橘 玲

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橘 玲
@ak_tch
備忘録。旅とサッカーの話題。あと、政治や経済の話もすこし。
tachibana-akira.comJoined March 2012

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「日本のサラリーマンは世界でいちばん仕事が嫌いで会社を憎んでいるけど、世界でいちばん長時間労働していて、それにもかかわらず先進国でいちばん労働生産性が低い」すべてはこれに尽きます。いまだに認めないひとは多そうですが。
「日本の労働生産性はなぜこんなに低いのか?」のTweetにたくさんのご意見をいただいていますが、私の仮説は、「日本人は合理性を憎んでいるから」です。体育会系の根性論が大好きで、「こうすれば経済合理的じゃないですか」というと炎上します。
ついでにいっておくと、私は日本のサラリーマンの生きづらさの原因は長時間労働ではなく、専門性の欠如だと思っています。社内でゼネラリストを養成する人事制度では高度化する知識社会に対応できず、仕事に要求される専門性がないことが、ハラスメントやうつが蔓延する理由でしょう。
NYで感染が急拡大しているのは、すでに指摘されているように、不法移民、無保険者が検査を受けず、貧困層は陽性でも入院費が払えないため、症状が出ても社会生活を続けているからでしょう。感染症は、世界でもっともゆたかでもっとも格差の大きな都市を直撃しました。
神戸製鋼も日産も東芝も話は同じで、利益や売上が足りないとき、経営陣がなんの戦略もなく現場に理不尽なノルマを課すので、「数字さえ合えばなにをしてもいい」と現場のモラルが崩壊する。日本の製造業の「現場神話」はかんぜんに崩壊しましたね。
厚生年金の自己負担分と会社負担分を合わせて記載すると、払った保険料の半分しか受け取れないという不都合な事実が白日の下にさらされて大騒ぎになるので、厚労省は必死にこれを隠しています。
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橘 玲
@ak_tch
サラリーマンが加入している厚生年金は、自己負担分にいくらか足して戻ってくるだけで、会社負担分は高齢者の年金支給のために没収されます。「ねんきん定期便」では自己負担分しか記載されていませんが、本来は会社負担分も自分が払った保険料です。
私はメディアの報道がすべて歪んでいるとは思いませんが、年金問題については「公正な報道」はあり得ません。「現在の賦課方式では若者や将来世代が多額の損失を被るのだから(事実)、高齢者世代は年金の一部をあきらめよう」と一面に書いたら、その瞬間にその新聞社は倒産します。
週刊文春「森友遺族が悲嘆するドラマ「新聞記者」の悪質改ざん」一方的に話し合いを打ち切り、配信直前に「お詫び」に来たプロデューサーに、赤城さんは「夫も私も大きな組織に人生を滅茶苦茶にされたけれど、今、あのときと同じ気持ちです」。
今回のクルーズ船問題で明らかになったのは、厚労省(というか日本の組織)は素人が支配しており、素人は専門知識がある人間がいると自分の権威がなくなるので、専門家(スペシャリスト)を排除しようとするということです。こうして事態は底なしに崩壊していきます。
サラリーマンが加入している厚生年金は、自己負担分にいくらか足して戻ってくるだけで、会社負担分は高齢者の年金支給のために没収されます。「ねんきん定期便」では自己負担分しか記載されていませんが、本来は会社負担分も自分が払った保険料です。
年収1000万円を超える会社員は、16年分から給与所得控除が順次縮小されています。社会保障の財源が苦しくなれば、なりふり構わず、取れるところから取るしかありません。頑張って勉強して大企業に入り、出世して高収入のサラリーマンになるという人生設計は破綻しつつあります。
離婚が子どもに悪影響を及ぼすのは、日本では母子家庭の貧困率がきわめて高いからです。その理由は母子家庭への支援がないことと、生活保護を受けると子どもがいじめの対象になることで、これは妻が我慢すれば解決する問題ではなく、日本社会の問題です。
「一律10万円給付」で「富裕層がもらうのはおかしい」と議論になっていますが、「満額の年金を受給しているひとたちがもらうのはおかしい」は、議論どころかその事実を指摘するメディアすらありません。日本が「シルバー全体主義」であることがよくわかります。
国民年金の平均受給額が月額5万5000円と少ないのは掛け金が少ないからです。40年間毎月1万6000円程度を積み立てて、65歳から30年間、15万円もらえる制度は不可能です。厚生年金加入者は個人負担でこの3倍、会社負担を入れれば6倍払っています。メディアはこのことをちゃんと伝えるべきです。
玉木雄一郎さんとは20年のおつき合いですが、これまでの努力が報われてうれしいです。
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志儀保博
@VxzSm2qf6qlvMa1
国民民主党代表・玉木雄一郎さんが話題。橘玲さんのデビュー小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫2003年4月刊)の解説を書いているのが、財務官僚時代の玉木さん。玉木さんが官僚を辞め初立候補する2年前です。解説には謎の作家・橘玲に驚嘆する30代の玉木さんがいます。 amazon.co.jp/%E6%A9%98%E7%8
