ、それ?」
瑞子はくすりと笑みを浮かべる。
「しないよ、そんな大変な事……あたし、楽しくない事は嫌いなの。」
「たにょしくにゃい事、だと?」
「そ、だからあたしは楽しく生きる。 そしてできれば苦労も無理も痛い事も経験せず、できるだけ長く生きたい。
この生き方だけは、アルなんとかにもおじーさんにも遥ちゃんにもデン君にもミルちゃんにもニャルちゃんにも……
誰にも、邪魔はさせない。」
「……そうか。」
笑顔のままで自らの生き方を言い切った瑞子に、ニャルロットが言った言葉はそれだけ。
しばらく沈黙が続き……やがて、ニャルロットが口を開いた。
「一つ聞くが……もしお前が誰かに殺されそうににゃったら、どうするつもりだ?」
0443 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:04:39「状況によるなぁ……逃げれそうだったら逃げるけど、逃げるのが無理だったり逃げるのがすごく大変そうだったら……
その時は、潔く死んじゃうつもり。」
「そうか、にゃらもう一つ質問だ。」
ニャルロットは瑞子の笑顔をまっすぐ見つめ、言った。
「誰かに殺されそうににゃって逃げ場はない時の話だが……その相手を楽に殺せる手段があったら、どうするつもりだ?」
一瞬、瑞子の笑顔が歪み……すぐに元の笑顔に戻った。
「……さぁ、どうするのかな?あたしにも分かんないや……その時になるまで。」
「ふむ、分かった……では、ワガハイはそろそろ戻るぞ。あんまりデンドロビウム達を待たせても悪いからにゃ。」
「そっか、気をつけてね。」
「うむ、お前もな。」
そうして子猫は待合室の扉を出て行き、診療所の扉を出ていく姿が見えた。
一人残った瑞子の表情は……
「……あははー、スリル満点だねー。」
さきほどと全く変わらない、笑顔。
0444 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:05:05【伍宮 瑞子】
【装備】白衣(現地調達)
【所持品】支給品一式、赤いペンキ、ステルスボール×2、煙幕、モゲラヨモギの汁(残量100%)、フーリエの聖書
【状態】健康、生への諦め
【思考・行動】基本:楽しく生きる。その為にはできるだけ苦労したくない。
1:ちょっと楽しくなってきたなー♪
2:しばらくは診療所で医者のマネ。
※一総理とは別世界のようです。
※蒼井燕の参加に気づいていません。
※デンドロビウムの知り合い、ニャルロットの知り合い、勇者スポポロスについての情報を得ました。
※マーダーと会った時、どのような行動を取るかはその時しだいです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あ、ニャルロットさんお帰りッスー!」
「けっこう遅かったですね……何だったんですか?用事って。」
「うむ、ほんのヤボ用だ。そんにゃに気にする事はにゃい。」
診療所を後にしたニャルロットは、診療所から少し離れた場所にいたデンドロビウム達と合流した。
瑞子との会話の内容を伝えるつもりはない。
ミルフィーユはともかく、デンドロビウムがショックを受けるであろう事は予想がついたからだ。
「あ、そうッス。さっきミルフィーユちゃんと話してたんスけど、次は街の方に行ったらどうかと思うんス。」
「町は人が集まりそうだし、何よりバナナがあるかもしれませんから。」
「そうだな、バナナはともかく人が町に集まりやすいのは一理あるにゃ……だがデンドロビウム、お前は……」
「あ、人に見られたらヤバイんじゃないかって事ッスか?それなんですけど……」
0445 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:06:24「俺、自分の事今まで『人に見られたら怖がられる』とか『気味が悪いと思われる』とか思ってたんス。
でも、さっきの瑞子さん見てたら……なんかそんな事、馬鹿みたいに思えてきちゃったんス。
あの人俺の事見て最初は驚いたけど、すぐにニコニコ笑って話しかけてくれたじゃないッスか?
その笑顔見てたら俺、普通に人間と仲良くできるんじゃないかなって……
確かに見た目は異様かもしれないけど、きちんと話せば分かってもらえるんじゃないか、って思って……
あ、でもいきなり人の前に現れるような事はしないッスよ!?
いくらなんでもデカいミジンコが急に飛び出したらびっくりするのは分かって……」
「……もういい。」
「え?あ、そうッスよね、こんな話どうでもいいッスよね……」
「そうじゃにゃい……自信を持てたのはいいことだからにゃ。」
「そ、そうッスか?ありがとうッスニャルロットさん!」
「頑張りましょうデンさん!デンさんは根はいい人ですから、きっと大丈夫ですよ!」
「うわぁミルフィーユちゃんもありがとうッス!でも俺『いい人』じゃなくて『いいミジンコ』じゃないッスか?」
手と手(触手?)を合わせてはしゃぐ二人を見て、ニャルロットは呟く。
「できれば……そにょまま『いい人』でいて欲しいもにょだにゃ。」
【H-5 平地/1日目 午前】
0446 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:06:45【装備】なし
【所持品】支給品一式(不明支給品1~2)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:デンドロビウムの依頼を遂行する。
3:殺し合いには乗らないが、襲ってくる奴は殺す。
4:主催者に多額の依頼料を支払わせる。
※デンドロビウムの知り合い、勇者スポポロス、一一一についての情報を得ました。
※瑞子には若干の危険性を感じています。
【デンドロビウム】
【装備】なし
【所持品】支給品一式(不明支給品1~2)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:ニャルロットに杏・蕗・和哉・恭司を探して檀を説得して貰う。
自分が直接会いたくはないが……。
3:人は殺さない
※遥が生きていることを知りました。
※自分の姿を普通の人間が見たら怖がると思っています。
ですが、きちんと話せば理解しあえるのではと思い始めています。
※ニャルロットの知り合い、勇者スポポロス、一一一についての情報を得ました。
0447 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:07:25【ミルフィーユ】
【装備】なし
【所持品】支給品一式 (不明支給品0~1)モゲラヨモギの汁(残量100%)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:デンドロビウムに協力 。
3:バナナが食べたい。
※勇者スポポロスと同一世界(仲間)であると判明しました。
※デンドロビウムの知り合い、ニャルロットの知り合い、一一一についての情報を得ました。
※モゲラヨモギの汁
悪のヨモギ屋モゲラッチョ・ヨモギーノの作り出した毒草の汁。色は青汁のような緑。
直接飲ませたり注射したりする事で使う猛毒で、数滴なら体が痺れる程度ですむが
一定以上の量を使うと全身の筋肉が弛緩して死にいたる。
0448 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:09:02つけ忘れていましたが、タイトルは『朝ごはんの時間だよ』です。
0449名無し草
2008/05/21(水) 01:09:36みんなキャラが立っててよかったです。
ニャルは優秀な対主催になりそうだなー
0450名無し草
2008/05/21(水) 01:11:10あれ、町にはあの桃太郎がいるよね?
早速わかりあえそうもねえぞwwww
0451名無し草
2008/05/21(水) 01:12:48投下乙!
妙に和むなあ、このPTw
悪のヨモギ屋・ヨモギーノとか、クロスオーバー(?)な小ネタも上手かったです。
あとリロ忘れで割り込んでしまってごめんなさい!
0452名無し草
2008/05/21(水) 01:22:050453 ◆w2G/OW/em6
2008/05/21(水) 01:27:12>>437
>「ニャル君みたいに喋る猫も、あたしにとっては不思議なんだけどねー。」
の『ニャル君』の部分は『ニャルちゃん』の間違いです。
……ごめんよニャル師匠、最初はオスだと思ってたんだorz
0454名無し草
2008/05/21(水) 11:52:23短文はいい顔されないみたいな流れになって来たからなぁ。
0455名無し草
2008/05/21(水) 12:03:25どう考えても上から目線の馬鹿が居るし……
そんなことよりヴェーヌとアリスのスリーサイズはいくらですか?
0456名無し草
2008/05/21(水) 12:19:40というか今までのペースが異常だっただけでしょう
人物関係も複雑になってきたし、それなりに時間かけないと動かせないよ
あと奈々は俺の嫁
0458名無し草
2008/05/21(水) 12:35:320459名無し草
2008/05/21(水) 12:39:520460名無し草
2008/05/21(水) 14:22:370461名無し草
2008/05/21(水) 16:31:02大体当時のニコロワと同じくらいのスピードだと言っておく
0462名無し草
2008/05/21(水) 17:28:380 愚者 【正位置】自由、天才……ロアルド・アムンゼンその1
【逆位置】軽率、わがまま、落ちこぼれ……
I 魔術師 【正位置】始まり、創造……松井司
【逆位置】混迷、消極性……デンドロビウム
II 女教皇 【正位置】知性、平常心、洞察力……ニャルロット
【逆位置】激情、無神経、ヒステリー……花子
III 女帝 【正位置】繁栄、豊穣、母性……墓凪可憐
【逆位置】挫折、軽率、虚栄心、怠惰……坂木檀
IV 皇帝 【正位置】支配、安定、達成、責任感 ……一一一
【逆位置】未熟、横暴、傲岸不遜、無責任……ケネス・シルバー
V 教皇 【正位置】慈悲、連帯・協調性、規律の遵守……リリー・アップル・塔野
【逆位置】守旧性、束縛、躊躇、お節介……フーリエ
VI 恋人 【正位置】恋愛、趣味への没頭、試練の克服……泉遥
【逆位置】誘惑、不道徳……ミーウ
VII 戦車 【正位置】勝利、征服、独立……桃太郎
【逆位置】暴走、不注意、好戦的……勇者スポポロス
VIII 正義 【正位置】公正、善行……蒼井燕
【逆位置】不正、偏向……捨流主麻亜太
IX 隠者 【正位置】経験則、助言、秘匿、単独行動……伍宮瑞子
【逆位置】 閉鎖性、陰湿、邪推……鈴村佐知代
X 運命の輪 【正位置】転換点、幸運の到来、定められた運命……坂木蕗
【逆位置】情勢の急激な悪化、アクシデントの到来……泉和哉
0463名無し草
2008/05/21(水) 17:28:53【逆位置】甘え、引っ込み思案……ピピン
XII 吊された男 【正位置】忍耐、奉仕、妥協……松井哲也
【逆位置】徒労、痩せ我慢、欲望に負ける……山田太郎
XIII 死神 【正位置】終末、破滅、離散、死……狭霧嘉麻屋
【逆位置】再スタート、挫折から立ち直る……周参見椿
XIV 節制 【正位置】調和、自制、献身……鍵谷美和子
【逆位置】浪費、消耗…… 鈴木万吉
XV 悪魔 【正位置】裏切り、拘束、堕落……靄場陸朗
【逆位置】回復、覚醒、新たな出会い……ゴキブロス
XVI 塔 【正位置】崩壊、災害、悲劇……マグナム・ハンス
【逆位置】緊迫、突然のアクシデント、誤解……日滝菅彦
XVII 星 【正位置】希望、ひらめき、願いが叶う……アリス・ナイラーザ
【逆位置】失望、無気力、高望み……甲坂舞梨
XVIII 月 【正位置】不安定、幻惑、現実逃避、親友の裏切り……高原恭司
【逆位置】軽微なミス、徐々に好転……ポー
XIX 太陽 【正位置】成功、誕生、祝福……鍵谷幸一郎
【逆位置】不調、落胆、衰退……マイルズ
XX 審判 【正位置】復活、結果、発展……高水奈々
【逆位置】悔恨、行き詰まり、バッドニュース……剣時宗
XXI 世界 【正位置】完全、総合……アルベルト・ハインリヒ
【逆位置】未完成、臨界点、調和の崩壊……坂木杏
0464名無し草
2008/05/21(水) 17:30:270465名無し草
2008/05/21(水) 17:42:34ピッタリ過ぎて何かニヤリと来たw
0466名無し草
2008/05/21(水) 18:58:48GJだぜ!
0467名無し草
2008/05/21(水) 19:01:150468名無し草
2008/05/21(水) 19:07:42タロットでも引き気味なのに
0469名無し草
2008/05/21(水) 19:08:08まあもしそういう事するとしても声優みたいなプロじゃなくて
知り合いとかその辺歩いてるおっさんとかの声でだろうな。
0470名無し草
2008/05/21(水) 19:12:46乙。脳内イメージと見事に一致するな。何箇所かフイタ
>>声優
してないなぁ。そもそも声優の名前と声なんて一致しない。
0471名無し草
2008/05/21(水) 19:13:32仕方ないけど投下もないし書き手でもない身としては
データまとめでもして暇潰すくらいしかネタがないのよ
カオス:戦(128)
80代:幸一郎じいちゃん(88)
60代:信長(69)、総理(68)、老本(62)
50代:藤堂(58)、アムンゼンズ(享56)
40代:垂加(47)、スコット(享43)
30代:ケネス(38)、ハンス(35)、時宗(32)、飛龍(30)
20代:狭霧、日滝先生(28)、ステルス(26)、マイルズ(27)、健(25)、
モブ、司、哲也(24)、秋生(23)、燕お兄ちゃん(笑)(22)、山田(20)
10代:陸朗(19)、杏、湊、万吉、恭司(17)、ファシル(15)、スポポロス(13)、
一桁:和哉(9)、デンドロ(7ヶ月)
不明:アルベルト、ゴキブロス、イチロウ、ケンシロウ(20~30代)
ピタゴラス(人間で25)、フーリエ(人間で20前後)、ポー(忘れた)
0472名無し草
2008/05/21(水) 19:15:540473名無し草
2008/05/21(水) 19:16:53お前らの欲望は良く分かった
0474名無し草
2008/05/21(水) 19:20:540475名無し草
2008/05/21(水) 19:21:340476名無し草
2008/05/21(水) 19:26:420477名無し草
2008/05/21(水) 19:28:060479名無し草
2008/05/21(水) 22:07:240480名無し草
2008/05/21(水) 22:22:080481名無し草
2008/05/21(水) 22:22:350482名無し草
2008/05/21(水) 22:36:24マジでぱにぽに並に登場人物が入り乱れてるなwwwwwwwww
0483名無し草
2008/05/22(木) 00:34:290484名無し草
2008/05/22(木) 00:35:300487名無し草
2008/05/22(木) 00:41:480488名無し草
2008/05/22(木) 01:22:37大半を午前までは進める必要があるよ。
0489名無し草
2008/05/22(木) 07:41:050490名無し草
2008/05/22(木) 09:04:46墓凪可憐、ぱんつはいてない坂木蕗
ロアルド・アムンゼン2、ぱんつはいてない坂木檀
アリス・ナイラーザ、真多秋生
蒼井燕、鍵谷絵理花
一一一、泉遥
甲坂舞梨
多分これで全部
0491 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:18:400492迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:52:36・ケース1:フレンドリーに接触
満面に笑みを浮かべた僕は、『シスター』の前に姿を現して片手を上げる。
「やあ! 僕は靄場陸朗! 君の創造主さ!」
一瞬だけきょとんとした顔をした『シスター』は次の瞬間、抜く手も見せずにコルトをその手に構えると、
躊躇なく撃ち放った。
「不審な男ですね!」
BANG!BANG!
【靄場陸朗 死亡】
0493迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:52:53・ケース2:高圧的に接触
この世の苦悩の全てを背負ったようなしかめ面を作った僕は、『シスター』の前に姿を現すと開口一番、
「……『シスター』だな。僕は貴様の神だ。僕に従え」
一瞬だけきょとんとした顔をした『シスター』は次の瞬間、抜く手も見せずにコルトをその手に構えると、
躊躇なく撃ち放った。
「神の名を汚すことは許しません!」
BANG!BANG!
【靄場陸朗 死亡】
0494迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:53:22……
靄場はゆっくりと首を振ると、ため息をつく。
いくらなんでも想像力がが貧困すぎやしないかと己の職の行く末を心配しそうになるが、
それも生きて帰れればの話だった。
いずれにせよ、『シスター』に自分のことをうまく説明する自信はなかった。
そもそも他人と接するのが嫌だから、自分の部屋の中で完結する仕事を選んだのだ。
今更、口八丁で世の中を渡っていこうと思う方がどうかしている。
「……どうでもいいさ」
呟いて、踵を返す。
『シスター』がどうなろうと知ったことではない。
あれが平行世界とやらの住人なのか、それとも頭のおかしな小説ファンのコスプレなのか、
そんなこともどうだってよかった。
勝手に潰しあって数を減らしてくれればいい。
自分は残った人間を始末して、元の世界に帰るのだ。
どうやって始末するのか、などといった考えがあるわけではなく、それは単なる思考放棄にすぎない。
もとより、靄場は元の世界に帰りたいわけではなかった。
靄場と出会った人間は、例外なく彼を嫌っていた。
貧相で疑り深く、要領よく立ち回ることもできない靄場は、どのコミュニティにおいても末端で、
嘲笑や、暴力や、そういう諸々の対象となって育ってきた。
だから靄場は、出会った人間と、まだ出会っていない人間を例外なく嫌っている。
皆死ねばいい、は靄場の口癖のようなものだった。
0495迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:53:52殺されるのは嫌だった。殴られるのだってあんなにも痛いのだ。
殺されるとなれば、どれほどの苦痛に襲われるのか想像もしたくない。
いじめに遭って高校を退学したときも、自殺を考えたことなどなかった。
肥大した自我がそれを許さなかったといってもいい。
学校に毒を撒いてやろうか、相手の家に火をつけてやろうかと考え、実行の一歩手前まで準備して、
リスクを考えてやめた。
逮捕され、投獄されて刑務所の汚い牢屋の中でまずい飯を食べるのが嫌だった。
代わりに、学校の連中が奇怪な怪物に襲われて皆殺しにされる妄想を文章にした。
それが飯の種になったから、次は家族が惨殺される物語を書いた。それも売れた。
気分が良くなって、それまでの人生で彼を嫌った人間を文章の中で次々に殺した。
売れに売れた。世の中の人間は、自分の嫌いな人間が無惨に死ぬのを望んでいるのだと思った。
自分が誰かに嫌われて、無惨に死ぬのを望まれているなどと考えもせずに。
そういうものが、靄場を今の立場に押し上げている。
靄場陸朗とは、そういう男だった。
だから、殺すという禁忌が禁忌でないこの状況は、靄場をたまらなく高揚させていた。
殺さなければ殺されるというのは自分に対する免罪符にもなる。
このシステムは良くできている、と思う。
そしてまた、自分には作家としての芸の肥やし、という第二の免罪符もあった。
目の前で繰り広げられる無惨な死が、自分の文章を高めてくれる。
それが事実かどうかは関係ない。
そういう免罪符が大事なのだ、と靄場はねじれた自覚をしている。
0496迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:54:08ああ、そうだ。
戻って舞梨を殺そう。
自販機でタバコを買おう、とでもいうように、靄場は考える。
どうやって殺すかはどうでもいい。相手は幼女だ。
首を絞めてもいいし、後ろから殴ってもいい。
一体自分は、何を恐れていたのだろう。
よし殺そう、いま殺そう、すぐ殺そう。
それもなるべく無惨にだ。どうしよう。
そうだ、殺してから犯してしまうのもいいな。
いや待て、犯してから殺すか。
死姦と強姦殺人とではどっちが無惨だろう、などと靄場は異様な思考を巡らす。
彼は別段、狂っているわけではない。
それは単に、自分自身のこれまでのあり方と、現在の状況にあわせた思考に過ぎなかった。
突然の殺し合いという異常の中で、靄場はそれに適応していた。
これまでは頭の中にだけあった妄想の世界が、現実として目の前に広がっている。
それだけのことだった。
それは、社会性というものの一切を獲得できなかった青年の、正常な思考だった。
彼にとって現実とは妄想の地続きでしかなかった。
妄想が彼の生業であり、それは現実という土壌を肥やしにして育つ、異形の華だった。
彼にとって妄想は常に、現実を凌駕するものだった。
0497迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:54:27いっそ犯して、狂わせてみるのもいい。
どこまで死なないか、どこまで狂わないかを試してみるのも悪くないな。
靄場の妄想は肥大していく。
「……あれは、どなたですか?」
靄場を現実に引き戻したのは、彼の妄想の中で裸にされ、犯されながら泣き叫んでいるはずの少女の声だった。
きっちりと制服を着込んで、もちろん涙の跡もなく、靄場の後ろをじっと見ている。
妄想が、寸断されていく。
―――どうしてここにいる。
どうして外に出てきた。
どうしてまだ生きている。
どうして犯されていない。
ああ、ああ、考えるのが面倒だ。
何もかもが、面倒だ!
気分が、悪い。
酩酊が急速に冷めていく、ざわつくような感覚に荒々しく舌打ちしながら振り向いた靄場が、絶句する。
「……あ、」
そこには、遥か遠くにいたはずの『シスター』が、幽鬼のような顔で立っていた。
0498迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:55:05呆然としたようなその瞳と目が合ったその瞬間、靄場の世界が、ぐにゃりと歪んだ。
ひどい眩暈が、靄場の脳をかき乱す。
「……ひゃあっ!?」
立っていられずに膝から崩れ落ちた拍子に、思わず傍にいる舞梨にしがみついてしまう。
その柔らかさと温かさと、甘い匂いが一瞬で靄場の五感を支配した。
股間が膨らむ感覚に、靄場の眩暈が治まっていく。
どうにか膝に力を入れて、立ち上がる。
が、
「え?」
気がつけばそこには、もう誰もいなかった。
少し離れた森の中、木々の向こうに走り去る影が見えた。
「どうしたん……ですか? 具合とか、悪いですか……? えと、あの人は……お知り合いですか?」
おずおずと聞く舞梨の、少し怯えたような表情が鬱陶しくて、靄場はそっけなく答える。
「……なんでもない。知らない人だよ」
「そう、ですか……」
「……それより、見られたからにはここもそろそろ離れなくちゃいけない。準備して」
何かを言いたそうについてくる、小さな足音が煩わしかった。
高揚も、妄想も、どこかに吹き飛んでいた。
0499迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:55:39『シスター』は走っている。
森の中を、息を切らしながら、必死で走っている。
時折、突き出した根に転びそうになりながら、張り出した枝に肌を傷つけながら、走っている。
周りを警戒することもなく、ただただ、走っている。
「違う……違う、違う……!」
ぶつぶつと呟かれる声はひどく切羽詰っていて、いささか常軌を逸した調子を帯びていた。
あの男。見たこともない男だった。
それなのに、あの男と目が合った瞬間、『シスター』の世界は一変していた。
脳裏に浮かぶのは、暗く、狭い廊下。
迫るのは、おぞましい無数の触手。
手にした銃を撃つ。銃弾は効かない。
ナイフを抜き放つ。刃は通らない。
そのぬめる触手の一本が、『シスター』の腕を捕らえた。
冷たい、吐き気のするような感触。
シスター服が引き裂かれる。
悲鳴。
肌にぴったりと張り付くボディスーツの下に潜り込む、異形の肉。
激痛。
噴き出す血潮。
視線を下ろしたその先に蠢くのは、腹を突き破って出てきた、おぞましい真っ赤な―――
「違う、違う、違う!」
0500迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 13:55:58イギリスの片田舎で昼は神に仕え、夜には神に仇なす悪を始末する、暗殺者。
性別は女性、歳は二十代、身長はやや高め。
普段は優しく落ち着いた物腰で、趣味は日向ぼっこで、特技は足音を消すこと。
好きなものはフルーツタルト、苦手なものは犬、銃火器、爆発物、潜入行動のスペシャリストで、
「……そういう、設定」
違う!
否定する声。
何が違う?
反論する声。
歳は二十代。正しくはいくつだ?
身長はやや高め。やや高めって何だ? 何フィート何インチ?
お前は誰だ? お前は何だ? お前はじゃあ、どんな思い出の中で生きてきたんだ?
思い出せないだろう? それはそうさ。お前に過去なんてないんだ。
設定されてないんだよ!
「私は……わた、し……は……」
次第に大きくなっていく心の声と裏腹に、『シスター』の声は小さくなっていく。
どれだけ走っても、心の声からは、逃げられない。
0501迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 14:00:50【靄場陸朗】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、ウェルロッド(銃弾14/20)、自家発電機内蔵電子レンジ(鍵谷美和子の発明品)、ベネリM3(銃弾20/20)
【状態】:気分が悪い
【思考・行動】
基本:とりあえず全員殺そう
1:気分が悪い。何もする気が起こらない。
2:舞梨をただの子供と思っているが、何故かすぐに攻撃することを躊躇っている(直感で)
【甲坂舞梨】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、グロック26(7/10+1)、パイファー・ツェリスカ(4/5)、ツェリスカ予備弾5発、
グロック26予備マガジン(10発)×1、不明支給品0~不明
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いを止めたいが、説得に応じない相手は殺すしか思いつかない。
1:靄場を信用している
2:けど、何か妙だ
[備考]:能力は超人的だが、何分子供なので極度の緊張や動揺には弱く、隙がそのときに生じてしまう
0502迷走Mind ◆Ek9St4HTQk
2008/05/22(木) 14:01:26【コードネーム『シスター』】
[状態]:正常
[装備]:コルト・ガバメント(5/7)
[所持品]:支給品一式+水、ベレッタM92(15/15)、.45口径弾(14)、9mm.パラペラム弾(32)
[思考]
基本:殺し合いを止める
1:記憶が混乱している
2:触手に対する恐怖
[備考]
※戦闘用ボディスーツは没収されました
※声優、釘宮理恵にとてもよく似た声をしています
0503名無し草
2008/05/22(木) 14:19:12投下乙!
出だしがギャグだったから驚いたけど、後半はやたら重いなw
そういや『シスター』は作中作ではズガンキャラだったんだっけ。
メタな仕込みとキャラの心理掘り下げ、GJ!
0504名無し草
2008/05/22(木) 14:24:55うん、面白い。
0505名無し草
2008/05/22(木) 14:49:50靄場もいい感じに糞野郎で面白かったです
0506名無し草
2008/05/22(木) 17:00:56◆lYi氏は延長の権利も持ってるけど、宣言はしてね。
0507名無し草
2008/05/22(木) 18:54:41もちろん他に書きたい人がいればそっちを優先したいけど。
0508名無し草
2008/05/22(木) 18:55:580509 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/22(木) 18:56:58スイマセン、延長させてください。
0510名無し草
2008/05/22(木) 18:58:03原作バトロワにもいたよな、千草犯そうとしたやつ
0512名無し草
2008/05/22(木) 19:05:23新井田な。
原作は正直千草にも一割程落ち度があるけど映画と漫画だと最初から犯す気MAX
陸朗→舞梨
アムンゼン2→蕗
ミーウ→椿
こんな感じか
0513名無し草
2008/05/22(木) 19:06:270514 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:12:550515掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:13:53電燈すら灯らない、まさに廃墟という呼び名が相応しい研究所跡。
その一室、もう久しく稼動していないだろうと思しき実験装置がいくつか置かれている狭い部屋の中心に一人の少女が立っていた。
もっとも、少女なのはあくまでその外見だけであったが。
薄暗い部屋の中で哲也が手にしているのは自分のバッグに入っていた「名簿」だった。
最初はただの白い紙でしかなかったが、ふと思い立ってもう一度見てみるとそこにはいつの間にか名前の羅列が浮き上がっていた。
どういう仕組みなのかはわからないが、今はそれは問題ではない。
哲也はそれが五十音順になっていることを見て取ると、急いで「ま行」の部分に目を走らせた。
そこに書かれていたのは、当然ながら自分の名前。そして―――
「司……」
一番いて欲しくない人の名前がそこにあった。
自分がいる以上、あるいは一緒に連れて来られているかもしれないとは思っていたが……
さらにその傍には父親の名前もあった。
「親父までいるのか……」
妹の凪の名前は無い。
他に知り合いや知っている名前は無いかと名簿全体を見る。
一一一。
現役の総理大臣だ。
同姓同名? いや、こんな珍しい名前でそれはありえるだろうか。
坂木杏、坂木檀、坂木蕗。
(こいつらは確か妹の凪と同じ学校の……)
哲也にも多少面識はある。これも、たまたま同じ名前の人間が三人いるとも考えにくい。
泉遥、高原恭司。
この名前も妹のクラスメートのものだったような気がする。
泉という子は妹の友人だし、高原という子はあまり学校に来ない、いわゆる不良という奴らしいが。
0516掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:14:29他には知った名前は無かったものの、読めば読むほどひっかかることばかりがあった。
(アルベルト・ハインリヒってあの、俺達を攫ってきた学者の名前じゃねえか?
それに何だよアジア皇帝織田信長って。つーかなんでアムンゼンが三人もいるんだよ!?
こりゃあの冒険家のことなのか?)
他にもゴキブロスだのデンドロビウムだのケンシロウだのとふざけているとしか思えないような名前がいくつも並んでいる。
あの学者は大半が日本人などと言っていたが、他の者は国籍もわからないし、そもそも国籍というものを持っているのかすら怪しい気がする。
「―――そっか、これが平行世界ってことか」
同じ名前の人間が何人もいたり、現実世界に実在するとは思えない名前の者が混じっているのは恐らくあの学者が言うところの平行世界―――自分がいた世界とは別の世界から連れてこられたからだろう。
名簿にあるアルベルト・ハインリヒという名前も恐らくはあのアルベルトとは別の世界のアルベルトなのだろう。
織田信長というのも、パラレルワールドで別の運命を歩んだあの信長なのかもしれない。
さっきの少女も、あるいは読心術のようなものを持った他の世界の人間だったのだろうか。
それにしても疑問は残る。
あまりにも自分と接点のある人間が多すぎるという点だ。
司や父親くらいなら、家族まとめて連れてこられたと解釈できなくも無いが……
「沢山の世界から参加者を集めてきた」というのが本当なら、全くの偶然でこうも知り合いばかりが集まることはありえないだろう。
意図的なものがあるとしたら―――
0517掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:16:17そう、自分がすべきことは司のために他の参加者を殺すことだけ。
最後には自分も自殺する。だからこんなことを考えるのにも意味はない。
そもそもここに来たのだって、他の実験参加者との遭遇を期待してのことだったのだが……
「きゃっ!!」
自分のものではない悲鳴がした。
あわてて扉のほうを向く。
「大丈夫、こっちには敵意はない」
別の人物の声もした。
「すまんな。人がいるとは思わんかったから驚いたようだ」
初老の男と背の低いツインテールの少女が寄り添うようにして立っていた。
二人が語ったところによると、男の名前は藤堂秀一、少女のほうは高水奈々と言うらしい。
やけに和服が似合う藤堂はプロ棋士で、いかにもまだ幼そうな奈々のほうは中学生とのことだ。
「なんだ、お嬢ちゃんも俺のこと知らないのか。まあ当然だけどな。これでも若いファンからはそれなりに人気あるんだがな。
ちょっと前はチョイ悪だとかなんとか言われたもんさ。で、お嬢ちゃんの名前はなんてんだい?」
「―――周参見椿」
ここで正直に本名を名乗る必要など無い。
むしろ哲也の場合は本名を名乗ってはいけない。
そこで、名簿にあった名前のうち適当なものを選んで口にしたのだ。
0518掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:17:00こんな場所で信頼しあうにはそれくらいは必要だろう」
藤堂は哲也と奈々の顔を交互に見ながら提案した。
「はい、もちろん」
自ら進んでバッグのファスナーを開ける。
その中のものを一つ一つ取り出しながら、哲也はまだ自分を信用していないような風情で藤堂の背後に隠れる奈々よりも一見友好的な態度を崩さない藤堂のほうを注意深く観察していた。
正直、哲也にとって藤堂のような男は相手にしにくい部類に入る。
上目遣いの視線の一つでも投げてやればほいほい付いてくるいつものオヤジ連中とは勝手が違うというのはすぐにわかった。
さっきから哲也が知る限りの仕草や口調でこの男の隙、いわば「ストライクゾーン」を探っているのだが見事なまでに何にも反応しない。
すでに老いのあまり解脱の域にまで達してしまったのかとすら思うほどだ。
「へえ、電源の入らないパソコンに、門外漢にゃさっぱりわかんねえノートか。
こりゃあハズレを引いたかもな、お嬢ちゃん」
一通りの支給品を見て藤堂は笑った。奈々のほうはどういうつもりか、ビニールから出した体操服を不思議そうな目で見ている。
「あの、これ……体操服なんですか?」
奈々が哲也に「それ」を広げて見せながら尋ねる。
「え、ええ……あ、もしかして高水さんってブルマ見たこと無いですか?」
「ぶるま?」
なるほど、と合点する。今時ブルマを採用している学校などおそらく数えるほどしかない。
中学生の奈々が見たことも聞いたこともないものだとしても不思議は無い。
「俺が若い頃は女の子はみんなこれだったもんだがな。時代は変わったもんだ」
藤堂が回顧的に呟く。
「あー、そういえば漫画なんかでたまに出てくるアレですか? 私、今まで変な体操服だなーって思ってたんですけど」
奈々はなぜか古式ゆかしい体操服が気に入ったらしく、手の中でひっぱったり裏返したりしていた。
0519掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:18:04スクール水着なんてけったいなものもあったが、それ以上に場違いに見えたのが奈々の鞄から出てきた三株の花だった。
「お花? なんでこんなものが?」
手に取った途端、それまで大人しかった奈々が身を乗り出してきて口を開いた。
「トリカブト。キンポウゲ科の多年草で、漢方薬にも使われますが毒草としても有名です。
アルカロイドの一種である毒成分アコニチンを持っていて、その株全体に毒があります。
特に根っこの部分が毒性が強いですが、蜜や花粉による中毒事故の例もあるくらいです。
食べると嘔吐や下痢などを引き起こし死に至る場合もあります。解毒剤はありません。
非常に有名な毒草ですが、セリやヨモギ、ニリンソウなどの食草と似ているために中毒事例は後を絶ちません。
……だから、絶対に口に入れないでくださいね?」
立て板に水というか、どこか嬉々として語る奈々の様子に圧倒されていると
「高水はこういうことに詳しいらしくてな。俺も注意されなきゃうっかり味見してたかもしれねえ。
いや、非常食くらいにはなるかもとちょっと思ってな」
「駄目ですよ、毒草とか毒キノコは基本的に外見で有毒かどうかを判断する方法はありませんから、知らない植物は安易に口に入れちゃいけないんです。
身近にある植物でも結構強力な毒を持っているのがあるから要注意ですよ?」
口を尖らせて苦言を述べる奈々だった。毒に関して一家言あるのは本当らしい。
哲也は自分の胸元にある、もちろん藤堂たちには見せていない筒をそっと触ってため息をついた。
0520掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:19:32それは哲也も最初から予定していたことなので反対する理由は無い。
奈々も一人で残るよりは一緒に行動したほうがいいに決まっていて、早速三人は藤堂を先頭にして薄暗い廃墟の中を一室一室見て回ることにした。
冗談みたいな巨大なナイフを手に持って危なげない足取りで歩く藤堂の後ろを歩きながら、ふと隣を見ると奈々と目が合った。
「わわっ」
何故か慌てて目を逸らす奈々。
リノリウムの床を叩く三人分の足音が響き渡る。
もうしばらくしてからまた右隣を見てみると、やはり奈々とばっちり目があった。
再び気まずそうに目を逸らす奈々。
……見られてる?
