施設利用者に睡眠薬、元看護師に有罪判決 職場内での不遇感が動機

上保晃平
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 看護師として勤務していた介護施設で利用者4人に睡眠薬を飲ませたなどとして、傷害罪などに問われた北海道登別市、無職渡辺裕一被告(36)の判決が7日、札幌地裁室蘭支部であり、守屋尚志裁判官は懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役2年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、渡辺被告は5月、同市内のデイサービス施設で、76~81歳の利用者4人に睡眠薬を渡して飲ませ、数時間の意識障害に陥らせた。

 地裁は、職場内で不遇感を抱いた渡辺被告が、他の職員に利用者の体調急変への危機感を持たせ、看護師である自身の価値をわからせようとしたと指摘。自らの意に沿うような環境を作り出すため、身勝手な犯行に及んだとした。その上で、「結果は決して重いものではないが、高齢の利用者が転倒する危険もあった」と量刑を判断した。

 3月に事故を起こし、2人にけがをさせた自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の罪についても有罪とした。(上保晃平)

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この記事を書いた人
上保晃平
北海道報道センター|事件・司法担当
専門・関心分野
人権、社会保障、障老病異