奥窪優木「列島エイリアンズ」

外免切替制度編(3)簡単すぎる切替試験の危うさ 日本経由での国際免許証も取得可能、都内の試験場に早朝から中国人の列

筆者は外免切替によって日本の運転免許を取得して以来、日常的に自動車を運転しているが幸いなことに無事故である。しかし、教習所に通うなり、一発試験に合格するなりして日本でイチから運転免許を取得する場合と比較すれば、外免切替試験の容易さは歴然としている。観光立国化や外国人労働者の受け入れといった政策が進められるなか、今後、外免切替で日本の免許を取得した運転者による交通事故が続発する可能性もある。

それは日本国内だけの話で済まない怖れもある。ジュネーブ条約の加盟国ではない中国などの運転免許証の持ち主が、日本の制度を利用し、同条約に基づく国際免許証も取得できるようになるからである。加盟各国で日本の免許証保有者による事故が頻発すれば、発行国の責任問題になりかねない。制度の再考が必要だ。 =この項おわり

外国人材の受け入れ拡大や訪日旅行ブームにより、急速に多国籍化が進むニッポン。外国人犯罪が増加する一方で、排外的な言説の横行など種々の摩擦も起きている。「多文化共生」は聞くも白々しく、欧米の移民国家のように「人種のるつぼ」の形成に向かう様子もない。むしろ日本の中に出自ごとの「異邦」が無数に形成され、それぞれがその境界の中で生きているイメージだ。しかしそれは日本人も同じこと。境界の向こうでは、われわれもまた異邦人(エイリアンズ)なのだ。

■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。

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