怪訝な顔をしていたことに気付かれたのか、奈々がおずおずと口を開いた。
「あの、周参見さんって本当に女の私でもうっとりするくらい美人ってゆうか……
その、できればどうしたらそんな綺麗な肌になるのか教えてもらいたいな、とか」
まるで憧れの人と相対した時のように顔を赤くして囁く奈々。
なんだ、そんなことか。女の子だなあ。
「別に特別なことをしているわけじゃないですよ。毎日清潔にしておくことと、食べ物のバランスに気をつけることくらいでしょうか」
本当のことを言うと、奈々は感心したようなほっとしたような顔をした。
ついさっきまで警戒されていたのに、いつの間にかそれなりの信頼を得ているようだ。
素直に支給品を見せたからかもしれない。
さっきまであからさまに怯えていたくせに、さすが子供なだけに単純だ。
しかし必要以上に馴れ合う必要は無い。
機を見て早々に殺さなくてはいけないのだから。
0521掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:20:08ならば今は牙を隠して無害な少女を演じるのみ。焦らなくてもチャンスはそのうちやってくる。
「にしても、ここは何の研究をしてたとこなんだ? けったいな装置がいっぱいだな」
狭い部屋の中に乱雑に置かれた実験設備を見て藤堂が漏らした。
哲也ならある程度は検討が付く。一見何に使うのかもわからないような装置の数々はおそらく物理学の……それも素粒子物理学の実験的研究のために必要不可欠なものだ。
案外、アルベルト博士自身が使っていた私設研究所だったりするのかもしれない。
(……そういや、あのアルベルト博士は『俺の世界の』アルベルト博士なんだろうか?)
ふとそんな疑問が頭をよぎる。
自分には関係の無いことだと考えていながらも、それでも気になることではあった。
あの白衣の狂人は自分の知ってるアルベルト・ハインリヒなのか?
いや―――
(ここにいる司は、本当に俺が知っている司なんだろうか?)
0522掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:20:51隣をあるいていた奈々がおずおずと手をあげた。
「ちょっと、お手洗いに行ってきてもいいでしょうか?」
ちょうど目の前に見えるトイレのマークを指差す。
「はは、流石にそこまでは俺が護衛するわけにもいかねえな。気をつけろよ? 早めに戻って来い」
結構長く我慢していたのか、奈々はもじもじと手をこすり合わせながら廊下以上にくらいトイレの中に駆け込んでいった。
……水は流れるようになっていることを祈ってやろう。
藤堂は壁に背を預けて小休止の構えを取った。哲也もそれに倣おうとして……気がついた。
今、図らずも一対一になった。
この状況なら、あの老人を殺したのと同じ手を使える。
まずはこの棋士を毒蛇で殺し、次にあの少女がトイレから戻ってきたところを……
やるしかない。今ならできる。今を逃せば次のチャンスはいつになるかわからない。
ついさっきやったみたいにすればいいだけだ。迷うな。
「ああそうそう、周参見だったか」
胸に手を入れようとした哲也に背を向けながら藤堂がつぶやいた。
「武器を隠すなら、もっとわかりにくくしたほうがいいな」
息が止まる気がした。
「さっきからあからさまに胸元を気にしてやがる。それほど立派な胸を持ってるわけでもねえのにな。
こりゃ、誰だってなんかあるなと思うぜ?」
こちらを向いた藤堂は生徒に軽い説教をする学校の先生のように笑っていた。
哲也は動けない。体が動かない。
「それに、目がいけねえ。その目を見れば、人を殺したがってる目だってわかるってもんさ。
と、それとあんたの後学のためにもう一個。女を騙るには、もうちょっと女を勉強したほうがいいな、兄ちゃん」
0523掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:21:40今まで誰一人として初見でバレたことは無かった。いや、身内以外は全員騙せたといってもいい。
それを、この男はこのわずかな時間で見破ったというのか。
「仕草がわざとらしすぎて嘘くさい。まあそれだけなら性悪な女の中にもいないことはないタイプだが……
高水がいなくなった瞬間、気配が男のもんに戻ってたぜ、兄ちゃん。忍者の試験なら最後の最後で落第ってとこだ。
まあ俺は甘いほうでな。弟子の指導ももっと厳しくやれなんて言われてる。
だからおまけしといてやろう」
「……どういう意味でしょう」
完全に男の声で哲也は言った。
「高水には黙っといてやるって言ってんだよ。あいつ、ショックを受けるかもしれねえしな。
それと、俺も家族がある身として人殺しにだけはなりなくねえ。だから兄ちゃんをどうこうする気もねえよ。
出て行けともいわねえ。あくまでそういうスタンスで俺達を殺しにくるってなら、まあ、やってみろ。
できるならな」
藤堂はそういうと、もうそれで話は終わりだといわんばかりに鉄扇を開いて
「しかしここは暑いな。空調もないんじゃ当然だが」
などと呟いた。
「す、すいません、お待たせしました!!」
水を流す音がしないまま奈々が戻ってきた。
掌の冷や汗は、まだ引いてくれない。
【C-7 廃研究所/1日目 午前】
0524掌の上 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:22:02【装備】:毒蛇
【所持品】:支給品一式×2、三宮葉瑠菜の体操服、
ピタゴラスの研究ノート「亜世界の存在の可能性について」、
鈴木万吉のノートパソコン(電源切れ)、真多秋生の手鏡
【状態】:左の頬に裂傷(治療が必要なほどではない)
【思考・行動】
基本:弟を生かすために殺し合いに乗る
1: 藤堂の言葉に動揺しているが、まだ二人を殺すつもりでいる
【藤堂秀一】
【状態】:健康
【装備】:鉄扇 、スペツナズナイフ(狭霧嘉麻屋の愛用品)
【所持品】:支給品一式、家族の写真
【思考・行動】
基本:仲間を集め、この殺し合いを止める。
殺し合いには乗らないが、乗った相手には容赦しない
1:高水奈々を保護する
2:哲也に関しては保留。自分達を殺しに来るなら殺す。
2:同じ意思を持つ仲間を探す
3:ゲームの隙を見つけだす
【高水奈々】
【状態】:健康
【装備】:トリカブト三株
【所持品】:支給品一式、坂木檀のスクール水着(若干胸の部分が伸び気味)
【思考・行動】
基本:死にたくない
1:藤堂秀一と行動を共にする
【備考】:ヴェーヌをマーダーだと認識しました。
松井哲也の名前を「周参見椿」だと認識しています。
0525 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/22(木) 19:22:400526名無し草
2008/05/22(木) 19:22:550527名無し草
2008/05/22(木) 19:31:19トリカブト食ってくたばったりしなくてよかったと心から思うぜw
投下乙でした!
0528名無し草
2008/05/22(木) 19:31:490529名無し草
2008/05/22(木) 19:33:34そうか、松井家同士でも並行世界って可能性があるのか
すごい目から鱗だったり…GJでした
しかし一般人が多いからマーダーも突撃型があんまりいなくて新鮮だw
0531名無し草
2008/05/22(木) 19:40:190532名無し草
2008/05/22(木) 19:42:06その分、ここぞの一発で決めたら大きいと思うけど。
0533名無し草
2008/05/22(木) 19:48:21なんで年寄りがこうもカッコイイんだw
0534名無し草
2008/05/22(木) 20:09:06間違いあるかもだけどロワ内簡易人物関係図。こういうのは需要ある?
0536名無し草
2008/05/22(木) 20:58:39各キャラの反応楽しみすぎるw
0538名無し草
2008/05/22(木) 22:13:17ファシル→親父居る(・∀・)ヤター→親父死んだ鬱だ死のう→【死亡】
ジュリア→ヴェーヌ居る(・∀・)ヤター→ヴェーヌ死んだ鬱だ死のう→【死亡】
ミーウ→ヴェーヌ居る(・∀・)ヤター→ヴェーヌ死んだ鬱だ死のう→【死亡】
アムンゼン1→スコット居る(・∀・)ヤター→スコット死んだ鬱だ死のう→【死亡】
松井司→親父居る(・∀・)ヤター→親父死んだ鬱だ死のう→【死亡】
松井哲也→親父居る(・∀・)ヤター→親父死んだ鬱だ死のう→【死亡】
と、名簿を見て放送後にこうなる平和的な方々ばかりなら良いのですが……
0539名無し草
2008/05/22(木) 22:15:110540名無し草
2008/05/23(金) 01:14:440541 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:22:290542南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:23:26男が椅子をゆらしながら愉快そうに笑う。
これまでにどれほどその笑い声を発しただろうか。
「フフ……フフフ、状況はどうなっていますか」
この悲劇の殺戮劇を主催した男、アルベルト・ハインリヒは後ろで待機している助手に突然そう尋ねた。
「坂木杏とアムンゼン1が、坂木蕗とアムンゼン2が、やや遅れて坂木檀とアムンゼン3がそれぞれ接触したようです。
現在はアムンゼン1組が花子と戦っている模様です」
助手は突然のアルベルトからの問いに、やや緊張しながら答えた。
彼の機嫌を損ねたら、助手といえど処刑されるかもしれない。
この実験に反対して見せしめとして殺された博士の妻、アルムート・ハインリヒのように。
妻と違い、助手なんてものはそれこそ腐るほど替えがきくのだから。
アルベルトは助手の言葉に満足そうに頷く。
「フフフフ……予定通り、という事ですね……フフ」
「予定通り……ですか?」
アルベルトの言葉に助手は疑問を覚え、思わず聞き返した。
助手の反応も想定通りという事なのだろう。
嫌な顔一つすることなく口を開く。
「ええそうです。フフ……この実験の参加者の初期位置や支給品など、一部だけ私が手を加えているのでね……フフフ」
その言葉に助手は驚きをあらわにする。
助手達は一同、全てがランダムに決められていると思っていたからだ。
「フフフフ……驚きましたか? ですが当然の事です……フフフ、フフ」
ここでやっと椅子から立ち上がり、助手の方へ振り向く。
そして大げさに両手を広げ助手に向かいながら、説明を続ける。
「君もモルモットの動向を見ていたのですから疑問に思うこともあったでしょう?」
そうだろう? と顎で助手の答えを促すアルベルト。
助手は心当たりがあったのか、頷いて答える。
「偶然にしてはあまりにも出来すぎだ……とは思うこともありました」
しかしそれを口にするのも躊躇われたため、今まで誰にも言わなかった事だ。
変な事でいちゃもんをつけたと処刑されるかもしれないと思ったからだ。
自らの妻の爆殺というのは、それほどまでに彼の狂気を感じさせた。
0543南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:23:48なぜアムンゼンが全員都合良く坂木兄妹に出会った?
なぜ容姿を武器にできる松井一家が全員都合よく毒を支給されている?
電波な鈴木次郎の妄想が実現したのは本当に偶然か?
血の気の多く銃の経験を持つジュリアに二挺拳銃が支給されたのは?
人の集まる中央の市街地付近に、最も危険な後藤戦がいるのは?
他にも都合が良すぎると思ったことがあるでしょう?
なぜなら全て私の演出だからですよ……フッフフフフッ」
心底楽しそうにアルベルトは笑った。
助手はその様子に恐怖を抱かないでもなかったが、素直に疑問を口にする。
「なぜ……そんな事を?」
「フフフフ、殺し合いを加速させる為ですよ。
殺し合いに乗った人物が、いい武器を支給されなかったら意味がないでしょう?
だから殺し合いに乗りそうな人物に都合のいい武器を支給しました。
もし初期位置をランダムにして、一箇所に殺しあわない者が集まり、別の一箇所に殺しあう者が集まってしまったら?
片や大集団が出来上がってしまい、殺しあった末ボロボロになった者では勝てませんよね?
そんな偶然あるわけがない? 偶然が起こってからじゃ遅いんですよ。
だから危険人物の近くに、殺される事を期待した生贄を配置しました。
アムンゼンに対する兄妹同士の見解が違かったらどうなるでしょうね。
平行世界の別人だと分かっても、襲われた側は同じ姿である以上そう簡単に心を許せないでしょう。
ささいな事でも積もり積もれば山となりますからね。
現に死者は続々と出ているでしょう?
勿論全部が全部に細工しているわけではありませんがね、フフフ、フフフフフフ」
一息に喋って、息をつく。
そしてUターンをして、椅子に戻りながら続ける。
0544南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:24:05ですがたくさんの死者が出てしまえば殺し合いをせざるを得ないんだと少なかれ思うでしょう。
第一そんな私に都合のいい展開が起こるわけないでしょう。漫画や小説じゃあるまいし。
逆に考えればそういう物語ならありえるわけです。ですからある程度のシナリオを自分で作っておいたんですよ。
言わば私はこの殺し合い実験の書き手というわけですね。フフフッ」
その言葉を最後に椅子へと座り、助手へと言葉を発するのをやめた。
そして再びその場にアルベルトの狂った笑い声だけが響いていった。
◆ ◆ ◆ ◆
襲ってきたゴリラを返り討ちにしてから直ぐの事、まあ俺が倒したわけじゃないんだが。
俺達は……いや、アムンゼンはゴリラの説得を行なおうとしていた。
俺はここに置いていった方がいいと思ったんだけどな。
流石にこのまま放置して誰かに殺されたら後味悪いから、草叢とかに隠したりしてだが。
それにこの実験のルールを理解しているとは言え、俺たちにこのゴリラの言葉を理解するのは不可能だ。
例えゴリラが改心したとしても、どうやってそれを判断するつもりなのか。
まさかゴリラ語まで話せるという訳でもないだろう。
兎も角だ、俺はそう言った理由で説得には反対なわけだ。
でもアムンゼンはどうしても説得を行ないたいと主張する。
少しでも手を取り合わなきゃ殺し合いは止まらない、からだそうだ。
まあ言いたい事は分かるけど、わざわざ危険分子を取り込む事はないと思うんだけどな。
せめてゴリラの荷物を没収しようと思ったら、それも止められた。
なぜか理由を聞いてみたら、そんな事をしたら説得ではなくてまるで脅迫だ、からだそうだ。
もし何かの拍子で枷が外れたらどうするつもりだろうか。
あのゴリラが支給品を使ってくる様子がなかった事から、使えないものだったんだろうとは思うけど。
それでも念を押しておく事は悪い事ではないはず。
でもアムンゼンがそう言うのなら仕方がない。
0545南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:24:34例えゴリラが再び襲い掛かってきても、何とかなる自信があるのだろう。
だから俺はゴリラをアムンゼンに任せて、さっき確認し損ねた名簿を見ようと、落ちている名簿を拾った。
やはり予想通り、名前はどういうわけか浮かび上がっていた。
端からじっくりと確認してみる。
「えっ!」
一番最初に発見した知っている名前は、なんとあのアルベルト・ハインリヒだった。
自らこの実験に参加しているというのだろうか。
何故だ、自らが参加してこそ意味のある実験なのか?
命の危険を冒してまでする意味のあるものなのか?
いくらなんでも、この実験に無理矢理参加させられた人達があいつにどんな感情を持っているかなんて分かるはずだ。
それとも幾ら俺たちが束になって掛かってこようと何とかできる自信があるのだろうか。
まあ今はアルベルトの考えている事が分からない以上、保留するしかない。
「そんな……」
次に目に入った名前は、泉和哉、泉遥の姉弟。
和也の方とは面識がないとはいえ、泉がよく話をしてくれたので知っている。
少し生意気でゲームばっかりやっているが大事な可愛い弟だ、と。
確か聞いた話では小学生だったはずだ。
そんな小さな子供にまで殺し合いを強いるなんて……。
どう考えてもこの実験で子供が生き残っていく事なんて無理だ。
見つけたら泉の為にも保護をしてやらないといけない。
0546南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:24:51頭にお花畑が浮かんでいるような思考を持つ可愛い女の子。
一緒にいて心が安らぐ大切な親友の一人。
もしかしたらと予想はしていたとはいえ、そんな彼女がここにいるのだ。
あいつは、もしかしたらいつもの妄想だと思って現実逃避をしているのかもしれない。
絶対に現れない白馬の王子様が助けに来てくれる、なんて思ってのんびりしているのかもしれない。
既に、誰かに襲われて、もう殺されているのかもしれない。
次々と焦燥が募ってくる。
続いて、織田信長。
アムンゼンの幽霊がいるくらいだ、信長の幽霊がいてもおかしくないのだろう。
だが彼は戦国時代の人間、殺し合いに躊躇はないかもしれない。
泉達が信長のような修羅場を潜った人間に襲われたら一たまりもないだろう。
心配が尽きない。
坂木杏……俺の名前だ。
命の危険はあったが、なんとかまだ生きている。
アムンゼンがいなかったら死んでいたかもしれない。
「……ッ!」
その次の名前を見て、俺の心臓が鷲掴みにされた気分になる。
「檀、蕗!」
坂木檀、坂木蕗。俺の大切な妹達だ。
0547南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:25:07その性格が災いして知らない人に迂闊に近づいて騙されたりしてないだろうか。
泉と出会えていればいいんだが。
あいつらは親友だ。親友に出会えたというだけで力も出てくることだろう。
探す手間が省けるというのもあるが、そんな都合のいい事はないだろうな。
外では強がっているものの本当は弱い蕗。
突然こんな事に巻き込まれて怯えているに違いない。
恐怖に自分を見失っていたりしていないだろうか。
早く会って安心させてやりたい。
他に坂木家の名前は無い。
両親がいなかったのだけが唯一の救いだが、それでも二人の名前が載っている事実は、俺にとって非常に辛いものだった。
みんなアムンゼンのような善良な参加者に出会えていればいいのだが。
いかにしっかりした妹達とはいえ女の子。心配はつきない。
頼む、二人とも俺に出会うまで無事で居てくれ……!
「まさか!」
次に、その名を見て俺は驚いた。
一一一、現総理大臣だ。
この特徴的な名前は一度見たら忘れない。
誰よりも国民を思い、誰よりも国民の為に努力した歴代最高の総理大臣と呼ばれる男。
そんな彼ならこの実験を破壊する方向で動いているだろうと思う。
0548南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:25:18日滝菅彦。俺の高校の数学教師。
外見や言動から柄が悪そうに見えるが、本当は生徒を第一に思う心優しい教師。
俺も色々と相談に乗ってもらったりした事もある。
俺たちなら先生が殺し合いに乗ることなんてないと知っている。
だけど先生の外見や口調で、色々な不和を巻き起こしていたりしないだろうか……。
見た目がヤクザなだけに、変な勘違いをされて襲われているかもしれない。
だが、もし出会えたら確実に力になってくれるだろう。
次はピタゴラス。
アムンゼンや信長のように、やはり幽霊なのだろう。
松井垂加、松井司、松井哲也。
凪の家族だろうか。
凪が家族の事を話していたのを聞いた事がないため分からない。
あいつは男を、しかもなぜか特別俺を嫌っているから、仕方ないが。
もし話しているとしたら檀達にだけだろう。
桃太郎。
御伽噺の登場人物まで参加しているのか。
御伽噺通りだとしたら実験になんか協力しないだろう。
仲間にさえなってくれたら心強いことこの上ないだろう。
なんといっても鬼の群れを退治できるほどの強さなのだから。
檀達が彼のような人物に保護されていたらいいのだが。
0549南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:25:33それは3つ並んだロアルド・アムンゼンの文字。
2つなら誤植という可能性もあるのだろうが……。
誤解をさせる為に同姓同名を集めたというのも考えられるが。
念のためにアムンゼンに報告してみよう。
最後にスコット。ロバート・スコット。
アムンゼンのライバルだ。それ以上は知らない。
これで俺の知っている名前は全部だ。
俺たちのグループの中で、久司や凪だけはいない。
それだけは喜んでいい事なのだろう。
もし久司がいたら、ここでも馬鹿みたいに「筋肉イェイイェーイ」なんてやって変態にでも間違われていたかもしれない。
いや、これはアイツを馬鹿にしているわけじゃないぞ。
ただアイツはそういうキャラだからな。
それに凪がいたら、ここぞとばかりに近づく男を始末しようとするかもしれない。
特に俺なんか真っ先に命を狙われそうだ。
ハハッ、流石にそれはないか。
あいつらの事を考えていたら少しだけ元気が沸いてきた。
しかしアムンゼンの言うように本当にアルベルトを倒すなんてできるのだろうか。
総理大臣すら簡単に拉致でき、死者すら呼び出すこともできる程の相手を。
俺には、倒さないまでも脱出すら不可能に思えてくる。
俺はどうするべきなのだろうか。
脱出が無理だからと言って妹達の為に殺し合いをするのか?
一人しか生き残れないのに?
一人以外みんな切り捨てるのか?
そんな決断、俺にはできっこない。
だけど、もし檀、蕗、泉の内誰か二人が死んでしまったら、俺は殺し合いに乗ってしまうのだろうか。
0550南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:25:46それより今はアムンゼンに名簿の事を知らせよう。
「アムンゼン、ちょっといいか!」
◆ ◆ ◆ ◆
目の前にいる男が説得のつもりか色々と言葉を投げかけてくる。
もう片方の男はなにやら後ろで何かを呼んで、時たま驚きの声を上げている。
目の前の男は一回だけ声に反応して後ろを見たが、男が読んでいるものを見ると納得したのか次から反応せず説得を続ける。
「ハッハッハ、ユーがなんの為にあのクソヤロウに従うのかは分からないけど、殺し合うなんて馬鹿げてると思わないかい!?」
「ウホォーーーーーーーーーーッ!」
馬鹿げているとは思う。
思うけど、もう一度愛する家族の顔を見る為には殺しあうしかないのだ。
そうでもなきゃ誰が人を殺そうとなど思うものか。
「ここに何人いるのか知らないけど、ミー一人にやられてる程度の力じゃ到底最後の一人になるのは無理だと思うよ!」
「ウホッ、ウホーーーーーーッ!」
そんな事分かっている。
でも例えどれだけ道が細くとも、その先にしか希望がないから進むしかないのだ。
「また誰かに挑んで返り討ちにされて殺されるより、ミーたちと一緒にあのクソヤロウを倒す方がよっぽどマシだと思うけどね!」
「ウホッ、ウホッ!!!」
そんな事ができるわけがない。
あっちはいつでも首輪を爆破させる事ができるのだ。
そんなリスクを負うよりも殺しあった方がよっぽど勝ち目がある。
「ハッハッ、大丈夫だよ! 一人じゃ無理でも力をあわせれば何とかできるさ!
南極の冒険も皆で力をあわせたから出来たんだよ!
杏とユーとミー、それに他のみんなであのクソヤロウを倒そうじゃないか!」
なぜそんなに気楽に考える事ができるのか。
何でこんな呑気な相手にすら負けてしまったのだろうか。
悔しかった。このままじゃ、本当に二度と家族に会えなくなってしまう。
0551南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:25:56殺人を犯す決意は既にある。
あとは力さえあれば、この男を、他の人間を殺せるのに。
悔しい。力がもっと欲しい。この男を殺せる力が欲しい。
そう願うと、何やらどこかから力が湧いて来た。
この力の源は何なんだろうか。
分からないが、そんな事はどうでもいい。
ただ力が手に入る事が重要だった。
もっと力を願う。不思議な力が加わる加わる。
これならこの男を殺せるかもしれない。
「アムンゼン、ちょっといいか!」
その時後ろの男が声をかける。
その声に目の前の男は振り向く。
すっかり隙が出来た。
拘束しているのだから大丈夫だと思っているのだろう。
だけど漲っている力なら溶けかかっている事もあり、こんな拘束簡単に外せる。
「ちょっとこの名簿を見てほし―――危ない!」
「ウホオオオオオオオオオオオオオオォォォォッ!」
雄叫びを上げ突進したのと、男の注意の声は同時だった。
その声に反応した髭の男が振り向いて転がって避けようとするも、辛うじて豪腕が男の顎を掠める。
「ほう、氷の枷を外すとは!!
益々ユーには仲間になって欲しくなった……よ!?」
転がった勢いで立ち上がった男は、そう言いながら尻餅をついた。
「アムンゼン!?」
「ハッハー、さっきので脳を揺らされたみたいだね!」
陽気に振舞いつつも、フラフラする男。
なんだか分からないがチャンスだ。
「くそっ!」
若い方の男がこっちに向かって走ってくる。
0552南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:26:10両手を組み、ハンマーのように振り上げて、一気に振り下ろす。
だけど一瞬だけ早く、髭の男の襟が引かれる事で髭男の命が永らえる。
「アムンゼン、逃げるぞ!」
ボードを取り出して、逃げようとする二人。
だけど折角見つけた獲物、みすみす逃すつもりはない。
襲撃の時と同じように顔ほどの大きさの岩を滑りながら離れていく男達に投げる。
しかし岩は思いのほか大きく飛び、男達の随分と先に飛んでいった。
まだ突然湧き上がった力に馴れないようだ。
今は確実に仕留める為に己の拳で仕留めよう。
「どうする、このままじゃ逃げられないぞ」
「杏、いい考えがある」
男達はそう言うと屈んで何かをし始める。
土下座か何かだろうか。
だとしても見逃すつもりはない。
「ウホホホホホーーーッ!」
この先の勝利を予想して雄叫びを上げる。
すると男達は、今度は逃げるではなくこちらへ滑ってくるではないか。
死を間近に恐怖にいかれてしまったのだろうか。
ならば痛みを感じさせること無く殺してあげよう。
元々人間に恨みがあったわけではなかったのだから。
拳を握り締め、迎撃の用意をする。
すると髭男が苦し紛れか三角形状の氷の塊を放ってくる。
が、それはこっちに届くことなく地面に落ちる。
余りにも哀れな抵抗だ、さっさと終わらせてあげよう。
そう思い腕を振り上げた瞬間、男達はボードに乗ったまま空に飛ぶ。
驚きに思わず硬直するも、そのままこっちに突っ込んでくる男達を見て我に帰る。
突撃してきたところで関係ない、そのままカウンターをすればいいだけだ。
ボードごと殴り飛ばそうと腕を前に振りぬこうとするが、その時ボードがキラリと光ったのを見た。
良く見るとボードのフレームの前部分に氷がついていて、その先端は刃物のように尖っている。
0553南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:26:21また、ボードも先端についていた氷だけ砕けた。
「ウホオオオオオオオオオオオッ!!!」
冷たさと熱さが混同した痛みに思わず叫び声を上げる。
だがそれだけに留まらず、砕けた氷が破片となってさらに襲ってきた。
腕で目を庇うも破片のいくつかがチクチクと刺さって地味に痛い。
破片の襲撃が止まって目を開けたときには男達の姿は追っていけないほど遠くに消えていた。
◆ ◆ ◆ ◆
「まさか食料のサンドイッチを凍らせてジャンプ台にするとはな。
それにローラーボートに氷の刃か、よく考え付いたな」
もはやアムンゼンが冷気を吐いて氷を作れることには突っ込まない。
そういうものなのだろうと思うことにした。
「ハッハッハ、使えるものはなんでも使うのが冒険家というものさ!」
アムンゼンはまたもや親指を立ててニカッと笑う。
流石に危険地を冒険する有名な冒険家だ、少し見直した。
やっぱり知り合いと無事に会うにはこの男の協力が必要かもしれないな。
俺一人だったら命がいくつあっても足りないことをよーく思い知らされた。
「杏、次に会った時は説得に応じてくれるといいなあ!!」
訂正だ、やっぱり一緒にいても命足りないかもしれない。
【B-4 森の中/1日目 午前】
0554南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:27:01【装備】:なし
【所持品】:支給品一式(不明支給品なし)、透視スコープ
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:妹や友人達に会いたい
1:アムンゼンと今後の方針について話し合う
【ロアルド・アムンゼン(その1)】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式(不明支給品なし) 、ローラーボード(氷のエッジ着き)
【状態】:脳が揺られてちょっとフラフラ
【思考・行動】
基本:アルベルトを倒す
1:杏と一緒に、アルベルトを倒すための仲間と武器を探す
【B-4 森の中/1日目 午前】
【花子】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式 不明支給品0~1(少なくともゴリラに理解できるものではない)、※闇のお守り
【状態】:片方の拳に裂傷
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗る
1:獲物を探す
※闇のお守り
モゲラッチョ・ヨモギーノに加護を与えしヘル海サタン美のお守り。
持っているだけで、所持者の悪意に反応して有限に力を与える。
悪意が強ければ強いほど力が湧くが、善意が強くなると途端に力が弱くなる。
0555南極を制す者は氷をも制す ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 01:28:000556名無し草
2008/05/23(金) 01:34:05まさか主催関連から入るとは思わなかったんで度肝を抜かれましたw
なんというサプライズ。
アムンゼン1はやっぱり頼りになるキャラだなあ…。
花子のお守りもヤバい代物だし、色々ネタの膨らみそうな作品でした!
ってよく見たらピタゴラス勘違いされてるw
0557名無し草
2008/05/23(金) 01:44:34うん、それなら納得できるな。かなり上手いと思った。
0558悪意はそっと、毒のように
2008/05/23(金) 02:13:14ゆっくりとそちらを向いた花子の視界に入ったのは、一人の人間だった。
「―――気に入らんな」
脂臭い獣の毛皮を纏ったその人間は立ち去ったはずの敵、氷を使う男。
何をしに戻ってきたのかは知れない。
ただ男は何か、黒い棒のようなものを持っているのがわかった。
近づけばまた氷を使ってつまらない小細工をするに違いない。
投石で始末してやろう。そう考えると、花子は手近な石を探し始める。
「気に入らん。獣如きと心を通わせる? ……下らん、実に下らん幻想だ」
ぶつぶつと呟く男。
その表情に浮かぶ憎しみ、そして嘲りの色を嗅ぎ取って、花子はグルル、と唸りを上げる。
やはりこの男は敵だ。先ほどとは様子が違うが、人間など所詮こんなものだ。
殺してやる。そう考えて、ようやく探し当てた石を握り締めた、瞬間。
―――パン。
乾いたような音がして、花子の視界が黒一色に染め上げられた。
「グォォォアアアアァァァァァァァァァ―――ッッッ!」
その、悲鳴に近い咆哮は、花子自身の牙の間から漏れたものだった。
遅れて痛覚がやってくる。
顔の全体が、途轍もない痛みを発していた。
分厚い毛皮に覆われた胸から上、剥き出しの顔に、小さな何かが無数に埋まっているのがわかった。
「ゥウゴォォォォッッッ!!」
思わずそれを穿り出そうとして傷を掻き毟り、花子はまた咆哮を上げる。
ぬるりとしたものは、血であろうか。
目が見えない。鼻が利かない。辛うじて、耳は生きていた。
その生き残った聴覚に、音がもう一つ。
―――パン。
先ほどと同じ、乾いた、音だった。
0559悪意はそっと、毒のように
2008/05/23(金) 02:13:26三度、咆哮が漏れる。
顔に埋まっているのと同じ、小さな無数の何かが、花子の足から感覚を奪っていた。
どうしてそんなことになったのか、花子にはわからない。
わからない、わからないが、いま感じている痛みと喪失は目の前に立っている人間がもたらしたものだという、
それだけは間違いがなかった。
「……獣には、獣らしい扱い方というものがあるだろう。なあ、もう一人の私?」
黒に染まった視界の中、人間の声が聞こえる。
憎い、憎い声だ。
殴り殺そうとして、後ろ足が動かないことを思い出す。
流れ出す血が、花子の全身から力を奪っていく。
「ふむ、名簿によれば……私はもう更に一人、いるのだったな。やれやれ……面倒なことだ。
だがまあ、探知機があればどこにいようと追うのは容易いこと―――」
足音が、遠ざかっていく。
待て! 声は声にならない。
握り締めた石を、思い切り投げる。
重い音がして、しかし男の足音は止まらない。
「私が犬どもの汚らしい牙に臓物を食い荒らされたというのに、獣と手を取り合うだと?
愚かなことだ。実に愚かなことだ。そんなものの存在を……許せるはずもない、な。
ただ殺すだけでは飽きたらん……見ていろ、この世の地獄というものを教えてやる……。
私には、私より酷い目に遭ってもらわなければな……クク、クククク……ハハハハハ!」
笑い声と共に遠ざかっていく足音は、やがて消えた。
真っ暗な視界の中で、花子は思う。
―――殺してやる。
殺してやる、殺してやる、人間は全部、殺してやる―――!
