独自取材でニュースを深堀りする「シンソウ」です。10月、岡山大学の敷地内で見つかった「不発弾」について追跡取材しました。
10月24日、JR岡山駅から約2キロの市街地、岡山大学の津島キャンパスで水道工事をしていた作業員が見つけました。
(白井大輔記者)
「不発弾が見つかった現場です。作業員から連絡を受けた大学は周辺への立ち入りを一時制限しました」
警察によりますと、見つかったのは直径10センチ、長さ20センチの円柱型の砲弾で全体がさび付いていて、自衛隊が確認したところ爆発の危険性は極めて低いということです。発見から約2時間後に回収され、現在は警察署に保管されています。
岡山大学の敷地はかつて旧日本軍の駐屯地があった場所。岡山空襲展示室の学芸員、木村崇史さんはこうした砲弾がまだ残されている可能性は否定できないと話します。
(岡山空襲展示室学芸員 木村崇史さん)
「兵器を保管する倉庫が立ち並んでいたところ。日本軍の弾薬がたまたま残っていた可能性がある(今も)残っている可能性がゼロではない」
10月2日、宮崎空港で戦時中に使われていたアメリカ製の250キロ爆弾が爆発。ケガをした人はいなかったものの、滑走路が一時閉鎖され、交通機関に大きな影響を及ぼしました。そうした爆発の可能性がある不発弾は残されているのでしょうか。
(岡山空襲展示室学芸員 木村崇史さん)
「直径75ミリ、120ミリの砲弾がいきなり何もないところで突然爆発するということはあまりないと思う」
1945年の岡山空襲ではアメリカ軍の焼夷弾約9万5000発が現在の「NTTクレド岡山ビル」を中心とした半径1.2キロの範囲に放たれました。木村さんによりますと、市街地ではたびたび投下された焼夷弾や駐屯地の武器のようなものが見つかっていて、10年前には市中心部の住宅街で長さ30センチの砲弾が見つかっています。
(岡山空襲展示室学芸員 木村崇史さん)
「岡山の中心市街地には地面を掘ったらまだ出てくる可能性があると思う。もし見かけたら不用意に触らずに、警察や消防に一報して、指示を仰いでもらうのが安全のためには大事」
警察は不発弾のようなものが見つかった場合は速やかに通報し、退避の指示に従うよう呼びかけています。