仲介業者の住所は「元衆議院議員」の事務所!? 謎が謎を呼ぶ積水ハウスの「巨額地面師詐欺事件」

短期集中連載・第6回
森 功, 週刊現代 プロフィール

調査報告書の裏事情

「分譲マンション用地の取引事故に関する経緯概要等のご報告」

犯行から9ヵ月後の2018年3月6日、積水ハウス株式会社代表取締役社長、仲井嘉浩の名でこう題した発表がなされた。

〈平成29(二〇一七)年8月2日付で発表いたしました『分譲マンション用地の購入に関する取引事故につきまして』(以下、「本件」といいます。)に関し、社外役員による『調査対策委員会』の平成30年1月24日付調査報告書を受領いたしました。これを受けまして、当社としての本件に関する経緯概要並びに再発防止に向けた取組み等を以下の通りご報告いたします〉

 

その〈1.事件の経緯概要〉という項目でこう記している。

〈東京マンション事業部が担当する業務のなかで、東京都品川区西五反田の土地建物(以下、「本件不動産」といいます。)につき、その所有者と称するA氏(後に、偽者と判明しました。)から、その知人の仲介者が実質的に経営する会社(以下、「X社」といいます。)を中間の売買当事者とし、X社から転売される形式で、当社がこれを買い受けることとなりました。4月24日、A氏とX社の間の売買契約、X社と当社との間の売買契約という2件の売買契約を同時に締結するとともに、所有権移転の仮登記申請手続を行った上で、手付金を支払い、仮登記が完了しました〉

繰り返すまでもなく、A氏がニセ海老澤佐妃子の羽毛田正美で、X社がIKUTA社である。

 これではほとんど事件の詳細がわからない。報告書にはこうも書かれている。

〈なお、事件経緯のご報告につきましては、捜査上の機密保持への配慮のため、これ以上の詳細説明は差し控えさせていただきます〉

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