初当選議員らが初登院 午前2時から開門待つ人も 議員20人の声

先の衆議院選挙を受けた第215特別国会が11月11日に召集され、国会議事堂には朝の開門と同時に、初めて当選した議員らが、次々と登院しました。

特別国会召集日の11日、国会議事堂の正門付近には、先の衆議院選挙で初めて当選した議員や再選を果たした議員らが集まり、開門を待ちました。

そして、午前8時に正門が開かれると、議員たちは国会議事堂に一礼するなどして次々と登院していきました。

議員たちは、ふだんは閉じられている国会の中央玄関から入り、衆議院の職員に当選証書を提示してから議員バッジを付けてもらっていました。

先の衆議院選挙では、前回・3年前の選挙よりも2人多い、99人の新人が当選しました。

最年少25歳で初当選 自民 大空氏「同世代の声を届ける」

今回の衆議院選挙で最年少の25歳で比例代表東京ブロックで初当選した自民党の大空幸星さんは「新人も期数を重ねた人もバッジの重みは同じだと思う。悩みや不安を抱えている人に寄り添うだけでなく、その問題を解決していく。誰もが命を失わなくていいような、あすも生きてみたいと思えるような社会を実現していくために、全力で働いていく。地域の人たちや同世代の声を届けていきたい」と述べました。

菅元首相の後継候補を破る 自民 福田氏「自民を変える」

菅・元総理大臣の地盤を引き継いだ立憲民主党の候補を破って、東京18区で初当選した自民党の福田かおるさんは「うれしい気持ちよりも、スタートラインに立てたので、結果を出すためにしっかりしなきゃいけないという気持ちのほうが大きい。とにかく一生懸命、誰よりも働くぞという気持ちでいっぱいだ」と述べました。

その上で「自民党を変えて、政治を変えて、社会を変えていく。まずは自民党が一丸となって変わっていかなければいけないので、実行に向けて行動していきたい」と述べました。

比例東北で初当選 自民 森下氏「地域の声に応える」

比例代表東北ブロックで初当選した自民党の森下千里さんは、「地域の課題が山積している。1次産業の大切さを感じており、産業をしっかり守るとともに、安心して暮らせるよう防災にも力を入れていく。地域の皆さんの声にしっかりと応えられるよう働いていきたい。時代が変わっていく中でも女性が活躍できるような社会を目指したい」と述べました。

甘利元幹事長を破る 立民 大塚氏「専門性を発揮したい」

自民党の甘利明元幹事長を破り、神奈川20区で初当選した立憲民主党の大塚小百合さんは「議員バッジをいただいて、いよいよ国会議員として活動するんだなという実感をきょうは強く感じた。長年、福祉の専門職としてやってきて、厚生労働委員会にも所属できたので、専門性を発揮して、議員としての活動で応援してくれた人や地域の人に還元したい」と述べました。

千葉4区で初当選 立民 水沼氏「平成生まれの国会議員として」

千葉4区で初当選した立憲民主党の水沼秀幸さんは「改めて責任の重さを実感している。『信なくば立たず』なので、信じられる政治を取り戻すのが土台だ。平成生まれの国会議員として、当事者目線の少子化対策などに取り組みたい」と述べました。

自民前議員を破り初当選 立民 岡田氏「初心忘れず」

政治とカネをめぐる問題で比例代表への重複立候補が認められなかった自民党の前議員を破って青森3区で初当選した立憲民主党の岡田華子さんは「初心を忘れずに、国会議員として仕事をしていこうと気持ちを新たにした。国民が不安に思っている少子高齢化や社会保障などに対して見通しをつけられる政治をしたい」と述べました。

元総務相破る 維新 村上氏「目に見える成果にこだわる」

総務大臣などを務め、政治とカネをめぐる問題で自民党から1年間の党の役職停止処分を受けた武田良太さんを破って福岡11区で初当選した日本維新の会の村上智信さんは「大きく日本を変えたいとの強い覚悟で政治家を目指していたので『いよいよそれができる』とさらに覚悟が深まっている。地元や国民の声を大切にし、それを政策に結び付け、目に見える成果にこだわって仕事をしていきたい」と述べました。

比例北陸信越で初当選 立民 山登氏「リベラル政策を進めたい」

比例代表の北陸信越ブロックで初当選した、立憲民主党の山登志浩さんは「選挙が終わったからといって、政治とカネの問題が終わるわけではない。当時者に説明責任を果たすよう求めるとともに、再度の政治資金規正法の改正を野党各党で連携して進めたい」と述べました。

その上で「選択的夫婦別姓の早期の実現、同性婚の法制化など、リベラルの花が開く政策を立憲民主党が躍進したので大いに進めていきたい」と述べました。

税理士 公明 大森氏「現場の声を政策に」

比例代表東京ブロックで初当選した公明党の大森江里子さんは、午前8時の開門にあわせて登院しました。

税理士でもある大森さんは「身の引き締まる思いだ。これまで税理士として主に中小企業や小規模事業者と仕事をしてきた。現場の人たちの声をじかに聞いてきた自負があるので、皆さんの声を政策として届けていきたい」と述べました。

午前2時から開門待つ 国民 橋本氏「有権者の心の重み感じる」

政治資金収支報告書への不記載で自民党の公認が得られなかった無所属の候補者を破って埼玉13区で初当選した国民民主党の橋本幹彦さんは、午前2時から開門を待っていたということです。

