ハイエース大量窃盗　110台超、容疑で4人逮捕　被害１億円　茨城県警など合同捜査班

11/8(金) 9:00配信

解体に使われていたとみられるヤード(茨城県警提供)

茨城、千葉両県警の合同捜査班は7日、トヨタ「ハイエース」など貨物自動車を盗んだとして、潮来市、中古自動車販売業、被告の男(56)=窃盗罪で起訴=らスリランカ国籍の男4人を逮捕、送検し、捜査を終えたと発表した。茨城など関東5県で110台以上、計約1億円の被害があったとみている。逮捕、送検容疑は、2022年12月18日～24年5月17日ごろ、茨城、千葉、群馬、埼玉、栃木の5県で、ハイエースやいすゞ「エルフ」など貨物自動車を盗んだ疑い。被告の男は容疑を否認している。茨城県警の行方、土浦、神栖、水戸の4署と同県警捜査3課など捜査班によると、同県内では土浦市や稲敷市を中心に、18市町で犯行を繰り返していた。被告の男が地域や車種を選んで指示し、ほかの3人が実行役となって見張り、解体など役割を分担していたという。 4人は知人関係で、民家やホテル、会社の駐車場などから夜間盗んだ車を茨城県内のヤードに持ち込んで解体し、エンジンなど部品を国内の業者に販売していた。

茨城新聞社

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前田恒彦: 元特捜部主任検事

解説茨城など関東5県で110台以上、計約1億円の被害があったとされる事件ですが、容疑を否認しており、最終的に何件、何台分の窃盗事件が客観的に裏付けられ、起訴できるのか、有罪としてもどの程度の量刑になるのかが重要です。ハイエースは国内外で人気の高い車種だけに狙われやすく、2017年にも日本人を中心とした窃盗団が関東圏における555件、343台、被害総額約4億9千万円の窃盗事件で立件されています。簡単には尻尾を掴めないので、警察が全国で初めて裁判所の令状を取得し、関係者らの車にGPS端末を取り付けて足取りを捜査するといった手法をとりました。しかし、主犯格の男は車両窃盗については解体や密輸出されず現物が残っていた4台分＋未遂1台分で起訴されるにとどまっています。裁判所の量刑は懲役10年の実刑でしたが、これは覚醒剤の営利所持などでも併せて有罪となったからでした。