立憲の党内グループが新人議員の争奪戦 「数は力。発言力をつける」

立憲

大久保貴裕 松井望美

 先の衆院選で1・5倍の148議席に伸ばした立憲民主党で、39人の新人議員をめぐる各グループの勧誘が活発化している。9月の代表選で支持集めに苦戦したグループは勢力拡大を図り、女性議員をトップに据えるところもある。

 党内最大でリベラル系の「サンクチュアリ」は13日昼、国会内で総会を開き、新人ら13人の加入を報告した。これで40人超となり、さらに50人を目指すという。

 代表選で党創設者の枝野幸男元代表を軸に支援したが、野田佳彦代表に敗北。中道・保守路線をとる野田氏への不満は根強く、関係者は「数は力。党創設時の理念を守るためには発言力をつけるしかない」と意気込む。

 一方、旧国民民主党出身者が多い「新政権研究会」の11日の懇親会には10人程度の新人らが参加したという。このグループを率いてきた泉健太前代表は、代表選で立候補に必要な推薦人20人の確保に苦しんだ。新たな会長に田名部匡代参院幹事長が就く。立憲の主要グループで女性がトップになるのは初めてで、党中堅は「勧誘の呼び水としてうってつけだ」と語る。

 リベラル系の「国のかたち研究会」も10人弱の加入を見込む。引退した菅直人元首相の後継座長に西村智奈美前代表代行を選んだ。西村氏は記者団に「ジェンダーバランスが取れた中で政治が行われていくモデルになれたら」と語った。

 立憲には約10のグループがあるものの、かつての自民派閥とは異なり結束は緩く、掛け持ちも可能だ。ベテラン議員は「大学のサークルの新歓コンパと同じ。新人は各グループに顔を出してみればいい」と語る。しかし、ある新人は「最初の選択がグループ選びとは想像もしなかった。議員人生を左右しかねないのではないか」と気をもむ。(大久保貴裕、松井望美)

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