どろり、と渦巻くものが、花子の中に生まれた。
真っ黒で、ねばねばしたそれは、出血で力を喪っていく花子の心臓の真ん中で、ぐるりぐるりと廻り始める。
樹の脂のような、黒く粘つく何かが、血の代わりに花子の血管へ流れ出す。
ぐ、と腕に力を込めると、これまでにないほどの力が湧き上がってくるような感覚。
ゴォ、と一声吼え、振り上げた腕を、大地へと振り下ろす。
轟音と共に、森が、軋んだ。
0560悪意はそっと、毒のように
2008/05/23(金) 02:13:44【ロアルド・アムンゼン(その2)】
【装備】:SPAS12、勇者スポポロスの剣
【所持品】:支給品一式、手斧、首輪探知機※1、
【状態】:両足に軽い凍傷
【思考・行動】
基本:参加者を皆殺しにして、再び永遠の眠りにつく
1:平行世界の自分を苦しめて殺す
2:見かけた人間を手段を選ばず殺す
3:少女なら犯した後に殺す
【備考】※1首輪探知機
主催側が用意した支給品。
名簿の番号と照合して使うので名簿が浮き出るまでは使えません。
【花子】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式 不明支給品0~1(少なくともゴリラに理解できるものではない)、※闇のお守り
【状態】:顔面と後ろ足に散弾、失明。出血多量。片方の拳に裂傷。闇のお守りの加護で生命維持・能力激増
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗る
1:自分を傷つけた人間(アムンゼン)を真っ先に殺す
2:人間達を皆殺しにする
※闇のお守り
モゲラッチョ・ヨモギーノに加護を与えしヘル海サタン美のお守り。
持っているだけで、所持者の悪意に反応して有限に力を与える。
悪意が強ければ強いほど力が湧くが、善意が強くなると途端に力が弱くなる。
0561名無し草
2008/05/23(金) 02:15:03アム1死んでたら没行きだった…
0562名無し草
2008/05/23(金) 02:20:05にしても早いなと思ったら…プロット先読みで書いてたの!?
なんというか…ダーク進化花子爆誕、乙!
0563名無し草
2008/05/23(金) 02:33:34あ、けど一応ショットガンの残弾数とか記載しておかないとまずくない?
0564悪意はそっと、毒のように
2008/05/23(金) 02:41:27すみません、アム2の状態表を以下に修正します。
【装備】:SPAS12(4/8)、勇者スポポロスの剣
0565 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 02:46:38では墓凪可憐、坂木蕗で予約ということで…ちょっとした修正の後、すぐ投下します。
0566幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 02:58:430567幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 02:59:15ぽつり、ぽつりと坂木蕗が口を開き始めたのは、歩き出してしばらくしてからのことだった。
それはきっと良い傾向なのだろうと思いながら、墓凪可憐は静かに相槌を打つ。
「そうなんですか」
「うん。それでね、お兄ちゃんは図書委員長さんで、」
からからと、車輪の音が響く。
背後で車椅子を押す少女の表情に笑顔を取り戻してあげられればいいと、可憐は思う。
学校の話。それはきっと、目の前の現実を忘れるための話題なのだろう。
それでいい。自分を取り戻せるまで、現実を直視する必要はない。
今は自分が傍にいる。現実を二人分、見ていればいい。
自分の身を守るために戦うことは、できないかもしれない。
けれど、この少女を守るためにできることを探すのなら、できる気がする。
それは拙い自己保身。弱い心を奮い立たせるための偽善。そんなことはわかっている。
だけどそれすらしなければ、自分はきっと、壊れてしまっていただろう。
この少女を守る強い女性、そんな自分の虚像にすがらなければ、私は私を保てない。
今はそれでいいのだと、可憐は内心でそっと頷く。
それが自分とこの少女とを立ち上がらせ、こうして歩ませるだけの力になっていることは、
それだけは、間違いないのだから。
「それでね、お兄ちゃんと同じ図書委員の遥って子がいてね。
すっごく仲良さそうなのに、ふたりとも付き合ったりなんて絶対しない!
……っていうんだよ、怖い顔して。おかしいの」
0568幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:00:02「ふうん。蕗ちゃんは、彼氏さんとか……いないんですか?」
「え……」
軽い合いの手のつもりだった。
しかしそれきり、蕗の声が止まった。
「……」
「……」
ええと、と可憐は内心の動揺を抑えきれずに顔に出しながら、思う。
何か触れてはいけないスイッチに触れてしまったのだろうか。
「あの……」
「私は、」
沈黙に耐えかねて口を開こうとした可憐の言葉を遮るように、蕗の声がした。
「私は……、お姉ちゃんみたいに、キレイじゃないし。……変な趣味もあるし」
わざわざ振り向かなくとも、弱々しく苦笑する表情が目に浮かぶような、それは声音だった。
そんなことはない、とでも言うべきなのだろうか。
それともつい先ほど出会った自分などが下手な慰めをしたところで逆効果だろうか。
可憐が迷っている内に、蕗の言葉は続く。
0569幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:00:25「どんな人なんですか?」
すかさず拾い上げる。
ああ、本当に、内気で人見知りな自分はどこに隠れてしまったのだろう。
この子を守っている内は、どこまでも強く優しい自分であれるのかもしれない。
そんな可憐の内心を知らず、蕗は照れたように言う。
「えっとね……。お姉ちゃん、風紀委員さんなんだけど……同じクラスの人でね、
ちょっと困った人がいるっていつも言ってるの。あんまり学校に来ない、って」
「……登校拒否、ですか?」
「ううん、そういうんじゃなくて……」
背後で慌てて手を振るような気配。
「えっと、なんだろ、……不良?」
「番長さんですか?」
「……?」
「こほん」
言い間違えたふりをして、咳払いを一つ。
「……チーマーの人ですか?」
「……え?」
戸惑ったような、というより少し引かれたような声。
いけない、少しイメージが古かったかもしれない。
などと二十代半ばらしからぬことを考えつつ、蕗の言葉を待つ可憐。
0570幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:00:49「はあ」
なかなか話が見えてこない。
「……で、その人がよくお姉ちゃんと言い合い、してるんだ」
「……」
見えてこなかった話が、一言で繋がった。そんな気がした。
その、照れたような、少し震えるような声には、少女の色々なものが詰まっているように、可憐には感じられた。
きっと今、少女の脳裏のスクリーンには、姉とその少年とが交互に映っているに違いなかった。
自分よりも綺麗だという姉。その姉と、言葉を交わす少年。
それがたとえ本当はどのような言い合いであれ、少女の耳には違った風に聞こえるのだろう。
実際のところそれは、真の意味での恋愛感情ではないのかもしれない。
少女の淡い想いは、姉に対するコンプレックスとない交ぜになった恋への憧れに過ぎないのかもしれない。
しかしそれを口にするほど、可憐は愚かではなかった。
代わりにただ静かに頷いて、一つだけ訊ねた。
「……その人のお名前は、何と仰るんですか」
「え、……えぇっと……」
蕗の足が止まる。
車椅子も、止まる。
もじもじと指をすり合わせる気配。
「……たかはら、くん」
0571幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:02:05覗き見れば、頬を染めたその表情には小さな笑顔があった。
そのことに、可憐は安堵する。
これなら大丈夫。きっと少女はすぐに、自分の足で歩けるようになる。
それまで、傷が癒えるまでのほんの少しの間でいい。
何も起こらずにいてくれれば、坂木蕗という少女は立ち直れる。
―――だから神様、どうか。
もしかしたら。
可憐の祈りは、天に届いたのかもしれない。
しかしその祈りを耳にした神はきっと、醜悪な顔を歪めて、ひどく面白そうに、頷いたのだろう。
二発の銃声、そして凄まじい咆哮が森に轟いたのは、その瞬間のことである。
0572幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:02:22【墓凪可憐】
【装備】:李飛龍の青龍刀
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。
1:蕗を守る
2:蕗の家族を探しながら脱出する方法を考える。
【坂木蕗】
【装備】:なし
【所持品】:なし
【状態】:疲労 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:死にたくない……
1:可憐についていく
2:兄(杏)と姉(檀)に早く会いたい
0573幻想 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/23(金) 03:03:53>>561
結構焦りましたが、逆にネタが膨らむ感じがして面白かったです。
こういうリアルタイム性も無予約ロワの醍醐味ですね。
0575名無し草
2008/05/23(金) 03:13:40これはいい鬱展開フラグ…
0576名無し草
2008/05/23(金) 06:57:42>>542-554
乙。
花子がシリアスなキャラになっとるww
つーか久司そんなキャラだったのかw
>>558-560
乙。
アムンゼン2もやばいけど何気に花子もやばくなってきたなw
>>567-572
乙。
蕗……なんて報われない子。
そしてそっちに行っちゃらめえええ!!
0577名無し草
2008/05/23(金) 06:58:360578名無し草
2008/05/23(金) 08:44:420579名無し草
2008/05/23(金) 09:32:450580名無し草
2008/05/23(金) 09:55:260581名無し草
2008/05/23(金) 12:20:45※未予約早朝組
蒼井燕、鍵谷絵理花
アリス・ナイラーザ、真多秋生
坂木檀、ロアルド・アムンゼン(その3)
一一一、泉遥
狭霧嘉麻屋
鈴木万吉
※まだ追加パートの必要そうな午前組
ゴキブロス、鈴木次郎 (+後藤戦?)
花子 (+アム1、杏?)
墓凪可憐、坂木蕗
※追加パートがあった方がいい? と思われる午前組
李飛龍、周参見椿、ミーウ
ピピン
早朝組は蒼井・絵理花組を初めとして状況的に切羽詰ってる面子が少ないし
ある程度放置でもいいと思うけど、繋ぎがあると嬉しいな。
万吉だけはダーク花子の騒動に巻き込まれそうか。
あとはゴキと邪気眼の顛末、それからやっぱり北西の火種だね。
0582名無し草
2008/05/23(金) 12:36:21花子周辺はこのまま放送跨ぎでもよさそうな……
ゴキブロス組はさすがに必須か
0583名無し草
2008/05/23(金) 16:02:57早朝組は各パート1、2レスくらいでも欲しいな
俺も考えよう
0584名無し草
2008/05/23(金) 16:41:56ジョーカー投入なしでも主催の戦力にするとか
0586名無し草
2008/05/23(金) 17:22:470587 ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:49:550588勇者ファシルが通る! ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:51:29「ばかな! 俺が遅い? 俺がスロウリイ?」
一人と一匹の壮絶な鬼ごっこが続く。
「そうだよ! テメェはのろまだ! 逃げ脚ナンバー1の実力見せてやるよ!」
「くっ! ゴキブリのくせに生意気な!!!!」
(あと少しだ! あと少しであの化け物の元へ行ける!)
ゴキブロスの必死の行動はついに実を結ぶ。
「……む、今度は触手か! また新しい欠片を持つ者が現れたようだな!」
ずるりと現れた後藤へファシルは目標を変更する。
「泣け! 喚け! ひざまずけ! 必殺! ルシファー・アイッ!!!!」
効果が現れない。
ずるずると進む後藤に対し、ファシルは苦悶の表情を浮かべる。
「効果がないだと……ちっ、力を使いすぎたか。これ以上使うとルシファーに飲み込まれてしまうな。
……まあいい。 だが俺の力をこれだけじゃない! これならどうだ!」
振り降ろした電動のこぎりの一撃が後藤に突き刺さる。
ずるりとした感触とともにあっさり切りさく。
「くっくっく。どうだ! この一撃……なっ!」
しかし、後藤の傷はすぐに癒えてしまう。
再生直後、後藤の触手が束になったまま急速に伸びファシルに迫る。
0589勇者ファシルが通る! ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:52:17伸びてくる触手を電動のこぎりで切り払いファシルは距離をとる。
その直後、後藤の近くにある新しい事実を発見する。
「なるほど……こいつ、すでにルシファーの欠片を2つもっていやがるな」
フクロウを人型にしたような死体を見つけ、確信する。
「おもしろい。燃えてきたぜ!」
ファシルはじりじりと距離をとりながら、相手の隙を見定めようとする。
しかし、
「くっ……見つからねぇ」
散発的に届く触手を切り払いながら毒づく。
「隙がない。なんなんだこいつは……!」
切り払い、距離をとり、再び切り払い。
何度も同じことを繰り返し、ついにファシルの息も上がり始めた。
「……強いじゃないか……っく! まだまだ俺には力が足りないというのか!
しかしこれ以上ルシファーの力を使うことはこの力にのみ込まれることになる。
っく! 俺はどうすればいい! 勇者ファシルとしてどうすればいい!!」
珍しくルシファーの声も聞こえない。
ファシルの声に答えるものはない。
はずだったが
0590勇者ファシルが通る! ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:53:52天からの声、いや、頭の上から声が聞こえてきた。
「てめえは……」
追いかけていたはずのゴキブリがそこにいた。
そのゴキブリはファシルへと語りかける。
「オレにはテメェが言っているルシファーの欠片なんて知らん。だがな……一つだけ言っておく」
「なんだ?」
「困難を乗り切るのは一人では難しい。頭のいいテメェならわかるな。必ずあの野郎のように倒せない奴が現れる」
「……ああ……そうだな」
「なら必要なのはなんだ?」
「……む?」
「仲間だ!」
「仲間だと……」
ファシルは衝撃を受けたように立ち止まる。
その隙に応じるように触手が伸びる。
しかし、その触手はゴキブロスが投げたチャクラムによって切り裂かれた。
「分かんねえか? 勇者って言うのはよ……。
ボス敵に対して集団リンチを加えていいという権利があるんだよ!」
「なるほど! よしならまずはここを引きルシファーの欠片を持つ者を仲間に加えるに行くぞ!」
「……そうだ、それでいい」
「む、なんだその間は?」
「な、何でもないぞ! では行くぞ仲間を探しに! ウシャシャシャシャ! 」
「おお! そうだな! 行くぞ勇者ファシルの第一の仲間……名前は?」
「……ゴキブロス」
「おお! ゴキブロスよ!」
一人と一匹は仲間となりて後藤から遠ざかる。
残された後藤は一人と一匹が遠ざかるのを追いかけず、再び死体の元に戻っていった。
0591勇者ファシルが通る! ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:55:06ファシルの頭の上でゴキブロスはごちる。
(いや……助けたんじゃねぇ。あの触手野郎をぶちのめすために利用しているんだ! そうだとも!)
意外とお人好しなのかもしれない一匹の苦悩をよそに、時間だけは過ぎていった。
【一日目午前 F-7 平野】
【ファシル(本名 鈴木次郎)】
【装備】:電動ノコギリ
【所持品】:支給品一式*3、ピピンの実験薬(空)、スパナ
【状態】:左眼、左腕、腹部負傷、右眼、右腕に幻痛、邪気眼覚醒?
【思考・行動】 基本:大魔王ルシファーの復活を防ぐ
1:堕天使の欠片を持つものが仲間になりそうなら仲間にする。
2:堕天使の欠片を持つものが襲い掛かってきたら倒す。
3:触手モンスターは必ず倒す!
4:あのペンギンと狐達は……?
備考:ルシファー・アイはしばらく使えないと思いこんでます。(思いこんでいるだけです)
【ゴキブロス】
【状態】:触手は千切れたが健康、色々と考え中
【装備】:マイクロカメラ
【所持品】:支給品一式、ポーション
【思考・行動】
1:ファシルに合わせておく
2:今はミーウのことを心配している
3:秋生と合流したい。
0592勇者ファシルが通る! ◆d3hAP9FFr2
2008/05/23(金) 19:56:04【後藤戦】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:なし
1:なし
2:なし
[備考]引き続きマイルズの死体を捕食し始めた。
鈴木イチロウの死体もそばにあります。
チャクラムもそばに落ちています。
投下終了です
0593名無し草
2008/05/23(金) 20:27:31ファシルwwww
ところで後藤紹介自分が書いたんだけど読み仮名書いてないことに気が付いた。
【後藤戦】(ごとういくさ)です。
0594ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 21:04:19殺すというのはこの場での絶対なるルール。
なら、悪を示す為にはどうすればいい?
簡単だ。
殺す時に、もしくは殺した後に少し工夫をすればいい。
罠を張っておくのもいいだろう。
奇襲をするのもいいだろう。
騙し討ちをするのもいいだろう。
拷問するのもいいだろう。
強姦するのもいいだろう。
死体を解体するのも、いいだろう。
それこそ方法など幾らでもある。
目の前の死体にも、今までのように同じ事をすればいい。
まず最初に行なったのは死体の服を乱れさせる事だった。
できるだけ乱暴に手で引き裂く。
血を吸った服がヌメヌメする。
上も、下も、ブラも、パンティもまるで乱暴をされたかのようにグチャグチャにする。
血の気が引いて真っ青になった女の顔が彩りを増させる。
もちろんこれだけで終わらせるつもりはない。
女の股を開き、私のモノの中から溢れてきた白い液体を女の中に注ぎこむ。
「フゥ……」
私は思わずため息をつき、液体の出終わった私のモノをしまう。
だがこれだけではデコレーションが足りない。
もっと悪を見せ付けなくてはならない、
やはり死体の内面も彩るべきだろう。
0595ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 21:04:32こぼれてくる脳味噌。
臓物やら血やらの嫌な匂いがプンプンとしてくる。
この匂いが他の人間をおびき寄せてくれるかもしれない。
次は女の目を指でくりぬく。
感触が気持ち悪い。
左目、右目をそれぞれくりぬき終わると、目玉を女の口の中に詰め込む。
開いた口から、両の目がこちらを見つめてくる。
本来目があった場所は何もない。
元は綺麗だった顔が最早見る影もない。
それでこそ私の残酷さが現れるというもの。
顔のデコレーションが終わったのなら次は身体だ。
内臓は既に殺したときに溢れている。
それを外に引っ張り出しやすく、腹を縦方向に裂く。
まるで解剖実験の標本のようだ。
胃と小腸を切り離し、腸を少年が逃げていった方向に限界まで伸ばす。
ようは道標代わりだ。
この広い平原、そういったものが合った方が早く死体を発見してくれるだろう。
腸が外に出て、空いてしまった腹の中。
その中を埋めるように、ノコギリで頭と身体を切り離し、頭を収める。
とりあえずはこんなものだろう。
最後に地面に私がやったという印を残しておく。
『記念すべき13人目の殺人 狭霧 嘉麻屋』
地面にその文字を刻み、これで完成だ。
0596ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 21:04:56あの少年が連れて来た者が見たらどう思うだろうか。
殺し合いを命ぜられた場所で、強姦を、もしくは死姦しただろうと思う相手はどう反応するだろうか。
ただ殺せばいいだけの場所で、ここまでの事をした私に対して相手はどう思うだろうか。
言うまでもない。
悪党、外道、変態、人殺し、狂ってる、生きる価値無し。
ありとあらゆる罵声をかけられる事だろう。
それでいい、それでこそ正義!
悪の私を殺すに値する正義!
死体への細工が終わり、暇になった私は名簿を見てみることにした。
私を殺す事になるだろう正義の名を確認してみるのも悪くないと思ったのだ。
私の目を惹いたのはコードネーム『シスター』と勇者スポポロスの名前。
前者は名前からして、どこかの暗殺組織の一員か何かだろうか。
国が私を殺すために雇ったのかもしれない。
そして後者。
なにせ勇者というくらいだ、期待が高まってくる。
しかしそれ以上に名簿の中で特に私の目を惹いたのは次の4名の名前。
アリス・ナイラーザ。
ニャルロット。
ポー。
リリー・アップル・塔野。
そうか、猫ヶ丘探偵団。君達もここにいたのか。
未だに覚えているぞ、彼女達と戦ったときの事は。
何せ私が目をつけた相手の中で、唯一殺せなかった相手なのだから。
0597ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 21:05:16私は名簿をしまって、空に叫んだ。
【I-3 平原/1日目 午前】
【狭霧 嘉麻屋(さぎり かまや) 】
【装備】:電動ノコギリ ベレッタ
【所持品】:支給品一式 ×2 不明支給品1~2
【状態】:心晴れ晴れ(チョコパン一個消費、ヨーグルトパンのヨーグルトだけ消費)
【思考・行動】
基本:正義の実在を証明するため、姑息に、残酷に、無惨に、手段を選ばず殺し合う
1:殺す相手を探す。
0598ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/23(金) 21:05:550599駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
2008/05/23(金) 21:21:50結局、あの少女を逃がしてしまった。
それはアリスにとってはかなりの痛手だったし、少女は自分達以外の他の参加者を狙うかも知れない。
少女が突っ込んで勝手に自爆する分には構わないが、それにより犠牲者が出ることが一番恐ろしいのだ。
そうなる前に何としても少女の情報を出来る限り他人に広めなければならないだろう。
それに、あの少女が一体どうして殺人を始めようとしたのかも気になったし、それにどうやって、何を使って自分達を殺そうとしたのかもアリスの疑問の内に入っていた。
しかしそれより何より、その少女をあの場で倒すことが出来なかった一番の原因に、アリスは頭を痛めていた。
「ネコ耳カチューシャぐらいいいじゃないっスか!」
「あなたもしつこいですわね!」
真多秋生。
この変態が居るせいでみすみす少女を取り逃がしてしまったようなものだ。
一人で居たならば、あの女を沈め、ここまでの後の心配をせずに済んだのに。
0600駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
2008/05/23(金) 21:23:37アリスは無理矢理秋生のデイパックを奪い、中身をあらかた地面に墜落させた。
秋生は凄まじいスピードで草原に飛び出したネコ耳カチューシャを回収する。
「な、なにをするんスか!」
「だからあなたの感情が今、何色かを……あら?」
アリスはたまたま目に付けた、一枚の長方形の紙の様な物に何か違和感を感じた。
確かあれは、自分のデイパックにも入っていた筈の、白紙の――
アリスは自分のデイパックからもそれを取り出し、秋生のそれとも併せて、見た。
両方とも何か、名前らしき文が羅列しており、その中には、アリスや秋生のフルネームすら記載してあった。
これは、つまり、名簿なのだろうか?
恐らく時間差で表示される仕組みだったのだろう(それにしても、何故?)。
名簿の中には、リリー・アップル・塔野や、その友人(だったっけ?)の芝西湊、それから何故かペットのポーに自らの師匠のニャルロットの名前まであった。
それはそれで、心強かったり襲われていたりしないか心配だったりで複雑だったのだけれど、しかしそんなことよりもアリスを戦慄させる、殊に重要な男の名前までが余計なことに載っていた。
0601名無し草
2008/05/23(金) 21:23:52いいねw狭霧 嘉麻屋のキャラはかなり好みだ。
残虐に理由があるのがたまらない。
0602駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
2008/05/23(金) 21:25:31狭霧嘉麻屋。
かつてアリス達をとことん苦しめた、凶悪犯罪者。
あと一歩間違えればアリスもリリーもニャルロットもポーも、既にこの世に存在しなかったかも知れない。
猫ヶ丘を恐怖の一週間に染めた男。
始まりは、五体がバラバラになった幼児がコンクリートの中に丸きり石詰めにされて、更にそれを粉々にしたものを猫ヶ丘幼稚園の庭に転がされていたことから(そう言えば葉松とか言うクラスメートがその事件を聞いて「おおっと」とか言って興奮してたけどあれは一体?)。
そして、アリス達は狭霧の存在を分かっていながら凶行を目の前で止める事が出来なかった。
アリス達の身近でデザイナーの女性が惨殺されたのだ。
そしてそれでアリス達が狭霧の事を調べている事に気付かれて――
警察に連行される時に見せたあの不気味な笑みは今もアリス達の脳裏にこびりついている。
どうして――どうして人を殺しておきながら、そして自分も直に裁きを受けると言うのにも関わらず笑っていられるのか――
0603駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
2008/05/23(金) 21:28:40その男が、この島に居る。
無論狭霧が当座考えていることは、恐ろしい事にアリスには理解出来た。
このままではあの少女の比ではない、強大な狂気の色を罪も無い人へ向けるだろう。
そして、また命が消えていく。
予告なく、唐突に。
アリスはちらと自分の手中のリボルバーを見た。
そう――今なら――この状況なら、今度こそ、このリボルバーで――
そう思考を続けるアリスは、その内に頭に違和感を覚えた。
何かと思い、頭に手を伸ばすと、何かフサリとした物が指先に触れた。
「ああ……アリスちゃん萌え!」
ネコ耳を生やしたアリスは、掌底に重心を傾けたビンタを秋生の顔面目掛けて繰り出した。
0604駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
2008/05/23(金) 21:29:22【一日目/午前/C-6/井戸のある家の前】
【アリス・ナイラーザ】
[状態]:健康 やや疲労
[装備]:メイド服 リボルバー(残弾7発 予備16発)
[道具]:支給品一式(不明支給品なし)、坂木蕗のネコ耳カチューシャ
[思考]:変態! 変態! 変態! 変態!
第一行動方針:狭霧嘉麻屋を捜し出し、可能なら拘束するか殺す
第二行動方針:さっきの少女や狭霧嘉麻屋が危険人物だと、できるだけ多くの人に教える
基本行動方針:他の参加者と協力し、脱出。狂人を止める
[備考]
特殊能力:相手の感情が色で見える。
【真多秋生】
[状態]:健康・激痛
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、双眼鏡(100倍ズーム)、
[思考]:ネコ耳金髪メイドさんハァハァ
第一行動方針:さっきのかわいい子にもう一回会いたいなあ
第二行動方針:殺し合いには乗りたくない。めんどくさいから
0605名無し草
2008/05/23(金) 21:38:100606名無し草
2008/05/23(金) 21:41:31GJ!
狭霧嘉麻屋とアリス達との事件が少しづつ見えてくるのがいいなw
猫ヶ丘関連は何か好きだ
0607名無し草
2008/05/23(金) 21:42:44動き出してから相当まずいことになりそうだ。
そして秋生は自重しろやwwwwwwwwww折角お前の盟友が頑張ってるのにwwwwwwww
0608名無し草
2008/05/23(金) 22:11:53坂木檀、ロアルド・アムンゼン(その3)
一一一、泉遥
鈴木万吉
あたりかな?
0609 ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:16:030610ロワ脳の恐怖! ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:16:54その、森を揺るがすような銃声と咆哮が轟いた瞬間、鈴木万吉は怯えも、震えもしなかった。
彼はただ、以下のように思考を展開していたのである。
(……銃声? そういえばもうすぐ放送か。序盤の山場ってやつかもな)
彼の現実認識はその程度であり、そしてまた、それが彼の最大の強みである。
少なくとも彼自身はそう確信していた。
物語を俯瞰したとき、自分がどういう立場にあるのか。
今立っている場所が、目の前にいる人物がどれだけのフラグを抱え込んでいるのか。
ロワ世界の中にいる以上、そういうものを見ていけば、危険は回避できる。
未来を限りなく正確に予測し、適切な行動を取ることができる。
それが、万吉の行動原理の全部であった。
(死亡フラグを避け、ロワの核に迫る重要なフラグを持つ……いや、欲張るな俺。
重要フラグは誰かに移された瞬間、最大の死亡フラグに早変わりだ。
……空気だ。そう、ズガンされない程度の空気になればいい)
そんなことを考えてもいた。
だが肝心の「どうすれば空気になれるのか」について、万吉に何か考えがあったわけではない。
そこで頭を捻った。
(ロワ書き手をなめんなよ……!)
すぐにいくつかの禁止条項が浮かぶ。
要するに脱・空気と呼ばれる手段を避ければいいのだ。
主役級の人間と二人組になってはならない、マーダーと因縁を持ってはならない、
恋愛フラグなんてもってのほか……そこまで考えて、万吉の思考はぴたりと止まる。
「駄目じゃん俺! 恋愛フラグ立てたいじゃん!」
0611ロワ脳の恐怖! ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:17:26その場にへたり込んで頭を抱える。
恋愛フラグは同時に極太の死亡フラグであると、ロワ書き手の経験が告げていたことを、
彼はすっかり忘れていたのである。
「うーん……どうすっかなあ……」
しばらく考えて、
「……ま、とりあえず可愛い子に逢ってから考えよう」
妥協した。会って、ではないところが彼の彼たる所以である。
さしあたって、銃声と不気味な咆哮の轟いた、つまりは戦闘の匂いがぷんぷんする森から抜けようと
適当な方へ足を向け、ほんの少し歩いた、そのときである。
(び、美少女ktkr!!)
思わず叫びそうになるところを、必死で堪える。
代わりに脳内で存分に叫んでみた。
それでも足りなくて、小さくガッツポーズまで決めてみせる。
万吉が見つけたのは、車椅子に座った清楚な黒髪の女性と、それを押すやはり長い髪の少女。
二人はまだ万吉に気づいていない様子であった。
(うむ、この組み合わせ……明らかにマーダーではない!)
脳内で断言する万吉。
特に根拠はなかったが、万吉のロワ書き手脳がフル回転して即座に言い訳を構成し始める。
(うん、体の弱い女性がマーダー化するならステルスしかないだろう。
それなら取り込むのは見た目からして強そうな、いかにも脳筋な連中に違いない。
従って美少女とパーティを組んでいる体の弱い女性はマーダーではない。以上Q.E.D.!)
0612ロワ脳の恐怖! ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:17:50(よ、よし! これは千載一遇のチャンス! 行くぜ俺! 頑張れ俺!
怪しまれないように、警戒されないように、爽やかに、かつスマートに、そして少しだけ頼りなく!
……待て、最後に深呼吸だ! すー、はー、すー……はー……)
大きな身振りで深呼吸すると、
「や―――」
やあお嬢さん、お困りですか。
そんな声は、一つの音に掻き消されていた。
万吉の立っている森に、いや、島全体に響いた、耳障りなノイズ交じりの高周波。
それは、おぞましくも哀しい、悲劇の引き金。
―――第一回目の放送が開始されたのであった。
0613ロワ脳の恐怖! ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:18:26【鈴木万吉】
【装備】なし
【所持品】支給品一式
【状態】健康
【思考・行動】
0:放送を聞く
1:目の前の女の子たちと恋愛フラグを立てる!
2:恋愛フラグを探す
3:死亡フラグからは何があっても逃げる
4:何ロワイヤルなのかを考察する。
【墓凪可憐】
【装備】:李飛龍の青龍刀
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。
0:放送を聞く
1:銃声と咆哮にどう対処するか決める
2:蕗を守る
3:蕗の家族を探しながら脱出する方法を考える。
【坂木蕗】
【装備】:なし
【所持品】:なし
【状態】:疲労 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:死にたくない……
0:放送を聞く
1:可憐についていく
2:兄(杏)と姉(檀)に早く会いたい
0614 ◆OHePfS5m5U
2008/05/23(金) 22:18:540615名無し草
2008/05/23(金) 22:22:29そして万吉よ、恋愛フラグは死亡フラグでもあるぞ!大丈夫か!
0616名無し草
2008/05/23(金) 22:24:320617名無し草
2008/05/23(金) 22:44:21でも一番好きなキャラwww
0618名無し草
2008/05/23(金) 22:45:39一応確認
0619名無し草
2008/05/23(金) 22:55:33これで北西組は放送跨ぎ確定かな?
あとは
坂木檀、ロアルド・アムンゼン(その3)
一一一、泉遥
か。
0620名無し草
2008/05/23(金) 23:10:460621名無し草
2008/05/23(金) 23:18:490622私は悪くない
2008/05/24(土) 13:35:14いや、本当に北かどうかは分からない。
そんなことはどうでもいい。
早く、あの殺人鬼の元からどれだけ離れることが出来るかが問題だった。
確かに自分はどうしようもないアホだし役立たずだし、それに貧乳で尚かつ致命的にドジだ。
それでも、それでも――
――死にたくない。
桃太郎のあの表情は確実にピピンの精神を浸食していた。
高水奈々がヴェーヌの殺害現場(誤解ではあったのだが)を目撃した時の困惑やアリス・ナイラーザが名簿に狭霧の名前を見つけた時の戦慄の比ではない、明らかな恐怖――いや、寧ろそこから生まれる狂気に、ピピンは怯えていたのかも知れない。
それこそ、泉和哉や、坂木蕗が体験したそのものとは別種の、何か。
自分の内側、いつもとは違う、内面に秘められた、ストレスにも近いとも言える、ピピンの精神状態を駆逐せんと破裂しかけているそれが――
0623私は悪くない
2008/05/24(土) 13:36:07ほとんど狂いそうな状況の中、ピピンはもはや自制をすることが出来なくなっていたのだ。
生存本能のみが働いた身体は止まることを知らず、ひたすら走り続けた。
その内に、ピピンは森の中に入り込んでいた。
耳を澄まして確認しても、もう鳥の囀りや木々のざわめき以外は何も聞こえなかった。
ここまで、ここまで逃げれば、大丈――
辺りを見回したところ、茶色の木々の後ろ――の間の一部分に、何か、違和感のあるものが置いてあるのに気づいた。
動く気配はなかった。
ピピンは一応警戒をしながら、近づいた。
そこには――
「ひ、ぎゃああああああああ!」
――人間の、死骸が転がっていた。
長身の痩せた感じの、いわゆるノッポと分類出来る人間だとは把握したのだが、首の周りに血が大量に飛び散っていて、絶命しているのは明らかであった。
しかも、よく確認すると、どう見ても本来頭が存在するべき場所に、その頭が無い――
「おぐ、うええええぇ!」
ピピンは嘔吐しながらその場から駆け出した。
白い吐瀉物をまき散らしながら、ピピンは先程見た光景に拒絶反応を起こす胃を押さえながら、必死に逃げ出した。
まさか、まさか、いや、殺された死体がもう増えていっていると、私はそれは――
0624私は悪くない
2008/05/24(土) 13:37:46次に足を止めた時には、もうピピンは腹部が激痛に襲われ、動けなくなっていた。
真新しいゲロの上に倒れ込み、目に涙を溜め、ピピンはひたすら泣き声を堪えながら腹を押さえた。
が、それがまずかった。
うずくまって悶えている内に、坂から転がり落ちてしまったのだ。
もうピピンは坂を転がっていると言う感覚すら認識出来なくなっていた。
単に、それだけの事だったのだが、彼女にとってはもはや、それもただ自分が狂気の世界からの逃走手段としても、それを分かることは無い。
それから止めどなく続いていた回転が終わったとき、ピピンは再び絶叫した。
「ひぃぃいいいいいい!」
目の前には、狼の首が転がっており、しかも――それと目が合ってしまった。
近くにはきちんとその血まみれになった身体も落ちている。
ピピンはなんとか上半身を動かし、またその場から逃げようとした。
しかし、もう、ピピンは叫ぶしかなかった。
「あああああああああああ」
狼の首の近くに、少女の首が置いてあった。
やっぱり身体がすぐ近くに転がっていた。
ピピンは立て続けに叫ぼうとし、しかしながら、もうその声も力なく森に響くだけだった。
強烈な恐怖でもう脳が神経に命令を伝達することが出来なくなっていたのだ。
その少女の首はいかにも、自分を仲間に誘っているように感じられた。
その表情を見ていたら、自分が生きているのが申し訳なくなってきてしまった。
0625私は悪くない
2008/05/24(土) 13:38:34どちらかと言えばこうやって首がそうばひゅんばひゅん転がっている状況自体が適切ではないし、どうでもいいけど自分は確かに電波で陰鬱でチビで、悪くない。
ちょっと前だってそう、桃太郎とか言う殺人鬼が私の眼前でなんかやらかしてくれて、もうとにかく逃げたい一心で私は悪くない。
この、あの三つの生首だって他の誰かが、いや、自分以外の参加者みんなが切り落とした首で、次は私を狙ってるかも知れないけれども、悪くないし、ニブチンだ。
悪くないものは悪くないし、ただ生きたいだけなのに禁止エリアでアルベルトって人が観察員の中でも下っ端を首輪で爆破して、生首。
それに生首が誘ってるなんて言っても死神が言ってる訳では否定されるその上で、カスの私が悪くない、何もしてないことは確信的に証明されざるを――
ピピンは力を振り絞り、首から視線をそらし、ただ涙を流していた。
泣いていた、いや、その表情には笑みすら浮かんでいたのかも知れない。
ピピンは狂いかけていた。
【E-4・森/1日目 午前】
【ピピン】
【状態】:狂乱
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式 不明支給品×1~3
【思考・行動】
基本:生き残りたい
1:死にたくない!
