【NPB】WARで振り返る2010年ドラフト会議(12球団別)
2010年ドラフト
横浜ベイスターズ
【総獲得WAR】14.7
【最高WAR選手】荒波翔(7.8)
【寸評】1位指名の須田幸太は、多彩な変化球と完成度が売りの即戦力右腕。プロ入り後、先発では通用せずリリーフに転向。2016年にセットアッパーとして一瞬の輝きを見せたが、それがキャリアハイに終わった。
2位指名の加賀美希昇も、最速153キロの速球を武器に即戦力として期待されたが、入団早々に肘を故障し手術。2年目の2012年に先発として少ない機会ながら好投するも、その後は鳴かず飛ばずに終わった。
3位指名の荒波翔は、アマ時代は度重なる怪我に泣かされるも、プロ入り後は広い守備範囲を誇る中堅守備で2年連続ゴールデングラブ賞を受賞。怪我もあり活躍期間は短かったものの、センターのレギュラーに定着した。
6位指名の福山博之は、ドラフト時点でほぼ無名ながら、横浜を自由契約後に移籍した楽天でエリートリリーバーに成長。4年連続60登板以上を記録し、1億円プレイヤーとなった。
東北楽天ゴールデンイーグルス
【総獲得WAR】30.1
【最高WAR選手】美馬学(19.8)
【寸評】即戦力左腕塩見貴洋を1位指名。塩見は期待に違わず1年目から先発ローテに定着。エース級の活躍はできなかったものの長年チームを支えたが、アマ時代から抱えていた腰痛が悪化しキャリア後半は登板機会が減少した。
2位指名の美馬学は、168センチと小柄ながら最速153キロの速球を投げ込む即戦力右腕。2年目から先発へ転向し先発ローテに定着。2013年の日本シリーズではMVPに輝くなどチームに多大な貢献をした。
広島東洋カープ
【総獲得WAR】7.4
【最高WAR選手】中﨑翔太(4.5)
【寸評】指名9名のうち8名が投手という極端なドラフト。
1位指名の福井優也は、最速152キロの本格派右腕。1年目から先発ローテで投げるも、その後は制球が安定せず伸び悩んだ。2015年に9勝を上げるなど、斎藤・大石・福井の早稲田ドラ1トリオの中では最も優れた成績を残した。
6位指名の中﨑翔太は、ドラフト時点では、恵まれた体格以外はとりえのない完全な素材型投手だったが、支配的なリリーバーへ成長。チームのリーグ3連覇に大きく貢献した。
オリックス・バファローズ
【総獲得WAR】0.1
【最高WAR選手】後藤駿太(0.7)
【寸評】外れ外れ外れ1位で獲得した後藤駿太は、その高い運動能力から高校生外野手トップとの評価を受けていた。だが、プロ入り後は打撃が伸び悩みレギュラー定着とは、ならなかった。
野手を中心に指名したドラフトだったが、どの選手も伸び悩み、結果的に1軍で活躍できた選手は、ほぼ皆無だった。
東京ヤクルトスワローズ
【総獲得WAR】64.5
【最高WAR選手】山田哲人(61.8)
【寸評】1位指名の山田哲人は、走攻守三拍子そろった大型遊撃手。ドラフト時点では、スイングスピードの速さが注目されてはいたが、中距離ヒッターとの評価だった。プロ入り後はトリプルスリーを3度達成。二塁守備もトップクラスと、非の打ちどころのない球界を代表する選手に成長した。
北海道日本ハムファイターズ
【総獲得WAR】43.8
【最高WAR選手】西川遥輝(42.3)
【寸評】今ドラフト最注目のハンカチ王子こと斎藤佑樹を4球団競合の末獲得。斎藤は、怪我もあり、期待されていたような活躍はできなかった。
2位指名の西川遥輝は、俊足好打の外野手として、潜在能力が高く評価されていた。プロ入り後は、高い出塁能力と通算300盗塁越えの脚力を生かし理想のリードオフマンとして、チームを支えた。
読売ジャイアンツ
【総獲得WAR】21.8
【最高WAR選手】澤村拓一(16)
【寸評】最速157キロの剛腕澤村拓一を1位指名で獲得。澤村は、中日も指名予定だったが、巨人以外なら入団拒否とする報道がでていたため、単独での指名となった。1年目から先発ローテに定着し、10勝を上げる。その後も先発投手として安定した成績を残していたが、5年目の2015年からリリーフに配置転換。その影響もあってかWARは伸び悩んだ。
2位指名の宮國椋丞は、将来性を高く評価されており、2年目の2012年に先発ローテの一角を担うなど期待に違わぬ成長を見せていたが、その後伸び悩んだ。
