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効率爆上げのショット管理アドオン「Shot Manager」のススメ|Blenderライフハック Vol.10

CGアーティストのTaka Tachibanaです。

Blenderのあらゆる効率化TIPSをお届けしているBlenderライフハック。記念すべき第10回目となる今回は、個人的なくてはならないアドオンのひとつ「Shot Managerの解説をします。

Shot Managerとは、その名の通りショット管理のためのアドオンなのですが、その凄まじい効率爆上げ能力により、僕にとってはなくてはならない存在となっています。

以前こちらの記事内でPieMenuEditorというオリジナルパイメニューを作成できるアドオンを紹介しましたが、これに匹敵するほどお気に入りのアドオンになっています。

【データ配布あり】パイメニューを使い倒す!|Blenderライフハック Vol.3

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僕はこういった事務的な地味系アドオンが大好きです。なぜかというと、使用頻度が高いからですね。

花を一面に咲かせるような華やかな生成系アドオンも楽しいですが、そういうのって毎回は使わないんですよね。

毎回行う作業を効率化するのは「毎日使う寝具や椅子にお金をかけろ」という話と同じで、賢い投資でもあります。

Shot Manager」の値段は$30とべらぼうに高いわけではないので、一度試してみる価値はある本当にオススメのアドオンです。

そんな「Shot Manager」ですが、まだ日本語情報がほとんどない状態なので(2023年12月現在)、今回わかりやすくその魅力を紹介したいと思います。

みなさんの効率化にぜひ役立ててみてください!

※ この記事を執筆時のバージョンは「3.6.7」です。

Shot Managerとは

Shot Manager」とは、その名の通りショット管理アドオンです。痒いところまで手が届くその管理術でレンダリングまでの効率が爆上がりします。

めちゃくちゃ便利でアドオン自体はすごくいいものなのですが、なぜかまだその良さがあまり浸透してない様子。

肝心の公式チュートリアルも、、、うーん、わかりにくい。。

ということで、できることをまとめてみました!

▼できること
* カメラごとに尺と出力先を固定できる(最重要)
* カメラごとに各設定をオーバーライドできる
* Blender内でそのままバッチレンダーできる
* カット割りをプレビューできる
* 【おまけ】独自コンポジットノードでパス分けができる など

それではひとつずつ機能を見ていきましょう。

Vook公式LINE

PR:Vook LINE

カメラごとに尺と出力先を固定

カメラごとに尺(フレーム範囲)と出力先を固定できます。

たったこれだけのことなのですが、最重要です。

というのもBlenderの純正機能だけだと、これができないのです。。

「Shot Manager」には後述するように色々な機能があるのですが、もうこのためだけに購入してもいいくらいです。

その理由を解説します。

通常の場合

まずBlenderでは、同一ビューレイヤーの中では、尺と出力先は1つしか設定できません。

これでどういう不便が起きるかというと、、、

下図のように同じビューレイヤーの中で、複数のカメラを使いたいときがあると思います。

例えば、

A:ロングショット
B:クロースアップ
C:インサートショット

この状態でレンダリングする場合、どのカメラにおいても、同じの尺(フレーム範囲)と同じ出力先で設定が固定されます。

これらはBlenderのルールとして、「一つのビューレイヤーに対して、1つの設定しかできない」ようになっているためです。

つまりカメラを切り替えてレンダリングする度に、設定を変えないといけないのです。

A:ロングショット(1-100フレーム)
B:クロースアップ(101-200フレーム)
C:インサートショット(201-300フレーム)

上記のようにカメラごとに尺(フレーム範囲)を変えてレンダリングしたい場合、毎回開始フレームと終了フレームを入力し直さないといけないのです。もちろん出力先もです。

おぉ、なんてめんどくさいことでしょう。。

設定を変えるのを忘れると、データが上書きされるという悲劇も起こったりします。(Aのつもりでレンダリングしたけど、実はBのカメラを選択していた場合など)

もちろん、ビューレイヤーを分けて、「1つのビューレイヤーに対して1つのカメラ」を使っていけばこの問題は回避できます。が、多少めんどくさいのは否めません。

では「Shot Manager」を使うとどうなるのか。

「Shot Manager」を使った場合

右下の開始フレームと終了フレームに注目してください。このようにショットリストを選ぶだけで、カメラごとに予め設定した尺に自動的に切り替えてくれます。

出力先に関しては、ルートフォルダ(元となるフォルダ)を設定しておけば、自動的にショットごとにフォルダ分けしてレンダリングしてくれます。

レンダリングというのは何度も何度もするものですが、ルートフォルダを設定するだけで、「上書きしてしまう」というリスクから解放されます。

そう、何も考えずにデータ管理ができてしまいます。あぁ、なんと素晴らしいことでしょう。

設定の仕方

設定はとても簡単です。

Shot Manager」をインストールした後、アウトプットプロパティに専用メニューが出てきます。

その中の[Create Shot List]をクリックします。

あとは任意の名前を入力し、そのショットに使用したいカメラを選び、フレーム範囲を指定するだけ。これだけです。

作業中カメラを切り替えたい場合は、アウトライナーのカメラではなく、動画のように「Shot Manager」上のショットリストを選択します。

注意点


注意点としては、Blender本体のフレーム範囲を変更しても、Shot Manager側のフレーム範囲に反映されません。

その場合はこの「Apply Frame Frage」という赤いボタンで上書きしてあげるか、最初からShot Manager側でフレーム範囲を指定してあげてください。