2:他の参加者に会ったら逃げる
0626名無し草
2008/05/24(土) 13:39:56無理に合流させるより火種に突っ込ませるように動かした方が楽しそう
0627名無し草
2008/05/24(土) 14:06:57ピピン悲惨すぎる…スペックは悪くないはずなのにw
しかしこいつが北に向かうのは予想外。
不明支給品も持ってるし、放送後に予想される混戦を動かす鍵になるのか…?
0628名無し草
2008/05/24(土) 14:23:090629名無し草
2008/05/24(土) 14:38:14信用できる人がいないのはツライな
0630名無し草
2008/05/24(土) 14:46:460632名無し草
2008/05/24(土) 20:51:400633名無し草
2008/05/24(土) 21:37:16放送案があるんだけどちょっと冒険しちゃったからテスト投下したいと思ったんだが
0634名無し草
2008/05/24(土) 21:39:440636名無し草
2008/05/24(土) 22:39:090637名無し草
2008/05/24(土) 22:45:300638名無し草
2008/05/24(土) 22:47:330639名無し草
2008/05/24(土) 22:52:190640名無し草
2008/05/24(土) 23:00:490641名無し草
2008/05/24(土) 23:04:50まあ、放送がちょっと斬新になるなら修正する必要はあるかも知れんけど
0642名無し草
2008/05/24(土) 23:07:320643名無し草
2008/05/24(土) 23:27:200644名無し草
2008/05/24(土) 23:52:250645名無し草
2008/05/24(土) 23:56:120646名無し草
2008/05/25(日) 00:06:42それも許されるなら予約する
0648名無し草
2008/05/25(日) 00:17:49予約待機中だぜ
0649名無し草
2008/05/25(日) 00:22:07まあ、ルール無用のラフファイトが信条のここでもそれはさすがに…w
放送案は>>635の人が用意してるみたいだけど、どうする?
坂木檀、ロアルド・アムンゼン(その3)
一一一、泉遥
…の話を書いてる人がいればそれを待つし、まだ書いてないけどすぐ書けるよ!って人がいるなら
そっちを待つけど、いないなら別に放送案投下してもらってもいいように思う。
0650名無し草
2008/05/25(日) 00:23:10すまん、東方厨なんで今日はもう寝たいんだ
0651名無し草
2008/05/25(日) 00:26:360652名無し草
2008/05/25(日) 00:27:190654名無し草
2008/05/25(日) 00:38:080655名無し草
2008/05/25(日) 00:40:50日曜ならちょっとした冒険作でも協議の時間はあるだろうし…
投下合戦が起こるのかどうかわかんないけど、通しならキリのいい時間に解禁ってことで
0656名無し草
2008/05/25(日) 00:41:000658ブラック細工 ◆lYiZg.uHFE
2008/05/25(日) 01:08:57ついに李&マイルズの漫才コンビも解消です。
突っ込み役のいなくなった李はこれから芸人としてやっていけるのでしょうか。
ボケ倒すという手も残されては居ますが、やはり心配です。
>意地があんだよ、ゴキブリにもなぁ!
やはり今回も自重しないファシル。
なんと今回はゴキブリと戯れています。
やはりこのロワにおいて勇者という奴に碌な奴がいませんね。
>小さなその手を
無力な女性同士の合流。
周辺に居るのはアムンゼンや花子と言った危険人物ばかり。
果たして彼女らは無事に貞操を守る事ができるのかwktkしてきました。
>俳優は哀れみや汚名を再び纏う
強がって震えて粋がって怯えて、なんという現代人でしょう。
そのうち糞尿でも垂れ流してくれそうです。
果たして時宗の予想に抗って、どこまで生き残れるのでしょうか。
>それは、おとぎばなし。
なんという悲劇なんでしょう。
全員が殺し合いを止めたいと願っていたのに、1人は殺され1人は誤解され1人は恐慌する。
御伽噺というのは内容を良く見ると、どれも欝になるような話ですから、これも当然の帰結なのでしょうね。
>俺は悪くない
ハンスはチ○コの見た目に反して随分と気が弱いですね。
ライオンなら兎も角ネコに恐れるとは、昔ネコにチン○でも噛まれたのでしょうか。
まあ兎も角、これからハンスが覚醒する事に期待しましょう。
0659名無し草
2008/05/25(日) 01:09:210660名無し草
2008/05/25(日) 01:10:23>人の為に、自分の為に
○村佐知代が早速小物臭をプンプン漂わせています。
ステルス勝負はやはり名前通り麻亜太の勝ちのようですね。
相棒も塔野の方が優秀だし、占いのないサッチーなんてやはりこんなものなんでしょう。
>涙の意味を
期待されていた一般人も早くも死亡、なんという欝展開なのでしょう。
これがバトルロワイアルというものだと言わざるを得ません。
そしてどんどん装備が凶悪になるアムンゼン2、これはこれからに期待がもてますね。
>罪の子
空気化しかかってたフーリエも、設定が追加されて空気挽回になるのでしょうか。
しかし美和子婆ちゃんが犬を産んでいたなんて驚愕の展開でした。
ともかく婆ちゃん共々空気化しないよう願っています。
>狂王の試練場
少女、梟に続きイチロウまで触手の餌食になってしまいました。
「俺は少女だろうが動物だろうがオッサンだろうが喰っちまうんだぜ」という後藤の声が聞こえてくるようです。
思わず、ハンスが触手プレイで覚醒する嫌な場面を想像してしまいました。
>小説はかく語りき
なんと、物語上とはいえシスターまで触手プレイをされていたとは。
神に仕えるシスターと触手という背徳の関係に、短いながらも興奮せざるを得ないいい作品でした。
>海の見える家で
なんという下僕……。
幼女にいい様に扱われる燕クンが可哀想で可哀想で仕方がありません。
捨て駒にされる姿がありありと脳裏に浮かんできてしまいました。
0661名無し草
2008/05/25(日) 01:10:52あくまでもバナナに拘るミルフィーユ。
なんかいやらしい妄想をしてしまいそうです。
それにしてもなんて食事風景の気になるメンバーなんでしょう。
>迷走Mind
シスターの記憶が原作と混ざってゴチャゴチャになるとは予想外の展開です。
今後猫ヶ丘探偵団やさかぎけや幸運勇者スポポロスのキャラも、同様の事が起こりえるのでしょうか。
>掌の上
藤堂さん、男の気配が分かるとは……もしやそっちの気があるお方なのでは……!
それとトイレの水は流れなかったようだけど、紙はあったのかどうかだけが気になりますね。
まあ戻ってくるまでの短さからいって小さいほうだったのでしょうから、なかったとしてもそれほど問題はないでしょうけどね。
>南極を制す者は氷をも制す
おや、はなこのようすが……。
おめでとう、はなこはキングコングに進化した。
テーテーテー テテテテテテテー。
>悪意はそっと、毒のように
アムンゼン2が20歳というピチピチの少女である花子を犯さないのに失望しました。
やはりそういう18禁的なのは流石に無理なのですね、残念です。
>幻想
この悲しいすれ違いがあるからこそロワはやめられませんね。
放送後蕗ちゃんがどうなるのか、高原の死体を見たとき二人はどうなるのか目が離せません!
0662名無し草
2008/05/25(日) 01:11:35こっちの勇者もついに仲間を作る事ができました。
それにしてもこのゴキブリ、ツンデレである。
果たしてゴキブロスは上手くファシルを誘導する事ができるのでしょうか。
>ブラック細工
狭霧先生のアート教室、第一時間目の始まりです。
今後も人を殺すたびにこんな事が行なわれると思うとドキドキしてきます。
それと猫ヶ丘探偵団との因縁も気になりますね。
>駆り立てるのは正義と恐怖、横たわるのはネコ耳と変態
狭霧が探偵団の存在に気付くと同時にアリスも狭霧に気付きました。
やはり彼と彼女は運命の赤いモツで繋がれているのでしょうか。
そして秋生が現実を知った時が非常に楽しみです。
>ロワ脳の恐怖!
ロワだからこそ起こる恋愛フラグ、書き手だからこそ分かる死亡フラグ。
相反する二つの気持ちに揺れ動く万吉は、今後どういった行動をとっていくのでしょうか。
放送でイチロウの死を知った万吉がどう反応するのかも見物です。
>私は悪くない
信用してた人物の豹変、それにより気弱なピピンが狂いかけるというのは予想できた展開でした。
ですが更に首切り死体と連続で遭遇させ、さらにピピンを堕とすという展開は予想していませんでした。
作者のサディスティックな心が見え隠れる良作でした。
というわけで前回からの感想続きでした……
0663名無し草
2008/05/25(日) 01:21:480664名無し草
2008/05/25(日) 01:24:03笑わしてもらいました!また次も楽しみにまってます
0665名無し草
2008/05/25(日) 07:12:21>アムンゼン2が20歳というピチピチの少女である花子を犯さないのに失望しました。
ねーよwww
0666名無し草
2008/05/25(日) 10:19:270667名無し草
2008/05/25(日) 10:30:110669 ◆UlQ1m5t42M
2008/05/25(日) 10:40:470670名無し草
2008/05/25(日) 10:41:510671第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:44:49どこから響くのか分からない。それでも発信源の存在だけはこの島にいる全員が理解していた。
ある者は同調し、ある者は憎み、ある者は気にもとめない。狂気の科学者、アルベルト・ハインリヒの放送が始まった。
――フフフ……まず最初の六時間を生き延びることが出来た皆さん、ごきげんよう。
問答無用で殺しにかかる、騙し討ちで利を得る、絶望の淵でなお無駄な足掻きを続ける、本能の赴くままに行動する……
フフフ……フフフフ、まだ六時間だというのに私としても興奮が止みきりませぬ。
同じ心境の方も少なからず居るみたいですね……フフフ、そういう方にこそ是非健闘して貰いたいものですよ……フフフフ。
さて挨拶はこのくらいにしておきましょうか。それでは最初にこの六時間で早々に脱落してしまった参加者の方の名前を発表したいと思います。フフフ……
ケンシロウ(剣四郎)
アルベルト・ハインリヒ(平行世界)
大アジア帝国皇帝織田信長
美以葉子
山田太郎
只野模武
老本則夫
ロバート・スコット
晴海雪
矢島泪
ピタゴラス
松井垂加
マイルズ
日滝菅彦
ヴェーヌ
高原恭司
鈴木イチロウ
0672第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:45:05――以上、十七名です。
六時間で約四分の一もの参加者が亡くなられたようですね……フフフ……これは実に興味深いことです。それと、私個人の感情としては……素晴らしいの一言ですね……フフフフフ……
ただもう一人の私がそれほど活躍しなかったのが残念ですね……まあ、彼の遺体絡みで面白いものが見られたからこれはまたこれで良いでしょう……フフフフフ……
そして、次に禁止エリアを発表しましょうか。
お忘れになってる方にはもう一度説明しておきますが、この放送の三十分後より今から指定するエリアに侵入した方の首輪は三十秒以内に爆発するようになっております。
間抜けな骸を晒したくない方は十分気をつけるよう、お願い致します……フフフフ……
その肝心な禁止エリアですが……フフフ……そうですね。
B-6、F-9の二エリアとさせて頂きましょう。お近くの方はくれぐれも踏み入ることのないよう……
次の放送は六時間後、昼時となりますね……フフフ。
この六時間と次の六時間で併せて、どのくらいの参加者が死にどのようなドラマが起こるのか……
楽しみにしていますよ……フフフ、フフフフフ………
それでは、また六時間後にお会いしましょう……フフフ……
ただし、生き延びれていたらの話ですがね……
フフフ……フフフフフフ………
☆
0673第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:45:39とある子供部屋にて、ブロンドヘアの少女が少し興奮した様子で呟いた。
その後ろに大人しく寝そべるトラが、少女の言葉に少し首を動かして応える。
「ねえねえ、ネロはどれが一番面白かったの? 私はかまやって人がやってたのが一番面白かった!
ほら、ノコギリでおなかをぎゅいーって! それからぐっちゃぐちゃにして、おめめをね、」
とてもまだ二桁にすら満たない少女のものとは思えない言動である。
それでも彼女は自分の言葉に疑問を全く持っていなかった。ただ自分の観るモニター越しに移った光景の中で、一番面白かったと感じた出来事を彼女なりに、友人へと伝えているだけなのである。
「……むー。でも見てるだけじゃちょっと物足りないよう。私もあそこいっちゃダメなのかなあ」
少女がモニタから離れ、扉の方に向かった。ずっと映像に張り付いているというわけではないらしい。
その時、扉が開き白衣の男達が数名の男女を連れて部屋に入ってきた。
アルベルトの助手である。だが、白衣の女性が爆破された時とは違いきょとんとする少女を目の前にして少し冷や汗をかいているようであった。
「びっくりしたのよー。ノックしなきゃだめじゃない」
「申し訳ありません、お嬢様。時間に間に合うよう急いでましたので……」
男の一人が慌てて言い分けをした。少女が壁にかかった時計を見ると、今しがた六時十分になったところであった。
「あ、時間ピッタリなのね。お父様に怒られなくてよかったね」
少女がニコリと笑った。そこで白衣の男たちは安堵の息をついたが、彼らに連れてこられた男女はそんな光景は気にもせずにもがいている。よく見れば、手足には枷がかけられており、口には猿轡をされているようだ。
0674第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:45:54言葉の途中から再び白衣の男たちに不安が現れる。
男に促されて少女は連れられてきた男女を見つめた。一見どこにでもいるような一般人にしか見えないし、実際そうなのである。この選択に何をもって合否判断されるのかが全く分からないため、ひとまず頭数だけ連れてこられたのだった。
少女は一通り男女を見ただけで、特に考えもせずに口を開いた。
「うーん、オッケー! じゃあ先にプレイルームに行ってるからよろしくねー! あと録画もよろしくー!」
少女がトラを引き連れ廊下を駆けていくのを見送った後に白衣の男たちは再び胸を撫で下ろした。
それから姿勢を正すと未だにもがき続ける哀れな『逃げ役』を引き連れてプレイルームに向かった。
「……ここって盗聴器とかあったっけ?」
「ないと思うよ。博士曰く盗聴器なんてなくても内部離反をしようと思う奴なんかすぐに分かるってさ」
「なら大丈夫だよな……なぁ、お前さ、『鬼ごっこ』で何やってると思う?」
「さぁね。着替え係の女は何も喋らないし中は当然見れないし……」
「……まあでも、大方予想はつくぜ」
「本人達に聞かれたら絶対命はないけど……もうあらゆる意味で異常だね、あの親子」
0675第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:46:10【性別】 女
【年齢】 8
【職業】 小学生(?)、ロワでは本人無自覚の主催者護衛(緊急時)
【身体的特徴】 ブロンドのツインテール
【性格】 無邪気、かつ猟奇的
【趣味】 鬼ごっこ・かくれんぼ(猟奇的な意味で)、その他猟奇ゲーム
【特技】 主催者護衛になるだけの腕はあるらしい。
【経歴】 アルベルト博士の実の娘。7歳の頃に日本の小学校に転入し、
8歳の誕生日に記念として1~6年生・教員を男女それぞれ2人ずつ殺害するという
とんでもない事件を起こす。犯人がアリシアと判明した時には彼女は既に
煙のように記録と共に学校から姿を消していたという。
なお、鍵谷絵理花も狙われたがアリシアの数え間違いが判明して難を逃れた。
【好きなもの・こと】 猟奇ゲーム、お父様、ネロ
【苦手なもの・こと】 退屈、お母様
【特殊技能の有無】 色んな武器と年齢に見合わない体術を持つ。
武器は刃物なら何でもいいらしい。
【備考】 落ちぶれたアルベルトの世界にも存在する。
こちらのアリシアは連続殺人事件の後に行方不明になる。
それまでの系譜は主催者の世界のアリシアと同じ。
0676第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:46:25【性別】 雄
【年齢】 5
【職業】 ペット、ロワでは本人無自覚の主催者護衛(緊急時)
【身体的特徴】 ベンガルトラ。アリシアを乗せられるくらいのサイズ
【性格】 凶暴(ハインリヒ親子がいる時、命令がない時はおとなしい)
【趣味】 狩り
【特技】 狩り
【経歴】 アリシアが欲しいと言ったので拾ってきた。ずっと一緒にいたため
アリシアとアルベルト博士にはかなり忠実。あと色々仕込まれた。
【好きなもの・こと】 肉なら何でも、狩り、ハインリヒ親子
【苦手なもの・こと】 アリシア、アルベルト以外の人間
【特殊技能の有無】 普通のトラとは段違いに強いらしい。
【備考】 アリシアによる連続殺人事件の途中で色を加えようと思ったアリシアが
四肢切断した女子を男子の目の前で彼に食わせることにしてみた。
被害者には好評だったらしい(アリシア視点で)。
なお落ちぶれたアルベルトの世界においてもアリシアとほぼ同様。
0677第一回定時放送 ◆FWZBLw30EM
2008/05/25(日) 10:48:082人追加となったのはこいつらとアルベルト博士、参加者達を併せると丁度70人になるもんで。
ジョーカーとして途中投入するも主催の切り札にするもどんとこい、
アウアウなら>>673から下を切っちゃえば良し!
0678名無し草
2008/05/25(日) 10:52:55ジョーカー候補か。個人的にはこの段階では問題なさそうに思うけど……
ところで、次の放送は夕方になるんじゃない?
0679名無し草
2008/05/25(日) 10:55:130681名無し草
2008/05/25(日) 11:50:38予約・投下開始だろうか
0682名無し草
2008/05/25(日) 11:56:57まあそれでいいや
0683名無し草
2008/05/25(日) 11:58:59まあ予約はダメでも予約無し投下ぐらいなら放送通った後でもいいかもね
0684名無し草
2008/05/25(日) 12:01:080685名無し草
2008/05/25(日) 12:03:330686名無し草
2008/05/25(日) 12:03:55二時くらいまでに放送に何の異論もなかったら、でいいかね?
0687名無し草
2008/05/25(日) 12:19:480688名無し草
2008/05/25(日) 14:01:080689 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/25(日) 14:20:220690名無し草
2008/05/25(日) 16:52:520691 ◆SoBVWGLFI.
2008/05/25(日) 17:09:360693 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/25(日) 18:18:370694 ◆SoBVWGLFI.
2008/05/25(日) 21:30:52反応遅くなって申し訳ありません
0695名無し草
2008/05/26(月) 00:43:570696名無し草
2008/05/26(月) 02:07:350697 ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:49:460698スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:51:00個室に広がる鼻歌。
充満する湯気。
ここは新築の、わりと豪華な民家にあるバスルーム。
そこでシャワーを浴びているのは、サッチーこと鈴村佐知代。
彼女は役立たずのスポポロスと合流する事より、全身にまとわりつく嫌な汗を流す事を優先していた。
上向けた顔からシャワーを浴び、全身へと巡らせて行く。
緩やかな曲線に沿うように流れていき、汗を流し落とす。
豊満なバスト。太い四肢。だらしなく突き出た腹。
見事なまでの完熟ボディ。
蛇口を捻ると、黒髪をかき上げ、したたる水滴を落とす。
お湯を目一杯張った浴槽へゆっくりと足を入れ、さらに全身を湯船につける。
恐らく半分ほどの湯が溢れ、無駄に流れ出す。
「生き返るわぁ」
湯面から出した手で顔をグッと拭い、大きく息を吐く。
「あの役立たず勇者、立派なのは肩書きだけだったわ。どうしたものかしら。せめて占い道具があれば…」
しばらく至福の時間を過ごした佐知代は、風呂から上がると湯気の立ち昇る体をバスタオルで覆う。
0699スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:51:39プシュッ。
ゴキュ…ゴキュ…ゴキュ…。
「ブファーーーッ! やっぱり風呂上がりのビールは最高だわ!」
すっかりくつろぎ気分の佐知代は、リビングルームにある革張りのソファにどすりと腰を下ろす。
ソファは悲鳴を上げるように深く沈んでゆく。
ガラステーブルの上におつまみを広げながら、リモコンのスイッチを入れテレビを点ける。
午前のワイドショーに映る一人の女性、その名は細木勝子。
佐知代の表情に、あからさまな嫌悪感が表れる。
「ふんっ、でしゃばり過ぎなのよ。あのブサイクな大仏顔をメディアに流すなんて、気分悪いわ」
テレビに向かって特大のゲップを吐き出す。
「大体ここに居るのはあの女であるべきなのよ。腹立たしいったらないわ、全く」
そしてここで放送が流れる。
「ここは当面は安全そうね。でも、死亡者十七人なんて何やってるのかしら。もっと殺し合いなさいよ。あと一時間でみんな死んでほしいぐらいだわ」
0700スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:52:20■
「どうしたファシル? まさかさっきの放送に知り合いでもいたか?」
「ああ…俺の………養父の名があった……」
ファシルは拳を強く握る。
「おおおおぉおぉぉおおおっっっっ!!!」
拳を壁に叩き付け、ずるずると両膝を地面に落とす。
「ファシル………」
「……大丈夫だ……俺は自分のやるべき事をやる………立ち止まったりはしねぇ」
ゆっくりと立ち上がるファシル。
ゴキブロスの胸もわずかに熱くなる。
「勇者ってのも大変だな。いいぜ、俺たちの足掻きを見せてやろうぜ!」
0701スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:53:05佐知代はいら立ちながら立ち上がると、化粧台に向かう。
メイクに取りかかろうとファンデーションをつかむと、台の上に置いてあった小物入れが目に入る。
「あら、なにかしら? ……まぁ、なかなか良いイヤリングじゃない」
早速、ダイヤで飾られたイヤリングを耳に付ける。
「こういった物は持ち主を選ぶのよ。これはわたくしに相応しいわ」
佐知代は、小物入れにあったネックレスにも目を向ける。
「他にもあるかもしれないわね。きっとわたくしに身に付けられるのを待ってるはずよ」
意気揚々と立ち上がると、体に巻いていたバスタオルがはらりと落ちる。
「あらやだわ。でも、わたくしの体…この張り…まだ若い娘には負けてないわね」
そう言って、いかがわしげなポーズを決める。ワーオ。オーイエー。
「「ぎぃゃああああぁぁぁぁ」」
「なにかしら、今何か聞こえたような………気のせいかしら。きっと野良犬ね」
カーテンの開け放たれたガラス戸の向こうに、地面に崩れ落ちている一人と一匹がいた。
「ぐふぁあああああ! 目があああああ!」
「オェェェェッ、誰か…誰か俺の記憶を消してくれーーッ!」
悲鳴を上げているのはファシルとゴキブロス。
彼らは民家から物音が聞こえたので、庭から室内の様子を見ようとしていたのだ。
だが、そこで彼らの目にしたものは、化け物よりも恐ろしいものであった。
0702スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:54:27【鈴村佐知代】
【装備】:ベレッタ(9/10)、ダイヤのイヤリング
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】基本:最後まで生き残る。
1:貴金属を探す。
2:探偵の敵を作る。
3:スポポロスを利用して生き残る。
4:街に行って占い道具を探す。
0703スーパー佐知代タイム ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:55:09【 F‐8 民家の庭/一日目 昼】
【ファシル(本名 鈴木次郎)】
【装備】:電動ノコギリ
【所持品】:支給品一式*3、ピピンの実験薬(空)、スパナ
【状態】:精神的ショック、左眼、左腕、腹部負傷、右眼、右腕に幻痛、邪気眼覚醒?
【思考・行動】 基本:大魔王ルシファーの復活を防ぐ
1:こんな所で……終わる………わけ…に…は……。
2:堕天使の欠片を持つものが仲間になりそうなら仲間にする。
3:堕天使の欠片を持つものが襲い掛かってきたら倒す。
4:触手モンスターは必ず倒す!
5:あのペンギンと狐達は……?
備考:ルシファー・アイはしばらく使えないと思いこんでます。(思いこんでいるだけです)
【ゴキブロス】
【装備】:マイクロカメラ
【所持品】:支給品一式、ポーション
【状態】:精神的ショック、触手は千切れたが健康、色々と考え中
【思考・行動】
1:スリッパだとかスプレーだとかそんなチャチなryーーもっと恐ろしいry
2:ファシルに合わせておく
3:今はミーウのことを心配している
4:秋生と合流したい。
0704 ◆ziO61RFMJ6
2008/05/26(月) 09:56:440705名無し草
2008/05/26(月) 11:04:36ちょ、初のサービスシーンがこいつかwwww
0706名無し草
2008/05/26(月) 11:52:440707名無し草
2008/05/26(月) 13:09:450708名無し草
2008/05/26(月) 13:10:310709名無し草
2008/05/26(月) 13:24:060710名無し草
2008/05/26(月) 14:14:25いつの間にか文字が読めるようになっても不思議は(ry
0711名無し草
2008/05/26(月) 17:41:270712名無し草
2008/05/26(月) 17:59:30考察担当者にも地味に影響与えそうだな
0713名無し草
2008/05/26(月) 18:15:210714名無し草
2008/05/26(月) 20:09:19酷すぎるぞ次郎!
0715名無し草
2008/05/26(月) 21:06:060716名無し草
2008/05/26(月) 21:27:430717名無し草
2008/05/26(月) 22:51:380718名無し草
2008/05/26(月) 23:01:040719名無し草
2008/05/26(月) 23:12:570720名無し草
2008/05/26(月) 23:14:28仮投下です、と前打ってGOだ
0721名無し草
2008/05/26(月) 23:40:150722欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:41:24椿はベッドに横たわるミーウの隣で、ただ黙って座り込んでいた。
学校に到着してから慌てて行ったほとんど強引な応急処置だったのだけれど、しかし、それでもミーウは何とか致命的な事態は免れたようだ。
李飛龍は今、分校中を調べに行っていた。
校内に他の参加者が居ないか探しているのだ。
椿も保健室にある、役に立ちそうなものをあらかたデイパックに詰め込み、それから神経を研ぎ澄ませて窓越しに外の警戒をしていたのだが――
『――フフフ……まず最初の六時間を生き延びることが出来た皆さん、ごきげんよう』
――
「嘘、マイルズさん、泪――」
放送――あの忌ま忌ましいアルベルトの声――で、マイルズと、カラオケ仲間だった矢島泪の死を伝えられた。
椿にとって先程知り合ったばかりだったり、身近な人が死んだのはショックだし、いや、もしかしたら椿以外にも複数の友人を失った人も居るかも知れない。
それでも、椿はマイルズと泪の顔を思い出せずにはいられなかった。
とにかく、十七人の命は、失われてしまった――
0723欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:42:34「いやあああああああ!」
保健室に突如として悲鳴がこだました。
ミーウが首から下げた何処かで見た様なお守りを揺らしながら、声をあらげている。
腹は椿が不慣れに縫合(中学でも家庭科は苦手だったのに)した後包帯で巻いていたのだが、血が包帯に滲んでいて、悲痛な叫びと併せて見ていて痛々しかった。
「いやあああぁぁぁ……」
椿はほとんど精神が壊れそうなミーウの肩を掴み、落ち着かせようと試みた。
「ヴェーヌ、ヴェーヌ、どうして……」
痛烈ながらも、ミーウが愛おしそうに紡ぐその名前――は、先程アルベルトが告げた死者の列の中に含まれていた名前であった。
そう、このミーウの様子を見るに――ヴェーヌと言うのは、ミーウとはそれ相応の関係だったのだろう。
その人が死んでしまったのなら、ここまでになってしまうのは頷けるのだけれど、しかし椿はこのまま放っておく訳にはいかなかった。
椿はそのままミーウを抑えようとして――
「うっ……」
ミーウが突然、頭を押さえた。
ショックか何だかは知らないが、とにかく頭痛を起こしたようだった。
「ミーウさん!?」
椿は心配してミーウの額に手を当て、しかし熱なんて到底出ていないことに気付いた。
「あ、あ……割れそう、頭が……」
ならば何故――ミーウは此処までひどく頭を痛がっているのだろうか。
――理由はどうでもよかった。
椿は逡巡しながらも、棚に頭痛薬が置いてあったことに気付き、取りに行こうとし――
0724欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:43:57「!」
その時には、ベッドから起き上がったミーウが椿の腕を掴んでいた。
その表情は、何か吹っ切れた、ようだった。
そして、ミーウは言った。
「思い出した。私――ううん、あたしは、みんなを殺さなきゃいけないの」
え――?
そこでようやく椿は気付いた。
ミーウが――もう片手でグロックをこちらに構えているのを。
「やっと意味が分かったわ、アルベルトが言ってた、いえ、多分この幸せゲームが始まる前にあたしだけに伝えた言葉の意味が。
”残り二人になるまで参加者を執行すれば、君と君が一番愛する者は生かして帰そう”って感じで言われてたのよ、あたし。その時じゃ執行って何を執行するの? って訳が分からなかったんだけどね」
何を――何を言っているの?
椿はすっかり何らかの喪失感を覚え、困惑し、叫んで助けを呼ぶことすら忘れていた。
今まで、あんな――しかし、少なくとも、目の前のミーウは今自分を殺しにかかろうとしている――
「あたしの元の名前は森秀猫院美羽。あなたが生まれてもない、ずっと遠い昔にそう名乗ってた」
予告無く、ミーウは突如告白を始めた。
「それって何の話――」
「聞いて。五十年か六十年ぐらい前、どっかの樹海に隕石が落ちたの。ある研究グループはそれを食べた猫が、知能を持ったことを確認した。
その赤い毛並みの猫はすぐに逃げたみたいだけどね。
とにかく――その猫が摂取した鉱物を、知能を持った――より実用的な動物を生み出す為に使い始めたのよ」
椿は正直、半分も理解出来なかった。しかし――これが殊に重要な話だと言うのは、なんとなく理解出来た。
0725欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:45:08あたしは頭が良かったし、他の二人は機敏だったり、目からレーザー出したりで成功作だったみたい。ジュリアはそんなに頭が良くなかったからあたし達とは他の訓練を受けてたみたいだけど。
そしてみんなには役割が与えられたわ。あたしは、執行者って言う、研究所から情報を漏らそうとする研究員と、逃げ出した実験動物を抹殺する役割だった。
みんなの中で一番簡単な役割って言われてたけどね」
抹殺――その言葉に、椿は思わずショックを受けた。
今までの彼女にとってのミーウのイメージとは、かなり掛け離れたような単語だったので。
そして、つまりアルベルトが言ったと言う執行の意味は――
ミーウは構わず、話を続けた。
「ああ、参加者に鍵谷美和子って人が居るけど、その人はあたしが作られてから十年後に来た研究員ね。その頃にはもう人間じゃなくて直接動物に鉱物を注入していたわね。
名簿に載ってるフーリエとピタゴラスがその中の二匹だったと思う」
そう言えば、ピタゴラスは既に死んでいた。
ピタゴラスを知っていたのなら、ミーウはそのことについてはどう思ってるのだろうか?
「十年ぐらい前にあたし達を解放する時、外部に情報が漏れないように記憶を消したみたい。今となってはもうほとんど時効でしょうけど。
……これでもあたし、見た目は五十年前のままなのよ? 中はとっくに六十か七十になってるのにね」
0726欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:47:02それで、その頃にはもう落ち着いていた椿は悟った。
そう――アルベルトは、ヴェーヌとミーウの仲を利用して、執行者であるミーウを使って殺し合いを転がそうとしていたのだ。
計画通りなのか、知らなかったのかは分からないが、ミーウは記憶を失っていて『執行』と言う単語を抽象的なものだと判断してしまった。
そしてヴェーヌは死んでしまった。それによりミーウは記憶を取り戻した。と言うことは――
「さて、この問いに曖昧な答えは無い。あたしかフェイロン、どっちかを選ぶしか無いのよ、あなたは」
椿とミーウが生き残るのか、李飛龍と共にアルベルトを倒すのか。
それを椿に聞いているのだ。
しかし、李を選んだその瞬間、ミーウは即座に椿の頭を撃ち飛ばすだろう。
それでも――
「私は――私は李さんについていく」
ミーウを選ぶこと、それは参加者全員を見殺しにすると言う事なのだ。
さすがに自分がそれに耐えられるとは思えなかった。
確かに自分は生きたい。でも、他人を踏み台にして、殺してまで生き延びようとは思えない。
それなら、いっそ――
「――やっぱり、分かってたんだわ、あたし。あなたに選ばれないの」
ミーウはグロックを下ろし、苦笑気味に笑みを浮かべた。
緊迫はした状況だったので、椿は気抜けしたのだけれど、しかし同時にある疑惑が沸き上がった。
――何故、自分に重要そうな事実を告げたのだろう?
