赤城乳業は今春、人気アイスバー「ガリガリ君」シリーズの定番商品「ガリガリ君ソーダ」を約20年ぶりにリニューアルした。従来と比べ、素材の「純氷」を粗く削って大きい氷の割合を増やし、後味をよりさわやかにした。SNS(交流サイト)などで話題となるフレーバーも増やし、国産米を使用した原料を配合した新商品「大人なガリガリ君お米のソーダ」を今月11日に発売する。発売から40年超が経過し、年間4億本以上を売り上げる国民的アイスは「原点」の氷にこだわりながら、挑戦を続ける。
消費者とのギャップ認識、より後味がさわやかに
ガリガリ君は、ゆっくりと時間をかけて凍結させた不純物のない純氷を削り、シロップと混ぜ合わせてアイスの中に詰めた商品。純氷は溶けにくく口の中に残り、ガリガリとした食感とさわやかな後味が楽しめる。
パッケージに描かれる坊主頭で口が大きいキャラクターのガリガリ君は、赤城乳業の本社と工場がある埼玉県深谷市に住む小学生という設定。姉には「シャキ子さん」、妹には「ガリ子ちゃん」、いとこに「ソフト君」がおり、ファンの間ではすっかりおなじみとなっている。
2回目となるリニューアルを行ったのは今年3月中旬。きっかけとなったのは昨年6月にガリガリ君について行った消費者調査だ。「夏、仕事終わり、風呂上がりのクールダウンやリフレッシュに最適」などの好意的な声が寄せられる一方、半数以上が「味の付いた氷を固めた商品」と誤解している実態が浮き彫りになった。
「素材・製法のこだわりが十分に理解されておらず、ギャップを認識した。氷の大きさを最適化して、食感を含めて一番おいしいものに仕上げました」。マーケティング部課長の岡本秀幸氏はこう語る。希望小売価格は従来と同じく76円。今回のリニューアルに伴い、主要都市で計10万本超を配る無料サンプリングも始めた。
発売当初は「中学3年のガキ大将」
赤城乳業は、井上創太社長の曾祖父・徳四郎氏が昭和6(1931)年に創業した天然氷販売店を前身とし、36年に設立。54年の第2次オイルショック時に主力商品のカップ入りかき氷「赤城しぐれ」を値上げしたところ、売り上げが低迷し、経営危機に直面した。この厳しい状況を打開するため、56年に発売したのがガリガリ君だった。
コンセプトは「子供が外で遊びながら片手で食べられるかき氷」。キャラクターのガリガリ君は発売当初は小学生ではなく、「中学3年生のガキ大将」という設定だった。絵が上手な社員が手掛けたパッケージでは歯茎がむき出しの怖い形相をしていた。
ターニングポイントとなったのは平成12(2000)年。楽器を使ったお笑いグループ「ポカスカジャン」が「♪ガーリガーリ君」というフレーズを連呼する楽曲に合わせて、ガリガリ君がコミカルに動くアニメ映像を使ったテレビCMが視聴者に強烈なインパクトを与え、年間売り上げは1憶本を突破した。
語り継がれる「衝撃三部作」
ガリガリ君シリーズはこれまでに160種類以上のフレーバーを展開。消費者の度肝を抜く〝珍味〟を提供してきた。
平成24年に発売した「ガリガリ君リッチ」のコーンポタージュ味は、温かい食べ物を冷たくするという斬新なアイデアがSNSなどで話題となり、大ヒット。発売から3日で想定よりも売れ、休売になるほどの反響を呼んだ。
岡本氏は「ガリガリ君は複数人でワイワイ楽しむときに食べる商品。コミュニケーションツールの一つなんです。駄菓子屋のイメージがぴったりだと思った」と振り返る。
駄菓子屋でコーンポタージュ味のスナック菓子が売れているという調査結果や、テレビ番組の罰ゲームで、じゃんけんで負けたお笑い芸人が夏の暑い時期にコーンポタージュを買ってきて、「おいしい」と好反応を得ているのを見たことが開発のヒントになったという。
コーンポタージュ味にシチュー味(25年)、ナポリタン味(26年)を加えた「衝撃三部作」は現在もアイス好きの間で語り継がれる。
BMX中村選手とも共演
今月11日発売の「大人なガリガリ君お米のソーダ」は、米や豆乳など植物性原料にこだわって仕上げたまろやかな味わいとソーダのさわやかな風味を融合させた。希望小売価格は119円だ。
発売に先立ち、カシオ計算機の衝撃に強い腕時計ブランド「GーSHOCK(ジーショック)」がスポンサーを務める自転車BMXフリースタイルの中村輪夢(りむ)選手と、キャラクターのガリガリ君が共演したウェブ動画が今月4日から「ユーチューブ」で公開された。GーSHOCKを装着して軽快にダンスを踊り、BMXに挑戦するガリガリ君の雄姿がみられる。
発売当初から見た目はかわいらしく変身しても、攻めの姿勢を忘れないガリガリ君。今後どう〝大暴れ〟するか注目される。(宇野貴文)
◇
4月8日以降のガリガリ君ソーダのリニューアルに伴う無料サンプリングの実施場所と配布予定本数は以下の通り。各日午前10時から始まり、無くなり次第終了。
4月
8、9日 ふかや花園プレミアム・アウトレット(埼玉県深谷市) 1万5000本
15、16日 新所沢PARCO(埼玉県所沢市) 7000本
22、23日 広島PARCO(広島市) 1万本
29、30日 心斎橋PARCO(大阪市) 2万本
5月
3、4日 仙台PARCO(仙台市) 1万本
6、7日 札幌PARCO(札幌市) 1万本
20、21日 静岡PARCO(静岡市) 7000本