虎番疾風録第3章

(33)カミソリ、ゴキブリ、ネズミの死骸…

 心ないファンの嫌がらせは度を越えていた。無言電話、脅迫電話、カミソリが仕込まれた封筒、ゴキブリの入った手紙、そしてネズミの死骸の入った小包まで…。家族の身の危険を感じた夫人は、ブレイザーに「すぐに帰国しましょう」と強硬に迫ったという。これが退団の真相だった。

 「どうしても辞任を止められなかった…」。ブレイザー家族を窮地に追い込んだその責任の一端は当然、マスコミにもあった。

     =敬称略   (田所龍一)

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