「合理的配慮」の実践例について・コロナ禍編(2)

「新型コロナウイルス感染症により、新たな「社会的障壁」が発生しております。」と前回記事では記しました。
今回は、新型コロナで生じている新たな「社会的障壁」について解説していきましょう。

結論から申しますと、「新しい生活様式」そのものが、新たな「社会的障壁」になっています。

例えば、ソーシャルディスタンスですが、発達障害の当事者としては、率直に申しますとどの程度まで間隔を開ければよいのかも判断できない場面があります。

加えて、以下のWebサイトに記載されていることも困りごとにあたります。

・千葉県 新しい生活様式のもとでの障害のある人への配慮について(https://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/rikaisokushin/atarashiiseikatuyousiki.html
・仙台市 皆さんに知ってほしい「新しい生活様式」における障害のある方の困りごと(https://www.city.sendai.jp/kenko-kikaku/komarigoto.html
・岐阜県大垣市 新しい生活様式で障がい者の方が困っていること(https://www.city.ogaki.lg.jp/0000030598.html

マスク着用についても、繰り返しになりますが、自分のような発達障害の場合には、体調を崩すリスクがあり、それが難しいという現実があります。
昨年の春あたりは我慢してマスクを着用していましたが、ここ半年はマスクを殆ど着用しないで生活しております。
マスク警察に注意される場面もありましたが、障害者手帳を提示したうえで理解を求め、最終的にはマスク警察にマスク着用しないことをご理解いただきました。
航空会社については、予約直後に連絡を取り、マスク着用できないことについて合理的配慮を求め、マスクなしでの搭乗を認めることについて、ご理解を頂いております。
最近は、無用なトラブルを防ぐために、ヘルプマークを身に着けております。

健康上、マスクができない場合には、周囲にためらわずマスクをしないことについて理解を求めることは、障害者差別解消法等の趣旨からして正しい行動であり、法律的には全く問題がありません。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中で、マスクについて配慮を求めることが法律的には正しい行動とはいえ、そのようなことが空気として難しい現状にありますし、ここ最近はマスクを着用していない人が非常に少なくなっていると感じています。

マスクの着用を求める前に、障害や健康上の理由などによって、そもそも着用に耐えられない人がいるという現実について、知ってほしいというのが切実な願いであります。
マスクをできない人が、まずは周囲にマスクをしないことについて配慮を求めることを、ためらわずできる環境にまずはなってほしいというのも、切実な願いです。

・厚生労働省 マスク等の着用が困難な状態にある発達障害のある方等への理解について(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14297.html
(令和3年7月16日)記事を修正しました。

この記事へのコメント