「ごめん。あたしの事をあなたに聞いて欲しかったから。
記憶を取り戻した今でも、好き。初めて会った時から好きよ。撃てる訳無いじゃない、あなたのことを」
0727欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:48:52やはりミーウはミーウだった。
やっぱり何処かバグってるけど、優しげのある子。
もうすっかり警戒していないと言えば、それは嘘になるのだけれど。
椿はいけないとは思いつつも、しかしやはり気になっていたので、聞いた。
「ねえ、身体をこんなにした人を恨んでる?」
「ううん、今は感謝してる。あの人達のおかげで今のあたしが居るんだし、あなたに会えた。ヴェーヌにも」
ヴェーヌ。その名前を出した時、再びミーウの表情が変わった。
「――ちょっと、抱きしめて。……すぐ、終わるから」
ミーウが、椿の胸元に寄り添って来た。
椿は、素直にそれを受け止めた。
私だって辛い。知り合ったばかりの人やただの知り合いが死んだだけでも此処まで辛い。
だから――ヴェーヌを失ったミーウはその比じゃない。きっと、自分なんて考えられないぐらい苦しんでる。
そう――だから、だから受け入れよう、友達――そう、友人として。恋人は無理。そんな趣味は無いから。うん、無理。
そう、友達からとしてではなく、完全に友達として。
――これもミーウが椿を騙しているのか、或いはアルベルトの計算の内なのか分からない。
ただ、事実として椿の胸の辺りに何かが滲んで来ていたのは感じられていた。
そして間違いなくミーウは、肩を震わせて泣いていた。
0728欺き欺かれて
2008/05/26(月) 23:49:59【周参見 椿】
【状態】:正常
【装備】:狭霧嘉麻屋のナイフ
【所持品】:支給品一式、狭霧嘉麻屋のハサミ、サンポール、生臭い赤い液体が入った袋、救急箱(マキロン、ガーゼ、包帯、風邪薬)
【思考・行動】 基本:生き残る
1:ゴキブロスの無事を祈る
【ミーウ】
【状態】:覚醒、下腹部に風穴(治療済、内臓は外れている)
【装備】:矢島泪のお守り、グロック19(13/15)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】 基本:椿を守る(椿が死んでしまったらゲームに乗り、優勝してアルベルトの元へ行って復讐する。この事は椿にも李にも伝えるつもりは無い)
1:しばらくは李に合わせて行動する
仮投下終了
問題点は
・ミーウが覚醒してる
・他世界との関係が訳の分からないことになってる
・とにかく超展開
特に後ろ二つが危ないっぽいので
0729名無し草
2008/05/26(月) 23:55:55ミーウのジョーカー覚醒も特に。
筋としても超展開、というほどでも…ミーウが設定説明に終始してるから
ちょっとキャラ掴みづらいけど、全体に面白かったからよし。
俺としては問題ないと思うぜ。
0730名無し草
2008/05/26(月) 23:56:03うーん、このくらいなら今までもあったし(フーリエと美和子の関係とかも他ロワなら十分超展開だろうし)
大丈夫だと思うけど……どうだろ
0731名無し草
2008/05/26(月) 23:59:32冒険なんていうからどんな魔球かと思ったが、このくらいなら許容範囲だぜ
超展開ってのは美しすぎるから月がビーム撃って助けてくれた、とかそういうのを言う
0733名無し草
2008/05/27(火) 00:05:120734名無し草
2008/05/27(火) 00:05:47デンデが死人を復活させるとかだな
0735名無し草
2008/05/27(火) 00:12:38展開としては面白いと思う、オリキャラならではの背景後付というか
0736名無し草
2008/05/27(火) 00:14:310737名無し草
2008/05/27(火) 00:17:34この程度は全然普通なストライクゾーンど真ん中の展開だぜ
0738名無し草
2008/05/27(火) 00:19:230739名無し草
2008/05/27(火) 00:19:420740名無し草
2008/05/27(火) 00:21:470741名無し草
2008/05/27(火) 00:26:12きちんと背景分かるし
0742名無し草
2008/05/27(火) 00:42:230743名無し草
2008/05/27(火) 00:43:300744週刊オリキャラロワ通信
2008/05/27(火) 00:47:25?? ???? ??? ???
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意地があんだよ、ゴキブリにもな!!
なんか死亡フラグ抱えこんでる気もするけどな!!
今週のまとめ
・嵐を呼びそうな北西部 鍵を握る男、その名は万吉
・身体的に超人なのが少ない分、なんか頭脳がチート気味な人が増えているような……
・朝まで徹底討論 「坂木杏がいまだにパンツを履いている件について」
0745名無し草
2008/05/27(火) 01:05:43・アムンゼンシリーズ
どう考えてもネタキャラだった彼らが全員キャラ立ってるのには驚いた
しかし一番ヤバイはずのその3が一番まともな人間に見えるってどうよ
スコットは死んだものの今後も各所に誤解フラグをばら撒いてくれそうだ
・猫ヶ丘探偵団組
なんか全体的にパートナーに振り回されてる人が多いような
狭霧がどこまで行くのか期待
・鈴木家と松井家
ともに父親死亡で放送後に影響が……全然出なさそうに思える家族である
松井兄弟はいい感じにキャラ立ちしてるが、どこぞの柊姉妹みたいなことにならないことを祈る
・鍵谷家
今のところ一番平穏そうな家族
頭脳チート気味のばあちゃんと曾孫に比べるとなんか頼りない幸ちゃんが不憫
にしてもこのロワ、まともなロリキャラを一人でも出せなかったんだろうか
・坂木家周辺
坂木兄妹は全員心強い味方を得たものの、全員が火種持ち。
蕗は今の兄と姉とは絶対に再会してはいけない気がする(ともにアムンゼンの保護下)
泉弟は少しは姉のこと心配してやれよw
あと杏は早くパンツ脱げ
・動物組
ヴェーヌ死亡は大きく響きそう
フーリエは未だ犬嫌いと遭遇できてないが、多分時間の問題であろう
0746名無し草
2008/05/27(火) 01:35:070747 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:27:250748英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:28:10『フフフ……フフフフフフ………』
耳障りな笑い声が次第に小さくなっていく。
放送が終わったのだった。
「先生……」
呟いてみれば、それは実感を伴って両肩にのしかかってくる。
坂木杏の握った拳が、力なく傍らの樹に打ち付けられる。
「畜生……!」
日滝菅彦の名が、死亡した者たちの中にあった。
それは、杏の放り込まれた非日常の世界が紛れもない現実の地続きであり、そこでは実際に人が死ぬことを意味していた。
出会ったのがゴリラと陽気な幽霊だったのが、ある意味で災いしたのかもしれない。
殺し合い、という言葉の意味が今になってようやく、杏の中で強く脈動していた。
参加者同士による殺戮劇。
名を呼ばれなかった妹たちと、泉遥の顔が脳裏に浮かぶ。
その、今となっては懐かしくすら感じられる笑顔が血に染まるところを想像しようとして、やめた。
そんなことはさせない。させてはいけない。絶対に。
決意して振り向いた杏を、一対の視線が捉えていた。
静かにたゆたう湖面のような、薄い色の瞳。ロアルド・アムンゼンだった。
「ユーの知り合いも……呼ばれたのかい」
いつになく静かなアムンゼンの口調に、ようやく杏は思い出す。
放送で呼ばれた中には、ロバート・スコットの名もあった。
ライバルだと言っていたその名前を、アムンゼンがどのような思いをもって聞いたのか。
自分のことで精一杯で、そこまで気を回すことができなかった。
己が未熟を、杏は痛感する。
0749英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:28:51「気のいい奴だったよ」
もぞもぞと言いかけた杏の言葉を、アムンゼンは静かな笑みをもって受け止めてみせた。
柔らかく、しかしそれ以上の安易な追求を許さない、強い笑みだった。
二の句を継げずにいる杏に、アムンゼンが語りかける。
「杏、ミーはまだ生きている。それはきっと、まだやるべきことがあるということさ。
……ユーはどうだい?」
言って、片目を瞑ってみせる。
悪戯っぽく微笑んだその瞳の、しかしその奥に揺れる感情の波を見て取って、杏は血が滲むほどに堅く、拳を握る。
悲嘆に暮れ、涙を流し、神への恨み言を叫ぶ、その代わりに男は笑ってみせたのだ。
真一文字に口を引き結び、力強く頷く、それが坂木杏という少年にできる精一杯の返答だった。
「……いい顔だ、ボーイ」
くしゃっ、と杏の頭をひと撫ですると、アムンゼンは表情を引き締める。
「さて杏、それじゃ相談だ」
いつになく重々しいその声に、杏もまた眉根を寄せる。
そう、放送というイレギュラーを挟んではいたが、事態は急転していたのである。
「ああ。さっきの、銃声……だろ。方角からしてあのゴリラ、だよな」
「直後の鳴き声からみても、間違いないだろう。ただ事じゃあないね」
確認するような杏に頷いて、アムンゼンが人差し指を立てる。
0750英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:29:07「……戻ろう」
おや、という顔をしてみせたアムンゼンに、杏が頭を掻きながら言う。
「あんたはあのゴリラを仲間にしたい。誰だか知らないが、ゴリラを撃った奴がいる。
で、ゴリラはまだ――」
そこまでを言いかけた瞬間、森にもう何度目かもわからない咆哮と轟音が木霊する。
「――わりと元気だ。なら……あんたは戻らなきゃいけない。だろ?」
「……オゥケイ、バディ。上出来だ」
バディ――相棒――と呼ばれたことにくすぐったさを覚える暇もない。
アムンゼンは既にローラーボードを取り出している。
ふう、と吐息一つ。
昼なお暗い森の中に、白銀の道が生まれた。
「飛ばすぞ、杏!」
「……ああ!」
0751英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:29:33オォォ――
獣の咆哮に満ちる森は、さながら亜熱帯の様相を呈していた。
「アムンゼン、今の声……!」
「ハッハッハ、どうやら近いな。気を抜くなよ、杏!」
木々の間に響くその大きさに、二人は身構える。
前方からは咆哮だけでなく、何やら凄まじい轟音が断続的に響いている。
木の枝を千本も束ねて叩き折れば似たような音がするのだろうかと考えて、杏はすぐにその子供じみた想像を打ち切った。
「――来るみたいだっ! しっかり掴まっててくれよ!」
アムンゼンの声とほぼ同時。
茂みを突き抜けた先に、『それ』はいた。
「……!」
「……な、なんだ……あれ……!?」
一瞬、あのアムンゼンさえもが息を呑んだのがわかった。
それほどに、目の前の光景は信じ難いものだった。
木々の密集する深い森の中で、そこだけが広い空間を有している。
といっても、元々草木の生えないような土地だったわけではない。
それが証拠に、樹木の太い根はそこかしこに見え隠れしている。
しかしそれらには新緑に茂る葉も、八方に伸びる枝も、太い幹すらも、存在しなかった。
それらは例外なく、伐採にでもあったかのように辺り一面に転がっていたのである。
つんと匂いたつ刺々しい断面が、それらの伐採が刃物によるものではないと示していた。
地面に視線を落とせば、無数に散らばる木々の残骸の下にはクレーターの如き陥没がいくつも見え隠れしている。
無数の小隕石が墜落したかのような、凄まじい破壊の中心に、『それ』はいたのである。
0752英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:30:11「少ぅしばかりエキサイトしてるみたいだけど、……間違いないね。ミーは一度見た顔を忘れない」
アムンゼンの言葉にも、杏は素直に首を縦に振ることができなかった。
それほど動物に詳しいわけではない。
近所の犬猫の顔だって、あまり見分けがつかないくらいだ。
それでも、目の前にいる『それ』が、つい先ほど見たものとかけ離れていることくらいは判った。
アムンゼンに手もなくあしらわれていたゴリラは、最早そこにいなかった。
黒い毛皮に覆われた、大型の類人猿。共通点は、それだけだった。
片腕だけを地面についたその姿は、先ほど見たものより一回りも二回りも大きい。
空いた片手には巨大な丸太。自身の巨躯より更に数倍する長さのそれを軽々と振り回す姿は、周囲の破壊がその手によるものだと見る者全てに確信させる。
轟々と丸太の風を切る音を掻き消す重低音はその咆哮である。
びりびりと体が震えるほどの大音響を上げる口元からは肉食獣もかくやという鋭い牙が覗いていた。
だらだらと垂れ流される薄黄色い唾液にまみれた乱杭歯は赤褐色に汚れている。
人喰い、という単語が頭に浮かんだが、しかし杏はすぐにそれを否定する。
黒い皮膚に覆われた顔面が、濡れたようにてかりを帯びている。
褐色は、獣自身の血のようだった。
凄まじい威圧感を発する表情を直視することは難しかったが、その両目を中心として広範囲に拡散した傷はかなり深い。
「散弾を……わざわざ顔面に向けて撃ったんだな。それでいてトドメは刺してない……。
苦しませるだけの、クレイジーで最悪のやり方だ。ヘドが出そうだね、まったく」
よく見れば地面にも黒っぽい染みが広がっている。
「後ろの……足も?」
「ああ。逃げられないようにか、追いかけられないようにかは知らないが、ご丁寧なことだね。
一つだけ言えるとすれば、この子を撃ったヤツはこの世で最低のクソッタレ野郎ってことさ!
……、っとぉ!」
0753英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:30:33すぐ脇を、強い風が吹き抜ける。
通過電車の傍に立ってるみたいだ、とピントのずれたことを考えた直後、杏は戦慄した。
背後で凄まじい音と共に何かが倒れるような気配がして振り返るに至って、ようやく事態を理解したのである。
大人が一抱えしても足りないほどの巨大な丸太が、杏の背後に立つ樹の一本に、深々と突き刺さっていた。
さ、と血の気が引いていく。風は、その丸太が杏とアムンゼンを掠めたときに巻き起こしたものだった。
杏の見る前で、幹の半分近くまでを一瞬で削り取られた大樹が、自身の重量に耐え切れず傾き始める。
千本の木の枝をまとめて叩き折るような、無数の組織が断裂していく音。
それは、先ほど咆哮と共に杏の聞いた音の正体でもあった。
何百キロ、何トンあるかも判らないような丸太を投げ槍のように投擲したのが目の前の獣であると実感した瞬間、杏の全身からどろりとした汗が染み出した。
アムンゼンの胴に回した手が、小刻みに震え始める。
「こいつぁ……ヘビーだね、まったく!」
言ったアムンゼンの声からは、軽さが消えていない。
そのことに頼もしさを感じると同時に、杏の胸に嫌な予感が走る。
「おい……アムンゼン、あんたまさか……」
まさか、まだあの怪獣を仲間にしようなんて、考えてるんじゃないだろうな。
皆まで言わせず、アムンゼンが振り返らないままに親指を立ててみせる。
「当然さ! あんな強い子が味方になってくれればこれほど心強いことはないだろう?」
「無理だ!」
間髪いれず、杏が否定を口にする。
「どうかしてるのか!? あいつはどう見てもマトモじゃない!」
「ああ、今はどっかのクソ野郎のせいで頭に血が上ってるみたいだね!
だけど丁寧に話をすればきっと分かり合えるさ!」
「ゴリラとラブ&ピースでもないだろ!? 殺すのが嫌だってんなら、逃げるしかない!」
0754英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:31:12「……っ!? 何を……!」
矢のように流れる視界が、逆回しの映像を見るように巻き戻り始めていた。
ぽん、と胴に回された杏の手を叩いたアムンゼンが、ボードに急制動をかけると同時。
バックに加速させると、自らはボードから飛び降りたのである。
「――ヒーローってワード、ユーはどう思う、杏?」
慌ててバランスを取った杏の耳に、静かなアムンゼンの声。
遠ざかっていくその背中は表情を見せない。
「……!? 何、を……」
ゴオォ――
戸惑う杏の声を掻き消すように大音声が響く。
上体を起こした獣が、手近な丸太を掴み上げていた。
ひ、と反射的に身を竦ませる杏。
「大丈夫だ!」
杏の背筋を叩くような、凛とした声。
顔を上げれば、アムンゼンが一瞬だけこちらを向いて、笑っていた。
白人らしい、ニカッとした笑み。
その笑みが、消える。
いや、消えたように、杏には見えた。
「アムンゼン!」
0755英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:31:46二本目の巨大な槍、映画で見る攻城兵器のようなそれが、アムンゼンを貫かんと投擲されていた。
どんなバリケードでも一瞬で瓦礫の山に変えそうな勢いで飛ぶ破城槌。
アムンゼンを肉の塊に変えるはずのそれは、だが目標に到達することはなかった。
極点の守護たる故国の英雄は、破滅の槌が迫るその瞬間、懐から何かを取り出していた。
剣を修める杏の眼力をもってしても、捉えきれたのはアムンゼンがその『何か』を取り出し、前方に掲げた瞬間、彼に迫る槌がその軌道を僅かに変えたという、それだけである。
傍らを行き過ぎる暴風にも、背後で槍が巨木を倒す轟音にも、アムンゼンは微動だにしない。
ほんの僅かな軌道のズレが、彼を死の運命から解放していた。
「……!?」
杏の目が一瞬、眩い光を受けて細められる。
木漏れ日が何かに反射して、キラキラと輝いているようだった。
す、とアムンゼンが掲げていた手を下ろした。
光の加減か、その全体像を目にするに至ってようやく杏も、アムンゼンを救ったものが一体何であるのかを理解する。
「氷の……、槍……?」
それが槍と呼べる形状であるのか、杏には判然としない。
強いて言うならば、それはサンタクロースの連れている動物、トナカイの角によく似ている。
先端が幾層にも枝分かれした鉈か中華包丁のようにも見えた。
にもかかわらず杏がそれを槍と言い表したのは、透き通る得物を構えたアムンゼンの凛然と立つ姿に、武人の美を見たからである。
最小限の動きで巨大な槌を捌いてみせた長物の根元、アムンゼンが掴む柄の部分には小さなプラスチックの筒と、見覚えのあるラベルの模様。
「ペットボトルの水を撒いて……凍らせたのか」
「――杏!」
原理を理解してなお、いや理解したからこそ剣の道を修める者として、並や大抵の腕前で為せることではないとその困難を思う。
感嘆の息をつく杏に、アムンゼンの声が飛んだ。
「君はそのまま走れ、杏!」
0756英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:32:23「な……!? な、何言ってんだ、アムンゼン……?」
ようやく絞り出した声は喉に引っかかってかすれている。
ぬるりと手のひらを濡らす汗をズボンで拭って、なおも言葉を重ねようとする杏に、アムンゼンは聞き分けのない子供に対するような口調で言ってみせる。
「そのままボードに乗って、できるだけ遠くまで走るんだ、杏。
ワイルド・レディは、どうやらミーだけにお熱みたいだからね!
あんまりモテすぎるのも困りものってわけさ」
「……そういうことじゃないだろ!?」
わざわざ大袈裟な身振りまでつけてみせたアムンゼンに、杏が声を荒げる。
ハッハッハァ、と笑ってみせる陽気な仕草も、杏の耳には空々しく響くだけだった。
「何でそんな、俺が逃げるみたいなことを、」
「逃げてくれと言っているんだ」
瞬間、杏が言葉を失う。
それほどに低く、重い声だった。
いつもの姿とは別人のような厳しく、冷たい言葉。
視線も向けず言い放ったその横顔に、笑みはない。
「どうして……」
「……」
「バディって、相棒って……呼んでくれたじゃないかよ……!」
「足手まといと言わなけりゃ、分かってくれないかね!」
0757英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:32:36あまりにも子供じみた反応に一番驚いたのは、杏自身だった。
鼻の奥がつんと痛むのを、拳を握って堪える。
それは、決別の言葉。
英雄と呼ばれた男の下した、それは決断だった。
少年に抗う術は、なかった。
「……杏」
背を向けた杏にかけられる、穏やかな声。
振り返ってしまえば取り返しのつかない醜態を演じそうで、それが怖くて杏は地面を蹴る足を速める。
「ユーはいつかきっと、ヒーローになれる。……でもそれは今、ここでじゃない。
だから……シーユー、ボーイ」
ボーイ、と。
それが杏に聞こえた最後の言葉で、ボードの上で何度も地面を蹴りながら、杏の目から今度こそ、涙が溢れた。
だから、その背中が木々の間に見えなくなってしばらくしてから口を開いた英雄の、
「――ソーリー、マイバディ」
小さく呟かれた声は、少年には届かない。
届かないように、呟かれていた。
0758英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:33:01背後に響く轟音と咆哮が、少年を加速させる。
決して恐怖ではなく、悲嘆でも、憤りでもなく。
ただ悔しさが、坂木杏を加速させていた。
ボードが、がたりと揺れる。
アムンゼンの架けた氷の道からは既に遠く離れていた。
今どちらに向かって走っているのかすら、分からない。
短い間に、いくつもの顔を見てきた。
男は英雄と呼ばれるに相応しいほどに強く、思い出せば笑ってしまうほどに朗らかで、時に厳しく、時には刻んできた年輪の深みを感じさせる苦味と悲哀を垣間見せ、そしてその背中は、これまでの人生で出会った誰よりも、広かった。
「……っ!」
ぐい、と強く目尻を拭う。
分かっていた。
突き放すような言葉も、厳しい表情も、自分の背中を押すための方便だ。
そのくらいは分かっていた。
あの空間は、少年の細い足では踏み込むことを許されない、戦場と呼ばれる場所になるのだろう。
だから自分は、剣をかじった程度の高校生である坂木杏は、逃がされたのだ。
それが、悔しい。
認められたかった。共に戦おうと、背中を預けようと、言ってほしかった。
それが赤面するような自惚れだと、思い知らされた。
足手まといという言葉を否定できない、自分の弱さが、痛かった。
胸の中に沸き立つものが、少年を加速させる。
地面を蹴り、蹴り、蹴って、蹴って、蹴って、そして蹴る足が、なくなった。
――銃声は、後から聞こえてきた。
0759英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:33:20口の中に飛び込んでくる湿った土と腐りかけた木の葉の味で、転倒したのだと理解した。
感覚が、おかしい。手と頭と目と内臓とが、違う脳からの指令で動いているようだった。
「……ぁ、ぁ……」
言葉が、出てこない。
ひゅうひゅうと漏れるのが自分の息だと、杏はようやく気づく。
銃声。銃声がして、転倒して、身体が動かない。
繋がらない。単語の意味が繋がらない。脳が理解を拒んでいる。
「――やあ、少年」
答えは、上から降ってきた。
見上げることも叶わず、湿った地面に突っ伏したまま、杏はただ、荒く熱い息をつく。
次の瞬間、枯葉と木の枝と黒い土と蠢く小虫だけで構成された視界が、ぐるりと回転した。
腹を蹴られて転がされたのだと、今の杏には理解できない。
ただ、真っ赤に充血した目だけを動かして、その声の主を見ようとした。
「やあ、少年」
声が、繰り返す。
影が、杏の視界を覆っていた。
影は、笑っている。
その手には、銃口から薄く煙を上げる散弾銃。
0760英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:33:35その銃を見て、杏の脳がようやく認識する。
瞬間、激痛と呼ぶのすら生易しい、剥き出しの骨に錐を捻じ込まれるような、一杯に広げた指の股に鋸の歯を当てて引いたような、爪切りで手の甲の皮膚を丹念に削ぎ取っていくような、そんな感覚が、杏の全神経を支配していた。
「『私』に関わったもの同士……同じ目に遭った感想は、どうだい?」
どうして、とは思わない。
そういう存在があるのだと、知っていたつもりで、いた。
だから少年は、散弾でズタズタに引き裂かれた足を楽しげに踏み躙るその男を見ても、驚くことはなかった。
ただ、ロアルド・アムンゼンという男の顔、英雄と同じ顔をした男が、醜く歪んだ笑みを浮かべていることが、ひたすらに、悔しかった。
0761英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:33:50【坂木杏】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、透視スコープ 、ローラーボード
【状態】:両足に無数の銃創、出血多量、瀕死
【思考・行動】
基本:妹や友人達に会いたい
1:悔しい。
2:激痛。
【ロアルド・アムンゼン(その2)】
【装備】:SPAS12(3/8)、勇者スポポロスの剣
【所持品】:支給品一式、手斧、首輪探知機
【状態】:両足に軽い凍傷
【思考・行動】
基本:参加者を皆殺しにして、再び永遠の眠りにつく
1:平行世界の自分の仲間である目の前の少年を嬲り殺す
2:平行世界の自分を苦しめて殺す
3:見かけた人間を手段を選ばず殺す
4:少女なら犯した後に殺す
0762英雄の条件 ◆.GSL6VsjmQ
2008/05/27(火) 02:39:37【ロアルド・アムンゼン(その1)】
【装備】:ペットボトル・アイシクルスピア(単なる氷、時間経過で融ける)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:アルベルトを倒す
1:ゴリラを止める
2:杏と合流する
3:杏と一緒に、アルベルトを倒すための仲間と武器を探す
【花子】
【装備】:無し
【所持品】:支給品一式 不明支給品0~1(少なくともゴリラに理解できるものではない)、闇のお守り
【状態】:顔面と後ろ足に散弾、失明。出血多量。片方の拳に裂傷。闇のお守りの加護で生命維持・能力激増
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗る
1:目の前のアムンゼンを殺す
2:人間達を皆殺しにする
0763名無し草
2008/05/27(火) 02:41:16パンツ脱がなくてスミマセン…。
0764名無し草
2008/05/27(火) 02:44:19アム…1と2でどうしてこんなに違ってしまったんだ!?
そして杏、お前はまだ生きてる、頑張れ!
0765名無し草
2008/05/27(火) 03:29:18アム2、外道を通り越してるぞこいつ…。
超花子vsやたらカッコよくなったアム1の対決も気になるが、それより杏の位置が。
やめて、蕗のLPは(たぶん)とっくに0よ!
そんなこんなで地図です。
赤がマーダー、黄色がステルス、紫がスタンスに何らかの問題のある生存者、灰が死亡者。
自分用なので前の職人さんに比べて荒くて申し訳ない。
できれば前の方、カムバックプリーズ。
ttp://www7.atwiki.jp/orirow?cmd=upload&act=open&pageid=12&file=-83.png
0767名無し草
2008/05/27(火) 04:20:350769名無し草
2008/05/27(火) 13:17:12…まともなヤツ少ねえええええ!!
あと、日滝先生死んでるですよ
0770 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/27(火) 14:48:160771名無し草
2008/05/27(火) 14:57:26アム2以外全員逃げてぇー!
0772名無し草
2008/05/27(火) 14:59:100773名無し草
2008/05/27(火) 19:08:330774名無し草
2008/05/27(火) 19:28:000775名無し草
2008/05/27(火) 19:36:590776 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/27(火) 19:49:150777名無し草
2008/05/27(火) 21:04:370778 ◆dEUulpVSzA
2008/05/27(火) 21:15:510779名無し草
2008/05/27(火) 21:26:150780 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:04:270781冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:06:26この『放送』というもの、どうやら仕組みはわからないものの何らかの方法で会場中に声が響くようになっているらしい。
桃太郎は斧についたあの男の血を注意深く拭いながら、その機械によって変換されたアルベルトの声を聞いていた。
十七人という人数にもさほど大きな意味は無い。
勘案しないといけないのは、果たしてその中に何人『弱き者』が含まれていたのかだ。
「やはり、多数は弱き者だったと考えるのが妥当か」
それは当然の帰結だ。弱き者ほど死にやすい。それはつまり、本来桃太郎が守るべき『弱き者』がすでに多数命を落としたということを意味する。
その自ら導き出した事実に、桃太郎は腹の中が滾るようなやるせなさと怒りを覚えた。
彼女にとって、全ての『弱き者』は守らねばならない。それは、全ての『悪しき者』を滅ぼさねばならないのと同じことだ。
だというのに、自分がここまでに討った『悪しき者』はたったの一人。守ろうとした『弱き者』はどこかへと消えてしまった。
鈍く光る斧の刃に自らの顔を映す。
あの男の持っていた武器などは回収しなかった。それは『略奪』である。
悪しき者に奪われたものを取り返すのならばいいが、悪人のものと言えど他人のものを自分のものとするのは気が進まない。
なのでこの斧が今の彼女の唯一の武器。その刃に映る自分の顔に問いかけてみる。
なぜあの少女は自分から離れていったのか。
自分は彼女を守ったのに。彼女に危害を加える可能性のあった『悪しき者』を討ち滅ぼした、ただそれだけのことだったのに。
それまでは桃太郎に対して完全に心を許したような顔を見せていた彼女が、なぜそれだけのことでまるで『逃げるように』自分の下を去ってしまったのか。
そもそもあの目はなんだ。まるであれは、村人たちが鬼を見る目そのものでは無かったか。
0782冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:07:47ここに連れてこられる直前のことだ。
老夫婦の下で拾い子として育てられた桃太郎は、村人たちの期待を背負い、きび団子と犬・猿・雉のお供を連れて鬼が島に向かった。
小さな船着場のような港から上陸し、猿の手を借りて門を開けていよいよ鬼の本拠地に入った。
桃太郎は、鬼というからには巨漢にして赤銅色の肌、そして頭に二本の角という禍々しい姿を想像していた。
しかし、意外にも鬼が島に住む鬼たちは人間とほとんど同じ姿をしていた。
いや、正確には桃太郎が知っている人間とは違う部分――例えば肌の色とか、着ている服とか、口にしている言葉とか――があった。
だが大まかに見ればどう見てもそこで暮らしているのは人間であり、面食らう桃太郎に従者の一人である犬が言った。
「へっへっへ、桃太郎さん、この人間どもは鬼が人間に化けた姿なのです。肌の色や服や言葉が違うのがその証拠。
鬼どもは昼間はこうして人の姿を模し、夜になると鬼の姿になって村々を襲っているのです」
そうか、ならば話は早い。
「鬼どもが本性を出す夜になる前に討ち滅ぼす!!」
刀を抜いた桃太郎の号令の下、討伐隊は子供連れの『鬼』や年寄りの『鬼』たちで賑わう大通りに設けられた市に向かって突撃を開始した。
ほとんど何の抵抗もしない『鬼』たちを全滅させるのには、日没を待つ必要すらなかった。
雉が空から『鬼』の家に火を放ち、桃太郎が逃げようとする鬼を斬り殺し、犬と猿はその間に『鬼』の家から『鬼』に『盗まれた』宝物を『奪還』する。
ついには『鬼』の城から火の手が上がるようになるころには、もう島に生きている『鬼』はいなかった。
鬼の城の前で、とても一度では運びきれないような宝物を前にして、錆色の血が滴る刀を手に提げて、桃太郎は疑問に思わずにはいられなかった。
もし彼らが鬼であったならば、襲い掛かる自分に対して鬼の力でもって対峙しようとしたのではないか?
