兵庫県知事選挙について

はじめに

私のSNSは、自分の政治活動以外は、尼崎市政の情報を中心に皆さんにお届けすることを前提に運用しており、インプレッション数などは特に意識していません。

しかし、今回の兵庫県知事選挙は、ネットの世界で、全国からユーチューバーやSNSライターが投稿する事態となっており、また、自身の当選を目的としない候補者が、特定の候補者を応援するために立候補し、様々な情報を拡散するなど、情報錯綜の状況に陥っています。
このため、皆さんの投票に当たって参考となるよう、私自身の考えを記しておきたいと思います。

前提として、投票は有権者の権利です。誰に投票するかは、皆さんで考えてご判断いただくことが大切です。このため、あくまでも参考と受け取ってください。
そして、投票所に足を運ぶようお願いします。

今回の争点は、リーダーとしての「資質」一点

今回の混乱の原因については、様々な評価がネット上で流れています。
どんな原因・背景であれ、県政が大混乱に陥ったことは事実であり、この混乱の原因は、最終的には、時の知事の責任になります。リーダーというものはそういうものだと私は考えています。

「守旧派と改革派」の対立、「人事課経験者の内部闘争」などいろいろな評価があります。

「〇〇派」というかどうか別として、内部での考え方・仕事の仕方の違いによる確執があったのだろうと思いますし、そう聞き及んでいます。

これは、大きな組織になると少なからずあります。

私がかつて勤務していた政府でも、各省の考え方の違いでの確執・闘争というものは激しいものがありました。週刊誌に様々な情報が流されることも多々ありました。
「正義」がぶつかると、結果として、闘争となることはよくあるものです。

「リーダーとしての「資質」」とは、こういった闘争や価値観のぶつかり合いが起きたとき、どう振る舞い、どうそのぶつかり合いを収めていくのか、という場面で、最も重要になってくるものと思います。

不満がある関係者を一方的に排除するのか、それとも、相手方の言い分を聞いてできるだけ修正を図っていくか。

ロシアや北朝鮮においては、政府の高官などが失脚させられ、時に処刑され、または突然命を落とすような事件が発生します。
デモが起きたときに、警察権力が、排除するような映像を見たことがある人も多いと思います。

時の権力者が、不満のある層に対して一方的に排除をすることは、私は、日本の民主主義において極めて危険な行動であると考えています。

3月末に文書問題が発覚し、時の知事が、会見の場で「嘘八百」「公務員失格」などと発言。
その後、様々な疑惑が報じられ、第三者委員会設置の方針が示されたのが5月末、そして、実際に初会合が開かれたのが9月。その間に告発者は自死。その間、様々な圧力があったと思います。

行政の透明化が求められている時代です。
県民の関心が高い疑惑が生じたら、すぐにでも第三者性を有する委員会を設置して、明らかにした上で、必要な対策をしていくことが筋でしょう。

民主主義を不変の価値とする日本です。そして、私は、民主主義を支持しています。

そう考えたとき、まず取り組むべきは、時のリーダーとしての「説明責任」を果たすことであったと思っています。とりわけ、職員が亡くなっているのだから。
その対応が後手後手に回ったのは間違いありません。

「経験が浅かった」ということはあるかも知れません。
しかし、権力闘争が渦巻く国政・霞が関の中で、約20年働いてきたわけです。
様々な告発や週刊誌によるリークが出てきたときに、時の権力者はどう振る舞ってきたのか、自分ならどう対応したかなど、想像しながら、職業生活を送ってこなかったのか、と思います。

「直接指示していない」「全ての情報は知らなかった」などという理由もあるかも知れません。

しかし、一つひとつの決定は、組織全体で行っているのです。「指示していない」「知らない」は、理由になりません。

経験豊富な幹部の皆さんと、どんなコミュニケーションを取っていたのか。必要な情報が、自分に上がるよう努力していたのか。
職員間や議員間での様々な不信・不安を払拭するために、自ら積極的に情報を得る努力は行っていたのか。

兵庫県政を預かる大権力者です。「経験不足」は理由になりません。

兵庫県政を前に進めるためには「政策」が最も重要です。これは言うまでもありません。

その「政策」だって、それぞれの正義と価値観があります。
どこに資源を配分するのか、どこに労務をかけるのか、どこをカットしていくのか。どんな段取りで進めていくのか。
一つひとつの判断は、県民の生活と直結します。
職員、そして民主的に選ばれた議会とともに、思いを共有し、しっかりと議論をしていけば「知事が言うなら、知事を信じよう」となったのだと思います。

文書問題以降、様々な混乱が続き、最後は、全会一致で不信任決議に至ってしまったことは、やはり、時の権力者として、仲間を作り、理解を得る努力が圧倒的に足りなかったのだと思います。

これは「リーダーとしての「資質」」そのものだと思います。

権力が大きくなればなるほど、与える影響力・範囲も大きくなります。
そうであるからこそ、異なる価値観を取り入れ、それを強みにして、さらに政策や改革を前に進められる、そういった胆力と調整力を、私は、新しいリーダーに期待したいと思っています。そして、このことこそが、今回の選挙の論点だと思っています。

いなむら和美さんという方は、そういったリーダーとしての現実的な対応ができたからこそ、3期12年という長きにわたり、尼崎の市政のリーダーとしていつづけられたのだと、私は思っています。

なお、誰が、新しい知事になろうとも、文書問題の解明は、第三者委員会において、確実に明らかにしていっていただきたいと思っています。

選挙の在り方

もう一つ、大きな論点は、今回の知事選挙における選挙の在り方です。
兵庫県は、県域が広く、一人ひとりと顔が見える選挙は到底不可能です。

その意味で、県民の皆さんも、チラシやホームページ、ニュース、選挙公報などを見ながら、判断していくほかないのが、兵庫県知事選挙です。

「公約」ではほとんど差が出にくいため、かつては、どうしても、「年齢」や「経歴」が重視される傾向があったのだと思います。

そこに今回、強烈に存在感を示したのが、SNSです。
全国から、ユーチューバーやSNSのライターが登場し、彼らが様々な情報を拡散していくことによって、何が真実か、全く分からない状況に陥っています。
そして、SNS戦略が、それぞれの陣営にとって、とても重要な役割を担っています。

「公式SNS」以外にも、様々な情報が発信されていますが、どこまでの情報をそれぞれの陣営がコントロールしているのかどうかも不明となっており、候補者の主張が重要なのか、「バズる」ことが最優先なのかも、わからない状態になっています。

また、立候補者において、当選する意思がなく、特定の候補者を応援することを宣言して、立候補する方も現れました。

選挙期間中は、公職選挙法により、例えば、チラシの枚数、街宣車の台数なども限られます。特定候補を応援するための立候補は、その効果を倍増させる効果があります。

当選する目的のない候補者を抑制する目的として「供託金」という仕組みがあるわけですが、クラウドファンディングも普及し、もはや、この「供託金」は、ほとんど抑制効果を発揮していません。

今後の国における公職選挙法の議論で、ぜひ、論点として扱っていただきたいと思います。

おわりに

以上、長々と書きましたが、いずれにしても、兵庫県知事を選ぶのは有権者の皆さんです。
県民の「生活」に直結する選挙です。そして、議会人を選ぶのではなく、兵庫県政の「リーダー」を選ぶ選挙です。
様々な情報が錯そうしていますが、候補者の演説動画なども、公式SNSなどにアップされています。
ぜひ、そういった情報も自分達で調べていただき、それぞれの思いを「票」として表明いただくことを願っています。

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コメント

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兵庫県知事選挙について|尼崎市長 松本眞
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