今度はさいたま市の地域協議会(令和3年度第1回さいたま市障害者の権利の擁護に関する委員会、令和3年6月開催)で、マスク事案が議題となっていますので、取り上げてみようと思います。
※さいたま市では「障害者の権利の擁護に関する委員会」が障害者差別解消法でいう地域協議会として位置付けております。自治体によっては、既存の障害者に関する協議会を、地域協議会として位置付けている例は多数あります。
本ブログで取り上げた事例に関しては、さいたま市の令和3年度第1回権利擁護委員会資料を併せてご覧ください。
さいたま市では、「コロナ禍において生じた困りごとについて」事例収集を行う取り組みを行いました。
その結果、障害当事者からは「マスク」に関する困りごとが複数挙がってきました。
(さいたま市 令和3年度第1回障害者の権利の擁護に関する委員会資料から引用。以下同じ。)
コロナ禍により、障害者には、新たな「社会的障壁」が生じているという現実があります。
聴覚障害の場合は、マスク着用でコミュニケーションに支障があるという声があります。
発達・知的障害の場合は、マスクの必要性を理解できない、着用できないだけでなく、逆に「マスク警察」になる事例もあるようです。
相手との関係性がこじれる要因になるため、障害者が「マスク警察」になるのも社会的障壁と言えます。
このように、一律にマスク着用を求めることは、そして社会的な同調圧力としてマスク着用を求めることに対し、障害者の社会参加を阻害する要因を作り出している現状があります。
更に、新型コロナワクチン接種を促進するため、「ワクチンパスポート」「ワクチン検査パッケージ」を日本国内においても導入する動きが出ております。
既に、一部においては、ワクチン接種者に割引や特典を提供する事業者も出ている状況にあります。
ワクチン接種者に割引や特典を与えることは、障害者の社会参加を促す目的である「障害者割引」とは本質的に異なるものであります。
「ワクチンパスポート」「ワクチン検査パッケージ」には絶対反対です。
マスク・ワクチンができないのが障害など健康上の理由であれば、マスク着用・ワクチン非接種に関してトラブルを起こしたときは、行政機関に躊躇なく相談するのは有効な手段と言えます。その相談事例は、「障害者差別解消支援地域協議会」において共有されることになります。
障害者差別解消支援地域協議会は、全ての都道府県・政令市で設置されている状況にあります。
マスク着用・ワクチン接種に関して、各地の障害者差別解消支援地域協議会で議題になれば、少なくとも障害者にはマスク着用・ワクチン接種を求めないという合意形成がなされる可能性も出てきます。
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