今道の脇に積み重なる死体と化しているそれらが鬼の化けた姿であるならば、何故最期まで鬼の姿に戻らなかったのか。
「なあ――」
0783冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:09:14「私は、無碍の人々を殺したのではないのだな? 彼らは正真正銘の鬼であったのだな?」
金貨の中に首を突っ込んでいた犬が振り向いた。
「へっへっへ、何をおっしゃいます。当然のことではありませんか。あなた様は悪逆無道の鬼どもを討滅したのです。
悪たる鬼は滅んで当然。あなた様は何も間違ってはおりません」
それを聞いて、ようやく桃太郎の顔に笑顔が浮かぶ。
「そうか、それを聞いて安心した。皆よく働いてくれた。その財宝から褒美を出そう。
さあ、村に帰って戦勝の報告だ」
ようやく勝利の喜びと、村人を救えたことに対しての喜びが心に浮かんできた。
それと同時に、一抹の安堵もそこにはあった。
(もし彼らが鬼で無かったのなら、私こそが本物の鬼になるところだった)
「やれやれ、お人よしだねえ。まさかあんな説明を本気にするとは」
「へっへっへ、仕方ねえよ。なんせあの人は生まれついての正義の味方って奴だからな」
「違いない。あの方は所詮御伽噺の住人。あの方の世界には、善と、悪と、あとは書き割りくらいしか存在しないのだ」
「へっへっへ、便利な駒って奴だよなあ!!」
そんな従者たちの会話も、彼女の耳に入ることは無かった。
(私こそが本物の鬼になるところだった)
なんとなしに心の中で零したその一言が、今再び喉の奥に蘇ってきた。
「違う……『私』は、正義だ……」
その小さな少女のつぶやきだけが人気の無い住宅街に微かに響いた。
0784冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:10:46「そんな……親父が?」
司は機械的な口調で呟いた。
言葉にして口から出してみても、まるでそれは御伽噺の世界のことのように実感を伴わない。
ただ事実としてあるのは、さっきのアルベルト博士による『放送』の中で、自分の父親――松井垂加の名が、ここまでの死亡者の一人として読み上げられたということだけだ。
それが一体、ここでどんな事実が起こったことを指しているのか。
必死で理解しようとするも、まるでもう一人の自分が邪魔をしているかの如く頭が働かない。
死に水をとったわけでも無ければ、死体を見たわけでもない。
そんな状況で実の父親の死を突きつけられても、素直に受け入れられるわけが無かった。
「司さん?」
見かねたのか、それまで黙っていた美和子がその顔を心配そうに覗き込む。
そしてその皺だらけの顔に力強い微笑を浮かべて、
「まだ諦めるのは早いですよ。まだあなたのお父様が亡くなったと決まったわけでは……」
「――、すいません」
司はかぶりを振って美和子に向き直った。
「これだけの科学力を持ったアルベルト博士が、死者とまだそうでない人とを間違えるとは思えません。
それに、どうもあの男は嘘がつけない人間であるような印象を受けました。
というより、よりこの実験を楽しむために、あえて我々には嘘の情報は流さず、本当のことだけを教える……そんな人なんじゃないかと。
だから、まず間違いなく、もう親父は死んでいます」
それまで働かなかった頭が一気に動き出し、その言葉を言い終える頃にはもう司は父の死を受け入れていた。
おそらくは美和子はこれを見越していたのだろう。司は精一杯強がって美和子に微笑みかけた。
「司さん、気を落とすには及びません」
司の腰くらいまでしか背がないフーリエが彼の顔を見上げながら穏やかな声で言った。
「お父様は主のもとに召されたのです。司さんもいつかまたお会いすることがあるでしょう」
それまでなら軽くあしらっていた妄言だったが、今だけは否定する気になれなかった。
死後の世界を信じているわけではない。しかし、父の魂は今もどこかにいると信じたい。
そんな人々の願いを受け止めるために、おそらく宗教というものは生まれたのだろう。
0785冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:12:16それより二人はどうです? 誰か知り合いの名前が呼ばれたりとか、」
そう尋ねると、フーリエも美和子も共に首を振った。
「お気遣いありがとう。あなたはとっても優しくて強い心をお持ちだわ」
微笑む美和子を見て、司はどこか申し訳のない気持ちになってくる。
名簿の中には美和子以外に二人の鍵谷姓の人間がいた。美和子の夫と曾孫らしい。
彼女だって家族が心配なはずだ。それでも自分を元気付けるために微笑もうとする。
もし彼女の家族が死んだら、その時自分は彼女と同じように振舞うことが出来るだろうか。
「さて、いよいよこれは急がねばならない状況ですね。司さんのお父様を含めてすでに十七人もの方が亡くなっている。
これ以上犠牲者を出すわけにはいきません。一刻も早く、殺し合いに乗っている人を一人でも説得して止めましょう」
フーリエはそう宣言すると、体のわりに大きな鞄を振り回しながら全力で走り始めた。
「こら、だからそんな慌てるなって!!」
その後を司が追いかけ、美和子は苦笑しながらついていく。
二人とも、自分の家族を探すのを後回しにしてでもフーリエについていって確かめるつもりだった。
彼がこれまでどんな生涯を送り、何に対して幸せを見出すようになったのかを。
司はやっとのことでフーリエの尻尾を掴んだ。フーリエは前のめりに転ぶ。
「イタタ……司さん、再三言っておりますがその止め方はやめていただきたいと……」
「だったらいきなり走り出したりするなってんだよ!! ったく」
フーリエはまるで疲れる素振りを見せないが、すでにフーリエの無鉄砲な行動に散々振り回されている司は膝に手をついて息を整えないといけなかった。
そしてそんな時に、
「失礼。そなた達はこの殺し合いに乗っているのか」
なんて急に声をかけられたので、思わず声を上げて飛び上がってしまっても無理はなかった。
おまけに声をかけてきた人物が血のついた斧を持っていたとあっては、しばし言葉を失ってその問いに対して返答できなくなっても仕方はなかった。
十歩ほどの距離を挟んで二人は無言で向かい合う。
「あらまあ、お侍さん?」
そんな沈黙を破ったのは美和子の穏やかな一言だった。
0786冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:13:26「そういう司殿だって、某はてっきり女性だとばかり……」
二人は驚愕の表情でお互いの顔を見つめあう。
お互いに敵意が無いことを確認し、車座に座って自己紹介を始めたら二人にとっては衝撃的な事実が判明したのだ。
「司さんはとってもかわいらしい方だから、女の子に間違われても仕方ないわよね」
「その通りですな。しかし、桃太郎さんのほうはあまり男性に間違われるような顔立とも思えないのですが」
「あー、それは……」
司はなぜか気まずそうに桃太郎から視線を離して弁明する。
「その、俺は女顔の男が身近にいるから慣れてるし……名前だって桃太郎なんていう男の名前だし……」
「もうよい、司殿」
気がつくと桃太郎が何とも言えない表情で自分の胸元をさすっていた。
司が桃太郎の胸だけを見て彼女を男だと判断したのはもはやその場の誰もが気づいていたのだ。
(『私』はそこまで魅力のない肢体をしているのだろうか……)
桃太郎といえども戦場を離れれば一人の少女、歳相応の悩みくらいはある。
しかしもちろんそれをいつまでも表情に出している彼女ではない。
「それより、いかに三人とは言えご老人と小さな犬、そして細腕の殿方だけでは、化け物のような参加者に襲撃されれば一溜まりもあるまい」
『細腕の』というあたりに力を込めて言ったのはちょっとした仕返しである。
「実際そなた達もあの放送なるものを聞いたであろう。決して少なくはない人数の者がこの殺し合いに乗っている。
実際先ほども一人、『悪しき者』に襲われた。見たところそなたたちは丸腰の様子。
しかし安心なされよ。そなた達は某が守り通して見せよう」
地面に拳を付けると、毅然とした顔で言い切った。
今度こそは守り抜いてみせる。彼らが、自分が守るべき『弱き者』である以上は。
「それは有難いわ、桃太郎ちゃん。私たちはとても弱い部類だものねえ」
美和子は司とフーリエに同意を求めるように微笑みかける。
この老婆は、一緒にいて心が洗われるような不思議な魅力を持っている。
まるで村にいる育ての親のおばあさんを思い出すような、そんな気がした。
0787冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:14:47「はい、何なりと」
「どうして、あなたが持っているその剣には血がついていらっしゃるの?」
それを聞いて司の顔色が変わったことに、桃太郎は気がつかなかった。
「先ほど『悪しき者』に遭遇したため、身を守るためにその者を討った」
「殺したという意味か?」
司が横から尋ねる。
「無論だ。敵は完全に滅ぼさねば意味が無い」
それは桃太郎にとっては疑う余地もないほどの正論だった。
そして、司にとっても限定的な条件付きならば間違っているとは言えない言葉だった。
自分が殺されそうになれば相手を殺す。それは実際に自分がそういう行動に出れるかどうかはともかく、言葉の上では正しく思える。
しかしそれに文字通り牙を剥いて反駁する者がいた。
「それは誤っておりますな。いかに悪人であっても、殺すのは間違いでしょう」
桃太郎は怪訝な顔でフーリエの顔を見る。
「何故だ? 私が殺したのは『悪しき者』だ。責められるべきこととも思えぬが」
「主が私たちに与えた命は全て平等なものです!!」
そういうフーリエの顔はまるで野獣のそれであった。
彼にとって桃太郎の発言は決して容認できないものであり、神の名の下に正すべきものであった。
教会でシスターたちに教えてもらったことが、彼の世界を構成する全てであったからだ。
しかし桃太郎には彼が憤りを覚えている理由さえもわからない。
「『悪しき者』を討つのが何故悪い。『悪しき者』は放っておけば必ず『弱き者』を襲う。
みすみす犠牲者が増えるのを看過するわけにはいかぬ」
「しかし、どんな人間でも主の愛を説き、説得すれば心を入れ替えてくれます!!
主の愛はどんな悪人であっても悔い改めさえすれば救ってくれるのです!!」
「説得? そのようなものが『悪しき者』に通用するものか。『悪しき者』は滅ぼすしかないのだ。
それは生きているだけで他の者に害を為す。『悪しき者』が善に変わることなどありえない」
0788冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:16:06二人とも自分では間違ったことを言っているつもりはない。
それどころか、自分にとっては当たり前なことを言っているだけなのだろう。
しかし、司の意見からすれば彼らは二人とも間違っていた。
桃太郎は世の中に『善』と『悪』の二つしかない、と考えている時点で決定的に間違っている。
フーリエはこの世界に『主の愛』があるという前提で話をしている。しかしそれは彼と同じ神を信じる者にしか通用しない。
二人とも、『正義』と『神』という自分が信じるたった一つのものに寄りかかっているだけだ。
しかしなんでここで自分が口を挟むことが出来る?
だって、それこそがおそらくは彼らにとって世界の全てだったのだ。他人に示唆されたくらいで容易に捨てられるものであるはずが無い。
新興宗教の信者は、教祖が起こす『奇跡』がトリックであることを目の前で暴露されても信仰心を捨てない。それどころか教祖を頑なに庇おうとする。
自分とは違うルールで生きている者の心中は、理解することも否定することも不可能だ。
司は助けを縋るような目で美和子を見た。
美和子は、泥沼のような言い争い、言い争いとして成立もしていないような議論を続ける二人の顔を見比べながら、どこか寂しそうな顔をしていた。
その表情の理由に気がついたとき、司は胸を針で刺されたような、喉の奥を締め上げられたような辛い気持ちになった。
今彼女はこう考えているに違いない。
教会に預けたことが、彼にとって果たして幸福だったのだろうか―――
0789冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:16:50桃太郎はひときわ強い口調で言った。その語気に、フーリエも言葉に詰まった。
司は彼女の唇がわなわなと微かに震えているのに気がついた。
『桃太郎』は言うまでも無く、日本人なら誰でも知っている童話。
みんな子供の頃に親に聞かされて、鬼どもを蹴散らす正義の味方桃太郎に憧れる。
しかし、司ほどの歳にもなればあの童話に隠されたもう一つの意味に気がつく。
『桃太郎』は、侵略と虐殺と略奪の物語ではなかったか。
時の為政者の息がかかった、多分に政治的な物語では無かったか。
そして桃太郎は、『正義』の旗の下に駒として用意され利用された、最大の犠牲者では無かったか――
「はいはい、もう喧嘩はそこまでにしてちょうだい」
孫の喧嘩をたしなめるような声で美和子が言った。
「これからみんなで力を合わせなきゃいけないのに、仲間で喧嘩をしていたらいけないわ。
アルベルト博士の思う壺よ。フーリエちゃんも、桃太郎ちゃんがしたことは許してあげて頂戴。
ね、お願いよ?」
「……美和子殿がそう言われるなら」
先に矛を収めたのは桃太郎だった。
「確かにそれもそうですな。しかし私はあくまでも、どんな人と出会っても説得を試みます。
どんな悪人であっても改心させてみせます」
「そなた達がそのように考えるのは某は構わぬ。某はそなたたちを守り抜く。それだけだ」
そう言って視線を交わした二人の間には、一片の歩みよりも感じられなかった。
誰か、二人に教えてやってほしい。
この世界には自分たちの知らない正義や真実が無数にあるのだと。
自分が頑なに信じる『神』や『正義』だけで作られた狭い自分だけの世界の外側には、どこまでも続く地平と青空が広がっていることを。
【G-4 住宅街/1日目昼】
0790冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:17:41【状態】:健康
【装備】:ハルバード
【所持品】:支給品一式 不明支給品×0~2
【思考・行動】
基本:弱き人間を守り、悪しき人間を倒す
1:司・美和子・フーリエを守る
2:他の弱き人間を探して守る
3:アルベルト打倒
【松井司】
【装備】:毒蜂
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:主催者を絶対に許せない
1:美和子とフーリエと一緒に行動し、フーリエが死にそうになったら守る。
2:兄(哲也)を探す
3:桃太郎とフーリエに理解しあってほしい
0791冷たい正義 ◆Syk9Sx8L.s
2008/05/28(水) 11:18:26【装備】:なし
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:知り合いを探し、そのあと会場から脱出する
1:フーリエの傍を離れない
2:できれば首輪を分析したい
3:幸一郎のことが心配
【フーリエ】
【状態】:正常
【装備】:アラモボーイ(サバイバルナイフ)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:仲間を捜し、不戦を呼び掛ける
1:折をみて桃太郎を再び説得する
2:次に遭遇した参加者を説得する
0792名無し草
2008/05/28(水) 12:01:17桃太郎もフーリエも方向性が似ていてもそれぞれの信念が強すぎるんだよな。
つーかお供三匹悪過ぎww
0793名無し草
2008/05/28(水) 12:33:37司がキジでばあちゃんがシワシワの猿ってとこか。
桃太郎の今度のお供が何をもたらしてくれるやら。
0794名無し草
2008/05/28(水) 12:53:08犬猿雉が外道すぎるwwwwwwwwww
0795名無し草
2008/05/28(水) 13:16:17美和子お婆ちゃんは和むなあ……新感覚ヒロイン?
あと桃太郎は日滝先生が悪人じゃないと気付けー
先生の生徒がロワ内にはたくさんいるぞー
0796名無し草
2008/05/28(水) 13:24:06桃太郎→正義命
ミーウ→椿命
ファシル→勇者命
真多→猫耳メイド命
0797君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:52:10―――高原恭司。
幸いにして、墓凪可憐はその名で呼ばれる男を知らない。
そして不幸なことに、墓凪可憐はそのことに胸を撫で下ろせるほど、愚かな女ではなかった。
高原、という名を聞いたのは、ほんの数分も前のことだ。
無論、この国に高原という苗字の人間は大勢いるだろう。
だがその中の一人である高原恭司という人物が、背後に立つ少女と無関係の誰かであると考えるのは、
あまりに楽観が過ぎるというものだった。
この悪夢のような催し事は、際限のない悪意によって成り立っている。
ならばこの場所で起こるすべてのことは、最悪の方向へと転がるようにできているのだろう。
この耳障りな放送も、その一環。
楽しげに読み上げられる名前はすべて、故人のものだった。
死は悲嘆と憤激と絶望とを喚起し、殺戮を加速させる。
加速した殺戮が更なる復讐と怨嗟を生む、それは死の螺旋だ。
この島にいるすべての命は、逃れ得ぬ死に組み込まれている。
背後で、泣き崩れることもできず。
ただしゃくり上げるような呼吸を小刻みに繰り返す少女も、その一人だ。
少女が立っていられたのは、ほんの数秒だった。
車椅子にすがりつくようにして膝から地面に崩れ落ち、声にならない声をあげている。
椅子の押し手を握り締める、ぶるぶると震える白い指に、可憐はそっと手を重ねる。
一瞬びくりと跳ねた少女の指が、しかしすぐに可憐の指を求めて絡みつく。
愛の営みのような激しさは、救済を希求する情動の顕れに他ならなかった。
その手をただ握り返すことしかできない己の無力を、可憐は忸怩たる思いで見つめていた。
0798君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:52:41この島に神は微笑まない。
死を恐れ、逃げ惑うより他にないとするなら、自分は何のためにここにいるのだろう。
目の前で絶望に打ちひしがれる少女に、かける言葉すら持たない自分は。
祈り、願い、その先に待つ死を諾々と受け容れるために、生きているのだろうか。
否と告げる声は、なかった。
―――だが、墓凪可憐は知らない。少女に待つ絶望が、未だその端緒に過ぎないということを。
/*/
(……親父、死んだのか)
それが、放送を聞いた鈴木万吉の抱いた感慨の、すべてだった。
名簿を確認しなかったのは、そのことに気が回らなかったからではない。
単に、万吉の人生には手を組めるような友人、あるいは知り合いと呼べる存在すらいなかった。
それだけだ。
家族については、初めから念頭になかった。
弟を産んですぐに母に愛想をつかされた父親のことは万吉も軽蔑していたし、その弟に至ってはここ数年、
まともに会話をしたことがなかった。
万吉にとっての鈴木家とは、自分の部屋と風呂とトイレだけを意味していた。
その外側、リビングも、廊下も、他の部屋も、それは万吉にとってのホームではなかった。
そこに生きる存在のことを否定はしないが、肯定するほどの価値はなかった。
無視、という選択肢が最も現実的だった。
0799君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:53:14万吉に稼ぎはない。父親がいなければ、明日の朝食も出てこない。
家も、ネットも、PCもテレビも、つまりは万吉の生活の全部が喪われる。
そんなことは理解している。
―――だが、それがどうした。
という、それが万吉の結論であった。
自分は生まれてきた以上、生を謳歌する。
甘やかされた生活を享受する。
それが悪いか、と中学時代の担任に言い放ったときの、何とも言えない表情を、
万吉は今でもよく覚えている。
さしあたって、父の死は問題ではない。
生活のことは、生きて帰ってから考えればいい。
顔もよく覚えていない母の実家を頼るのも一つの手だろう。
旧姓はさて、なんと言ったか。
(……はか、葉鍵? まあ、帰ってから調べればいいさ)
口の中で呟いた、それが万吉が父の死について考えた最後である。
それより眼前の女性二人だった。
(今、俺の状態表にはこう書いてあるに違いない……
【思考・行動】
1:目の前の女の子たちと恋愛フラグを立てる!
2:恋愛フラグを探す
3:死亡フラグからは何があっても逃げる
4:何ロワイヤルなのかを考察する。
5:生活については帰ってから考える
……ってな!)
0800君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:53:36放送の直後、車椅子を押している方の少女が座り込んだ。
表情は決して安堵のそれではない。
それはつまり、放送で呼ばれた中に少女の知人がいたということだ。
こういう場合のパターンは、と万吉は考える。
(まず怖いのは絶望、狂化、復讐の各マーダー化だけど……今のところは大丈夫そう、だな。
仲間の子がいるのが大きいのかな。うん、じゃとりあえずこの線はなし)
自分に都合の悪い推論は深く追求しないのが万吉の悪い癖である。
(あとは目的を見つけて別れるパターンと……このまま気絶して空気化ってのもあるか。
この組み合わせじゃ別れるってこともなさそうだけど)
さてどうしようか、と万吉はむっちりとした太い腕を組む。
傷心に付け込んで恋愛フラグを立てる、これはもうロワに限らず古今東西の物語で不滅のパターンだ。
さりげなく見せる気遣いに、ヒロインのハートは一気に傾く。
しかし今はタイミングがまずかった。
傷心を癒す優しさを示すのは、それ以前から同行してる人間と相場が決まっている。
今この場で登場するぽっと出の人間は、どう考えても悪役ポジションだ。
(やぁお嬢さん方、どうやらお困りの様子だね……! ……ってダメだろ!
そいつ絶対血だらけのナイフとか持ってるよ!?)
時機を逸した、が万吉の結論である。
せめて放送の前に声をかけていたら、と悔やんでも遅い。
(こう、なんていうか……ヒーロー登場! 的なタイミングを狙えないかな……。
ヒロインピンチ! そこへ颯爽と俺、参上! ババーン! みたいな)
既に妄想の域へと突入している。
最適のタイミングを探す万吉の頭脳は、いともあっさりと現実逃避を始めていた。
0801君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:54:15万吉の妄想を止めたのは、状況の変化である。
力なくくず折れていたはずの少女が、唐突に立ち上がっていた。
(な、え、ちょ!? 相方、置いてくのかよ!?)
車椅子の女性が、何事かを叫んでいる。しかし少女は振り向かない。
ただ、何かに突き動かされるようにして、走り出していた。
万吉の眼前、取り残された車椅子の少女が、自らの手で必死に車輪を押し始める。
(セオリー無視だな、おい! ……どうする、どうするよ俺!?)
事態の急展開に対応すべく、万吉は自らの行動のプロットを必死で組み立て始めていた。
―――鈴木万吉は知らない。少女を走らせた、一つの声があったことを。
/*/
「―――ああ、ああ、済まなかったね」
ぐり、と泥だらけの分厚い靴底を押し付けながら、男は笑う。
「今、少し足を悪くしていてね。あまり急がれると追いかけるのも難儀なんだ。
それでつい、撃ってしまった。許してくれたまえよ、我が愛すべき東洋人の少年」
ざらついた目の粗い砂粒を丹念に傷口へと擦り込むように、男は足を動かし続けている。
その度に、びくりびくりと、男の足の下で震えるものがある。
坂木杏。生きた人間であり、そしてもうすぐ、そうでなくなるものだった。
0802君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:54:40男が、懐から取り出した紙に目をやりながら呟いたその単語に、杏が反応する。
失神すら許されぬ地獄の苦痛の中で、視線だけで男を見上げていたのである。
「ふむ……分かっている。何故、自分の名前を知っているか、そう言いたいのだろう?」
す、と軽く上げた足を次の瞬間、思い切り振り下ろす。
ぐちゃりと音がして、ズタズタに裂けたズボンと、その中の散弾が埋まったままの肉と細かく砕けた骨とが
踏み躙られ、痛覚という刺激の一色を以て少年の神経信号を埋め尽くす。
悲鳴とも、鳴き声ともつかぬものが、杏の咽喉から迸った。
「便利なものがあってね。首輪探知機という。本来は追跡用の機械なのだろうが―――」
ぐちゃり。
言葉の接ぎ穂に、無意味に踏み躙られる杏の傷口。
「名簿の番号を端から打ち込めば、同エリアにいる人間の名前を割り出すこともできる」
ぐちゃり。
靴底から、粘り気のある血とリンパ液とが糸を引いた。
「時に少年。君に姉妹はいるかね? こう、長い黒髪の」
姉妹、という言葉に、杏の半ば霞がかった瞳が微かに動いた。
その瞳に浮かぶ色を見て、男は満足そうに頷く。
「そうか、そうか。してみると彼女はハカナギ・カレンではなく―――」
最高級の葉巻から紫煙を吸い込んだように、男はたっぷりと間を空ける。
「―――サカキ・フキだったのだね」
0803君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:55:22杏の顔に吹きかけられる。
細められたその目に、悪意という以外の感情は、存在していなかった。
「……、き、に」
「ん? 何かねキョウ君。聞こえないな。こうなると東洋人の奥ゆかしさも良し悪しだと思うがね」
くつくつと笑う男が瞠目したのは、次の瞬間である。
「……ふ、きにぃ……!」
「―――!?」
少年の、既に指先を動かすこともままならないはずの手が、がっちりと男の足首を掴んでいた。
文字通り、血を吐くような声が、男の耳朶を打つ。
「ふきにぃぃぃ、なにをぉぉ……したぁぁぁぁ、てめえええええぇぇぇぇぇっ!」
男の表情から、笑みが消えた。
決死の形相という言葉の凝集したような、少年の顔。
多量の血液を喪って蒼白となり、そこかしこを湿った土で汚したその顔を、男は無表情に見下ろす。
と、掴まれていない方の足が、何気ない仕草で振り上げられた。
次の瞬間、極地踏破用の、分厚い毛皮に覆われた重く硬い靴が、一切の容赦も躊躇もなく、
少年の顔面へと叩き込まれていた。
「……蛮族の類が、許しもなしに私の足に触るものではないよ」
無表情のまま、男はごろごろと転がる少年を眺めて言うと、しゃがみ込んで己が靴へと手を伸ばす。
毛皮に食い込んだ、白く尖った小さなそれは、人体の一部。
坂木杏の、歯の欠片だった。
眉を顰めてそれを放り捨てると、男は立ち上がる。
「しかしまあ、そうだな。姉妹思いの健気な気持ちは、私の心を動かしたよ、キョウ君」
0804君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:55:39こびりついた血の乾きかけて黒褐色の斑模様に彩られたそれを、男は無造作に放り投げる。
風を切って回転した手斧が、さくりと音を立てて刺さったのは、倒れ伏した坂木杏の頭部、
そのほんの僅か数センチ横だった。
ゆっくりと時間をかけて、杏の視線がその凶器へと向けられる。
「君に機会をやろう。復讐の機会だ。ああ、そうだ。フキの絶望と恥辱と無念とを晴らす、
君の人生でただ一度きりの機会だよ、少年」
絶望と、恥辱と、無念と。
舌の上で飴玉を弄るように、男はその発音に殊更のいかがわしさを込める。
杏の目が、手斧と男とを、交互に見た。
「ああ、ああ、いい表情をしていたよ、彼女は。長い黒髪は芳しく、まるで絹のような手触りだった」
「……、まれ……」
杏の手が、ゆっくりと伸びる。
「白い肌のきめ細かさは東洋人ならではだな。絞りたてのミルクのような香りもたまらない」
「だ、まれ……」
伸びた手が、凶器に触れた。
「吸い込まれそうな黒い宝玉の瞳が、溢れる涙に彩られているとくれば、これはもう私が
堪えられないのも無理はないだろう? ん? ああ、ああ、心配は要らない!
無論殺してなどいないさ、東洋人の少女などそう手に入るものではないからね、勿体無い!」
「だま、れぇぇぇっ……!」
がしり、と。
渾身の力を込めて、杏が手斧を握り締める。
「そうだ少年、それでいい! 素晴らしい決意だ!」
0805君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:55:56酒の肴に拳闘を見るのと、それは同じ種類の色をした目だった。
「こっちだ少年、さあ!」
男が、ゆっくりと歩を進める。
ずる、と。それを追いかけるように、杏が這いずっていく。
「さあ、私はここだ。頑張って辿り着いてくれたまえよ!」
杏が這いずる。
襤褸切れのような両足を引きずりながら、片手に手斧を、もう片手で地面を掻いて、進む。
「おお、東洋人は我慢強いな! 痛くはないのかね? ほら、もう少しだ! 頑張りたまえ!」
杏が這う。
蛞蝓が粘液を残すように、己が道筋を血で汚しながら、這う。
「こんなとき東洋では何と言うのだったか……昔、黄色い蛮族に聞いた覚えがあるのだがね。
……ああそうだ、こんな風に唄うのだったな」
嘲弄が、杏の耳を打つ。
「―――鬼さんこちら、手の鳴る方へ! 楽しいな、キョウ君!」
そんなものは、杏に聞こえてはいなかった。
ず、と身を引きずるその瞳には、ただ透き通るような、澄んだ殺意だけが浮かんでいる。
「頑張れ、日が暮れてしまうぞ!」
ぱんぱんと、手を叩く男。
殺してやる、と。その一念が、杏の遅々とした前進を支えている。
0806君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:56:23既に、少年が男を見上げることはない。
その視界には、ただ分厚い毛皮の靴だけが映っていた。
頬を泥で汚し、細かな傷に小石や砂や木の葉くずを幾つも埋め込みながら、少年は這う。
どれほどの時間が経っただろうか。
あるいは、ほんの数分、数十秒のことであったのかもしれない。
「―――おめでとう、少年」
杏はついに、その足元にまで、たどり着いていた。
「後はその斧で私を成敗するだけだ。可愛いフキの恥辱を、血を以て贖わせるだけだ」
さあ、と誘う声は、優しくすらあった。
杏の手が、凶々しい鉄の刃を握った手が、ぶるぶると震えながら、ほんの少しだけ高く掲げられる。
致命傷など、与えられるべくもなかった。
力なく振り下ろされる刃は、靴を裂いて憎い男の足を傷付けるに留まるだろう。
だが、それでもいいと少年は思う。
圧倒的な悪意を前にして何も為せず、英雄にもなれず、妹も守れずに死んでいく自分の、
それが最後にできることだと思った。
振り上げた、その手。
鉄の斧を握り締めた、少年のその手。
少年にできる、ささやかなたったひとつの、全部。
それが、消えた。
そこにはもう、何もなかった。
坂木杏の肩が、あった。その先に肘があり、手首があって、そして、そこまでだった。
手首の先には、何もなかった。
己を掴んでいたはずの手は、そこになかった。
0807君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:57:10「―――ほう、なかなかの切れ味だね、この剣は」
ねっとりと、少年の最後の視界を包み込むような悪意と、笑み。
そうして僅かな血液と、筋繊維の欠片とがこびりついた、ぎらぎらと光る刃だけが、あった。
「……ちく、しょう」
悲鳴は出なかった。痛みもなかった。
既に感覚など、全身から消えていた。
声だけが、驚くほど素直に、咽喉から出た。
絶え間なくせり上がっていた血も、最早流れつくしたのだろうか。
それとも、最後の最後に、坂木杏という人間を構成する身体が、その意思を
この世に残すことを望んだのだろうか。理由は分からない。
最後。それだけが、確かだった。
言葉は、自然に迸っていた。
「蕗ぃ……! 檀ぃ……っ!」
蕗は死ぬよりも辛い目に遭わされたのかもしれない。
もしかしたら、檀も同じような惨劇に見舞われているのかもしれない。
それでも。
「お前たちは―――」
坂木杏の、素直な、それは最後の願いだった。
「お前たちは生きてくれ―――!」
それは、英雄になり損なった少年の、末期の声。
その人生の最期の、たったひとつの祈りだった。
0808君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:57:31―――坂木杏は知らない。正にその声こそが、最愛の妹を、惨劇へと導いたのだということを。
/*/
「蕗ちゃん! 駄目です蕗ちゃん、待って!」
背後から可憐の声がする。
だが蕗には届かない。
聞こえていても、頭には入らない。
蕗が求めていたのは、救いである。
この受け容れ難い現実を悪い夢だと、もう大丈夫だと手を引いてくれる存在。
何もかもを忘れ、何も考えず、ただ身を任せれば何もかもを解決してくれる、救世主。
それだけだった。それ以外のすべてはもう、蕗にとって悪夢の一部でしかなかった。
―――蕗、と。
呼ぶ声が聞こえていた。
本当に聞こえたのは一度きりで、それも微かに森の奥から響いたような、小さな声だったが、
頭の中でその声は何度も反響し、今では蕗という少女の全身を駆け巡っていた。
兄の声。頼もしい、兄の声。間違えるはずが、なかった。
坂木杏は強く優しい、蕗の自慢の兄だった。
柄の悪い学生たちに絡まれたときも、兄が助けてくれた。
瞬きをする間に何人もやっつけてくれた背中の広さを、蕗はずっと瞼の奥に留めている。
幼い頃を思い出せば、近所のよく吠える犬からも、飛んできた雀蜂からも、蛇の抜け殻からだって、
兄はずっと蕗のことを守ってくれていた。あの時も、あの時も。
既に現実から乖離した、それは夢想である。
夢想の中の兄は、蕗の悪夢を一撃で吹き払う、無敵の救世主であった。
0809君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:57:58その、最後の一歩が、少女の夢想を粉砕した。
「……え?」
そこにあったのは、悪夢である。
そこに現実はない。あるはずがない。
「お、にい……ちゃん……?」
坂木杏が、倒れていた。
血と、泥とに汚れ、穴だらけの足を投げ出し、手首から先は喪われ。
そこに、救世主の面影は、なかった。
だからそんなものが、現実であるはずがない。
その背に突き立った剣を引き抜く影がある。
赤と黒と褐色の斑模様に染まった分厚いコートを纏った、背の高い影。
猟銃を背負い、手には長剣。
そんなものが、現実であるはずがない。
「……ん?」
蛇のように細められた目が、ちろりと動いた。
毒々しいまでの悪意に満ちたその瞳に射竦められて、蕗の呼吸が止まる。
ああ、そんなものが、現実であるはずがない。
「君は―――」
逃げ切ったはずの、振り切ったはずの悪夢が、目の前にいるなんて。
兄の背から引き抜いた剣についた、何か赤いものをコートの裾で拭っているなんて。
「―――会いたかったよ、フキ」
0810君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:58:14ああ、ああ。そんなものが、現実であっていいはずが、なかった。
―――坂木蕗は知らない。最愛の兄の、最期の祈りを。
/*/
悪夢が拡がっていく。
悲劇が連鎖していく。
想いが断ち切られていく。
墓凪可憐の願いが、
鈴木万吉の迷いが、
坂木杏の祈りが、
坂木蕗の絶望が、
ロアルド・アムンゼンの悪意が、
すれ違い、絡まりあって、
深い森を覆っていく。
―――誰もが知らない。この地獄絵図の終わりを。それを誰も、知らずにいた。
/*/
0811君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:58:41【墓凪可憐】
【装備】:李飛龍の青龍刀
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。
1:蕗を追う
2:蕗を守る
3:蕗の家族を探しながら脱出する方法を考える。
【鈴木万吉】
【装備】なし
【所持品】支給品一式
【状態】健康
【思考・行動】
基本:恋愛フラグを立てて生還する!
1:走り出した女の子たちを追うかどうか決める
2:恋愛フラグを探す
3:死亡フラグからは何があっても逃げる
4:何ロワイヤルなのかを考察する。
5:生活については帰ってから考える
【坂木蕗】
【装備】:なし
【所持品】:なし
【状態】:絶望、恐慌、現実逃避 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本:死にたくない……
1:お兄ちゃん、助けて。
0812君たちの知らない、いくつかの出来事 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 14:58:59【装備】:SPAS12(2/8)、勇者スポポロスの剣
【所持品】:支給品一式、首輪探知機
【状態】:両足に軽い凍傷
【思考・行動】
基本:参加者を皆殺しにして、再び永遠の眠りにつく
1:目の前の少女(蕗)を犯して殺す
2:平行世界の自分を苦しめて殺す
3:見かけた人間を手段を選ばず殺す
4:少女なら犯した後に殺す
※杏の持ち物の内、透視スコープは杏の懐に、ローラーボードは遺体の近くに落ちています。
※手斧は杏の手ごと、遺体の近くに落ちています。
【坂木杏 死亡】
【残り49人】
0813 ◆Ek9St4HTQk
2008/05/28(水) 15:01:260814名無し草
2008/05/28(水) 15:10:13って救いがNEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!
まさに悪夢、まさに無情。
GJと言わざるをえない!
0815名無し草
2008/05/28(水) 15:19:16北西は地獄すぐるだろJK…
万吉の母親とかさりげない爆弾も仕込まれててGJでした
しかしフラグ操作でここまでの状況を作るとは、あんたホンマもんの鬼や!(ほめ言葉)
0816名無し草
2008/05/28(水) 15:30:43面白い!
万吉ファンからすると次にどういう行動に出るか楽しみで仕方ないw
0817名無し草
2008/05/28(水) 15:55:50って杏――――!!
