捏造報道から偽・誤情報対策へ~NHKの欺瞞をたどる旅
去年の4月にクロ現に出て捏造報道されたことが、すべての始まりでした。すったもんだの末に同番組で「お詫び」があってから、もうすぐ1年になります。そのあいだに業界内外のたくさんの人からさまざまなことを教わって、私の問題意識も変化していきました。今日はそのことを書いてみようと思います。
繰り返される不祥事
よりによって公共放送の職員がなぜそんな悪行を働くのか? 組織ぐるみでもみ消そうとするのか? というのが、最初の疑問でした。どうやらそれはNHK
に限ったことではない、マスコミ業界全体でよくあることだと、私はほどなく知ることになります。この1年間だけでも、表沙汰になったマスコミの不正・不祥事は数えきれないほどで、それが原因で命を落とす人さえいました。
同じような悲劇が何度も繰り返されているのを見るたびに、やりきれない気持ちがします。私のように取材に協力してひどい目にあわされる人は、後を絶ちません。どうしたら被害がなくせるのか、考えてみようと思いました。そのためには、何が原因なのかを知らなければなりません。
うっかりミスや連絡不行き届き、確認不足、準備不足、コミュニケーションの欠如、認識の違いなどなど、マスコミが問題を起こした時に公表される報告書のたぐいには、判で押したようにそういった言葉が並んでいます。たしかに、これらの不備が原因の一端ではあるのでしょう。ただ、主な要因とは思えない。少なくとも私のケースでは、そういった不作為では説明がつかないことが多々ありました。他の多くの事例でも同様だと思います。
問題の本質はそこにはない。真の原因は、それらの不作為ではないのです。諸悪の根源は何かと言えば、マスコミの「体質」としか言いようがない。だから厄介なのです。
諸悪の根源は「体質」
マスメディアの体質には虚偽・捏造を生む土壌があるのです。誤報・虚報を出しても、非を認めて謝ることを頑として拒否しますが、過ちを犯したとは思っていないのかもしれません。彼らにとっては虚偽・捏造も歪曲も、人権侵害や名誉棄損ですら、「通常運転」なのでしょう。
マスコミの世界には、世間一般の常識では測れない独自ルールがあるようです。逆さまの世界とでも言えばいいでしょうか。世間では悪とされることがその世界では善とされ、逆もまたしかりなのです。業界の人とまったく話がかみ合わないことがあるのは(NHKの人たちがそうでした)、彼らが逆さまの世界に住んでいるからなのです。
そしてそのルールこそ、マスコミ業界を成り立たせている原理です。私は岩盤のような鉄壁のルールにぶち当たって右往左往しました。ちょっとやそっとで岩盤が崩れないことは、旧ジャニーズ事務所問題などを見ればわかります。
長年にわたり業界に共通する「体質」ですから、これを変えることは絶望的に難しいでしょうね。それでも変えていこうと尽力している方々には、深い尊敬の念を抱いています。
私が当初考えていたのはしごく単純なアプローチでした。取材される側に対しては、「捏造報道に気を付けましょう、取材を受けるときはこういうことに注意して」と注意喚起し、取材する側には被取材者への配慮を促すというものでした。ところがこれではまったくお話しにならないと、徐々にわかってきたのです。マスコミの独自ルール、非常識な常識があまりに強固だからです。
NHKが偽・誤情報を駆逐?
報道被害にフォーカスしても報道被害はなくならない。どうしたらいいのだろう?と考えあぐねているうちに、NHKに新たな動きが出てきました。
なんと、ウソ偽りの情報発信をし続けているNHKが、満を持してネットに本格進出するというのです。そして、公共放送の役割としてネットの世界の「参照点」となり、SNSのフェイク情報を駆逐するという意気込みを明らかにしています。ネット上の偽情報・誤情報を「ファクトチェック」するなどと言い出す始末。
聞き捨てならない話です。取材協力者や視聴者を今まで騙してきたNHKがですよ、いかにも自分たちは正しく、SNSはインチキで誹謗中傷うずまく不健全な場であるとばかりに、偉そうな顔で口を出してくる。冗談じゃないよと思いませんか?
NHKのこのような動きは、国の政策と連動するものです。偽・誤情報対策と銘打って、政府はSNSの規制を強める姿勢を打ち出しています。こうした動きを、私は一般ユーザーとしても報道被害者としても、かなり警戒しています。
こうして自分の被害体験やそれについての考えを他の人に読んでもらえるのも、SNSがあるから可能なのです。規制が強化されたら、私のような「告発者」は公けにモノを言う場を失ってしまうかもしれません。NHKをインチキだと訴えたら、逆に私がインチキ呼ばわりされてしまうおそれだってある。由々しき事態です。
そんなわけで、ここ最近は、NHKが一枚かんでいる「偽・誤情報対策」と「ファクトチェック」の問題に関心が移っています。この問題はいろんな要素が絡んでいて、複雑怪奇で、とても難解なんですよね。ハッキリ言って素人の手には余るのですが、これを解きほぐせば見えてくるものがありそうな気がします。
NHKに捏造報道されたのをきっかけに、思いがけないところまで来てしまった感がありますが、まだまだ疑問を追究する旅は続きます。皆様お付き合いいただけると幸いです。
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コメント
2放射能もコロナワクチンも「安全」こそ正しい情報とされ、被害報道は「偽科学」とされますからね。
検閲なんて、大日本帝国時代からの情報統制と、何ら変わりありません😰
ですよね。偽・誤情報対策という名の言論統制が着々と進んでいるのです。