【NPB】WARで振り返る2009年ドラフト会議(12球団別)
2009年ドラフト
オリックス・バファローズ
【総獲得WAR】9.5
【最高WAR選手】比嘉幹貴(4.8)
【寸評】指名したのは全て投手で4人が左腕という偏ったドラフト。出世頭は、変則サイドスロー右腕の比嘉幹貴。ドラフト時点で27歳と高齢ながら息の長いリリーフとして現在も現役を続けている。
横浜ベイスターズ
【総獲得WAR】41.6
【最高WAR選手】筒香嘉智(32.1)
【寸評】1位指名で高校生№1野手筒香嘉智を獲得。筒香は、本塁打王を1度獲得するなど球界を代表する打者に。
2位指名の加賀繁は、1年目に先発ローテ入り。その後は中継ぎに転向するも1年目の成績を超えることはできなかった。
育成1位指名の国吉佑樹は、身長196cmの超大型右腕。ドラフト時の評価は高くなかったが、プロ入り後に球速を伸ばし最速161キロの剛腕リリーバーに成長。現在はロッテに移籍し現役を続けている。
千葉ロッテマリーンズ
【総獲得WAR】46.8
【最高WAR選手】荻野貴司(31.5)
【寸評】1位指名で荻野貴司、4位指名で清田育宏の社会人外野手を獲得。荻野は、度重なる怪我で出場機会こそ限られるものの、出場しさえすればリーグ有数の外野手としてチームに貢献。清田は、2015年にWAR5.5を記録するなど外野手のレギュラーとして定着。
2位指名の大谷智久も完成度が売りの社会人投手。キャリア序盤は、便利屋的な扱いだったが中継ぎに専念すると抜群の制球力でリーグ有数のリリーバーに成長した。
広島東洋カープ
【総獲得WAR】9.9
【最高WAR選手】今村猛(7.1)
【寸評】春の選抜優勝投手今村猛を1位指名。今村は高卒投手として、今ドラフトの目玉だった菊池雄星に次ぐ評価を得ていた。プロ入り後は、支配的なリリーバーに成長。2016、2017年のリーグ連覇に貢献した。
2位指名の堂林翔太は、バットコントロールに優れた中距離ヒッターと評価され、端正な顔立ちからアイドル的な人気を博していた。2012年に1軍デビューし、いきなり二けた本塁打を記録するなど活躍が期待されたが、その後は成績が下降。現役を続けているが、内外野を守るユーティリティー枠に収まっている。
埼玉西武ライオンズ
【総獲得WAR】19
【最高WAR選手】菊池雄星(18.8)
【寸評】最速155キロ左腕菊池雄星を6球団競合の末獲得。ドラフト前は松坂大輔、ダルビッシュ有に並ぶ、いわゆる「怪物」級の評価だったが、キャリア序盤は肩の故障などもあり伸び悩んだ。だが、4年目の2013年以降は投球フォームが安定し先発ローテに定着。2017年はキャリアハイのWAR5.5を記録。現在はMLBで第一線級の投手として活躍している。プロ入り後に通信制大学へ入学するなど、ダルビッシュと並ぶ理論派として最新機器やバイオメカニクスを重視する姿勢は、後進に大きな影響を与えた。
阪神タイガース
【総獲得WAR】18.5
【最高WAR選手】秋山拓巳(10.8)
【寸評】菊池の外れ一位で大学№1右腕二神一人を獲得。二神は、将来のエース候補として期待されたが、入団早々に肘を故障し、その後も鳴かず飛ばずで引退。
2位指名の藤原正典は、大卒№1左腕で、1位指名候補だったが、左肩の故障歴のためか2位指名に後退。入団後も度重なる故障に悩まされ期待通りの活躍とはいかなかった。
上位指名組がこけたものの、4位指名の秋山拓巳が、先発ローテに定着。186センチ91キロの恵まれた体格から最速150キロの速球を投げ込む右の本格派として高く評価されていたが、高校生としては重すぎる体重が忌避されたのか、下位指名となった。プロ入り後は、2軍での好投を1軍では発揮できず、野手転向の噂もあったが、8年目の2017年に大ブレイク。その後も長きにわたり先発投手としてチームを支えた。