やっぱりお前が坂木家で最初の死者になったかw
そして蕗はもはや不幸王の一角と言っていいだろう
0818名無し草
2008/05/28(水) 22:47:18鉱物の副作用で見た目が年取らなくなってるのは分かるけどミーウとしては17歳なんだよな。
ニャルロットの58歳(鉱物が発見された年)と合わせると大体五年以内に美羽からミーウになるとして合計で70~75歳?
0819名無し草
2008/05/28(水) 23:03:540820名無し草
2008/05/28(水) 23:13:160821名無し草
2008/05/28(水) 23:17:43あとは伏線なしで飛んだらバトルのど真ん中だったとか…
0822名無し草
2008/05/28(水) 23:22:230823名無し草
2008/05/28(水) 23:26:030824名無し草
2008/05/28(水) 23:34:140825名無し草
2008/05/28(水) 23:54:120826名無し草
2008/05/29(木) 00:08:59坂木兄弟の悪夢はまだまだ終わらない。
この悪夢を終わらせるのはお前だ!万吉!
0827 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/29(木) 00:47:590828 ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:35:250829もし戻れるならば ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:37:47彼女がバグ狐と揶揄していたミーウ同様、彼女もまたいくらかヴェーヌに依存していた。
雑貨屋が軒を連ねるエリアで、青いのベンチに腰掛ける。その瞳には全く光がなく引き込まれるような闇が、彼女の瞳の中で渦を形成していた。
近寄りがたい空気が場に立ち込める中、佐藤は彼女からわざと距離を取るようにして、誰もいない薄ら寂しい駄菓子屋で、まだ賞味期限の切れていない『喰える駄菓子』を探し出している。
だが見ると、大半の駄菓子は賞味期限が切れていないどころか、用意してまだ日が浅いことが推測されるほど、賞味期限は遥か遠くだった。
この事実からはあらゆる事を予見させるが、無知なこの男は「駄菓子って結構日持ちすんだな…」程度のことしか思わない。
「…………」
佐藤は駄菓子の一角である「うんまい棒」を簡易陳列棚の形を成している箱から数十本を抜き取るとその内の2本をジュリアに向けて投げた。
「……………届いてねーぞ…もうちょいこっち向けて投げろや」
「や…だってさぁ何か今のアンタかなり思いつめてっからよ……何かオーラ的に近寄りづれーのよ」
「無粋な若者」である佐藤でも、この空気は察することができた。
先ほどの放送で…彼女の知人が誰か死んだのだろう。誰か何て分からない。マイルズか?ピタゴラスか?それとも…
「すげー世話んなった人がよ……死んだことに今気付いた」
「………」
佐藤の思ったとおりであった。いや、少し考えれば分かるだろうが。異常な環境ではそれが異常ではない。知り合いがいたとしても会える確率なんて皆無だろう。同じ言葉であっても悪い意味を意味する『遭える』確率ならばあるだろうが。
自分にもその危機感が伝わってくる。自分には失うことで精神が失落するほどの親しい人はいない。
そんな人間らしい哀しみ方ができる彼女を、佐藤は少しだけ羨んだ。それは不謹慎だと知っていたが、その美しさは現代に毒されすぎた彼にとっては目映いほどのものだったのだ。
「隣いい?」
地面に落ちていたうんまい棒をジュリアに受け渡し、彼女の隣に腰掛けた。
0830もし戻れるならば ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:38:24「…………」
うんまい棒をチマチマ齧る間は、沈黙そのものだった。
佐藤にはやはりそれが耐え切れなかったのか、その沈黙はA4のコピー用紙のように簡単に破られる。
「…あ……あのさぁ!」
「何?」沈黙を打破したその言葉さえも、ジュリアは淡白な態度で返す。
「俺に何かできることあったら言ってくんない?あんま抱え込まれるとさぁ……俺としても……」
「だったら聞いてくんない?」ジュリアの佐藤を見つめる視線は、とても真剣で、ライオンと分かっていても佐藤が少しだけドキドキしてしまうほど、魅力的だった。顔を赤く染めた佐藤を見つめる。
「な……何だよ…」
少しの間だけ広がる沈黙。だがそれはすぐに消えてなくなる。
「お願い。死んで」
「--―え?」
ジュリアの冷淡な言葉と、ツァスタバを発砲する銃声。その瞬間、佐藤の脳漿はベンチの下に飛び散り、佐藤もまた崩れ落ちた。
「悪ィな……でも思い出したんだ」ジュリアは、血と脳漿に塗れた青い…いや赤いベンチに腰掛けた。
0831もし戻れるならば ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:40:10歴史上では病死したとなっている。そして当然帝国は荒れた。戦争が始まる目前。指揮を失った烏合の衆たちは死を覚悟した。だが、そこに救世主が現れる。
森燐仙(もり りんせん)と名乗る青年(森蘭丸はこの平行世界でも本能寺の変で戦死したため、おそらく無関係)が頭角を現し始める。
彼が羽柴や徳川を始めとするそうそうたる面々黙らせて指揮を取り、アジア帝国は戦に臨んだ。
結果を述べるならば大勝とはならなかったが、イタリア・デンマーク・アイルランド・キプロスなどの諸国を植民地下におき、1606年にイギリスで結ばれた「ヨーク条約」により、戦争は終結。
占領された諸国は、事実上ヨーロッパに見捨てられたと言ってもいい。
燐仙は、戦争終結後すぐに皇位継承権を得た。それに反対だった羽柴を始めとする武将たちは、彼が皇位を継承するころにはすでにこの世にいなかった。
森は40人近くの女に子を孕ませ、その16年後に消息を絶つ。3代目皇位継承者は、第一皇子
「森 星照院金月(せいしょういん ジンユエ)」が継承し、以後は森家の天下が続く。
それから時は流れ、19世紀。
前皇帝が喉頭癌で死に、国は次の皇位継承権は誰が握るかでとても荒れた。
皇族関連のどうでもいいネタの号外を配る飛脚と、それを物凄い形相で奪い合う町民。
「国民も暇ねぇ……たかが皇位くらいで…」紫色煙管から煙をゆったりと吹き、気だるそうにその女性は言った。
「いけませんよ!閣下!!そんなことを仰られては他の皇位継承者候補に付け込まれます!!」
「ハイハイ…そうね…悪かったわよジュリエット」
煙管の火を消して下げ、その女性はジュリエットという名前の金髪蒼眼の女性に近づく。
紫色のロングヘアーに、最高とも言えるナイスバディな肢体、そしてそれを強調するようなやや露出度の高い「踊り子」のような着物を身に纏った女性。
「では参りましょうか秀猫院美羽閣下がお待ちです…森 白部塗院藍璃(しらべぬりいん あいり)様」
0832もし戻れるならば ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:41:16場所は豪華な装飾に彩られた蒸気船が停泊している港。その波止場で、突然黒髪の少女こと、美羽が藍璃の胸に飛び込んでくる。
「っっっ!秀猫院閣下!!?」ジュリエットは顔を赤らめながらも、すぐに美羽を引き剥がす。
「あらジュリエット?アナタもいたのね!!」
と、美羽はすぐさまジュリエットの後ろに回り、その形のいい胸を服の下からも揉みしだき始める。
「!!?」ジュリエットはすぐさま美羽を跳ね除ける。未だ彼女の顔は真っ赤々だ。
「やっぱアメリカの白人奴隷はおっぱい大きいわね~お姉さまには及ばないけど~」
「ちょっと美羽?目的を忘れてない?この客船にはアメリカの大統領も乗ってるのよ?くれぐれも粗相のないようにね!」
「ハーイ!」
「何かあったらすぐに文をよこしなさいね!!家臣にもちゃんと言っておきなさい!」
「分かってますって!お姉さまったら心配性ね~」
「……そうね…もう美羽も大人なんだから…心配することないか……」
「そうですよー!もう私も子供じゃないんですから」
そうして、藍璃は美羽の船出を見送った。今回の渡米の目的は、大統領との対談と、戦後間もないアメリカ合衆国の視察である。
そうして二人は馬車で城に帰る。だが、ジュリエットは馬車のうちで、浮かない顔をしながら下を見つめていた。
「……ジュリエット……やはりあなたアメリカに…」
「いいのです…故郷にはもう帰れませんから…それに………」
「それに私はアナタに受けたご恩は忘れません!必ずやこのご恩をお返しするつもりです……」
「そんなに硬くならなくていいわよ…こっちは好きで引き抜いたんだから……これからも宜しくね…ジュリエット・シルバー…」
「……ハイ!」
0833もし戻れるならば ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:42:14彼女に「2度」救われた恩を返し、彼女を護ることを生き甲斐としてきたジュリアにとって、この宣告は死刑よりも酷であり、彼女の心はA4のコピー用紙のように簡単に引き裂かれた。
今の彼女にかつてのような荒っぽさ…いや、活気はない。
【B-9 雑貨屋内部/1日目 昼】
【ジュリア】
【状態】:右腕に軽い裂傷、覚醒(だが無気力)
【装備】:ツァスタバ CZ99(10/15)、シグザウアー SP2340(10/12)
【所持品】:支給品一式、ツァスタバ CZ99のリロードマガジン(3)、シグザウアー SP2340のリロードマガジン(3)、養命酒、解毒剤(4)、うんまい棒(9)
【思考・行動】
基本:ヴェーヌを失った今、ゲームに乗ることにする
1:もう目的は何もない。皆殺して優勝する。
2:目的があるとすればヴェーヌを殺した者を惨殺する
【佐藤 健 死亡】
【残り48人】
0834 ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 06:42:580835名無し草
2008/05/29(木) 08:01:41ミーウは研究所の説明、ジュリアは五十年前の三人の説明を担当している感じかな?
佐藤は……詰んでたしなあ。
0836名無し草
2008/05/29(木) 12:18:20思い出した、で過去の設定が追加されるのがオリキャラの怖ろしいところでもあり楽しいところでもあるなw
考察ヒント(?)まとめ
ジュリアの記憶
・三人が生きていたのは十九世紀
・その頃はまだ普通の人間
・その世界には大アジア皇帝信長がいた
ミーウの話
・五十~六十年前
・歴史から抹殺された人間を使った実験体
導かれる可能性
・二人はよく似た別の平行世界の人間
・二人が元にいた世界の人間はやたら長寿
・十九世紀末に娘時代→二十世紀中頃、婆さんになってから改造された
・ミーウの年代が勘違い
・ミーウが嘘をついている
・ジュリアの記憶がおかしい
ああ、婆さん説と勘違い説以外はどれもおいしいネタに膨らみそうだ…。
0837名無し草
2008/05/29(木) 13:17:10佐藤は死んだか。最後まで不憫なやつじゃったのう。
次々と明らかになる過去が今後の物語にどう絡むか楽しみです。
MAP更新いたしました。
>>765氏がやってくださったので、しばらくいいかなあと思いましたが
一応、まだ生きてるよ宣言も兼ねて念のため。
思ったより速い流れについていけず、更新が遅れてしまって申し訳ないです。
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0052.png
とりあえず、ニャル組は移動しないと爆死。
0838名無し草
2008/05/29(木) 13:42:18狭霧の話も含めると矛盾が生じるような
0839名無し草
2008/05/29(木) 13:57:140840名無し草
2008/05/29(木) 17:30:480841名無し草
2008/05/29(木) 17:53:160842名無し草
2008/05/29(木) 18:31:340843名無し草
2008/05/29(木) 19:09:54乙です。改めて見て本当に北西は地獄だな
ttp://www7.atwiki.jp/orirow?cmd=upload&act=open&pageid=15&file=%E4%BA%BA%E7%89%A9%E7%9B%B8%E9%96%A2%E5%9B%B3Ver004.jpg
ついで人物相関図更新。
一応同一世界っぽいのは一つの世界として括っていますが、確定情報ではありません。
0844名無し草
2008/05/29(木) 19:16:14椿は泪の友人
0845名無し草
2008/05/29(木) 19:48:34ttp://www7.atwiki.jp/orirow?cmd=upload&act=open&pageid=15&file=%E4%BA%BA%E7%89%A9%E7%9B%B8%E9%96%A2%E5%9B%B3Ver005.jpg
0846名無し草
2008/05/29(木) 20:24:300847名無し草
2008/05/29(木) 20:36:050848 ◆dEUulpVSzA
2008/05/29(木) 21:30:060849名無し草
2008/05/29(木) 21:32:100850名無し草
2008/05/30(金) 01:56:28誰か頼む
0851名無し草
2008/05/30(金) 02:39:060852名無し草
2008/05/30(金) 13:15:25http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1212120654/l50
0854 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:46:580855 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:47:43狂った科学者の含み笑いが、いつまでも耳の奥に木霊していた。
ロアルド・アムンゼンと坂木檀は、あれから少し北に行ったところで見つけた小さな家で休憩を取っていた。
家には一片の生活感も無く、当然のことではあったもののやはり不気味なものを感じずにはいられなかった。
ぱんつをはいてないことによる不快感にはわりとすぐ慣れたが。
檀は突如始まり唐突に終わったその一方的な定時連絡を椅子に腰掛けたまま聞き終え、そして呆然となった。
「死亡者」として読み上げられた名前の中に、兄である坂木杏や妹の坂木蕗の名前は無かった。
二人とも少なくとも今この瞬間はまだ元気でいる。そう思ったら安堵のあまり体の力が抜けそうになる。
一方で、呼ばれた名前の中には「高原恭司」という名もあった。同じクラスの男子生徒だ。
三日に一日くらいしか登校しない、それなりの進学校であるうちの高校ではやや浮いている不良。
時には顔に生傷を付けたまま登校したりしていかにも近寄り難い雰囲気を出していたが、檀たちのグループとだけは比較的仲がよかった。
ほとんどのクラスメートが彼を怖がる中、檀は
「あんたがあんまり休んだら風紀委員の私が叱られるんだからねっ!! ちょっとは真面目に学校に来なさいよ!!」
と文句をつけることがあった。
高原に面と向かってそんなことを言えるのはクラスでも檀だけだっただろう。
そんな彼が死んだ。
しかし、檀はそのことについて何ら特別な感慨を持たなかった。
あえていうなら、「自分で殺す手間が省けてよかった」程度のものだ。
名簿の中に彼の名前を見つけたその時から、彼もまた殺さなければいけないと決めていたからだ。
たとえ凪や久司の名前が名簿にあったとしても、檀は迷わずに彼らを殺害することを決意しただろう。
もう一人、高校の数学の教師である日滝菅彦の名前もあった。
檀はそれにも眉一つ動かさず、ただ粛々と手元の名簿に家の中で見つけた黒いペンで棒線を引いていたのだが……
「どういうこと?」
0856 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:48:52遥は自分がこの手で殺したはず。だから当然名前が読み上げられるだろうと思っていた。
もしかしたら、まだ遥は生きているのではないか? なにしろ実際に死体を見たわけではないのだ。
「この会場で死ねば死体が消えるのではないか」というのも、ただの自分の仮説に過ぎない。
何らかの方法で遥が自分の前から逃げた可能性も否定できないだろう。
しかしもう一つの可能性も考えられる。それは、これもあのアルベルトという男の『実験』の一環ではないかということだ。
この実験の目的が、
『もし自分が殺したはずの人間がまだ生きているかも知れないと知ったら、人間はどういう行動に出るのか』
なんてものにあったとしてもおかしくはないだろう。
果たしてどちらの推論が正しいのか、目下それを確かめる方法は……
突然、落雷のような激しい音が小さな家の中に響いた。
檀の向かいに座っていたアムンゼンが、椅子を倒して立ち上がった音だった。
「わが友スコット!! 何故死んだ!!」
アムンゼンは天井を見上げ、まるで神に詰問するように咆哮した。
その顔には悲嘆と絶望とが滲み出ていた。それはまさに、親友と呼べる人間を失った人間のものだっただろう。
自分も遥を殺した時にはこんな顔をしていたんだろうか、などと思いながら、檀は机の上に崩れ落ちたその男の姿を見て、今こそ彼を殺す好機なのではないかと感じた。
さっきまでに比べれば明らかに隙だらけの姿。今なら不意打ちできるかもしれない。
そうすれば、「ここで死んだ人間の死体は消える」という考えが正しいかどうかが確かめられる。
……しかし、それもこちらに武器があればの話だ。
便利な刃物はアムンゼンによって没収されている。
いくらなんでも、それを奪い返すのを黙って見過ごしてはくれないだろう。
家の中からは包丁などの武器になりうるものは徹底的に排除されていて、アルベルトの几帳面さを思い知らされた。
0857 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:49:37出来るなら撲殺くらいだろうが、自分程度の力では無理だ。
せめて紐のようなものでもあれば、後ろに回って首に掛けて絞めれば……
男の一見細そうに見える首に凶器を食い込ませ、めいいっぱい力を込めて男の命を摘み取る自分の姿を想像する。
そしたら、胃の辺りにふいに鋭い痛みが走って、胃袋を締め上げられて中の物が思わず逆流しそうになった。
思わず口元を押さえて愕然とする。
さっきまで無かったはずの、人を殺すことに対する恐怖がここにきて蘇ってきたのだ。
恐らくは、遥がまだ生きているんじゃないかと思ったその時から――
(どう、して……っ!!)
遥が生きていようが死んでいようが関係ない。生きているなら、また探し出して殺すだけだ。
そうしないと兄と妹は生き残れない。
二人に生きていてもらうためなら何だってすると、一番最初にあれほど強く誓ったのに……
(なんで、今頃になって怖くなるのよ!!)
自分自身への苛立ちが胸を押しつぶしそうだった。
「レディ」
気がつくと、アムンゼンが机から顔を上げて自分を見つめていた。仲間を心配する探険家の顔をしている。
「あなたの知り合いの名前も呼ばれたのですか?」
「……ええ」
間違いではないのだが、何故か自分が嘘をついているような気分がした。
「そうですか。残念です」
そう呟くと、白髪の冒険家は棒立ちのまま痛ましそうに頷いた。恐らく彼は命を落とした檀の知り合いに対して、檀以上に愛惜の念を抱いているのだろう。
「あんたの知り合いも?」
「ええ。スコットは私の恩人であり、最後まで私を理解しようとしてくれた友でした。
私が罪を犯した時にもただ一人庇い続けてくれたのです。同時に彼は偉大なる英雄でした。
こんなところで死んでいい男では無かった」
0858 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:50:41スコットと言えば、アムンゼンが一番有名な冒険家であればおそらく二番目に有名な冒険家だろう。
もっとも兄のような本の虫でもなく、妹のように無駄知識を溜め込んだりもしない檀はその他に冒険家といえば植村直巳くらいしか知らなかったが。
「いいえ、死んでいい人など一人もいません。誰かが死ぬ時、必ず嘆き悲しまなければいけない人が生まれてしまいます。
私やあなたのようにね。それが、人を殺すことが罪である理由のひとつです」
アムンゼンは自分が蹴倒した椅子を元の位置に戻して座りなおした。
「レディ、あなたが人を殺したことで、今この場で果たして何人の人が泣いているか、想像して御覧なさい」
穏やかな声で、まるで励ますような口調で言った。
しかし檀はそんな言葉などろくに聴かず、掌に兄の居合刀を握り締めながら口の中に広がった酸っぱさをどうにかすることに苦心していた。
「クソ、ヨモギーノの手先め!! 一体どこに行ったのだ!!」
殆どの参加者が不用意に危険人物に自分の居場所を知らせないよう注意して行動している中、堂々と雄たけびを上げている少年がいた。
トレードマークたるマントを翻して先ほど自分を襲った男女を探すのは「幸運勇者」スポポロスである。
「どこに隠れようと、僕様から逃れることは不可能なのだ!! そして、鈴村さんも返して貰うのだ!!」
彼はいつの間にか自分の傍からいなくなっていた鈴村佐知代が、さきほどの二人組に捕まったと思い込んでいたのだ。
しかし彼はそれほど悲観してはいない。
今までの経験上、適当に歩き回っていればすぐになんとかなるであろうからだ。
それがいわゆる「ご都合主義」というものであることを知る由もない勇者は、何も考えずにたどり着いた住宅街にある民家のドアを片っ端から空けて中を検分していた。
しかし行き当たる家はどれももぬけの空。
「まったく、今回の敵はいつもよりも狡猾な奴ららしいのだ!!」
いつものようには上手く物事が運ばないことに不満を漏らしながらも、勇者は抜き身の刀を手にして最後に残った家のドアを空けた。
「ヨモギーノの手先め、覚悟するのだ!!」
ちょうど扉の前に並んで立っていた白人の男と刀を提げた小柄な少女が目を丸くしていた。
0859 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:51:35闖入してきた少年の姿を見て、檀は信じられないようなものを見たような声を上げる。
当然だろう、何しろこんな場所で「コスプレ」をしている人間がいるとは思わなかったからだ。
「ひょっとしてコスプレのイベント会場から連れてこられたとか? そりゃお気の毒ね
あ、ひょっとしてあんたが名簿にあった『勇者スポポロス』? そんな格好してるからこんな名前で書かれたのかもね」
「こすぷれ? なんなのだそれは?」
いい年こいて勇者の変身セットを身に着けた少年が首をかしげて見せる。
「レディ、この、その、随分と個性的なファッションセンスをお持ちのジェントルマンはお知り合いかね?」
「ううん。ただ、この子が着てるのがナントカ勇者スポポロスっていうアニメキャラの衣装だったから」
檀がこのアニメのことを知っているのには理由がある。
これは蕗が放送当時「今クール最高!!」とか言って随分気に入っていたアニメで、原作小説からDVDに到るまで買いあさっていたので檀も一通り見たことがあるのだ。
まあそのくらいなら良かったのだが、放送終了後も熱が冷めなかった蕗はどこからか登場人物の一人であるミルフィーユの衣装を調達してきて
「今年の学際でコスプレしようと思うんだ~!!」
などと言い出した。
それくらいなら苦い顔をしつつも看過していた檀も、
「もちろんお兄ちゃんとお姉ちゃんの分も用意してあるよ!! お姉ちゃんはヘヴ山ゴッド子で、お兄ちゃんはスポポロスってイメージじゃないから敵キャラの黒騎士ヤンで」
とか言い出すに到って流石に蕗を殴り飛ばした。
しかしその後すっかりノリ気になってしまった久司と遥、そして女子のコスプレ姿見たさに賛同した凪に押される形で蕗の野望は実現してしまうのだが……
まあ、それはまた別の話だ。
「お前、なんで僕様の名前を知ってるのだ?」
何故か身構えるコスプレイヤーの少年。
「そりゃ、その格好はスポポロスでしょ? 最終決戦でヨモギーノを倒した後国王に暗殺されるちょっと前くらいの」
「な、何だと? この僕様が国王様に暗殺される? どういうことだ!?」
0860 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:52:27で、それに怒ったヘヴ山ゴッド子とスポポロスの仲間達によってその国は滅ぼされ、国民は全員生きながら焼かれて殺されるの」
「やれやれ、レディの国ではそんな悪趣味な文芸が流行っていたのかね」
アムンゼンが痛ましい顔をして十時を切った。
ちなみに蕗ならこの最終回だけで三時間は一人で語れる。
「この僕様が……殺される? って、何をワケのわかんないことを言っているのだ!!
大体僕様をアニメのキャラみたいに言って、 お前達どう考えても怪しいのだ!! 刀も持ってるし!!
ヨモギーノの手先に決まって……」
そう言って抜き身のまま持っていた刀を振りかぶって二人に斬りかかろうとして、スポポロスははっと何かに気付いたかのように手を止めた。
アムンゼンと檀が目を合わせて首を傾げる。スポポロスはその檀の顔をまじまじと見て、
「お、お前こそ僕様の国で放送されているアニメの登場人物なのだ!!」
「ハア? 何いってんの?」
電車の中で他校の生徒に因縁をつけられた時のように檀は語気を荒げる。
「間違いないのだ、お前は坂木家の三兄妹の真ん中の檀なのだ!! 妹の蕗と一緒にエンディングの歌を歌っているほうなのだ!!
で、兄の杏のほうはオープニングの歌を歌っているのだ!! なんでこんな所にいるのだ!?」
「なっ……」
檀は絶句した。何故こいつは、自分が三つ子であることや兄や妹の名前まで知っているのか。
いや、さっきこいつは何と言った? 自分達はアニメのキャラクターだと?
そんなはずはない、自分達は現実に存在する人間だ。それにエンディングテーマも歌った覚えは無い。
「ええい、なんだか薄気味が悪いのだ!! とにかく怪しいには違いないから、ここは僕の奥儀で滅しておくのだ!!」
混乱の極致にいる檀に、すでに考えることを放棄した勇者が上段の構えから斬りかかってきた。
「ひきゅっ!?」
0861 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:53:28ぴくりとも動かなくなった少年の顔を檀が恐る恐る見下ろす。
「軽い脳震盪です。心配には及びません」
探検家は口を笑の形に歪めて肩を竦めた。
「にしても、これで私にもようやく事態が飲み込めてきましたよ」
失神したスポポロスをベッドに寝かせて、アムンゼンと檀はさっきまで着いていたテーブルに座りなおした。
そろそろ出立しようとしていた所で出鼻を挫かれた形ではある。
「事態って?」
「あのジェントルマンはまさに、正真正銘の『勇者スポポロス』という者でしょう」
「そんな……」
「名簿にもあったでしょう、それらしい名前が」
そういえば、勇者スポポロスという名前が名簿には書かれていた。
しかし流石にアニメのキャラクターが実在するとは信じられなかったので、本人だなどとは露も無かったのだが。
他にも桃太郎とか怪しい名前があったので、全員が本名で書かれているわけじゃないのかもしれない、などと思っていたのだ。
同時に三つあったアムンゼンの名前も、檀は「同姓同名を三人集めただけじゃないかしら?」などと言って困惑するアムンゼンを何とか納得させた。
「じゃあ何? 私達兄妹も本当はアニメの登場人部だったってこと?」
「そう決め付けるのは早計でしょう、レディ。彼の世界ではレディがあにめ、などという文芸の登場人物の一人で、レディの世界では彼のほうがそうである。
今わかるのはその程度でしょうか。恐らく、彼もレディもれっきとした実在の人間である可能性のほうが高いでしょう
彼の世界やレディの世界で放映されているあにめ、というのは単にレディたちをモデルにしたものである可能性もありますしね」
そうであってくれたほうがいくらか気が楽である。
0862 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:54:43水出しのお茶を啜りながらアムンゼンは困惑気味ではありながらもどこか楽しそうに笑う。
平行世界。
その意味がようやく檀にも少しずつわかってきた。
最初は単純に、全然違う世界がいくつかあってそこから色んな人を連れてきたのかと思っていたけど、そう簡単な話では無いようだ。
自分達の生活がアニメになっている世界があり、自分達の見ているアニメが現実になっている世界があり、そして……
「願わくば、ここで命を落としたスコットが、せめて私の知るスコットでは無いことを祈りますよ」
そう呟くアムンゼンの顔を見つめて、さあこれからどうやってこの男の持つククリと日本刀を奪おう、どうやってここにいる二人の男を亡き者にしようと考える。
最もいい方法は、どうにかしてアムンゼンにスポポロスを殺してもらうことだろう。
もちろん逆でも構わない。いや、二人に出来るだけ他の人を殺してもらったほうがいいか。
要するに、自分で殺すのが無理であるならば他の者が誰かを殺すように仕向ければいいのだ。
そんなことを考えながら、ぱんつはいてない檀はある可能性を想像せずにはいられなかった。
もしここで兄や妹、遥たちを失ったとしても、どこかにみんながまだ生きている世界があるかもしれない――
【G‐7 民家/一日目 昼】
0863 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:55:30【装備】坂木杏の居合刀(刃はありません)
【所持品】支給品一式×2、不明支給品2(武器ではない)
【状態】健康 ぱんつはいてない
【思考・行動】
基本思考:兄と妹以外の人間を(知り合いであっても)殺す
1:アムンゼンとスポポロスを利用して他の参加者を殺してもらう
1:チャンスがあればアムンゼンとスポポロスを殺す
2:自分の手で殺すことに対してやや躊躇?
【備考】
・遥が死んだのかどうか疑問を持っています。
・この会場で死んだら死体が消えるのかも知れないという考えに疑問を持ちました。
・パンツは捨てました
・「坂木檀の唾液まみれのパンツ」はI‐7 路上に放置されています
【ロアルド・アムンゼン(その3)】
【装備】ククリ、長谷部国重@信長の愛刀
【所持品】支給品一式、松井垂加の麻雀牌
【状態】健康
【思考・行動】
基本思考:殺し合いはしたくない。犬だけは出会ったら必ず食べる。
1:スポポロスが起きたら情報を交換する
2:檀が再び過ちを犯さないように監視する
3:この会場から脱出する方法を考える
4:ところで犬はどこだ!?
0864 ◆/O9sjV9JyQ
2008/05/30(金) 15:55:40【装備】:なし
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康、 後頭部打撲、脳震盪
【思考・行動】基本:魔物を殲滅してアルベルトを倒し、ヨモギーノと決着をつける。
1:こいつらヨモギーノの手先か!?
2:杖を取り返す。
3:佐知代を取り戻す。
4:街に行って占い道具を探す
【備考】:ケンシロウ(自称)のヌンチャクは海に流されました
※スポポロスはエリアG-7にある民家の全てを調べましたが、誰とも遭遇しませんでした
0865 ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 15:56:160866しすたあのなく頃に ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 15:57:17渦を巻く思考のせいなのか、それとも脳が「ハッキリした思考」を遮断しているのか分からないが、とにかくその声は、恐怖や狂気を孕んだ、彼女が畏怖するものであった。
『……靄場志乃…シノン・ヘイズ……靄場伍助…ゴメス・ヘイズ……二人は兄弟と言う設定……後藤戦の触手に首を刎ねられて物語開始前冒頭で死亡する哀れなモブキャラ。さて…次はクラスメイトだな…』
『井倉祐樹…イーグル・ユーゴ。車田涼…レイ・グルーバー……鳳美里……コードネーム『プリ―スト』…本名はオードリー=ミリア……千恵原有子……コードネーム『シスター』…
本名はアリス=チェンバレン……第一章中盤ですぐに死に………他の登場人物に恐怖を与える者だ…特に千恵原有子………お前には苦しんで死んでもらうよ…』
込み上げてくるのは末期の悪性腫瘍のように、丸々と肥え太った心の中のもやもや。シスターはついに嘔吐した。
食事はほとんど摂っていないので、嘔吐の内容物はほとんど水だけだった。地面を濡らした嘔吐物が、口元に少しだけ残る。口元に何か這う感触。
細く冷たい触手はシスターの頬に当たった。
「ひぃいいいッ!!!?」
すばやく身を翻すシスター。だが触手などどこにもない。そう。どこにもないのだ。
幻覚であると知っていても、警戒を緩めずにはいられなかった。
今のシスターにあったのは触手や血。絞殺、斬殺などを一括した死への恐怖だけであった。
ガッチリと両手で祈るように握るコルトが、汗で濡れ、銃身がそれにより滑ってしまいそうだった。
「私は一体誰………?私は…私は…あたしは…」
「……誰かいるんですか」
響く声は、シスターの脳に少しの平安を与える。
樹木の陰の間から現れたのは、自分より一回りほど小さい少女…おずおずとした態度でバックパックを盾に、ちまちまと歩を進める少女。
0867しすたあのなく頃に ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 15:57:52シスターはより一層コルトを強く握り締める。汗はより一層激しく流れ落ち手元が滑りそうになるが、シスターはそれに気付かない。自分は生きていて。しかも健康そのものなのだが、心は今にも崩れ落ちそうでその無害そうな少女さえ、例の触手の塊が重なって見えてしまう。
「―――来ないで……来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで来ないで……」
気がつけばシスターは少女にコルトを向けていた。
ピピンも、シスター同様半狂乱状態であった。生首や斬殺現場……スプラッター映画のCMを観ただけで失禁しそうになるピピンにとっては想像を絶するほどに酷であり、死への恐怖は最高潮にまで達していた。
さてここでこのSSを読んでいる人に問題です。何簡単な足し算ですよ。
半狂乱者+半狂乱者=?
