シャープは円安や政府の値引き規制の影響などから、2024年の夏商戦ではハイエンドモデルの投入を見送った。だが2024年10月末、ミドルクラスの「AQUOS sense9」に加え、ハイエンドのフラッグシップモデル「AQUOS R9 pro」を発表した。なぜこのタイミングで投入するのだろうか。
定番モデルに加え最上位モデルもサプライズ投入
米Apple(アップル)の「iPhone 16」シリーズが発売されたこともあり、秋・冬に向けたスマホ商戦が活発になりつつある。国内メーカーとしては大手となるシャープも、2024年10月29日にAQUOSブランドのスマホ新製品を発表した。
その1つが、シャープの主力となるミドルクラスの定番「AQUOS sense」シリーズの新機種AQUOS sense9である。ディスプレーやカメラといったベースの性能を強化しながらも、「AQUOS R9」から継承した「miyake design」監修の自由曲線を取り入れた新しいデザインを採用した。
さらに6色のカラーを用意し、様々なカラーの純正ケースと組み合わせられるようにするなど、デザイン面で楽しませる要素を積極的に取り入れた。
だが今回の発表で特に注目が集まったのは、もう1つの新機種AQUOS R9 proのほうだろう。これはドイツLeica Camera(ライカカメラ)が監修したカメラを搭載した、シャープの最上位に位置付けられるフラッグシップモデルの新機種だ。
AQUOS R9 proは、ライカカメラの「VARIO-SUMMICRON」というカメラシステムを採用。前機種の「AQUOS R8 pro」は背面のメインカメラが1つだけだったのに対し、AQUOS R9 proは標準・広角・望遠の3眼カメラを搭載。いずれも約5030万画素と画素数が高いイメージセンサーを備えている。
前機種のAQUOS R8 proは、1インチという大型イメージセンサーを搭載したカメラを用いて、0.6倍から6倍までの幅広いシーンをカバーする。それ故、等倍撮影時はセンサーの性能をフルに生かせない。また接写ではボケが強く生じやすくなるなど、大型センサーの弱点が見られる場合もある。
だがAQUOS R9 proは望遠カメラと、マクロ撮影にも対応する広角カメラを用意したことで、それぞれのシーンに適した撮影が可能となった。そして1インチセンサーを搭載した標準カメラは、その性能をフルに生かせるようになった。



















