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「年金返せデモ」ですが、サラリーマンが「厚生年金から脱退させろ」とか、「会社負担分を含む年金保険料を全額返せ」と要求するのはきわめて正当です。これで20歳の若者は4000万円ちかい損失を回避することができます。
年金問題がいまだに紛糾していますが、問題の本質は、(1)若者人口がどんどん増え、(2)55歳で定年退職して65歳くらいで亡くなっていく時代に設計した制度を、少子高齢化の人生100年時代まで、場当たり的な対症療法を繰り返しながら引きずってきたことです。
週刊誌のコメントのために結婚記者会見をテレビで見たが、なぜ親の借金のことを、このような場で子どもが釈明しなければならないのか。この異常な事態を誰も指摘しないのが恐ろしいです。
「一律10万円支給」で話が進んでいますが、年金受給者はなんの経済的損害も受けていません。公務員も同様で、新型肺炎の被害は現役世代と民間に集中しているのだから、このひとたちを除外するのが筋だと思います。
これは前にもいいましたが、いま企業の最大の社会貢献は社員を通勤させないことです。漫然と社員を会社に来させることは、医療、物流、社会インフラなど、どうしても外出せざるを得ないひとたちを危険にさらしています。
社会に出てから50年間働くのなら、5年に1度くらいは転職するか、自営業と会社員を往復できるような、流動性のある労働市場をつくらないと、ますますうつ病が増えるだけだと思います。どんなひとも、半世紀も同じ組織にいることは耐えられないでしょう。
私は「10万円給付」そのものには反対ですが、年金受給者が受け取るとき(昨夏)は諸手をあげて大賛成しておいて、支給対象が子どものみになったとたん、掌を返したように「バラマキ」と政権批判するのはどうなのか、とは思います。
芸能人である以上、私生活を報道されるのは仕方ないとしても、不倫はしょせん他人事で、当事者間で解決すればいいだけの話でしょう。被害者数百人ともいわれる性加害をほとんど報道せず、メディアが大きく取り上げるのはどうでもいい話ばかり。
ちなみに私は、夫婦別姓、同性婚に賛成で、日本にしかない戸籍制度は廃止し、(軍隊みたいな)新卒一括採用や定年制は年齢差別で違法とし、正規/非正規の身分差別はもちろん、本社採用/現地採用などという国籍差別もただちにやめるべきだと思っています。これらはすべてグローバルスタンダードです。
「日本人(サラリーマン)は過労死するほど働いているけどぜんぜん利益をあげられず、世界でいちばん会社を憎んでいる」というデータはほかにもたくさんあります。そろそろこの不愉快な事実を認めるべきでしょう。
「日本人の6人に1人は偏差値40以下、5人に1人は役所の書類を申請できない…“見えない格差”をつくった知識社会のザンコク」文春オンラインに『バカと無知』の試し読みがアップされました。PIAAC(国際成人力調査)の話です。
税務署から軽減税率の経理・申告ガイドが送られてきた。領収書の入力のたびにいちいちこんなことをやらなければならないのか。複雑な申告計算をどれだけの納税者が理解できるのか。いまからでいいから、こんなバカバカしいことは止めてほしい。
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感染症は現役世代に甚大な経済的損害を負わせています。それに対して年金受給者は無リスクなのだから、「年金を減額して現役世代の支援にあてよう」と主張する政党が出てきてもいいのでは。「消費税廃止」よりずっと支持されると思います。
基礎年金は大赤字なので、本来であれば5万5000円ももらえません。それが可能になっているのは、税金が投入されていることと、厚生年金から会社負担分が「流用」されているからです。これによって、国民年金は有利な「投資」になっています。
「日本企業では大卒女性より、高卒男性のほうが圧倒的に出世する」というデータを紹介したら、「高卒でも管理職になれる日本企業は素晴らしい」とか、「学歴主義だ」とかの批判が出てきます。そういうひとは、高卒の女性が同じように出世しているかを考えてみるべきです。
イタリアは死者が1万人を超えて衝撃を受けていますが、アメリカは予想される死者が10~20万人でも、トランプは「(200万人の推定もあったのだから)我々はとてもよい仕事をした」と豪語し、支持率が過去最高の49%に上がりました。この異様な事態には説明が必要です。
日本経済の問題はもはやデフレではなく、物価上昇に賃上げが追いつかず、実質賃金が減少して日本人がどんどん貧乏になっていることではないのか。
取材が来るので金融庁の例の報告書を読んでみましたが、「高齢夫婦が退職後30年暮らしていくには、年金以外に約2000万円が必要」なんてどこにも書いてないですね。「平均的な高齢者世帯は収入20万円に対して支出25万円なので、足りない5万円を貯蓄から取り崩してますよ」という話ですね。
日銀は平時に異例の金融緩和を続けたために、有事になにもできなくなりました。マイナス金利でこれ以上の利下げはできず、円高でも円売り介入は不可能です。株価のさらなる下落が予想されるときに、日本株ETFを大規模に買い増すのは正常な人間のすることではありません。headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200312-