5位指名の藤川俊介は、「3位以内に指名されなければ東邦ガスへ入社」と発表していたが、阪神が5位で強硬指名。入団交渉は難航したものの結局、東邦ガス側が折れ、阪神入りした。入団後は代走、守備固め要員の控え外野手として起用された。
6位指名の原口文仁は、育成落ちを経験しながら2016年に強肩強打の捕手として大ブレイク、WAR3.4を記録したが、その後成績は下降。度重なる怪我や大腸がんを乗り越え現在も現役を続けている。
福岡ソフトバンクホークス
【総獲得WAR】30.2
【最高WAR選手】今宮健太(30.2)
【寸評】遊撃手兼投手の今宮健太を獲得。171センチと小柄ながら、投手として最速154キロの速球を投げていたがプロ入り後は野手に専念。高い身体能力を生かし、遊撃手として、不動のレギュラーに。
2位指名で九州ナンバーワン左腕川原弘之を獲得。将来性抜群の大型左腕として将来を嘱望されたがイップスを発症、続けて肘を故障しトミー・ジョン手術を受ける。その後はリリーフとして出場機会を得るも、プロ入り前の期待に応える成績は残せなかった。
東京ヤクルトスワローズ
【総獲得WAR】0.6
【最高WAR選手】山本哲哉(1.1)
【寸評】1位指名の中澤雅人は、大卒社会人の即戦力左腕。突出した能力は無く、悪く言えば小さくまとまっている印象だったが、プロ入り後も跳ねることなく量産型の左腕リリーフ枠に。
2位指名の山本哲哉も大卒社会人の即戦力右腕。入団早々にトミー・ジョン手術を受けいきなり躓くも、術後は3年連続で50試合以上に登板するなど短い期間だったがリリーフの柱として活躍した。
東北楽天ゴールデンイーグルス
【総獲得WAR】0.2
【最高WAR選手】戸村健次(2.5)
【寸評】1位指名の戸村健次は、長身から投げ下ろす最速151キロの速球が魅力の素材型右腕。制球に難があったがプロ入り後も改善されず、下位ローテ、ロングリリーフ要員に終わった。
中日ドラゴンズ
【総獲得WAR】49.3
【最高WAR選手】大島洋平(47.1)
【寸評】1位指名の岡田俊哉は、キレ味鋭いスライダーが武器の素材型左腕。2位指名の小川龍也も同じく素材型の左腕で、両者とも入団後はリリーフとして起用された。
ドラフト時は、まったく注目されていなかった大島洋平が5位指名からの大ブレイク。通算200盗塁越えの脚力と、リーグ屈指の守備範囲を備え、打撃も非力ながら最多安打を二度獲得するなど、走攻守全て備えた選手に成長した。通算獲得WAR47.1は、2009年度に指名された選手ではトップである。
北海道日本ハムファイターズ
【総獲得WAR】12.9
【最高WAR選手】増井浩俊(15.4)
【寸評】1位指名の中村勝をはじめ上位指名選手は軒並み不発に終わった一方、5位指名の増井浩俊がエリートクローザーに成長。26歳で入団と遅咲きながらリリーフ転向後は、最速155キロの速球と落差のあるフォークで抑えるパワーピッチャーに変貌。73登板したシーズン含め長年の酷使に耐え、長きにわたりリーグ屈指のリリーバーとして活躍した。
読売ジャイアンツ
【総獲得WAR】29.4
【最高WAR選手】長野久義(30.5)
【寸評】巨人入りを希望し昨年ロッテを入団拒否した長野久義を1位指名。長野は、キャリア序盤の低反発球時代(2011~2012)に傑出した打撃を披露し、社会人№1野手の名に恥じない成績を残した。
2位指名の鬼屋敷正人は、高校生№1捕手との前評判も伸び悩み1軍出場はほぼなく引退。4位指名の市川友也も捕手。阿部慎之助の後釜・控え候補として鬼屋敷とともに獲得されたとみられるが、巨人ではまともに出場機会を得られず日本ハム移籍後に二番手捕手として活躍した。
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