縄文語は渡来人の言語に置き換わったのか
- 2024/11/05
- 11:56
日本語、朝鮮語、ツングース語、トルコ語、モンゴル語などのトランスヨーロッパ語は、9000年前に中国遼河流域に住んでいたキビ栽培農民が東西に広がって分化したという2021年の記事を読みました。
稲作など新しい文化は、新しく来た人がもたらす場合と、昔からいる人が学んで取り入れる場合の両方がありますが、新しい文化を人が運んできた場合は、先住民が自分たちの言語を放棄し、新住民の言語を学ぶことが多いといいます。先住民の言語は新しい言語に置き換わりますが、完全に学習できず、先住民の言語が新言語に痕跡を残すといいます。文化だけを学んだ場合は、古い言語に新しい語彙が加わります。
ツングース祖語には、海岸に住んでいた系統不明のニヴフ語の語彙はほとんど入っていないが、二ヴフ語の痕跡があり、これはニヴフ語を話していた住民の地域に、ツングース系の住民が移動して、言語がツングース語に置き換わったことを意味するそうです。
日本語とアイヌ語は文法、語彙共に相当異なります。縄文人の7割の遺伝子を引き継ぐという縄文人直系のアイヌ人が話していた縄文語(アイヌ語)が日本語の中にあまり残っていないのは、縄文語が後から来た渡来人のウラルアルタイ語に置き換わった可能性があります。沖縄とアイヌ人は遺伝子的には近いのに、言語は別であるのも、それを示しているように思えます。
アイヌ語の痕跡は現在の日本語の中にもあるのでしょうか。
【キビ栽培は北東中国からロシアの極東に広がった】=アジアでの考古学調査
https://core.ac.uk/download/pdf/288623265.
3.3. 言語学
人口移動と文化拡散は、異なる言語的結果をもたらすと予想されます (Thomason and Kaufman, 1988)。前者の場合、人間の集団が言語と文化とともに新しい地域に移動すると、言語の移行が頻繁に観察されます。つまり、地域の話者は自分の言語を放棄し、流入するターゲット(訳注 目標)言語を選ぶようになります。学習が不完全なため、放棄された言語はターゲット言語の構造に何らかの痕跡を残す可能性があり、これは「基質干渉」と呼ばれる現象です。しかし、新しく採用された言語は、移住者の祖先の言語と系譜的に関連しています。対照的に、文化拡散の場合、すなわち言語と文化の特定の要素が移住者の介在なしに新しい地域に移動した場合、現地の話者は自分の言語を維持しますが、モデル言語(訳注 手本になる言語)から特定の単語を借用することがよくあります。
先に、私たちは原ニヴフ語を沿海地方の沿岸住民の言語と関連付け、原ツングース語を紀元前3500年頃に中国東北部からキビを持ち込んだ移住農民の言語と関連付けました。少数の海洋借用語(セクション2.3.2)を除き、原ツングース語は原ニヴフ語からほとんど単語を借用していません。対照的に、原ツングース語には原ニヴフ語の基層干渉(訳注参照)の兆候がいくつかあります。その証拠は、原ニヴフ語からの不完全な学習を通じて発達したと思われる、ツングース語の非典型的な構造的特徴から得られます(Robbeets et al.、2017)。とりわけ、これらの特徴には、ツングース語の語頭軟口蓋鼻音の発達、一人称複数代名詞における「私たち(聞き手を含む)」と「私たち(聞き手を含まない)」の区別の発達、譲渡可能な所有と譲渡不可能な所有の区別の発達、従属部ではなく主要部名詞(訳注参照)に付ける所有関係標示の発達などが含まれる。これらの言語的観察は、祖先ニヴフ語話者の一部が自らの言語を放棄し、ツングース祖語のターゲット言語を採用したという言語シフトの状況を示している。したがって、言語的観点からは、文化の拡散よりも人口移動の方が支持される。
落ち穂にむらがるカラス。虫なども食べるのでしょう。「おつ(落ちる)」は「おとる(劣る)」「おとひと(弟)」「あと(後)」「おとつひ(一昨日)」「おとろふ(衰える)」など低位の意味があります。漢語の「乙」は偶然の一致でしょうか。「跡(あと)」は「足処(あと)」の意味なのか、「後(あと)」の意味なのかわかりません。「後(のち)」の「ち」は「どち」「あちこち」の「ち(路、方向)」の意味でしょうか。「のす(伸ばす)方向」の意味でしょうか。
