スマホには電卓機能があるため、自分自身で計算をするという機会は少なくなったのではないでしょうか。
そのため、小学校・中学校で学習した計算法則を忘れてしまっている方もいるかもしれません。
計算問題に挑戦し、忘れていないかどうか確認をしてみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
1.7+5.4÷(−0.9)
計算の順序、小数、負の数など、注意すべき点がいくつかあります。
正しい答えを求めることができるでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「−4.3」です。
また、途中の計算式は次のようになります。
1.7+5.4÷(−0.9)
=1.7+(−6)
=−4.3
計算のポイントを順に解説していきます。
計算の順序
四則(足し算・引き算・掛け算・割り算)が混じった計算の順序は、次のとおりです。
(1) 掛け算・割り算の計算
(2) 足し算・引き算の計算
つまり、今回の問題では、割り算の部分「5.4÷(−0.9)」を優先して計算しなければいけません。
割り算の計算
まず計算するのは「5.4÷(−0.9)」です。
負の数を含んだ割り算なので、符号と数をそれぞれ分けて考えましょう。
数だけを取り出すと「5.4÷0.9」です。
小数の割り算は、割る数・割られる数に同じ数をかけても計算結果は変わりません。
つまり、次のような計算が可能です。
5.4÷0.9
=54÷9 ←どちらの数にも10を掛けた
=6
次に符号を考えます。
割り算の中にある符号の組み合わせによって、答えの符号は次のように決まります。
(+)÷(+)=(+)
(+)÷(−)=(−)
(−)÷(+)=(−)
(−)÷(−)=(+)
今回の場合は、「(+)÷(−)=(−)」ですね。
以上をまとめると、「5.4÷(−0.9)」の計算は次の通りです。
数:5.4÷0.9=6
符号:(+)÷(−)=(−)
よって、「5.4÷(−0.9)=−6」となる。
足し算の計算
割り算を計算したことによって、元の式は「1.7+(−6)」となります。
小数の足し算・引き算では、小数点を揃えて計算をしましょう(割り算のように、各数に同じ数を掛けて計算するのは間違い)。
「−6」は整数なので、小数点が省略されていますが「−6.0」と考えることができます。
したがって、正負の大小関係に注意して計算すると、
1.7+(−6)
=1.7+(−6.0)
=−4.3
よって、今回の問題の答えは「−4.3」となります。
まとめ
今回の問題では、計算の順序、小数の計算を解説しました。
小数の計算は、割り算のとき、足し算のときで、それぞれ小数点の扱い方が異なります。
この問題で正しく理解をして、正しい答えを導けるようになりましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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