日本を代表する生命保険会社。テレワーク体制が整わず、家でメールが見られないため、社員は今日から隔日出社とか。社名は出しませんが、これまでさんざん「社会貢献」をうたってきてこれでは、絶望的な気持ちになります。
一部メディアの報道を見ていて感じるのは、けっきょくバッシングする相手を探しているだけではないか、ということです。なぜなら、自分たちの役割が「善が悪を叩く」という勧善懲悪のドラマを見せることだと思っているから。
順天堂大に対し「「女子はコミュ力高い」は非科学的」と批判されていますが、「女性は言語性知能が高く、男性は空間把握や論理性に優れる」という性差の研究は膨大にあります。これを「非科学」と否定すること自体が「非科学」では。問題は「言語性知能が高いとなぜ罰せられるのか」ということです。
日本の社会の特徴は合理性・専門性を憎んでいることで、それが「素人支配」の既得権層をつくっています。このことをずっといいつづけてきましたが、いますべてのひとがその現実を目にしています。
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「権力を批判する」というポーズさえとれば、なにをしても許されると思っているのか。
メディアのひとたちは、「こんなに感染者が増えてなぜオリンピックをやっているのか!」と怒ったあとで、「日本人選手がまた金! 日本スゴい!」と喜んでいて、なにかおかしいと思わないのだろうか?
クルーズ船の報道を見て「専門家はなにをしているのか」と思いましたが、1)厚労省が船内の惨状を知られるのを嫌って感染症の専門家の調査を拒んだ。2)それでも入った専門家は、一目で状況を理解したが、厚労省に忖度して沈黙した、ということのようです。よくわかりました。
一律10万円も、アベノマスクも、今回のGoToも、思いつきでやっている(ようにみえる)のがいちばんの問題では。民主党時代を「場当たり的」と批判して誕生した政権が7年やっても、いまだにEVPM(根拠に基づく政策)の基本すら根づいていないのが「日本人の不幸」なのでしょう。
不倫をした夫は妻に謝罪すればいいだけだと思うのだが、なぜ世間に謝罪しなければならないのか。さらに不思議なのは、その妻も世間に謝罪していること。これはなにかの儀式か、呪術宗教の類なのか。
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本来なら20代、30代の社会保険料を減額して手取り収入を増やし、その分を高齢者の世代内の所得移転で補うべきなのでしょうが、高齢者の反発を恐れて「言ってはいけない」とされています。
「認知を変えるより、環境を変えることが「合理的に成功する」考え方の基本だ」 「嫌われる勇気をもとう」というような「自分を変える戦略」はたいていうまくいきません。ほとんどの場合、嫌いなひとがいない環境に移るほうがずっと効果的です。
「持ち家か賃貸か」が熱心に議論されますが、超高齢社会では、最後は賃貸(サ高住や有料老人ホーム)になるケースが増えていきます。自分の親を見ていても思いますが、80歳過ぎて一戸建てを管理するのは限界があります。
円安で物価上昇が不可避になりましたが、この状況で政府・日銀がどうするかは思考実験として面白いです。現時点でも私の予想は、このまま超低金利を維持し(というか、金利を上げられないので)、円安とインフレを放置して、インフレ税によって「財政健全化」を果たそうとするです。
新型肺炎は「退職世代より現役世代」「公務員より民間」「正社員より非正規」をより深刻な経済的苦境に追い込んでいます。この事実を無視して「国民全員が経済的被害者」のように語るのは欺瞞です。
世の中がぎすぎすするいちばんの理由は、「相手を批判すれば反省して謝罪する」という勘違いにあるのではないか。この理屈では、強い言葉で批判すればするほど、相手はより深く反省するので、社会正義が実現しますが、現実にはぜんぜんそんなことにはなっていません。
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プログラムの初歩的な知識しかないのに大規模プロジェクトのマネジメントを任されたら、取引先や部下がなにをいっているかすらわからず、暴力的に部下を支配するか、うつになって出社拒否になるかしかないでしょう。こういう事例は、そこらじゅうで起きていると思います。
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これは特集にかかわった記者から直接聞きました。新聞社の「コア読者」は団塊の世代なので、彼らの既得権に触れるような記事はいっさい書けないのだそうです。団塊の世代は当時50代で「リストラ」不安が広がっていました。いまは70代で「年金不安」に変わりました。
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若いひとたちは、自分たちがこのような社会で生きていくことをちゃんと考えた方がいいです。
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「新聞記者」は赤木さんに取り入るため、「雅子さん、ガンバレ!」と小さな拳を振り上げる自分の2人の子どもの動画を送ってきた。「赤木さんは、心に冷え冷えとしたものが広がるのを感じたという。それも無理はない。これでは”あの幼稚園”の動画と一緒ではないか」