誰もが知っているような、お金持ちの女性Ａ様にお会いした。そんな人が私の記事を読んでくれているだなんてと、緊張した。お金だけではなく、精神的にもとても豊かに見えた。Ａ様は言った。昔は全然違ったんですよ。お金はあっても、心は全然幸せじゃなかった。いろいろな場所に行ったし、いろいろなものを食べたけれど、なんだ、こんなものなんだって思ったら、飽きてしまった。だけど、ある男の人と出会ってから、世界が一変したんです。Ａ様は、そのようなことを言った。

怪しげな宗教にはまったとか、ロマンス詐欺に遭ったとか、そういうことではないのです。お金があると、騙そうとしてくる人も増えるから、そういう人たちへの警戒心は持っているつもりです。だけど、その人とは、お金とは全然違うところで仲良くなった。最初はとてもびっくりした。何か特別なことをしなくても、ただ、一緒にいるだけで心が満たされた。趣味も合うし、いつまでも話していられるし、こんなに話していられる人が世界にいたんだってびっくりした。これまでは、人と話しても「一人になりたいな」って思うことが多かったけど、一人になりたいと思わない。永遠に一緒にいられる人がいたことに、驚きました。

Ａ様は言った。行きたい場所には行き尽くした、やりたいことはやり尽くしたと思っていたけど、男の人と出会ってから、行きたい場所が増えた。やりたいことが増えた。飽きたと思っていた世界が輝きを持ち始めて、あれもやろう、これもやろう、ここに行こう、そこに行こうって、やりたいことがあふれてくる。自分の好きなことがあふれてくる。無理やり行こうとは思わない。何かをしている時間も幸せだけど、何もしていない時間も幸せを感じる。いろいろな場所に行くと、いろいろなアイデアも浮かんでくるから、それが仕事になることもある。だけど、仕事のために行くんじゃなくて、遊ぶため、楽しむために生きている。

社交界との繋がりも絶った。本当に乗り気になったものだけには顔を出して、あとはゆっくりしている。なにかに繋げなきゃとか、なにかに活かさなきゃとか、そういうことを思わなくなった。これまでキャンプなんてしたことがなかったし、興味をもったこともなかったのだけれど、その男と人と出会ってから、新しい世界にも興味を持てるようになった。運動なんて全然していなかったけど、歩くようになったし、走るようになったし、体調もどんどんよくなった。エステの代わりに、ジムに行くようになった。久しぶりに友達に会うと、若くなったねとか、綺麗になったねとか、びっくりされる。退屈をしていないからだと思う。

Ａ様に、理想的な歳の重ね方を感じた。アンチエイジングとは違う、ビューティーフルエイジングを感じた。若造りとは違う、内面からあふれ出す若さを感じた。こんな風に歳を重ねることができるのかと、感動した。希望をもらった気がした。やりたいことはやり尽くした、行きたい場所には行き尽くした、生きることに退屈を感じていた状態でも、誰かとの出会いが世界の見え方を一変させて、キラキラと輝かせることがある。一人ではできないことも、誰かとならできる。一人では行けない場所にも、誰かとなら行ける。誰といるかで、時間も、空間も、どんな風にも形を変える。人と人が出会う喜びは、そこにあるのだと思う。だから、諦めてはいけないのだと思う。諦めているように見える人も、諦め切ることなんてできないのだと思う。だから、本を読んだり、ネットを見たり、外の世界に触れようとするのだと思う。魂の構造上、諦めることはできないのだと思う。