4位指名の小山雄輝は、最速149キロの速球を長身から投げ下ろす本格派右腕。先発投手として少ない登板機会ながら結果を残し、2014年には先発ローテ入りし開花の兆しを見せるも、その後は成績を維持できずに終わった。
千葉ロッテマリーンズ
【総獲得WAR】1.9
【最高WAR選手】伊志嶺翔大(3.7)
【寸評】1位指名の伊志嶺翔大は、1年目からレギュラー外野手として出場し、30盗塁も達成。野手№1との前評価に違わぬ成績をみせたが、その後は成績が下降し、1年目の輝きを取り戻すことはできなかった。
2位指名の南昌輝は、実力は高く評価されていたが、ドラフト前に右肩を故障したことで2位指名にずれ込んだ。右肩のリハビリを経た後はリリーフとして起用された。
阪神タイガース
【総獲得WAR】5.5
【最高WAR選手】榎田大樹(3.2)
【寸評】即戦力社会人左腕榎田大樹を1位指名。榎田は、球持ちや投球術を高く評価されていた技巧派だったが、1年目からセットアッパーとしてフル回転。2年目も開幕からセットアッパーとして酷使されたことから肘を故障。成績は下降線をたどるが、西武移籍後に先発投手として復活、11勝をあげるなど優勝に貢献した。
2位指名の一二三 慎太は、サイドから最速150キロの速球を投げ込む高校生№1投手。元々オーバースローだったが、肩を壊しサイドスローへ転向していた。プロ入り後は、即野手転向したが、1軍出場は果たせなかった。
3位指名の中谷将大強肩強打の大型捕手。プロ入り後は強肩を生かすため外野手に転向し、2017年には20本塁打を放つなど長打力を発揮するも、その後は鳴かず飛ばずに終わった。
育成2位指名の島本浩也は、阪神の育成指名選手として初めて支配下登録されると、勝ちパターンの継投を任せられる左のリリーバーに成長。2023年の優勝・日本一にも貢献した。
埼玉西武ライオンズ
【総獲得WAR】68.6
【最高WAR選手】秋山翔吾(54.6)
【寸評】ハンカチ王子の陰に隠れながら実力では今ドラフト№1と評価されていた大石達也を6球団競合の末獲得。最速155キロの直球が武器の剛腕だったが、プロ入り後は右肩痛に悩まされ、球速が10キロ低下。1軍ではリリーフとして起用されるも、登板自体少なく、ドラフト前の期待を裏切る成績に終わった。
2位指名の牧田和久は、多彩な変化球を武器とするサブマリン投手。プロ入り時点で26歳の即戦力投手として、1年目から先発・中継ぎ・抑えにフル回転。新人王を受賞した。その後も先発・中継ぎ・ロングリリーフなど様々な役割をこなしてチームに貢献。2018年にはポスティング制度を利用してMLB挑戦を果たした。
3位指名の秋山翔吾は、走攻守三拍子揃った外野手。ドラフト時の注目度は低かったが、広い守備範囲と強肩を買われ、1年目からレギュラーとして定着。年々打撃成績が向上し、NPBの最多安打記録を塗り替えるほどの好打者に成長する。2020年にMLB挑戦するも満足のいく結果は残せず、2022年に帰国し、現在は広島に在籍。
中日ドラゴンズ
【総獲得WAR】23.3
【最高WAR選手】大野雄大(23.3)
【寸評】1位指名で大野雄大を獲得。実力は1位指名候補も、肩の故障のためドラフト直前にほとんど投げれていないことが懸念材料だったが、プロ入り後は球界を代表する左腕に成長。2015、2019、2020年とリーグ最多投球回を記録するタフネスぶりを発揮、長年中日のエースとして活躍した。
2位指名の吉川大幾は、高卒野手としては山田に次ぐ評価も、大成せず。
福岡ソフトバンクホークス
【総獲得WAR】124.8
【最高WAR選手】柳田悠岐(75)
【寸評】高校生№1捕手山下斐紹を獲得。強肩強打の捕手として「城島2世」と期待されるも、大成せず。
2位指名の柳田悠岐は、素材型の大型外野手。広島六大学で無双していたがリーグのレベルが低かったため、ドラフト前は、「大化けする」可能性がある程度の評価だった。プロ入り後は、長打力が伸び、トリプルスリーも達成するなど走攻守全てにおいて球界を代表するスラッガーに成長した。
育成4~6位で千賀滉大、牧原大成、甲斐拓也を獲得。3名ともドラフト時点では、ほぼ無名の選手だったが、全員日本代表選手に成長。
育成指名選手から、このレベルの選手を同時に3名も輩出したのは、後にも先にも、この年のソフトバンクだけである。
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