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2020/1/1 5:24
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「木幡の時雨」の一節の二つを現代語訳をおねがいします。 一つ目 尼上は、奥の方に入り給へば、人々はそのまま臥しぬ。君はやをら遣り戸押し開けて、しのびやかに添ひ臥し給へば、女いとあさましう、あきれ惑ひ給へる
「木幡の時雨」の一節の二つを現代語訳をおねがいします。 一つ目 尼上は、奥の方に入り給へば、人々はそのまま臥しぬ。君はやをら遣り戸押し開けて、しのびやかに添ひ臥し給へば、女いとあさましう、あきれ惑ひ給へる 有り様、いとわかくうつくうつくしげなり。「ことわりとは思えども、かうまで思しさわぐべきことかは。これもしかるべき前の世の契りにこそはと思し慰めよ。さのみかく恐ろしがるべきことかは」とて、行く末遠き御契りをのたまひ知らされど、ただいまあはれともなにか覚えん、あさましく恥づかしく、恐ろしきものに思し泣き給ふなかにも、「母上の漏れ聞き給ひて、いかばかりあはつけきことと諫め給はん」と思ふぞ、いとかなしきや。 二つ目 いとうつくしう若やかに、にほひ・愛敬こぼるるばかりにて、うちとけ、なぐさめ語らひ給ふが、いとようあひて、さし並べ奉りて見るかひあるべきに、「いかになり果つべきことにか」と女君はいと臥ししづみ、泣き給ふに、「誰そ。名乗りこそゆかしけれ」と責め聞こえ給へど、「母上の御心のつらきに、心長く見え奉らぬこともや」と思ふもさすがなりけり。
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