稲作など新しい文化は、新しく来た人がもたらす場合と、昔からいる人が学んで取り入れる場合の両方がありますが、新しい文化を人が運んできた場合は、先住民が自分たちの言語を放棄し、新住民の言語を学ぶことが多いといいます。先住民の言語は新しい言語に置き換わりますが、完全に学習できず、先住民の言語が新言語に痕跡を残すといいます。文化だけを学んだ場合は、古い言語に新しい語彙が加わります。
ツングース祖語には、海岸に住んでいた系統不明のニヴフ語の語彙はほとんど入っていないが、二ヴフ語の痕跡があり、これはニヴフ語を話していた住民の地域に、ツングース系の住民が移動して、言語がツングース語に置き換わったことを意味するそうです。
日本語とアイヌ語は文法、語彙共に相当異なります。縄文人の7割の遺伝子を引き継ぐという縄文人直系のアイヌ人が話していた縄文語(アイヌ語)が日本語の中にあまり残っていないのは、縄文語が後から来た渡来人のウラルアルタイ語に置き換わった可能性があります。沖縄とアイヌ人は遺伝子的には近いのに、言語は別であるのも、それを示しているように思えます。
アイヌ語の痕跡は現在の日本語の中にもあるのでしょうか。
【キビ栽培は北東中国からロシアの極東に広がった】=アジアでの考古学調査
https://core.ac.uk/download/pdf/288623265.
3.3. 言語学
人口移動と文化拡散は、異なる言語的結果をもたらすと予想されます (Thomason and Kaufman, 1988)。前者の場合、人間の集団が言語と文化とともに新しい地域に移動すると、言語の移行が頻繁に観察されます。つまり、地域の話者は自分の言語を放棄し、流入するターゲット(訳注 目標)言語を選ぶようになります。学習が不完全なため、放棄された言語はターゲット言語の構造に何らかの痕跡を残す可能性があり、これは「基質干渉」と呼ばれる現象です。しかし、新しく採用された言語は、移住者の祖先の言語と系譜的に関連しています。対照的に、文化拡散の場合、すなわち言語と文化の特定の要素が移住者の介在なしに新しい地域に移動した場合、現地の話者は自分の言語を維持しますが、モデル言語(訳注 手本になる言語)から特定の単語を借用することがよくあります。
先に、私たちは原ニヴフ語を沿海地方の沿岸住民の言語と関連付け、原ツングース語を紀元前3500年頃に中国東北部からキビを持ち込んだ移住農民の言語と関連付けました。少数の海洋借用語(セクション2.3.2)を除き、原ツングース語は原ニヴフ語からほとんど単語を借用していません。対照的に、原ツングース語には原ニヴフ語の基層干渉(訳注参照)の兆候がいくつかあります。その証拠は、原ニヴフ語からの不完全な学習を通じて発達したと思われる、ツングース語の非典型的な構造的特徴から得られます(Robbeets et al.、2017)。とりわけ、これらの特徴には、ツングース語の語頭軟口蓋鼻音の発達、一人称複数代名詞における「私たち(聞き手を含む)」と「私たち(聞き手を含まない)」の区別の発達、譲渡可能な所有と譲渡不可能な所有の区別の発達、従属部ではなく主要部名詞(訳注参照)に付ける所有関係標示の発達などが含まれる。これらの言語的観察は、祖先ニヴフ語話者の一部が自らの言語を放棄し、ツングース祖語のターゲット言語を採用したという言語シフトの状況を示している。したがって、言語的観点からは、文化の拡散よりも人口移動の方が支持される。
落ち穂にむらがるカラス。虫なども食べるのでしょう。「おつ(落ちる)」は「おとる(劣る)」「おとひと(弟)」「あと(後)」「おとつひ(一昨日)」「おとろふ(衰える)」など低位の意味があります。漢語の「乙」は偶然の一致でしょうか。「跡(あと)」は「足処(あと)」の意味なのか、「後(あと)」の意味なのかわかりません。「後(のち)」の「ち」は「どち」「あちこち」の「ち(路、方向)」の意味でしょうか。「のす(伸ばす)方向」の意味でしょうか。