先日の衆院選において福島県で立憲民主党の候補に当確がつづいたことを受けて、元幹部自衛官という小説家の数多久遠氏がSNSで主張していた。
福島は、理解できない県だな・・・福島を貶めてきた立民ばかりを選ぶなんて。
野党支持者は与党に投票する人間をバカにするから支持されないというクリシェがある。しかし実際は順序が逆で、支持対象の当選率が高ければ対立投票者をバカにする動機が弱くなるだけなのだろう。
ちなみに最終的に4区は自民党の坂本竜太郎氏が当選し、立民の斎藤裕喜氏は比例で議員となったが、共産党との選挙区調整がうまくいっていれば斎藤氏は小選挙区でも当選できたかもしれない。
福島県(小選挙区)【2024年 衆院選】候補者一覧・開票速報・結果 | 朝日新聞デジタル | 衆議院議員総選挙 特設サイト
そもそも立憲民主党が数多氏が主張するように福島を貶めてきた印象がない。
おそらく数多氏が想定しているのは原発事故関係だろうが、そこで自公政権は現地の漁業組合の意向に反して「処理水」の海洋放出をおこなってきた。
「今でも反対の姿勢は変わらない」と漁業関係者 福島第1の処理水海洋放出1年 政府は「全責任を持つ」と約束したが…:東京新聞 TOKYO Web
タチウオを捕る底刺し網漁から戻ってきた地元漁師の浜野仁己(ひとみ)さん(50)は残念そうに話した。
海洋放出が始まってから2カ月ほどは、全国の応援で魚の値段が上がったが、今は落ちついた。「海洋放出の影響は、自分たちにはないような気がする。でも、海洋放出には今も反対。やめてもらえるなら、今からでもやめてほしい」と言う。
政府は「今後数十年にわたろうとも全責任を持って対応する」と約束したが、その顔ぶれは大きく変わろうとしている。「約束は守ってほしいけど、たぶん無理だよね。末端の漁師の意見も聞かず流したし、流す前に『流させてください』と大臣か首相が来るのかと思ったが、それもなかった」と不信感は募る。
汚染水を「処理」し終える見とおしもたっていないし、予想された汚染水の漏出事故も最近まで発生している。
東電が漁協に謝罪 福島第一原発 汚染水浄化装置のトラブルで | NHK | 福島第一原発 処理水
福島第一原発の汚染水浄化装置から放射性物質を含む水およそ1.5トンが漏れ出し、東京電力は水がしみこんだ土壌を回収するとともに、海への流出がないか排水路などの監視を続けています。
もちろん源波事故だけでもさまざまな争点があるし、もちろん選挙においては他の争点もかかわってくるだろうが、数多氏が想定している「貶め」とはいったい何のことだろうか。