正解は……修羅場である。
ピピンがとっさにバックパックから取り出したのは、回転式の拳銃。
二人はその瞬間引金を引いた。意外かもしれないが、先に引いたのはピピン。
初心者には扱い辛いマテバ・リボルバーだった為、銃は木の枝に着弾し、片手で引金を引いたピピンはすぐに銃を手から零してしまう。
「痛いっ!?痛いよ痛いよぉおっ」
発砲の際の衝撃をモロに受けた手首を押さえ込み、泣き叫ぶピピンを他所に、同じく半狂乱状態のシスターも狙いを全く定めずにコルト・ガバメントを只管に連射する。1発、2発、3発、4発。
冷静さを欠いた彼女の発砲に、正確さは皆無であった。
地面に着弾した時点で銃弾から硝煙が伸びる。その硝煙はシスターに向けて伸びに伸びる。絡みつく触手のように……
「ハッ!!?」気がついたころには触手はシスターの肩にまとわりつく。もちろんそれは幻影だが、
止まぬ恐怖は、より一層加速する。二人は、狂気の中で神の存在を疑った。
0868しすたあのなく頃に ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 15:58:29自身の身体を這いながら移動し、目の前に現れて口を開く、映画「エイリアン」に登場するエイリアンの内顎のような異形の触手に向けてコルトを向けるが、恐怖による震えと汗によるすべりにより狙いが定まらない。
触手は唾液塗れの口を開け、蛇のようにシスターを威嚇する。諄いようだが、これはあくまで彼女の恐怖からなる幻影。
だが、ここで不思議なことが起きる。その触手は、発砲音と共に飛来した銃弾によって上半分を吹き飛ばされ、地面にベチャリと落ちた。
撃ったのはシスターを逃げ腰でマテバの引金を引いた少女―――ピピンであった。
0869しすたあのなく頃に ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 15:59:30それゆえに自身のネガティブ思考は、日々肥え太り、地球観察の任を受けるころには、そのマイナス思考は、性根が『折れる』一歩手前にまで来ていたのだ。
「こ………こ…ここここ…こ……来ないでください……!」
おずおずとした態度でシスターと向き合いながらも、彼女は両手でしっかりとマテバを握り締めていた。
「………落ちた…触手が…」
肩に被弾したシスターは、肩を拭う。そこにはあの異形の触手の黄色い血が付着している。それにより彼女の貌に浮かぶのは安堵。
だが実際はこうだ。肩に被弾し、右肩を上げられない状態。掌に付着したのは紛れもなく、彼女自身の真っ赤な血。
「…………落としてくれたのね…ありがとう……私の名前はアリス=チェンバレン…アナタの名前を聞かせ……」
「いやあぁぁぁぁぁぁあ来ないでぇぇぇええ!!!」
甲高い叫びと共に再びの発砲。狙いはハッキリと定まっておらず、357マグナム弾は、シスターの腹に風穴を開けた。
その時点でシスターは無言で仰向けに倒れる。そして被弾した地点から血が流れる。内臓は貫通しており、明らかに彼女が死ぬのは時間の問題だった。仰向けになったことにより血は地面にどんどん流れ出る。だがシスターはその血全てが見えたのだ。触手に…見えたのだ。
「………まだ付いてるわよね?ねえ早く撃ち殺してよ……この触手をォォォォッ!!早…………くこの触手を……」
そう言った時点で、シスターの息は尽きていた。彼女は創造主たる靄場陸朗に出会ってしまった時点で運が尽きていたのだ。こんなことを言うのは無責任かもしれないが、触手の恐怖とは別ものの脅威により死ねたのは、せめてもの幸運と言っていいのかも知れない。
彼女のデスマスクに安堵は見られないが。
0870しすたあのなく頃に ◆dEUulpVSzA
2008/05/30(金) 16:00:07【ピピン】
【状態】:狂乱
【装備】:マテバ 6 Unica(4/6)
【所持品】:支給品一式、357マグナム弾(18)
【思考・行動】
基本:死にたくない
1:極度の緊張により複雑な思考を保てなくなってます
2:とにかく逃げること。それ以外は頭にありません
【コードネーム『シスター』 死亡】
残り47人
コルト・ガバメント(0/7)と支給品一式+水、ベレッタM92(15/15)、.45口径弾(14)、9mm.パラペラム弾(32)はシスターの死体の近くに落ちてます
0871名無し草
2008/05/30(金) 16:01:49マテバ 6 Unica(3/6)
0872名無し草
2008/05/30(金) 16:35:05>>864
スポポロスっててっきり朝の子供向けアニメかと思ってたら随分重いストーリーだなおいw
しかも鬱エンドかwwwwwwあとアムンゼン3がやっぱまともにしか見えなくて困る。
>>870
狂乱二人がかち合ったら流石にマズイと思ったが、やっぱり片方死んだか…
それにしても陸朗のネーミングセンスが色んな意味でひでぇw
0873名無し草
2008/05/30(金) 18:42:56有子ぉぉぉぉぉぉぉ!
まさか有子の方が死ぬとは、グランバニア兵士の方が死ぬと思ってたぜ。
>>864
アム3は犬にだけ遭遇しなきゃまともだなw
スポポポポポロスなんかそのうち転んで後頭部強打で死にそうなんだがw
0874名無し草
2008/05/30(金) 19:28:02アム2 花子 ジュリア
ピピン
後藤
ミーウ 椿<アッー
時宗
狭霧
0875名無し草
2008/05/30(金) 19:36:260876名無し草
2008/05/30(金) 19:37:270877名無し草
2008/05/30(金) 19:42:420878877
2008/05/30(金) 19:43:37◯も
0879名無し草
2008/05/30(金) 19:50:50後藤:超無差別。カニバリズムが目的
檀:地味に危ない。やや動きにくい状況
狭霧:クレイジー死刑囚。動く気はないと思う
ジュリア:ヤケクソ従者。基本は無差別
ファシル:クレイジーだけどやや丸くなってる
捨流主:今は動いてないけどどうなるか分からない
時宗:多分移動している。放送後心境がどうなるか
花子:無差別。でも地味に命の危機
ピピン:狂乱。だが彼女自身もやや危ない
哲也:地味に危ない。捨流主、檀同様動きにくい状況
アムンゼン2:狂気の引金になるかどうか分からない。花子もいるから彼も地味に危ないかも
今のマーダー(ステルスも含む)たちの状況
0880名無し草
2008/05/30(金) 20:45:390881名無し草
2008/05/30(金) 20:48:51エンディングとどっちが売れたのか気になる
0882名無し草
2008/05/30(金) 20:58:51誤爆?
0885名無し草
2008/05/30(金) 21:37:200886名無し草
2008/05/30(金) 21:49:26でもアルベルト博士なら有りえるが。いや案外アリシアの選択だったりしてなwwwwwwww
0887名無し草
2008/05/30(金) 22:13:30千恵原有子→アリス=チェンバレン…おお、そうきたか。
劇中で出てきた設定を上手く活かしてるのが面白い。
しかしこうしてみると靄場は本当に危険人物だなw
0888名無し草
2008/05/30(金) 22:19:460890名無し草
2008/05/30(金) 22:42:43ドラクエみたいな世界だと想像してたんだけど
それに、繋げ方がちょっと強引に感じた
0891名無し草
2008/05/30(金) 22:44:300892名無し草
2008/05/30(金) 22:51:22そりゃアニメがあってもおかしくはないけどさ
無理に全部の世界を繋げる必要もないんじゃないかなと
どこの世界もアニメや漫画だってのはちょっと萎えるし
0893名無し草
2008/05/30(金) 22:52:07某アニメではロケットまであったしなw
0894名無し草
2008/05/30(金) 22:53:55階層構造じゃなくて網目構造なんだろう
0895名無し草
2008/05/30(金) 23:00:20それだけの話じゃね?
「白鯨」と「他の孤児」の関係みたいな
むしろ「学校を出よう!!」の影響を感じたけどね
0896名無し草
2008/05/30(金) 23:02:030898名無し草
2008/05/30(金) 23:23:36でも予約じゃないよ宣言だけだから好きなだけ被らせていいよ
どうせ性的に進行させるだけじゃ大きな動きは無い品
0899名無し草
2008/05/30(金) 23:34:060900名無し草
2008/05/30(金) 23:43:410901名無し草
2008/05/30(金) 23:48:45vol.1 坂木杏「妹ライフ・リターンズ」オリコン最高5位
vol.2 山野久司「こんなに近くで……」同8位
vol.3 日滝菅彦「ヤクザ顔と言わないで」同11位
vol.4 デンドロビウム「ストーキング予報の時間だよ」同3位
vol.5 真多秋生「ファインダー越しに見つめる君」同5位
vol.6 一一一「GONG」同3位
vol.7 坂木檀&坂木蕗「しすたあ・しんどろーむ」同9位
vol.8 泉遥&松井凪「お尻について」同15位
0902名無し草
2008/05/30(金) 23:49:000903名無し草
2008/05/30(金) 23:50:36ちょ、聴きてえええw
0904名無し草
2008/05/30(金) 23:53:41ニコニコで「デンドロは大変な坂木姉妹をストークしていきました」とか上げられてそうだなw
0905名無し草
2008/05/31(土) 00:07:53松井司「夜・逃・げ・でリセット」
つーかなんで女キャラのほうが抱き合わせな上に売り上げ低いんだよw
0906名無し草
2008/05/31(土) 00:09:340908名無し草
2008/05/31(土) 00:20:48エンディング曲は
蕗「♪なぞなぞ~みたいに~ あれ?お兄ちゃん、この漢字読めないよー!?」
杏「っておいお前、本番中だぞ!!」
みたいな感じの歌
0909名無し草
2008/05/31(土) 09:04:24若干密集気味だしさ
0910名無し草
2008/05/31(土) 09:13:10ケネスも時宗も恐らく動いてると思う(恐らく別の位置だけど)
もしどっちかが分校に留まってれば戦闘はやむを得ないだろう。
だが逆にどっちかが校内に潜んでるかもって話だけど…
そして時宗の場合目的を失った今、マーダーのスタンスを保てるかが疑問だが
って言うか誰かニャル組は?
0911名無し草
2008/05/31(土) 09:17:330912 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 09:51:08ニャルロット、ミルフィーユ、デンドロビウム、捨流主麻亜太、リリー・アップル・塔野、剣時宗で予約します
0913名無し草
2008/05/31(土) 12:28:41気になるけど、期待してます!
0914名無し草
2008/05/31(土) 12:41:21いや、このスレの容量的な話。でもアト40ってさり気なく余裕あるよね
0916名無し草
2008/05/31(土) 13:22:13実は1000到達の方が早いんじゃないかという気もしてたり。
0917名無し草
2008/05/31(土) 13:34:270918 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:24:020919 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:24:41放送を聴き、自分たちが先ほどまでいた自分たちがいた地点がアルベルトによってすでに禁止エリアに定められていたのだ。
移動するか否かを放送の数分前まで議論していた彼女たちは、デンドロビウムの押しにすこしだけ感謝していた。
「いやーもう少しで私らは死にゅところだったんだにゃ~」
「笑い事じゃないよニャルちゃん!」ミルフィーユの言うとおり、笑い事で済む話ではない世界だ。
呑気にそれを笑い飛ばすニャルロットの内なる心までもがそれと同様なのかは知りようがないにしても、緊張状態にある一人と一匹に対して、ニャルロットのその態度はサディスティックなものを含んでいるようにも思えた。
「で…これからどうしまスかねぇ」デンドロはニャルロットに問いかける。
「あそこに分校が見えるろ?あそこで必要にゃ物資をある程度探すつもりじゃ。下手に民家を漁るよりも幾分確実性があると思うからにゃ」
「でも民家のほうが食料とか武器とかもいっぱいあるんじゃないのかな…?ニャルちゃん」
「お馬鹿!ワガハイたちにょ目的を忘れたにょか?!あの小憎たらしいクソガキ…いや主催者に多額の慰謝料…いや……まあとにかくあの小僧に一泡噴かせる!それが目的のはずじゃろ」
「えらいアバウトっスね」
「人生にゃんてそんにゃもんさね」デンドロの一言も、かなり簡単に彼女は打ち返す。
「んん?にゃんだあれ………」ニャルロットが見つめる先にはやけに見覚えのある女性(見知らぬ男も一緒だが…)
0920七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:25:12だが、彼が見つめる彼女の瞳には絶望などは一切ない。希望に満ち溢れたものだ。
「あの人……まさか…」
「ニャルちゃん?」彼女が見つめるものは、紛れもなく人影(らしきもの)。明らかにこちらに近づいてきている=明らかにこちらに気付いている。
捨流主麻亜太の脳をよぎるのは危機感。これ以上人が増えると動きにくくなる。どんなに増えたとしてももあと一人が限度だ。ましてやこちらが持つのは近接戦闘用の武器。
もしも彼らが銃などの中距離武器を持っていたとしたらあまりにも危険だ。リスクが高すぎる。
「リリー………逃げたほうがいい…もしそのニャルさんじゃあなかったらどうするつもりだ?」
「そうですね…捨流主さん。でも私…信じてみたいんです…きっと大丈夫だって」
「だからお前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃあねえんだよ田吾作がァアッ大人しく従いやがれ!!」
思わずそう口走りそうになってしまったが、合理性を重視する彼の心がそれを思いとどまらせた。
そう。説得は不可能。もうすでに彼らは現れていた。
「ほぅ…やっぱりリリーだったにゃ」
現れたのは二足歩行の猫と空中に浮遊してるなんかよく分からん物、そして幼女。
捨流主は目眩を感じた。
0921七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:25:32彼は弟のために、いるかも分からぬ弟のために全員を殺して死のうとした彼にとって、それは自分の目的がすでに達成不可能であることを示していた。
そして、それと同時に、彼は自身の犯そうとしていたことを悔い、殺意を削がせるほどの情けない醜態を晒したケネスに、少しだけ感謝をした。
罪を犯さずに済んだのだから。H&Kをバックパックに仕舞うと、時宗は瞳を閉じ、しばらく考える。そもそもなぜ殺し合いなどに乗ろうとしたのだ?四郎を救い、皆を救い、それでいいのではないのか?だが今となっては四郎もおらず、現時点では最低でも17人死んでいる。
目を覚ませ。そう自身に言いかけた。ルールに縛られた自身を解き放て。他を貶めるではなく、他を救え。本来の自分ならばそうしているはずだ。気が狂うのを留まらせたのはその思考である。
四郎もきっとそれを望むはず。時宗がマイナスな思考を取り払い代わりに掲げたのは紛れもない。参加者を救うと言う思考。彼がG-7の民家の中を出た直後であった。
そして彼は気付く。数100m先に人影を。
0922七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:25:57探偵をやってきて、自身の行動が裏目に出ることのないように尽力したつもりだったにもかかわらずこの有様だ。
神を呪いたくなるほどの憤怒と、前も後ろも見えないような焦燥が彼の思考を貫通する。
彼が考える思考は、どうすれば全員殺せるかではなく、どうすればこいつらから逃げれるかに変わっていた。
「やあリリー。久しぶりだにゃ」
「ニャルさん!!アナタも参加してたんですか?っていうことは…」
「十中八九…アリスやポーもいるだろうにゃ…あと狭霧も……」
「だとしたらそうとう危ないくないですか?」
「えっと……ニャルちゃんの知り合いですか?私ミルフィーユって言います!」
「まあニャルさんの知り合いなら信用もできまスよね…デンドロビウムっス」
自身のことは無視して、勝手に合流した喜びを称えあうこいつらがどうしようもなくムカついた。
「アンタらも…参加者か?」
ここで捨流主にさらに追い討ちをかけるのは紛れもない、その男の登場である。
0923七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:26:25捨流主はもう怒りにより狂いそうだった。だがここで狂えばもうどうしようもない。第一この男は敵かどうかも分からない。
リリー、ニャル、デンドロ、ミルフィーユはとっさに身構える。男は丸腰だがそれだけでは警戒しない理由にはならない。
「戦う気はない………今の俺にはな……」
「信じがたいわね…」
「待ちんしゃいリリー…この男からは敵意は感じられにゅ。目的はにゃんじゃ?金以外にゃらだいたいにょは聞くぞ?」
「じゃあ言わせて貰います。私もあなた方の中に加えて欲しい…」
「なん……だと…」
捨流主はそう心の中で思った直後にこう言った。
「反対だ!!」
0924七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:27:11永田町で失態を晒す多くの政治家と同じような面に、今の彼はなっているのだ。「私は賛成だにゃ」
「ニャルさんがそういうなら私も」
「私も…ニャルちゃんと同意見です」
「俺はちょっと…ねえ」
4人中3人は賛成。2人は反対だった。危険かもしれない男を、こうもあっさり引き込むのはどうかと思うが。
捨流主がそれを指摘しないわけがなかった。
「ちょっと待てお前ら!!こいつはこのゲームに乗っているかもしれないんだぞ!?俺は素性も知れない奴らと行動を共にするほど寛容じゃあない!!この男を仲間に加えるんなら抜けるぞ!!俺は!」
そうだ。抜けてやる。そしてもっとだましやすい奴を陥れるのだ。危険性の低い奴らを陥れるのだ!
気がつけば捨流主はニャルロットたちに背を向け、北へ北へと歩を進めた。
「…ねえニャルちゃん。あの人はどうします?」
「放っておきましょうよ~何か信用ならんでスし」
「でも捨流主さんはアリスの捜索を手伝ってくれたいい人よ!?見捨てること……」
「見捨てなければいいんだろう?」
その声を発したのは時宗だった。
彼は凛とした態度でこう言う。
「きっとおびえているのだろう…彼は。連れ戻してくるさ」
そう言って時宗は、誰にもその名を告げることなく、捨流主の追跡を開始した。
二人が向かう先は、E-7である
0925七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:28:58【リリー・アップル・塔野】
【状態】:健康
【装備】:デジタルカメラ
【所持品】:支給品一式 不明支給品なし
【思考・行動】
基本:殺しあいを止める。打倒アルベルト。
1:アリス・ナイラーザ、及び殺し合いに乗っていない人物を探す。
2:しばらくは時宗と捨流主を待つつもり
【ニャルロット】
【装備】なし
【所持品】支給品一式(不明支給品1~2)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:デンドロビウムの依頼を遂行する。
3:殺し合いには乗らないが、襲ってくる奴は殺す。
4:主催者に多額の依頼料を支払わせる。
0926七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:29:14【装備】なし
【所持品】支給品一式(不明支給品1~2)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:ニャルロットに杏・蕗・和哉・恭司を探して檀を説得して貰う。
自分が直接会いたくはないが……。
3:人は殺さない
【ミルフィーユ】
【装備】なし
【所持品】支給品一式 (不明支給品0~1)モゲラヨモギの汁(残量100%)
【状態】健康
【思考・行動】
1:町へ向かう。
2:デンドロビウムに協力 。
3:バナナが食べたい。
※勇者スポポロスと同一世界(仲間)であると判明しました。
0927七つの大罪 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 14:29:34【捨流主麻亜太】
【状態】:健康
【装備】:三得包丁、ヘヴ山ゴッド子の杖
【所持品】:支給品一式 不明支給品なし
【思考・行動】
基本:他人を利用して生き残る(ステルスマーダー)
1:人が増えすぎたため逃げる(動くリスクがあまりにも高いから)
【G-7 路上 昼】
【剣時宗】
【装備】:H&K P7(14/18)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
1:自分が何をしようとしていたのかようやく気付く。マーダーから対主催に転進するつもり
2:捨流主が怖くて逃げたと思っているので呼び戻し説得する
0928名無し草
2008/05/31(土) 15:11:32一条さんが姫子のテンションで喋ってるみたいだぞ!
0929名無し草
2008/05/31(土) 15:13:350930名無し草
2008/05/31(土) 15:14:17トキ兄さんがこうもあっさり方針変えすぎとか
ステルスが探偵のくせに頭脳がヘタレすぎるとか
ツッコミどころ大杉やしないか、ちょっと……
0931名無し草
2008/05/31(土) 15:15:21後藤や狭霧やアム2の能力を過信しすぎてるんですね、わかります
0932名無し草
2008/05/31(土) 15:18:020933 ◆dEUulpVSzA
2008/05/31(土) 15:22:44忘れてくれてもいいから
0934名無し草
2008/05/31(土) 15:27:49次からはちゃんと前後の話を熟読して頑張ってくれ
0935名無し草
2008/05/31(土) 15:28:340936名無し草
2008/05/31(土) 15:32:35ただ探偵団をあっさり合流させるのはなあ…
0937名無し草
2008/05/31(土) 15:34:39二人再開するくらいなら色んなとこでたまにある気がする
0938名無し草
2008/05/31(土) 15:43:10結局、どうする?
書き手さん的にハッキリ意志表示してもらえると助かるかな…
0939名無し草
2008/05/31(土) 15:43:160941名無し草
2008/05/31(土) 15:50:01力作が続いてるけど張り合わなきゃ、みたいな空気に流される必要もないですし。
0942名無し草
2008/05/31(土) 15:54:10それぞれの心境確認と遭遇あたりで切るのも手だったかも
0943名無し草
2008/05/31(土) 16:03:58あとデンドロ、対人恐怖症が弱まったとはいえ簡単に人に会って大丈夫か?
0944名無し草
2008/05/31(土) 16:30:590945名無し草
2008/05/31(土) 17:29:54忘れたいことがあったっていいじゃあないか
0946名無し草
2008/05/31(土) 17:55:140947名無し草
2008/05/31(土) 18:05:33もうごちゃごちゃ過ぎてわけわからん……
0948名無し草
2008/05/31(土) 18:35:10移動し続けてるだろうから普通に繋ぎがあれば抜け出すだろうが
0949名無し草
2008/05/31(土) 18:46:010950名無し草
2008/05/31(土) 18:50:07決めていい?↓
0951名無し草
2008/05/31(土) 18:51:07「お忘れになってる方にはもう一度説明しておきますが、この放送の三十分後より今から指定するエリアに侵入した方の首輪は三十秒以内に爆発するようになっております」って
0952名無し草
2008/05/31(土) 18:51:210953名無し草
2008/05/31(土) 18:51:590955名無し草
2008/05/31(土) 18:55:240956名無し草
2008/05/31(土) 18:59:21>この実験に反対して見せしめとして殺された博士の妻、アルムート・ハインリヒのように。
と、ある。
0957名無し草
2008/05/31(土) 19:00:380959名無し草
2008/05/31(土) 19:03:35つーか金髪なのに三瀬標子はねーよwwww
0960名無し草
2008/05/31(土) 19:08:420961名無し草
2008/05/31(土) 19:09:210963名無し草
2008/05/31(土) 21:03:390964名無し草
2008/05/31(土) 21:19:37鈴木イチロウの一日
0965名無し草
2008/05/31(土) 21:21:120966名無し草
2008/05/31(土) 21:22:070967名無し草
2008/05/31(土) 21:22:450968俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:39:30突然響いてきたその放送。
アルベルト・ハインリヒによる定時放送だ。
そのアルベルトの愉悦の声に、男―――剣時宗は足を止めて弟の無事を祈る。
(四郎……!)
だがその祈りも虚しく、一番最初に呼ばれた死者の名前に希望は打ち砕かれた。
「そ……んな…………四郎、四郎!」
時宗は思わず跪き呆然とする。
残りの死者の名前は耳に入らなかった。
時宗が知る限り、名簿には四郎以外に知っている人物の名は載っていなかったから。
ただ四郎の死を知らされ、涙を流すしかなかった。
『――以上、十七名です。』
次に時宗の耳に入ってきたのはそんな声だった。
(私は一人も殺していないというのに17人も誰かに殺されたのか……)
もし自分が一人でも多く人を殺していたら四郎は助かっていたのだろうか、と時宗は思う。
最早そんな仮定など意味の無い事だった。
いくら今更後悔した所で、死んだ四郎は帰ってこない。
『そして、次に禁止エリアを発表しましょうか。』
0969俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:39:47四郎が死んだからと言って、自棄になって死ぬつもりはなかった。
四郎を殺した者が分かれば復讐したいというのもある。
こんな事に巻き込んだアルベルト・ハインリヒに復讐したいというのもある。
だが何より、時宗にはまだ大事な家族が、兄弟が家に残っているのだ。
四郎は失ってしまったが、まだ彼等は生きている。
同じように四郎を愛する彼らに、四郎の死を伝えてやらねばならない。
こんな所で時宗まで死んでしまえば、彼等は行方不明となった二人を永遠に探し続ける事だろう。
そんな事になって欲しくはなかった。
その為にもどんな手段を用いても、自分が生き残ろうと決心をする。
『B-6、F-9、G-2、H-5の四エリアとさせて頂きましょう。』
地図の呼ばれた各所に禁止エリアと記しておく。
そして地図をしまい、立ち上がる。
(すまない四郎。今だけはお前の事を忘れさせてくれ。
無事生き残れたら、その時はお前の為に精一杯泣こう)
時宗は決意を新たにすると、来た道を戻り、去っていったケネスを追っていった。
0970俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:40:01ケネスも同じように放送で立ち止まっていたのもあったが、怯えているのかやたら慎重に移動していたからだ。
「おい、ケネス・シルバー」
時宗の声に、ケネスは面白いほどにビクッと身体を震わせる。
「ひぃっ! なんだよ、アンタがどこかに行けって言ったんじゃねぇか!」
時宗を視認した後も、殺されかかった事を思い出したのか、怯えている。
「ケネス、生き残りたいか?」
時宗はそんなケネスの文句をスルーして問う。
「あ、当たり前じゃねーか!」
当然のようにケネスは答える。
「なら私と組んで他の人間を殺さないか?」
時宗の提案にケネスは驚き呆けている。
「理由は簡単だ。放送を聞いたのならこの死者の数がどういう事か分かるはずだ。
6時間で17人。相当な数の人間が殺し合いに乗っているという証拠だろう。
そんな中一人で行動するのは危険極まりないというのが一つ。
勿論殺し合いに乗らずに群れる連中もいるだろうし、そいつらを一人で殺すのは厳しいというのが一つだ」
ケネスは怪訝そうな顔をしながらも悩む。
「オレの武器はあんたに奪われてこんな武器だ。人なんか殺せるはずがない。危険だ」
時宗はケネスの言葉に、やれやれと肩を竦めた。
「本当に阿呆の吹き溜まりか? 少しは考えろ。何も真正面から人を殺して廻りましょうって言ってる訳じゃない。
集団に潜り込んで、殺し合いに乗ってる奴と集団で潰し合わせたり、不和の種を蒔いたり色々出来るだろう。
特にお前は俳優なんだ。演技には自信があるんだろ?」
「そりゃ……自信はあるが」
「なら大丈夫だよ。集団に混じれば生存率もアップ。敵に襲われても狙われる確率は減る。
おまけに2人だと、1人で居るよりも殺し合いに乗っていると疑われる確率も減る。いい事だらけだ」
「分かった、組もう」
ケネスは時宗のその言葉に希望を見出したのか、すっかり喜んで答えた。
殺し合いという舞台でケネスは主演を演じれるのだろうか。助演に留まるのだろうか。
それとも―――
0971俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:40:10【ケネス・シルバー】
[状態]:健康
[装備]:先の尖ったポール
[道具]:切れ味がほぼゼロになった果物ナイフ、その他食料
[思考]:基本:死にたくない
1:時宗と共に集団にもぐりこむ
【F-6 分校前 1日目午前】
【剣時宗】
【装備】:H&K P7(14/18)
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】基本:何が何でも生き残る
1:ケネスを利用する
2:ケネスと共に集団にもぐりこむ
0972俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:40:410973俳優は希望を抱く ◆lYiZg.uHFE
2008/05/31(土) 21:41:50>【F-6 分校前 1日目午前】
あ、これ無しでお願いします。消すの忘れてました。
0974名無し草
2008/05/31(土) 21:44:23チーム組むのか。
近くには執行者組と李が居るが……
0975名無し草
2008/05/31(土) 21:51:060976名無し草
2008/05/31(土) 22:37:59百合SS希望
0978名無し草
2008/05/31(土) 22:57:370979名無し草
2008/05/31(土) 23:02:350980名無し草
2008/05/31(土) 23:33:440981名無し草
2008/06/01(日) 02:12:56やっぱ百合百合だな
0982名無し草
2008/06/01(日) 03:24:190983名無し草
2008/06/01(日) 04:02:12どっちかと言うと受けだ
0984名無し草
2008/06/01(日) 04:37:05状態表を見る限り不明設定が残されてるし、化ける可能性があるキャラでもあるな。
0985名無し草
2008/06/01(日) 05:55:21なんか虚勢張る為にヴェーヌ殺ったことばらしそうだし
そんで(禁則事項です)。
0986名無し草
2008/06/01(日) 11:11:280987名無し草
2008/06/01(日) 18:13:470988 ◆d3hAP9FFr2
2008/06/01(日) 20:06:360989家に落書き ◆d3hAP9FFr2
2008/06/01(日) 20:08:16一目見て死んでいると判断したアリスはその死体に近づく。
「うわっ。アリスちゃん死体ッス。アリスちゃん」
「何度も呼ばないでくださいですわ」
後ろから声をかけてくる秋生を軽くあしらい、アリスは死体の検分を始める。
「……うーん。目立った外傷はないけど……あ、首筋に出血の跡がありますわね。
これなら……注射器か何かで毒を流しこんだ可能性はありますわね。
この位置にだけ傷があるということは、おそらく不意打ちで殺した可能性が高いですわね」
おそらくこれをやったのはあの逃げた少女だろう。
先ほどあの少女が持っていた明確な殺意と出会った状況から推測する。
やはりあの少女は人を殺している。
「……これ以上人を殺す前に止められるといいのですけど」
アリスが言い終わると同時、耳障りな音とともに放送が流れ始めた――
0990家に落書き ◆d3hAP9FFr2
2008/06/01(日) 20:10:01「どうしたんすか? アリスちゃん?」
放送終了後アリスはため息をひとつ吐く。
不思議そうに顔を向ける秋生をじろりとにらむ。
「参加者のうち1/4死んだのよ。この6時間の間に……しかも知っている人も死んでいましたわ」
告げられた名前の中に知っている名前があった。
「晴海雪
狭霧嘉麻屋が行った殺人の目撃者として、ニャルロット先生に依頼しに来た人ですわ。
……幸か不幸か私は彼女を知る前に狭霧嘉麻屋と遭遇してしまいましたけど」
あの事件を思い出したのかアリスは軽く震える。
対する秋生はいまいち現実感がないようだった。
「ふーん。でも12人も殺した死刑囚なんてぴんと来ないっスねー」
「あの男のことを知らなければそれも仕方ありませんわ。
とにかく、この殺人鬼は特S級の危険人物ですからくれぐれも気をつけるように。
……ところであなたの方はどうでしたか?」
改めて聞くアリスに、秋生はそこはかとなく気持ち悪い笑顔を向ける。
「大丈夫っス。知ってる名前の人は多分言われなかったっス。少なくとも彼女の名前を呼ばれることはなかったっス」
「そう、ならよかったです……わ?……えと……カノジョ?」
アリスは思わず聞き返す。この変態にはありえない単語が聞こえたような気がしたがきっと幻聴だろう。
アリスはそう思い込もうとするが、秋生はアリスの様子を気にもせずに言葉を続ける。
「そう、彼女っス。坂木蕗って名前っス。以前チャットで話しててすっかり意気投合したッス」
そう言って胸をはる秋生。
「……あぅ」
アリスは眩暈を感じ座り込む。
「……負け……ましたわ……私……まだ……彼氏作ったことありませんのに……なんでこんな男に……」
完全にブルー入ってるアリスに、秋生は残酷な笑顔で追い打ちをかける。
「人生攻めたもの勝ちっス。でもアリスちゃんも十分いけてるっスよ! グランドスラムっス!」
0991家に落書き ◆d3hAP9FFr2
2008/06/01(日) 20:12:12数分後、ようやく立ち直ったアリスは、ペンを持っていき、民家の壁に落書きを始める。
「……アリスちゃん? 何を書いているんっスか?」
壁にはよくわからない言葉が並んでいる。それを見た秋生はアリスに聞く。
「猫ヶ丘探偵団で使われている暗号を一部使って書いてますの。
少なくともメンバーでこの殺し合いに乗ってる人はいないと思いますから。
後、リリーが芝西湊に少し教えたと言ってましたので、重要な単語だけ暗号にしましたの。
こうしておけば少しは会える可能性が上がりますでしょう?」
「ふーん。なるほど。
『デクオクタセヴまでにF-ヴィラのセファンルにシャスト。インフェリアーレアリス』
……意味はなんスか?」
「『18時までに、F-5の森に集まる。親愛なるアリスより』ですわ」
「よくこれでそんな意味になるっすねー」
感心したように言う秋生に、アリスは少しだけ微笑む。
「まあ、この場で都合よく見つけられるとも思ってはいませんが、ないよりはマシですわ」
すべての作業が終わり、アリスは気合を入れ直す。
「さあ、行きますわよ。行く先で仲間が見つかればいいのですけど」
「分かったッス!」
「ところで……」
「なんスか?」
「これはいつまで着けていればいいのですの?」
アリスは頭に着けているネコ耳カチューシャを指しながら疑問を声に出す。
「もちろんずっとッス!」
当然のように即答する秋生。
「……あ、そう」
気合いが急速に萎んでいく。
ツッコミを入れる気力すらなくしたアリスはとぼとぼと歩きだした。
0992家に落書き ◆d3hAP9FFr2
2008/06/01(日) 20:14:07家の壁に『デクオクタセヴまでにF-ヴィラのセファンルにシャスト。インフェリアーレアリス』
と書かれています。意味は『18時までにF-5の森に集まる。親愛なるアリスより』
【アリス・ナイラーザ】
[状態]:健康 やや気力減退
[装備]:メイド服 坂木蕗のネコ耳カチューシャ リボルバー(残弾7発 予備16発)
[道具]:支給品一式(不明支給品なし)、
[思考]:……………………はぁ
第一行動方針:狭霧嘉麻屋を捜し出し、可能なら拘束するか殺す
第二行動方針:さっきの少女や狭霧嘉麻屋が危険人物だと、できるだけ多くの人に教える
第三行動方針:18時までにF-5に到着する。
基本行動方針:他の参加者と協力し、脱出。狂人を止める
[備考]
特殊能力:相手の感情が色で見える。
【真多秋生】
[状態]:健康・気力120%
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、双眼鏡(100倍ズーム)、
[思考]:ネコ耳金髪メイドさんハァハァ
第一行動方針:さっきのかわいい子にもう一回会いたいなあ
第二行動方針:殺し合いには乗りたくない。めんどくさいから
備考:真多秋生は坂木蕗が自分の彼女であると一方的に思っています。
猫ヶ丘探偵団の暗号:
知っているのは猫ヶ丘探偵団メンバー+芝西湊
また猫ヶ丘探偵団!を読んだことのある人間なら知っているかも知れません。
以上、投下終了です。
0993名無し草
2008/06/01(日) 20:17:19彼女(仮)って蕗だったのか……これも別方面でカワイソスだなw
あとアリスが探偵らしくてよかったな
0994名無し草
2008/06/01(日) 20:25:31他殺死体を見て顔色も変えないのは少年探偵団ならではだな。
実際いたら気味悪いけどw
そして真多は可及的速やかに死ぬべき(陸郎と同じ意味で)。
0995名無し草
2008/06/01(日) 20:41:530996名無し草
2008/06/01(日) 21:21:180997名無し草
2008/06/01(日) 22:33:180998名無し草
2008/06/01(日) 22:34:030999名無し草
2008/06/01(日) 22:34:2710011001
Over 1000Threadもう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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