各設定のオーバーライド機能

この機能もとても便利です。

下記のような設定をショットごとにオーバーライド(上書き)できます。

  • レンダーエンジン
  • サンプル数
  • ワールド
  • ビューレイヤー
  • 透過
  • 解像度

特にレンダーエンジンやワールドは、通常のやり方ではシーン分けをしない限り切り替えができません。

ビューレイヤーを分けるやり方でもレンダーエンジンの切り替えはできないので、それが「1つのビューレイヤー内でショットごとにレンダーエンジンのオーバーライドができる」といったときにかなり役立ちます。

同様にワールドも、「1つのビューレイヤー内でショットごとに昼のHDRI、夜のHDRIを切り替える」なんていう使い方をすることができます。

POINT
重複しますが、これらはシーン分けやビューレイヤー分けをすれば純正機能だけでも同様のことはできます。ただシーンやビューレイヤーが増えると管理が複雑になりがちなので、シンプルな作業が好みの方は、このオーバーライド機能がオススメです。

バッチレンダー

バッチレンダーとは、複数のレンダリングを一気に行うことができる機能です。

こちらもめちゃくちゃオススメです。Blenderの純正機能だけではバッチレンダーができないので。

こういったバッチレンダーアドオンは他にもありますが、Shot Managerで管理した上でそのままバッチレンダーできるのは、まさに効率化の極みです。

だって、レンダリングしたいショットにチェックを入れるだけですからね。

あとは[Render Queued Shots]をクリックするだけ。

POINT
一応「B-Renderon」など他のバッチレンダーアドオンと連携もできるのですが、正直、Shot Managerさえあれば他のバッチレンダーアドオンは不要かと。

ちなみに他のBlendファイルのレンダリングも読み込んで一緒に仕掛けることができます。いや、すごい。

寝る前に仕掛けておけば、「朝になるとプロジェクトに関する全てのショットのレンダリングが終わっている」なんてことが可能です。

カット割りプレビュー

こちらは場合よっては便利な機能。

3Dビュー上に、動画編集ソフトのようなクリップを表示させてカット割りをプレビューできます。

レンダリングしなくても、この方法で事前に編集仕上がりをイメージしながら作業を進めることができます。

ちなみに、Blenderの純正機能のみでも同じようなことは可能で、こちらの記事で解説してます。

【アドオンも紹介】すぐに役立つカメラ機能TIPS|Blenderライフハック Vol.4

CGアーティストのTaka Tachibanaです。 Blenderのあらゆる効率化Tipsをお届けしている【Blenderライフハック】。第4回目の今回は、カメラ関連のTIPSを紹介していきま...

ただ純正機能のカット割りだと、自動的にカメラは切り替えてくれるもののレンダリングは一本化されてしまいます。つまり下記のようなちがいがあります。

▼Shot Manager
「A」「B」「C」「D」の4つのショットをそれぞれレンダリング
-
▼純正機能
「A」→「B」→「C」→「D」でつながった1つのショットをレンダリング

編集を別ソフトでやる場合は柔軟性を持たせるために、のりしろ(前後の余白)を多少入れて個別にレンダリングするのがベストだと思います。

Shot Managerを使えばのりしろ部分も確認しながら、編集イメージを確認→個別にレンダリングというのがスムーズに行えます。

またショットごとのループ再生はもちろん、動画のように全体尺での再生も可能です。タイムラインで[N]キーをクリックするとShot Managerのメニューが出るので、そこで設定ができます。

【おまけ】独自コンポジットノード

一応「Shot Manager」には、コンポジットノード上での管理ツールも用意されています。

ただ個人的にはこの機能はあんまり使う意味がないかなと感じます。通常のコンポジットノードでできることとほとんど変わりません。

強いていうなら「パス分けが自動的にされる(ショットごとに不要なパスを除外できるなど)」ことが若干効率的になるかなというくらいですかね。

この機能は途中から実装されて楽しみにしてたんですが、まだ実用的な使い方は「?」です。今後のアップデートに期待してます。


ということで、こちらはあくまで【おまけ】的な扱いと考えて、これまで紹介した機能をフル活用してみましょう。

「Shot Manager」の基本機能は本当に素晴らしいものです。

ちなみにですが、あまりにも「Shot Manager」が便利過ぎるので、僕はこのように常にワークスペース内の見えるところに配置しています。

POINT
Blenderのワークスペースは自由にカスタマイズして、そのプリセットを保存しておけます。

ぜひ参考にしてみてください。


今回は、以上です。

これからも様々な効率化TIPSを紹介していくので、次回もご期待ください。感想やリクエストもぜひ!
 

  • CGアーティストTaka Tachibana


    台北在住。CAPSULE Inc. / CHINZEI Inc. 所属。福岡で10年間のフリーランスを経て、台湾ではMVやweb広告などの映像制作に従事。その傍ら3DCG・VFXを駆使した作品づくりに取り組む。ASEAN-ROK Film Leaders Incubator日本代表。Short Shorts Film Festival & Asiaをはじめ、国内外70ヶ所以上の受賞・入選歴。https://taka-t.com/

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