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死ぬ前に、生きてくれ。

家を失い車で生活をしている女性A様が熱海に来た。最初は自由に動ける生活を謳歌していたが、徐々に疲労が蓄積し、人と会うことが怖くなり、何日も人と会わない日々が続いた。このままではいけないと思って、熱海に来た。坂爪さんには前から会いたいと思っていた。だけど、会って何を話したらいいのかがわからず、連絡をできないままでいた。A様は、そのようなことを言った。私は、体調不良で寝込んでいたため、横になりながら話を聞いた。A様は、自分の身の上を語った。

A様は言った。最初はよかった。朝起きて、予定もなく、自分が行きたいと思う場所に行ける生活は自由だった。西に行きたいと思えば西に行き、東に行きたいと思えば東に行く。一人だから、誰かと予定を合わせる必要もない。お金がなくなった時は、日雇いの仕事を見つけて、数日間同じ地域にとどまった。あと腐れのない、その場限りの人付き合いは、ストレスも少なかった。だけど、だんだん、お金について心配をするようになったり、自分の将来について心配をするようになってから、あれ、これって結局同じじゃんとなった。自由になりたくて旅をしたのに、旅先で、これまでの生活と同じ心配をしている。自分は何をやっているのだろうと思ったら、突然、力を失った。

お酒を出す店で住み込みのバイトを募集している張り紙を見つけて、しばらくの間、そこで働くことにした。個室が与えられると思っていたら、店主の男性と、そのこどもたちと、同じ部屋で一緒に寝ることになった。「嘘でしょ」と思ったが、それがこの地域では当たり前のことなのかなと思って受け入れた。これがよくなかった。最終日、店主の男性から襲われた。怖くて、叫び声をあげることもできず、何もできなかった。生きていればこんなこともあるって自分に言い聞かせていたけれど、いま、話しながらわかった。本当は、嫌だったんだな。そう言って、A様は涙を流した。

一人の体験の裏には、百人の体験がある。自分だけと思っている間は、経験の苦しさに加えて、孤独の苦しさに襲われる。何の問題もなく、健康そうに見える人たちが、明るく楽しく生きている様子が、刃のように突き刺さる。自分だけが、その輪からはみ出しているような、疎外感や、孤立感を覚える。そこに混ざりたいと思う自分と、そこに混ざるには汚れ過ぎている自分を痛感する。人生に意味を求めるが、人生からレスポンスがない時に、絶望を感じる。人生に意味を問うのではなく、私たちが、人生から意味を問われているのだと思う。あらかじめ、決められた意味はない。意味を与えるのは、人生ではなく、私たちの側だ。

やりたいことをやりましょう。好きなことをやりましょう。それだけでは、塞ぐことのできない穴がある。どれだけ気力を詰め込んでも、穴がある限り、その穴から気力が漏れ出てしまう。一時的には元気になっても、やがて、無気力な自分に負けてしまう。穴の空いた桶に水を入れるように、気力が、生きる力が、体の穴から漏れてしまう。穴を埋めるものは何か。それは、自分がやりたいことではなく、人生からやらされていることだと思う。こうなったらいいなとか、ああなったらいいなとか、自分の頭が考える夢や理想とは違う、自分にとっての必然を生きることだと思う。生きている限り、死にたくなるほど嫌なことは無数にある。人生に意味を問うのではなく、私たちが、人生から意味を問われている。人生は、道を示さない。人生は「生きろ」と言っている。人生に意味はない。私たちが踏み出す一歩が意味になる。

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おおまかな予定

11月14日(木)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!

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死ぬ前に、生きてくれ。|坂爪圭吾
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