橋本さんは「ふだんの政治活動で始発から終電まで街頭で有権者に伝えてきた志を、国会でも貫きたいという思いで終電から始発まで国会の正門前に立っていようということで午前2時から立っていた。有権者の心の重みを感じており、生きている喜びを感じられるような政治を取り戻したい」と述べました。

鳩山元首相の長男 国民 鳩山氏「国民・国家のために行動」

鳩山元総理大臣の長男で、比例代表東京ブロックで初当選した国民民主党の鳩山紀一郎さんは「皆さんの信託を頂いたので責任を重く感じている。政策本位の政治家を目指していくので、再選や政党のためではなく、国民・国家のためにどうすべきかを最も重要なこととして考えて行動し、さまざまな分野の政策を議論していきたい」と述べました。

比例近畿で初当選 共産 辰巳氏「金に清潔な政党として」

参議院議員を1期務め、比例代表近畿ブロックで初当選した共産党の辰巳孝太郎さんは「多くの国民は『自民党とカネ』の問題のけじめがついていないと思っている。共産党はお金に清潔な政党として、企業・団体献金の禁止、政策活動費の禁止を求めて、きれいな国会をつくる先頭に立っていきたい」と述べました。

比例近畿で初当選 れいわ 八幡氏「消費税廃止を」

比例代表近畿ブロックで初当選した、れいわ新選組の八幡愛さんは「ようやくスタートラインに立てたな、というところだ。経済対策は党の1丁目1番地で、消費税はないほうがいいに決まっている。廃止をすぐにでもやったほうがいい」と述べました。

比例九州で初当選 参政 吉川氏「国民のための政治取り戻す」

比例代表九州ブロックで初当選した参政党の吉川里奈さんは「少子化が危機的な状況にあるなど、いまの政治は日本の国益のための政治が行われていない。国民の皆様の声を議会に訴えていき、国民のための政治を取り戻したい」と述べました。

前名古屋市長 保守 河村氏「談合の根源を変える」

衆議院議員を5期務めたあと名古屋市長を経て今回、愛知1区で6回目の当選を果たした日本保守党の河村たかしさんは「議員が『談合』をしている根源を変える挑戦をしていかなければならない。総理を狙う76歳、アゲインとして、庶民革命を楽しみにしてほしい」と述べました。

社民 唯一の議席守る 新垣氏「沖縄の現状を国政に」

沖縄2区で2回目の当選を果たし、社民党として唯一の議席を守った新垣邦男さんは「沖縄の現状を訴え続けることがいちばん大事だ。残念ながら社民党の衆議院議員は私1人だが、党の役割をしっかり持って『平和がいちばんだ』という沖縄県民の思いをしっかり国政に伝えていきたい」と述べました。

政治とカネ問題で自民離党 無所属 世耕氏「心機一転」

政治とカネの問題をめぐって自民党を離党し、和歌山2区で無所属で当選した世耕弘成さんは、午前10時半ごろ登院しました。

これまで参議院議員として自民党の参議院幹事長などを務めてきましたが、衆議院議員としては1期目となります。

世耕さんは「議員生活27年目の新人だが、心機一転、新しい気持ちで頑張っていきたい。選挙戦では不記載の問題で大きな失敗をしたことを率直に認め、おわびをした。大きな勝ち方をしたので、有権者からしっかり頑張れという声をいただいたと思っている。真摯(しんし)に真面目に取り組んでいきたい」と述べました。

また、自民党と同じ会派に加わったことについて、「会派は一緒に行動することが前提なので、首班指名についても石破氏と書く」と述べました。

政治とカネ問題で自民非公認 無所属 西村氏「襟を正して再出発」

政治とカネの問題で1年間の党員資格停止の処分を受け、自民党から公認されずに兵庫9区で無所属で当選した西村康稔さんは、昼すぎに登院しました。

西村さんは、今後、国会では自民党と同じ会派で活動することにしていて「新人で初当選したときのことを思い出し、 初心に戻って、もう一度襟を正して再出発する。自力で仕事をしながら歯を食いしばっていく覚悟だ。理解と信頼をまた得られるよう 今回の事案を教訓に政治改革にしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

中村喜四郎氏の長男 無所属 中村氏「血の通った政治を目指す」

衆議院議員を15期務めた中村喜四郎さんの長男で、無所属で初当選した茨城7区の中村勇太さんは「改めてすごいところに来てしまったなと、緊張感と責任感の入り混じった気持ちだ。国会がこれから激動の状況に入ってくると思うので、肌でこの国会の雰囲気を感じ、長期的には、今の政治のさまざまな課題の元凶になっている選挙制度の改革に向けて頑張りたい。血の通ったぬくもりのある政治を目指していきたい」と述べました。

自民前議員ら抑え初当選 無所属 広瀬氏「地方創生などに力」

大分2区で自民党の前議員らを抑えて初当選した無所属の広瀬建さんは「初登院して、改めて気を引き締めてしっかりやっていきたいという気持ちだ。地方創生や産業振興などに、力を入れていきたい」と述べました。

その上で、記者団から自民党への入党を目指すのか問われたのに対し、「自民党でやっていきたいという思いは今も変わらないが、いろんな事情が党本部や県連にもあると思うので、焦らずやっていく。県民の理解を得ながら進めていきたい」と述べました。

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